電子でんしマネー

電子でんしマネー（でんしマネー）とは、非ひ接触せっしょくICカードを活用かつようした日本にっぽんの決済けっさいの形態けいたいの一種いっしゅである。

概要がいよう

Suicaや楽天らくてんEdyに代表だいひょうされる非ひ接触せっしょくICカードによる電子でんし決済けっさい手段しゅだんの一種いっしゅである。取引とりひきごとに決済けっさい情報じょうほうをやりとりするクレジットカードとは異ことなり、あらかじめ現金げんきんや預金よきんと引換ひきかえに電子でんし的てき貨幣かへい価値かちを引ひき落おとしておき、経済けいざい活動かつどうの際さいに同どう貨幣かへい価値かちのやりとりを通つうじて代価だいかを支払しはらうストアドバリュー型がたとなる^[1]。

電子でんしマネーとICプリペイドカードの語句ごくの違ちがいは曖昧あいまいである。ただし電子でんしマネーには後払あとばらい式しきのものもある^[2]。

英語えいごの区分くぶんは以下いかの通とおり。

electronic money - 「電子でんしマネー」の直訳ちょくやくに当あたるが指さすものは全まったく別べつ概念がいねんであり、紙幣しへいや硬貨こうかを持もたないデジタル通貨つうか、暗号あんごう通貨つうかのビットコインや中央ちゅうおう銀行ぎんこう発行はっこうデジタル通貨つうかなどの新あたらしい形態けいたいの電子でんし的てきなマネタリーシステム（monetary system）を意味いみする。
electronic payment - 電子でんし決済けっさい。クレジットカードやデビットカード（「電子でんしマネー」より歴史れきしは古ふるい）、ペイパルなど。
stored value card - プリペイドカード。
- smart card for making electronic payments - ICカード。
mobile payment - モバイル決済けっさい。
contactless - カードでもモバイルでも非ひ接触せっしょく型がた（決済けっさい）を指さす。

代表だいひょう例れい

詳細しょうさいは「交通こうつう系けいICカード#日本にっぽんのICカード乗車じょうしゃ券けん」および「Category:電子でんしマネー」を参照さんしょう

日本にっぽんでは原則げんそくとして、金券きんけんやプリペイドカード等ひとしと同様どうように、資金しきん決済けっさいに関かんする法律ほうりつが適用てきようされる。通信つうしん手段しゅだんを用もちいるサーバー型がたの電子でんしマネーも規制きせいの対象たいしょうである。

交通こうつう系けい電子でんしマネーは電子でんしマネーと交通こうつう機関きかん乗車じょうしゃカードを兼かねる。交通こうつう機関きかん定期ていき券けんとしての単独たんどく利用りようや記念きねんカードも含ふくまれるため他たと単純たんじゅん比較ひかくはできない。

大半たいはんがFeliCa規格きかくである。2000年代ねんだいまでは日本にっぽん国内こくないでICカードといえばもっぱらFeliCaを指さし、海外かいがいの電子でんし決済けっさいで普及ふきゅうしていたNFC TypeA/Bは読よみ取とり機きもあまり存在そんざいしなかった^[3]。（ガラパゴス化か#非ひ接触せっしょくICカードも参照さんしょう）

FeliCaを使用しようしていても、物理ぶつり的てきな互換ごかん性せいはあるが、交通こうつう系けいICカードを除のぞくとシステムの互換ごかん性せいは図はかられていない事ことが多おおい。

2022年ねんの発行はっこう枚数まいすう・会員かいいん数すう（少額しょうがく決済けっさい方式ほうしき）

^[4]

前払まえばらい専業せんぎょう楽天らくてんEdy：1億おく4,840万まん枚まい（6.8％）
前払まえばらい流通りゅうつう系けい WAON：9,281万まん枚まい（5.4％）
前払まえばらい交通こうつう系けい Suica：8,926万まん枚まい（5.0％）
前払まえばらい流通りゅうつう系けい nanaco：7,620万まん枚まい（3.4％）
後払あとばらいクレカ iD：4,626万まん枚まい（△0.9％）
前払まえばらい交通こうつう系けい PASMO：4,121万まん枚まい（2.4％）
前払まえばらい交通こうつう系けい ICOCA：2,667万まん枚まい（5.9％）
後払あとばらいクレカ QUICPay：2,255.4万まん枚まい（21.2％）
前払まえばらい流通りゅうつう系けい majica：1,763万まん枚まい（22.4%）
前払まえばらい交通こうつう系けい manaca：817.9万まん枚まい（7.1％）
前払まえばらい交通こうつう系けい nimoca：486万まん枚まい（5.4％）
前払まえばらい交通こうつう系けい SUGOCA：370万まん枚まい（6.8％）
前払まえばらい交通こうつう系けい TOICA：346万まん枚まい（5.8％）
後払あとばらい交通こうつう系けい PiTaPa：333万まん枚まい（△0.8％）
前払まえばらい交通こうつう系けい Kitaca：196万まん枚まい（6.5％）
前払まえばらい交通こうつう系けいはやかけん：176万まん枚まい（6.6％）

※カッコ内ないは前年ぜんねん同月どうげつ比ひ。

有効ゆうこう期限きげんを設定せっていしているものがある。すなわち、現金げんきんをチャージするなどして電子でんしマネー化かしても、その後ご利用りようせずに一定いっていの期間きかんを経過けいかするとその価値かちが滅失めっしつすると言いうことである。参考さんこうまでに、民法みんぽうにおける債権さいけんの消滅しょうめつ時効じこうは10年間ねんかんである。

出典しゅってん

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ 総務そうむ省しょう｜平成へいせい27年版ねんばん情報じょうほう通信つうしん白書はくしょ｜電子でんしマネーの普及ふきゅう、2021年ねん07月がつ07日にち閲覧えつらん。
^ 電子でんしマネーとは？プリペイドカードと電子でんしマネーはどう違ちがう？｜プリペイドカードなら三井みつい住友すみともVISAカード
^ https://www.jtua.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/202003_01cashless.pdf
^ 『月刊げっかん消費しょうひ者しゃ信用しんよう（2022年ねん9月がつ号ごう）』金融きんゆう財政ざいせい事情じじょう研究けんきゅう会かい、2022年ねん、35頁ぺーじ。

参考さんこう文献ぶんけん

David Chaum, "Blind Signatures for Untraceable Payments", Advances in Cryptology: Proceedings of CRYPTO '82, pp.199-203, 1982.
日本銀行にっぽんぎんこう決済けっさい機構きこう局きょく、決済けっさいシステム等とうに関かんする調査ちょうさ論文ろんぶん最近さいきんの電子でんしマネーの動向どうこうについて、2008年ねん8月がつ

外部がいぶリンク

電子でんしマネーカード普及ふきゅう（2007年ねん） - NHK放送ほうそう史し
電子でんしマネーのしくみ - NHK for School
ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん小しょう項目こうもく事典じてん『電子でんしマネー』 - コトバンク

[soumushou-1] 総務そうむ省しょう｜平成へいせい27年版ねんばん情報じょうほう通信つうしん白書はくしょ｜電子でんしマネーの普及ふきゅう、2021年ねん07月がつ07日にち閲覧えつらん。

[2] 電子でんしマネーとは？プリペイドカードと電子でんしマネーはどう違ちがう？｜プリペイドカードなら三井みつい住友すみともVISAカード

[3] ttps://www.jtua.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/202003_01cashless.pdf

[4] 『月刊げっかん消費しょうひ者しゃ信用しんよう（2022年ねん9月がつ号ごう）』金融きんゆう財政ざいせい事情じじょう研究けんきゅう会かい、2022年ねん、35頁ぺーじ。

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