陰陽いんよう家か

陰陽いんよう家か（いんようか）は、古代こだい中国ちゅうごく戦国せんごく時代じだいを中心ちゅうしんに活動かつどうした諸子しょし百ひゃく家いえの一派いっぱ。主おもな人物じんぶつに鄒衍（騶衍）がいる。陰陽いんよう五ご行ぎょう思想しそうを発展はってんさせ王朝おうちょう交替こうたい説せつ（五徳ごとく終始しゅうし説せつ）などを説といた。現存げんそんする文献ぶんけんが乏とぼしいため、実態じったいは不明ふめいな点てんが多おおい。

概要がいよう

陰陽いんよう五ご行ぎょう思想しそう（陰陽いんよう思想しそうと五ご行ぎょう思想しそう）により天地てんち自然しぜんの法則ほうそく性せいを知しり、人間にんげんの吉凶きっきょう禍福かふくを予知よちした。とくに五徳ごとく終始しゅうし説せつという王朝おうちょう交替こうたい説せつを提唱ていしょうした。

陰陽いんよう五ご行ぎょう思想しそうそのものは、陰陽いんよう家かより前まえの殷いん代だいからあり、儒家じゅかの『易えき経けい』『書しょ経けい』や、一般いっぱんの占うらない（術数じゅっすう）にも使つかわれていた。後のちには『呂りょ氏し春秋しゅんじゅう』『管かん子こ』『春秋しゅんじゅう繁しげる露ろ』、讖緯思想しそうや道教どうきょう、日本にっぽんの陰陽いんよう寮りょうなどにも使つかわれた。

「陰陽いんよう家か」という学派がくは区分くぶんは、戦国せんごく時代じだい当時とうじには無なく、漢かん代だいの司馬しば談だん『論ろん六ろく家いえ要旨ようし』や、班はん固かた『漢書かんしょ』芸文げいぶん志こころざしが後ご付ふした区分くぶんである。『漢書かんしょ』芸文げいぶん志こころざしでは、鄒衍とその後継こうけい者しゃの鄒奭のほか、公孫こうそん発はつ（公孫こうそん發はつ）、秦はた漢かんの張ちょう蒼あおらが「陰陽いんよう家か」とみなされ、『鄒子』などの書名しょめいが記録きろくされているが、断片だんぺん的てきにしか現存げんそんしない。

鄒衍・鄒奭の学説がくせつはそれぞれ壮大そうだい・流麗りゅうれいだったとされ、「談だん天てん雕龍」という成句せいくになっている。

新出にいで文献ぶんけんとして、北大ほくだい漢かん簡『陰陽いんよう家か言げん』（2015年ねん公刊こうかん、書名しょめいは仮称かしょう）などがある。

思想しそう

「鄒衍#学説がくせつ」を参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく

• 兵家へいか#兵へい陰陽いんよう家か
• 五ご行ぎょう (文献ぶんけん)