燃料 ねんりょう 電池 でんち の概念 がいねん 図 ず 。非 ひ 大気 たいき 依存 いぞん 推進 すいしん (ひたいきいぞんすいしん、英 えい : Air-Independent Propulsion, AIP )は、内燃 ないねん 機関 きかん (ディーゼル機関 きかん )の作動 さどう に必要 ひつよう な大気 たいき 中 なか の酸素 さんそ を取 と り込 こ むために浮上 ふじょう もしくはシュノーケル 航 こう 走 はし をせずに潜水 せんすい 艦 かん を潜航 せんこう させることを可能 かのう にする技術 ぎじゅつ の総称 そうしょう 。ただし、通常 つうじょう は原子力 げんしりょく 潜水 せんすい 艦 かん で利用 りよう される核 かく 動力 どうりょく を含 ふく まず、非核 ひかく 動力 どうりょく 艦 かん のディーゼル・エレクトリック機関 きかん を補助 ほじょ ・補完 ほかん する技術 ぎじゅつ を指 さ す。
AIPは通常 つうじょう 、補助 ほじょ 動力 どうりょく として用 もち いられる。多 おお くのAIPシステムは、電動 でんどう 推進 すいしん 器 き を駆動 くどう したり、潜水 せんすい 艦 かん の蓄電池 ちくでんち を充電 じゅうでん するための発電 はつでん を行 おこな う。潜水 せんすい 艦 かん の電気 でんき 系 けい はいわゆる「ホテル・サーヴィス」(hotel services、すなわち換気 かんき ・空気 くうき 浄化 じょうか ・照明 しょうめい ・空調 くうちょう など艦内 かんない 居住 きょじゅう 環境 かんきょう の維持 いじ )のためにも用 もち いられるが、推進 すいしん に用 もち いられるものに比 くら べればわずかな量 りょう である。
AIP機関 きかん は、既存 きそん の潜水 せんすい 艦 かん であっても充分 じゅうぶん なサイズさえあれば、船 ふね 殻 から に追加 ついか の区画 くかく を挿入 そうにゅう することによって、能力 のうりょく 向上 こうじょう 策 さく として導入 どうにゅう することができる。AIPは通常 つうじょう 、大気 たいき 依存 いぞん 型 がた 推進 すいしん を代替 だいたい するほどの航続力 こうぞくりょく や出力 しゅつりょく をもたない。しかし、在来 ざいらい 型 がた の潜水 せんすい 艦 かん よりも長期 ちょうき にわたる連続 れんぞく 潜航 せんこう を可能 かのう にする。とはいえ、典型 てんけい 的 てき な在来 ざいらい 型 がた の動力 どうりょく 機関 きかん は、最大 さいだい で3M W の出力 しゅつりょく を持 も ち、核 かく 動力 どうりょく であれば20MWを超 こ えるものすらあるが、AIPではよくてもその10分 ぶん の1程度 ていど 、通常 つうじょう は数 すう 百 ひゃく kW程度 ていど の出力 しゅつりょく にとどまる。
古 ふる くは1867年 ねん にスペインのナルシス・ムントリオル が亜鉛 あえん 、二酸化 にさんか マンガン 、塩素 えんそ 酸 さん カリウム の化合 かごう 熱 ねつ でレシプロ式 しき 蒸気 じょうき 機関 きかん を動 うご かし、潜水 せんすい 艇 てい イクティネオII をテスト航行 こうこう させることに成功 せいこう している。また、帝政 ていせい ロシアでは先進 せんしん 的 てき なAIP式 しき 潜水 せんすい 艦 かん の研究 けんきゅう が行 おこな われていたが、第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん と革命 かくめい の混乱 こんらん の中 なか で研究 けんきゅう は途絶 とぜつ してしまった。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか 、ドイツ はヘルムート・ヴァルター 博士 はかせ の指導 しどう 下 か で、潜航 せんこう 中 ちゅう の潜水 せんすい 艦 かん の酸素 さんそ 源 げん として過酸化水素 かさんかすいそ を用 もち いる研究 けんきゅう を行 おこな っていた。ここから転 てん じて、過酸化水素 かさんかすいそ から得 え られる酸素 さんそ によって内燃 ないねん 機関 きかん を作動 さどう させ、潜水 せんすい 艦 かん の水中 すいちゅう 動力 どうりょく とするアイディアが案出 あんしゅつ された。これは後 のち に開発 かいはつ 者 しゃ の名 な にちなんでヴァルター機関 きかん と呼 よ ばれるようになる、AIPのはしりというべきものであった。ヴァルター機関 きかん は、過酸化水素 かさんかすいそ を過 か マンガン酸 さん カリウム触媒 しょくばい で分解 ぶんかい して得 え られた酸素 さんそ を含 ふく む水蒸気 すいじょうき によってディーゼル燃料 ねんりょう を燃焼 ねんしょう させて加熱 かねつ した蒸気 じょうき を用 もち いる閉サイクル蒸気 じょうき タービン 機関 きかん である。
ヴァルター機関 きかん を用 もち いた潜水 せんすい 艦 かん も数 すう 隻 せき ながら建造 けんぞう された。その中 なか の1隻 せき 、XVIIB型 がた U1407は、戦後 せんご になってからサルベージ され、イギリス海軍 かいぐん でHMS メテオライト として再 さい 就役 しゅうえき した。イギリス海軍 かいぐん は、潜水 せんすい 艦 かん の水中 すいちゅう での動力 どうりょく 源 げん として、核 かく 動力 どうりょく 機関 きかん ではなくヴァルター機関 きかん の開発 かいはつ に注力 ちゅうりょく し、1950年代 ねんだい 後半 こうはん に2隻 せき のエクスプローラー級 きゅう 潜水 せんすい 艦 かん を新規 しんき 建造 けんぞう した。同 おな じくXVIIB型 がた を接収 せっしゅう したアメリカ海軍 かいぐん も、ヴァルター機関 きかん を搭載 とうさい した実験 じっけん 的 てき な潜水 せんすい 艇 てい X-1 (英語 えいご 版 ばん ) を建造 けんぞう した[ 注 ちゅう 1] 。
イギリスと同様 どうよう 、旧 きゅう ソ連 それん 海軍 かいぐん もAIPに関心 かんしん を抱 いだ き、液体 えきたい 酸素 さんそ による閉サイクル・ディーゼル方式 ほうしき を用 もち いた沿岸 えんがん 哨戒 しょうかい 用 よう の小型 こがた 潜水 せんすい 艦 かん 615型 がた (Project 615、NATOコードネーム :ケベック級 きゅう )を就役 しゅうえき させた。その後 ご 、ドイツから接収 せっしゅう したXXVI計画 けいかく の資料 しりょう を元 もと にヴァルター機関 きかん を搭載 とうさい したS-99 (617号 ごう 計画 けいかく )を建造 けんぞう 、就役 しゅうえき させたが酸化 さんか 剤 ざい である過酸化水素 かさんかすいそ に起因 きいん する事故 じこ を起 お こした。
しかしながら、いずれの海軍 かいぐん においても、この時期 じき のAIP開発 かいはつ はそれ以上 いじょう の発展 はってん や採用 さいよう を見 み ることはなかった。ヴァルター機関 きかん の燃料 ねんりょう である過酸化水素 かさんかすいそ は腐食 ふしょく 性 せい があることに加 くわ え、爆発 ばくはつ 性 せい の物質 ぶっしつ であるために、しばしば事故 じこ に悩 なや まされた。また、液体 えきたい 酸素 さんそ を採用 さいよう したソ連 それん 海軍 かいぐん でもやはり爆発 ばくはつ や火災 かさい などの事故 じこ にたびたび見舞 みま われた。アメリカ海軍 かいぐん が潜水 せんすい 艦 かん への搭載 とうさい が可能 かのう な小型 こがた 原子 げんし 炉 ろ の実用 じつよう 化 か に成功 せいこう すると、イギリス、ソ連 それん いずれの海軍 かいぐん も同 おな じ道 どう を選択 せんたく し、AIP機関 きかん の開発 かいはつ を断念 だんねん した[ 注 ちゅう 2] 。
しかし、原子力 げんしりょく 潜水 せんすい 艦 かん を実現 じつげん するための諸々 もろもろ の障壁 しょうへき は低 ひく いものではなく、政治 せいじ ・軍事 ぐんじ ・地理 ちり 等々 とうとう の制約 せいやく から原子力 げんしりょく 潜水 せんすい 艦 かん が不適 ふてき な国々 くにぐに が存在 そんざい する[ 注 ちゅう 3] 。そうした国々 くにぐに では、通常 つうじょう 型 がた 潜水 せんすい 艦 かん の更 さら なる能力 のうりょく 向上 こうじょう 策 さく として一定 いってい の要求 ようきゅう があったことから、いくつかの国々 くにぐに では研究 けんきゅう が続 つづ けられ、1980年代 ねんだい 前半 ぜんはん 頃 ごろ から徐々 じょじょ に実用 じつよう 性 せい のある方式 ほうしき が実現 じつげん されるようになってきた。逆 ぎゃく に原子力 げんしりょく 潜水 せんすい 艦 かん の登場 とうじょう により超 ちょう 大国 たいこく ではおおむね通常 つうじょう 動力 どうりょく 艦 かん の新規 しんき 導入 どうにゅう が無 な くなったため、建造 けんぞう はもとよりAIPの研究 けんきゅう もそれらの国 くに では停滞 ていたい している。
以下 いか に、上述 じょうじゅつ のヴァルター機関 きかん 以外 いがい のAIP方式 ほうしき で、技術 ぎじゅつ 的 てき 可能 かのう 性 せい が検討 けんとう された、もしくは実用 じつよう 化 か 段階 だんかい に達 たっ したAIPの類型 るいけい を示 しめ す。どの方式 ほうしき であれ、一長一短 いっちょういったん があり、運用 うんよう 国 こく の運用 うんよう 構想 こうそう と要求 ようきゅう によって適否 てきひ が存 そん するため、一義 いちぎ に優劣 ゆうれつ を定 さだ めることはできない。
閉サイクル・ディーゼル (CCDE: C losed C ycle D iesel E ngines)(全 すべ てを音訳 おんやく しクローズド・サイクル・ディーゼルと呼 よ ばれる場合 ばあい もある)は、水上 みずかみ 航 わたる 走 はし 時 とき には在来 ざいらい 方式 ほうしき と同様 どうよう に大気 たいき 中 ちゅう の酸素 さんそ を吸入 きゅうにゅう し、潜航 せんこう 時 じ には酸化 さんか 剤 ざい (通常 つうじょう は液体 えきたい 酸素 さんそ を用 もち いる)から供給 きょうきゅう される酸素 さんそ でディーゼル・エンジンを駆動 くどう させる方式 ほうしき である。純粋 じゅんすい 酸素 さんそ による燃焼 ねんしょう でエンジンが焼灼 しょうしゃく されることによる過度 かど の消耗 しょうもう を防 ふせ ぐため、吸気 きゅうき の酸素 さんそ 分 ぶん 圧 あつ を意図 いと 的 てき に低減 ていげん させる工夫 くふう が必要 ひつよう であり、吸気 きゅうき に何 なん らかの不 ふ 活性 かっせい ガス を混入 こんにゅう させて自然 しぜん 大気 たいき と同等 どうとう の分 ぶん 圧 あつ とする必要 ひつよう がある。また、内燃 ないねん 機関 きかん であるため、作動 さどう 時 じ の振動 しんどう 、騒音 そうおん により、ソナーにより捕捉 ほそく され易 やす いという短所 たんしょ もある。
この方式 ほうしき の場合 ばあい 、排気 はいき ガスはそのほとんどが不 ふ 活性 かっせい ガス、二酸化炭素 にさんかたんそ 、水蒸気 すいじょうき から構成 こうせい される高温 こうおん の気体 きたい である。これを冷却 れいきゃく して水蒸気 すいじょうき を凝縮 ぎょうしゅく させた後 のち 、二酸化炭素 にさんかたんそ を海水 かいすい など艦 かん 外 がい から取 と り入 い れた水 みず に溶 と かし込 こ むことにより、排気 はいき ガスのうち艦 かん 外 がい に排出 はいしゅつ しなければならない成分 せいぶん のほぼ全量 ぜんりょう を液体 えきたい 化 か する事 こと ができる。なお、不 ふ 活性 かっせい ガスは回収 かいしゅう して再 さい 利用 りよう に回 まわ される。大量 たいりょう の排気 はいき ガスを気体 きたい として海中 かいちゅう に排出 はいしゅつ する必要 ひつよう がないので、気泡 きほう の発生 はっせい により存在 そんざい を探知 たんち される心配 しんぱい がなく、艦 かん の気密 きみつ ・水密 すいみつ の確保 かくほ も容易 ようい となる。
2006年 ねん 現在 げんざい 、この方式 ほうしき の開発 かいはつ を進 すす めているのはドイツのノルトゼーヴェルケ 社 しゃ とオランダ のロッテルダムドライドック (オランダ語 ご 版 ばん ) 社 しゃ である。このうち前者 ぜんしゃ は、イギリスのカートン深海 しんかい システムズ社 しゃ (Carton deep sea systems) の特許 とっきょ を用 もち いている。この方式 ほうしき では、潜航 せんこう 中 ちゅう の閉サイクル動作 どうさ はアルゴン を混入 こんにゅう して開始 かいし させ、作動 さどう 開始 かいし 後 ご には二酸化炭素 にさんかたんそ を除去 じょきょ した排気 はいき を吸気 きゅうき に混合 こんごう することで酸素 さんそ 分 ぶん 圧 あつ を調整 ちょうせい している。いずれにせよ、除去 じょきょ した二酸化炭素 にさんかたんそ を海水 かいすい 中 ちゅう に溶解 ようかい させて排出 はいしゅつ しているため、厳密 げんみつ な意味 いみ での閉サイクル動作 どうさ ではない。
TNSW社 しゃ は1987年 ねん から1989年 ねん にかけて出力 しゅつりょく 150kW のプラントによる陸上 りくじょう 試験 しけん を実施 じっし し、さらに1993年 ねん には250kWのエンジンを205型 がた 潜水 せんすい 艦 かん U-1 に搭載 とうさい して潜航 せんこう 試験 しけん を実施 じっし 、バルト海 ばるとかい において速力 そくりょく 5kt で1,800海 うみ 里 さと (約 やく 9 km/hで3,334 km)の成果 せいか を得 え ている。
なお、上述 じょうじゅつ したソ連 それん 海軍 かいぐん の615型 がた 潜水 せんすい 艦 かん が用 もち いていたのは本質 ほんしつ 的 てき にはこの方式 ほうしき である。615型 がた は1953年 ねん から1962年 ねん までの間 あいだ に31隻 せき が就役 しゅうえき している。615型 がた には3基 き のディーゼルエンジンが搭載 とうさい されており、2基 き は在来 ざいらい 型 がた の外気 がいき 吸入 きゅうにゅう で、残 のこ る1基 き は閉サイクル動作 どうさ でそれぞれ作動 さどう した。しかし、酸化 さんか 剤 ざい として液体 えきたい 酸素 さんそ を用 もち いる設計 せっけい は極 きわ めて安全 あんぜん 性 せい に乏 とぼ しく、M-256 が酸化 さんか 剤 ざい の爆発 ばくはつ とそれに伴 ともな う火災 かさい により失 うしな われているほか、沈没 ちんぼつ に至 いた らないにせよ多 おお くの事故 じこ を経験 けいけん し、1970年代 ねんだい はじめまでに全 ぜん 艦 かん が除籍 じょせき ・解体 かいたい されている。
日本 にっぽん でも1950年代 ねんだい 中盤 ちゅうばん より非 ひ 大気 たいき 依存 いぞん 推進 すいしん システムの開発 かいはつ の一環 いっかん として技術 ぎじゅつ 研究 けんきゅう 本部 ほんぶ と川崎重工 かわさきじゅうこう が液体 えきたい 酸素 さんそ を用 もち いた閉サイクル・ディーゼルの研究 けんきゅう を行 おこな っていたが、当時 とうじ の技術 ぎじゅつ 水準 すいじゅん では現在 げんざい のようなコンピュータを使用 しよう した電子 でんし 制御 せいぎょ が困難 こんなん で経費 けいひ と期間 きかん を要 よう することから研究 けんきゅう は中止 ちゅうし された。その後 ご 、自律 じりつ 型 がた 無人 むじん 潜水 せんすい 機 き の動力 どうりょく として1990年代 ねんだい に開発 かいはつ され、R-one に搭載 とうさい された[ 1] [ 2] 。
閉サイクル蒸気 じょうき タービン (Closed cycle steam turbines) とは、液体 えきたい 酸素 さんそ を酸素 さんそ 供給 きょうきゅう 源 げん として燃料 ねんりょう を燃焼 ねんしょう させた熱 ねつ を利用 りよう する蒸気 じょうき タービン機関 きかん である。現存 げんそん の諸 しょ 方式 ほうしき のうち、ヴァルター機関 きかん の原理 げんり にもっとも近 ちか いのがこの方式 ほうしき である。
フランス のDCNS 社 しゃ が開発 かいはつ したMESMA(水中 すいちゅう 自律 じりつ エネルギー・モジュール(ポーランド語 ご 版 ばん ) 、Module d'Energie Sous-Marine Autonome)がその実用 じつよう 例 れい である。MESMAでは、液体 えきたい 酸素 さんそ を気化 きか して得 え られた酸素 さんそ とエタノール の混合 こんごう 気体 きたい を燃焼 ねんしょう させて得 え た700℃ の燃焼 ねんしょう ガスを用 もち いて、蒸気 じょうき 発生 はっせい 装置 そうち で500℃の水蒸気 すいじょうき を発生 はっせい させ、この水蒸気 すいじょうき で蒸気 じょうき タービンを駆動 くどう して発電 はつでん を行 おこな う。
DCNS社 しゃ は1988年 ねん に出力 しゅつりょく 400kWの実験 じっけん プラントを製作 せいさく し、試験 しけん を実施 じっし した。その結果 けっか を受 う けて、1996年 ねん からはプロトタイプの開発 かいはつ が認可 にんか され、1998年 ねん には実用 じつよう 段階 だんかい に到達 とうたつ したことが確認 かくにん されている。
日本 にっぽん では海上 かいじょう 自衛隊 じえいたい と技術 ぎじゅつ 研究 けんきゅう 本部 ほんぶ において、昭和 しょうわ 29年 ねん 度 ど から31年 ねん 度 ど にかけて、新 しん 三菱重工 みつびしじゅうこう と共同 きょうどう で軽量 けいりょう 小型 こがた 高 だか 圧 あつ 燃焼 ねんしょう ボイラー・タービン(KRT)の開発 かいはつ が行 おこな われた。これは液体 えきたい 酸素 さんそ と燃料 ねんりょう を小型 こがた のボイラーで高 こう 圧 あつ 燃焼 ねんしょう させ、蒸気 じょうき タービン を駆動 くどう する方式 ほうしき であった。酸素 さんそ の取 と り扱 あつか いと起動 きどう 時間 じかん の問題 もんだい により研究 けんきゅう は中止 ちゅうし された。
スターリング機関 きかん (Stirling cycle engines) とは、シリンダー 内 うち の気体 きたい を外部 がいぶ から加熱 かねつ ・冷却 れいきゃく し、仕事 しごと を得 え る外 そと 燃 もえ 機関 きかん である。理論 りろん 熱 ねつ 効率 こうりつ は高 たか いが、現在 げんざい の実装 じっそう 技術 ぎじゅつ では体積 たいせき あたり出力 しゅつりょく が低 ひく いため、大 だい 出力 しゅつりょく を得 え ようとすると機関 きかん が大型 おおがた 化 か する欠点 けってん がある。
スウェーデン の造船 ぞうせん 会社 かいしゃ コックムス が1960年代 ねんだい に研究 けんきゅう に着手 ちゃくしゅ し、1983年 ねん からプロトタイプ試験 しけん を開始 かいし したものがよく知 し られている。同社 どうしゃ の方式 ほうしき では、液体 えきたい 酸素 さんそ を気化 きか して得 え られた酸素 さんそ と燃料 ねんりょう (ケロシン )の燃焼 ねんしょう 熱 ねつ (約 やく 800℃)をシリンダー内 ない のヘリウム ガスに伝 つた え、このガスの膨張 ぼうちょう と海水 かいすい 冷却 れいきゃく による圧縮 あっしゅく の繰 く り返 かえ しによってピストン を動 うご かす。コックムス社 しゃ は1988年 ねん から、スウェーデン海軍 かいぐん のネッケン級 きゅう 潜水 せんすい 艦 かん 1番 ばん 艦 かん ネッケンで前 ぜん 量産 りょうさん 型 がた の4V-275R Mk.Iモデルの実用 じつよう 試験 しけん を実施 じっし し、5ktで14日間 にちかん の連続 れんぞく 潜航 せんこう に成功 せいこう した。その成果 せいか にもとづいて建造 けんぞう された実用 じつよう 艦 かん 級 きゅう が1992年 ねん に量産 りょうさん 型 がた のMk.IIモデルを搭載 とうさい して就役 しゅうえき したゴトランド級 きゅう 潜水 せんすい 艦 かん である。ゴトランド級 きゅう に搭載 とうさい されたMk.2 V4-275R型 がた 機関 きかん は75kWの出力 しゅつりょく を発揮 はっき する[ 3] 。
日本 にっぽん でも技術 ぎじゅつ 研究 けんきゅう 本部 ほんぶ で同社 どうしゃ より技術 ぎじゅつ 導入 どうにゅう して平成 へいせい 3年 ねん 度 ど から9年 ねん 度 ど にかけての技術 ぎじゅつ 研究 けんきゅう を行 おこな った。同級 どうきゅう 搭載 とうさい 機 き と同 おな じMk.IIモデルを輸入 ゆにゅう し、独自 どくじ 試作 しさく の液体 えきたい 酸素 さんそ タンクなどと組 く み合 あ わせたうえで、「係留 けいりゅう 区画 くかく 」と呼 よ ばれる部分 ぶぶん 船 せん 殻 から 模型 もけい に設置 せっち し、地上 ちじょう 試験 しけん 運転 うんてん を行 おこな った。平成 へいせい 11年 ねん 度 ど より、スターリング機関 きかん 発電 はつでん システム2組 くみ (それぞれに4V-275R Mk.II×2基 き )および液体 えきたい 酸素 さんそ タンク2基 き を備 そな えた増設 ぞうせつ 区画 くかく を試作 しさく して、平成 へいせい 12年 ねん 度 ど から13年 ねん 度 ど にかけて、練習 れんしゅう 潜水 せんすい 艦 かん 「あさしお 」を改装 かいそう し実用 じつよう 試験 しけん を実施 じっし した。性能 せいのう 確認 かくにん 試験 しけん は平成 へいせい 13年度 ねんど 中 ちゅう に終了 しゅうりょう し、翌 よく 平成 へいせい 14年 ねん 度 ど から本格 ほんかく 的 てき な実証 じっしょう 試験 しけん が実施 じっし された。その成果 せいか を踏 ふ まえ平成 へいせい 16年 ねん (2004年 ねん )度 ど 計画 けいかく において海上 かいじょう 自衛隊 じえいたい がスターリング機関 きかん を採用 さいよう した日本 にっぽん 初 はつ の実用 じつよう 潜水 せんすい 艦 かん そうりゅう を建造 けんぞう した[ 4] [ 注 ちゅう 4] [ 7] 。
燃料 ねんりょう 電池 でんち (fuel cell) は、水素 すいそ と酸素 さんそ などによる電気 でんき 化学 かがく 反応 はんのう によって電力 でんりょく を得 え る装置 そうち であり、カルノー効率 こうりつ に依存 いぞん する熱 ねつ 機関 きかん の介在 かいざい がないため高 たか い発電 はつでん 効率 こうりつ を期待 きたい できる。燃料 ねんりょう 電池 でんち は、原理 げんり 的 てき にほぼ無 む 振動 しんどう ・無 む 排気 はいき で、副産物 ふくさんぶつ が水 みず のみといった長所 ちょうしょ があるものの、小 ちい さい艦内 かんない 容積 ようせき の中 なか で水素 すいそ と酸素 さんそ を安定 あんてい した状態 じょうたい で安全 あんぜん に搭載 とうさい するという技術 ぎじゅつ 的 てき 難関 なんかん を何 なん らかのかたちで解決 かいけつ しなければならない。水素 すいそ の貯蔵 ちょぞう 方法 ほうほう としては極 ごく 低温 ていおん の液体 えきたい 水素 すいそ とする方法 ほうほう や水素 すいそ 吸蔵合金 ごうきん に貯蔵 ちょぞう する方法 ほうほう 、メタノール 等 ひとし の液体 えきたい 燃料 ねんりょう から改 あらため 質 ただ して得 え る方法 ほうほう などがあるが、液体 えきたい 水素 すいそ の場合 ばあい は極 ごく 低温 ていおん の維持 いじ が必要 ひつよう なうえに狭 せま い潜水 せんすい 艦内 かんない で万 まん 一 いち 漏洩 ろうえい すれば致命 ちめい 的 てき であること、水素 すいそ 吸蔵合金 ごうきん は重量 じゅうりょう が嵩 かさ む割 わり に貯蔵 ちょぞう できる水素 すいそ が少 すく ないうえに水素 すいそ の吸蔵・放出 ほうしゅつ に伴 ともな う体積 たいせき 変化 へんか により脆 もろ 化 か して吸蔵率 りつ が低下 ていか すること、液体 えきたい 燃料 ねんりょう の改 あらため 質 しつ では発生 はっせい する排気 はいき ガスへの対処 たいしょ が必要 ひつよう となることなど、それぞれ課題 かだい が存在 そんざい する。
この方式 ほうしき ではドイツのHDW 社 しゃ が推進 すいしん するものがよく知 し られている。HDW社 しゃ はシーメンス 社 しゃ が開発 かいはつ したPEM(Polymer Electrolyte Membrane、高分子 こうぶんし 電解 でんかい 質 しつ 膜 まく )を用 もち いる燃料 ねんりょう 電池 でんち を使用 しよう する。このPEM燃料 ねんりょう 電池 でんち では、液体 えきたい 酸素 さんそ から得 え られた酸素 さんそ と水素 すいそ 吸蔵合金 ごうきん に貯蔵 ちょぞう された水素 すいそ との反応 はんのう で電力 でんりょく を得 え る。
HDW社 しゃ は1980年 ねん から1986年 ねん にかけて陸上 りくじょう 試験 しけん を実施 じっし し、1988年 ねん から1989年 ねん にかけて205型 がた 潜水 せんすい 艦 かん U-1で実用 じつよう 試験 しけん を行 おこな った。その結果 けっか 、充分 じゅうぶん な実用 じつよう 性 せい を備 そな えることが確認 かくにん されたため、ドイツ海軍 かいぐん は在来 ざいらい 型 がた ディーゼル・エレクトリック 推進 すいしん とのハイブリッド潜水 せんすい 艦 かん の建造 けんぞう を決定 けってい した。これが212A型 がた 潜水 せんすい 艦 かん である。212型 がた には、出力 しゅつりょく 34kWのモジュール9基 き を使用 しよう し、最大 さいだい で300kWの出力 しゅつりょく を得 え ることができる。在来 ざいらい 型 がた の電池 でんち との併用 へいよう により、速力 そくりょく 8kt以下 いか で14日間 にちかん の連続 れんぞく 潜航 せんこう が可能 かのう であるとされている。
ヴィクトリア級 きゅう 潜水 せんすい 艦 かん HMCS ウインザー (SSK877)。
カナダ海軍 かいぐん には、イギリス海軍 かいぐん から購入 こうにゅう したアップホルダー級 きゅう 潜水 せんすい 艦 かん をAIP化 か する計画 けいかく があり[ 注 ちゅう 5] 、バンクーバー のバラード・パワー・システムズ 社 しゃ が開発 かいはつ したPEM電池 でんち を利用 りよう する。バラード社 しゃ の方式 ほうしき では、酸素 さんそ の供給 きょうきゅう 源 げん は大気 たいき でも液体 えきたい 酸素 さんそ でも任意 にんい に選択 せんたく 可能 かのう であるほか、水素 すいそ もメタノール を改 あらため 質 しつ 器 き で改 あらため 質 ただ して得 え るなど、シーメンス社 しゃ の方式 ほうしき とはやや異 こと なる。この方式 ほうしき では高価 こうか な水素 すいそ 吸蔵合金 ごうきん を用 もち いなくてもよい代 か わりに、メタノールの改 あらため 質 しつ の際 さい に発生 はっせい する排気 はいき ガスの処理 しょり が必要 ひつよう となる。
ロシア海軍 かいぐん では「クリスタール27E」を開発 かいはつ しており、ラーダ型 がた 潜水 せんすい 艦 かん 及 およ び輸出 ゆしゅつ 型 がた のアムール型 がた 潜水 せんすい 艦 かん に搭載 とうさい できるとしていた。また、カリーナ型 がた 潜水 せんすい 艦 かん 向 む けにシーメンス社 しゃ とほぼ同 おな じ方式 ほうしき ながら、水素 すいそ はディーゼル改 あらため 質 しつ 器 き を用 もち いて発生 はっせい させる方式 ほうしき のAIP機関 きかん を開発 かいはつ している[ 8] [ 9] 。
技術 ぎじゅつ 研究 けんきゅう 本部 ほんぶ では、昭和 しょうわ 37年 ねん 度 ど より燃料 ねんりょう 電池 でんち の研究 けんきゅう を開始 かいし した。当初 とうしょ はナトリウムアマルガム燃料 ねんりょう 電池 でんち が検討 けんとう されていたが、水銀 すいぎん の質量 しつりょう が過大 かだい であったため、昭和 しょうわ 42年 ねん 度 ど より酸素 さんそ -水素 すいそ 型 がた に転換 てんかん した。昭和 しょうわ 49年 ねん 度 ど までに試作 しさく ・試験 しけん を行 おこな い、多孔 たこう 性 せい ニッケル・カーボン二 に 重層 じゅうそう 電極 でんきょく 、8セル構成 こうせい で出力 しゅつりょく 9キロワット、電圧 でんあつ 6ボルト、容量 ようりょう 1,500アンペアの燃料 ねんりょう 電池 でんち を開発 かいはつ した[ 7] 。これらの成果 せいか を踏 ふ まえて、昭和 しょうわ 51年度 ねんど 計画 けいかく 潜水 せんすい 艦 かん (51SS)への燃料 ねんりょう 電池 でんち の搭載 とうさい も検討 けんとう されたが、液体 えきたい 酸素 さんそ の取 と り扱 あつか いに関 かん する用兵 ようへい 側 がわ の不安 ふあん を払拭 ふっしょく できなかったこともあり、断念 だんねん された[ 10] 。防衛 ぼうえい 省 しょう は、スターリング機関 きかん の後継 こうけい の2020年代 ねんだい の次世代 じせだい 潜水 せんすい 艦 かん 用 よう AIPシステムとして、2006年度 ねんど から2010年度 ねんど まで「次世代 じせだい 潜水 せんすい 艦 かん AIPシステムの研究 けんきゅう 」の名目 めいもく で燃料 ねんりょう 電池 でんち システムを研究 けんきゅう したが、予測 よそく より水素 すいそ 吸蔵合金 ごうきん の技術 ぎじゅつ 的 てき 進展 しんてん が遅滞 ちたい し調達 ちょうたつ コストが高価 こうか になる見込 みこ みとなったため、事後 じご の政策 せいさく 評価 ひょうか において、開発 かいはつ 移行 いこう については技術 ぎじゅつ 進展 しんてん を踏 ふ まえつつ十分 じゅうぶん な検討 けんとう が必要 ひつよう であると結論 けつろん 付 つ けられ[ 6] 、実質 じっしつ 的 てき に実用 じつよう 化 か が見送 みおく られた状態 じょうたい である。
上述 じょうじゅつ の諸 しょ 方式 ほうしき とは異質 いしつ ながら、AIPとして技術 ぎじゅつ 的 てき な検討 けんとう がなされているのが、小型 こがた 核 かく 動力 どうりょく プラントである。これは本質 ほんしつ 的 てき にはモジュール化 か された小型 こがた の原子 げんし 炉 ろ である。ただし原子 げんし 炉 ろ としては小型 こがた でも、動力 どうりょく プラント、それもあくまでも補助 ほじょ 動力 どうりょく としてみるとかなり大型 おおがた である。
小型 こがた 核 かく 動力 どうりょく プラントは、原子力 げんしりょく 推進 すいしん と通常 つうじょう 動力 どうりょく の2本立 ほんだ てで潜水 せんすい 艦 かん を建造 けんぞう していたソ連 それん において、通常 つうじょう 動力 どうりょく 潜水 せんすい 艦 かん の能力 のうりょく 向上 こうじょう 策 さく として考案 こうあん され、1960年代 ねんだい に開発 かいはつ がスタートし、1971年 ねん に沸騰水 ふっとうすい 型 がた 原子 げんし 炉 ろ と発電 はつでん 機 き で構成 こうせい されるVAU-6プラントが完成 かんせい した。1985年 ねん 、651型 がた 巡航 じゅんこう ミサイル潜水 せんすい 艦 かん B-68を改造 かいぞう してVAU えーゆー -6が搭載 とうさい され、翌 よく 1986年 ねん から1990年 ねん まで海上 かいじょう テストが行 おこ なわれた。
西側 にしがわ では、フランスにおいて冷却 れいきゃく 系 けい に自然 しぜん 循環 じゅんかん 方式 ほうしき を用 もち いる小型 こがた 原子 げんし 炉 ろ が提案 ていあん されており、航行 こうこう 中 ちゅう のメンテナンスはほぼ不要 ふよう で、1~3MWの出力 しゅつりょく を得 え られるものが検討 けんとう されている。だが、提案 ていあん のみで実際 じっさい には製造 せいぞう されておらず、上述 じょうじゅつ のソ連 それん 潜水 せんすい 艦 かん B-68が、唯一 ゆいいつ の小型 こがた 核 かく 動力 どうりょく プラント方式 ほうしき AIP搭載 とうさい 潜水 せんすい 艦 かん である。
AIPは機関 きかん の体積 たいせき に比 ひ して機関 きかん 出力 しゅつりょく が極 きわ めて低 ひく く、原子力 げんしりょく 機関 きかん のように(人的 じんてき 制約 せいやく を別 べつ として)実質 じっしつ 的 てき に無 む 制限 せいげん の水中 すいちゅう 航続力 こうぞくりょく を実現 じつげん することは依然 いぜん として不可能 ふかのう である。現在 げんざい のAIP技術 ぎじゅつ では、機関 きかん 出力 しゅつりょく の上限 じょうげん は300[kW] - 400[kW]前後 ぜんこう となっており、2 - 8 kt(約 やく 4 - 15 km/h)の低速 ていそく 航行 こうこう が限界 げんかい で、在来 ざいらい 型 がた の蓄電池 ちくでんち 推進 すいしん にも及 およ ばない。従 したが って補助 ほじょ 動力 どうりょく 機関 きかん として利用 りよう されている。
また、燃料 ねんりょう のほかに酸素 さんそ を搭載 とうさい しなければならないが、液体 えきたい 酸素 さんそ は沸点 ふってん が低 ひく い(マイナス183℃)ために取 と り扱 あつか いが難 むずか しい。燃料 ねんりょう 電池 でんち 方式 ほうしき では、さらに水素 すいそ をも貯蔵 ちょぞう しなければならないが、ジーメンス社 しゃ の水素 すいそ 吸蔵合金 ごうきん は高価 こうか かつ重量 じゅうりょう がかさむ点 てん で、バラード社 しゃ のメタノール改 あらため 質 しつ 方式 ほうしき は250から300℃の高温 こうおん を必要 ひつよう とすると言 い う点 てん で、それぞれコストの上昇 じょうしょう が避 さ けられない。酸素 さんそ ・水素 すいそ のいずれであれ、気体 きたい の液化 えきか 貯蔵 ちょぞう には極 ごく 低温 ていおん が必要 ひつよう であり、腐食 ふしょく 性 せい や可燃 かねん 性 せい といった危険 きけん 性 せい が伴 ともな う。いずれも艦内 かんない 火災 かさい に極 きわ めて脆弱 ぜいじゃく な潜水 せんすい 艦 かん においては、大 おお きな難点 なんてん となる。
ジーメンス方式 ほうしき の燃料 ねんりょう 電池 でんち 以外 いがい のAIP技術 ぎじゅつ では、いずれも発生 はっせい した廃棄 はいき 物 ぶつ を船 ふね 外 がい に排出 はいしゅつ しなければならない。高温 こうおん のガスであるこれらの廃棄 はいき 物 ぶつ は、赤外線 せきがいせん 源 げん となって、潜水 せんすい 艦 かん の最大 さいだい の武器 ぶき であるステルス性 せい を損 そこ ねる。多 おお くの場合 ばあい 、高温 こうおん の排気 はいき ガスは艦 かん 外 がい 排出 はいしゅつ 時 じ には冷却 れいきゃく と液体 えきたい 化 か が施 ほどこ されるが、それでもその排出 はいしゅつ 時 じ の温度 おんど は艦 かん 外 がい 水温 すいおん と比較 ひかく して高温 こうおん となり、大幅 おおはば に低減 ていげん されるもののステルス性 せい の障害 しょうがい である事 こと は変 か わらない。また、排気 はいき ガスに、海水 かいすい 圧 あつ に抗 こう し得 え るだけの充分 じゅうぶん な圧力 あつりょく がない場合 ばあい には、加圧 かあつ が必要 ひつよう となるため、潜入 せんにゅう 深度 しんど と加圧 かあつ 排気 はいき ポンプによる騒音 そうおん 発生 はっせい との間 あいだ でのトレードオフが生 しょう じる。
AIP技術 ぎじゅつ に期待 きたい されているのはより限定 げんてい 的 てき な課題 かだい 、すなわち、長期間 ちょうきかん (3~4週間 しゅうかん )にわたる連続 れんぞく 潜航 せんこう ・哨戒 しょうかい を可能 かのう にすることである。哨戒 しょうかい 海域 かいいき との往還 おうかん にはシュノーケル吸排気 はいき の在来 ざいらい 型 がた ディーゼルを用 もち い、作戦 さくせん 中 ちゅう の低速 ていそく 哨戒 しょうかい にはAIPを、戦闘 せんとう 時 じ の高速 こうそく 発揮 はっき には蓄電池 ちくでんち をと使 つか い分 わ けて利用 りよう される技術 ぎじゅつ であり、ディーゼル機関 きかん を補完 ほかん する位置 いち づけにある。限界 げんかい はあるにせよ、現在 げんざい のように数日 すうじつ 程度 ていど に過 す ぎない通常 つうじょう 動力 どうりょく 潜水 せんすい 艦 かん の連続 れんぞく 潜航 せんこう 時間 じかん を大幅 おおはば に延長 えんちょう できるAIPには大 おお きな魅力 みりょく があり、安全 あんぜん 性 せい や出力 しゅつりょく 、エネルギー効率 こうりつ の向上 こうじょう に意 い が注 そそ がれている。
また、近年 きんねん では鉛 なまり 蓄電池 ちくでんち の代 か わりに高 こう 出力 しゅつりょく 大 だい 容量 ようりょう 化 か したリチウムイオン電池 でんち を採用 さいよう する事 こと で、AIPに頼 たよ らずとも連続 れんぞく 潜航 せんこう 時間 じかん を大幅 おおはば に延長 えんちょう できる事 こと が期待 きたい されており、そうりゅう型 がた 潜水 せんすい 艦 かん の11番 ばん 艦 かん おうりゅう 以降 いこう ではスターリングエンジンを廃 はい して、その分 ぶん もカバーできるようリチウムイオン電池 でんち を搭載 とうさい する手法 しゅほう が検討 けんとう されている。高 こう コストではあるが、スターリングエンジンよりもリチウムイオン電池 でんち のほうが出力 しゅつりょく が大 おお きいことから、AIPのように低速 ていそく で長時間 ちょうじかん 潜航 せんこう を行 おこな えるのと同時 どうじ に、在来 ざいらい 潜 せん ・AIP潜 せん では想像 そうぞう もできなかったような高速 こうそく での水中 すいちゅう 連続 れんぞく 航行 こうこう をも可能 かのう とすると期待 きたい されている[ 11] 。その後 ご 、水中 すいちゅう 持続 じぞく 力 りょく 等 とう 向上 こうじょう のため、スターリングエンジンと鉛 なまり 蓄電池 ちくでんち を廃 はい した上 うえ でリチウムイオン電池 でんち を搭載 とうさい する方式 ほうしき に決定 けってい された[ 12] 。
AIP潜水 せんすい 艦 かん の建造 けんぞう 国 こく と型式 けいしき [ 編集 へんしゅう ]
HDW社 しゃ ・キール 造船 ぞうせん 所 しょ の船台 せんだい 上 じょう で建造 けんぞう 中 ちゅう の212A型 がた 潜水 せんすい 艦 かん 。
2024年 ねん 時点 じてん での非核 ひかく AIP潜水 せんすい 艦 かん の新規 しんき 建造 けんぞう 実績 じっせき (建造 けんぞう 決定 けってい 含 ふく む)は以下 いか のとおり。建造 けんぞう 国 こく およびAIP方式 ほうしき を示 しめ す。
受注 じゅちゅう ・建造 けんぞう 実績 じっせき を伴 ともな わない(提案 ていあん ・開発 かいはつ 中 ちゅう 含 ふく む)ものは以下 いか の通 とお り。
^ この潜水 せんすい 艇 てい は1955年 ねん に進水 しんすい したものの、公 おおやけ 試 ためし 中 ちゅう の1957年 ねん に爆発 ばくはつ 事故 じこ を起 お こし、ただちにヴァルター機関 きかん は撤去 てっきょ された。
^ 過酸化水素 かさんかすいそ を酸化 さんか 剤 ざい とする水中 すいちゅう 動力 どうりょく が唯一 ゆいいつ 実用 じつよう 化 か にまで至 いた ったのは魚雷 ぎょらい の動力 どうりょく 源 げん としてであり、イギリスおよびソ連 それん においてその種 たね の魚雷 ぎょらい が運用 うんよう された。しかし、腐食 ふしょく 性 せい ・爆発 ばくはつ 性 せい のある物質 ぶっしつ を閉鎖 へいさ 空間 くうかん で保管 ほかん する問題 もんだい があり、哨戒 しょうかい 潜水 せんすい 艦 かん シドン (英語 えいご 版 ばん ) の喪失 そうしつ 事故 じこ を期 き にイギリス海軍 かいぐん は、ただちに過酸化水素 かさんかすいそ 燃料 ねんりょう の運用 うんよう を中止 ちゅうし した。また、その後 ご も運用 うんよう を続 つづ けたソ連 それん およびロシアの海軍 かいぐん においても、爆発 ばくはつ 事故 じこ によって潜水艦 せんすいかん 喪失 そうしつ 事故 じこ (2000年 ねん )を起 お こしている。
^ 政治 せいじ 的 てき 配慮 はいりょ で原子力 げんしりょく 潜水 せんすい 艦 かん を装備 そうび していない国 くに の例 れい として日本 にっぽん やオーストラリアがある。
^ 海上 かいじょう 自衛隊 じえいたい では当初 とうしょ 燃料 ねんりょう 電池 でんち 方式 ほうしき のAIP機関 きかん を有望 ゆうぼう 視 し して開発 かいはつ を行 おこな っており[ 5] 、安全 あんぜん な水素 すいそ 貯蔵 ちょぞう 技術 ぎじゅつ の開発 かいはつ が難航 なんこう していたことから燃料 ねんりょう 電池 でんち 方式 ほうしき AIP技術 ぎじゅつ の自主 じしゅ 開発 かいはつ までのいわば繋 つな ぎとしてスターリング機関 きかん の導入 どうにゅう が決定 けってい された。その後 ご 、燃料 ねんりょう 電池 でんち 方式 ほうしき AIP技術 ぎじゅつ は「開発 かいはつ 移行 いこう については技術 ぎじゅつ 進展 しんてん を踏 ふ まえつつ十分 じゅうぶん な検討 けんとう が必要 ひつよう 」[ 6] として実用 じつよう 化 か は見送 みおく られ、蓄電池 ちくでんち としてリチウムイオン二 に 次 じ 電池 でんち を採用 さいよう することで水中 すいちゅう 速力 そくりょく 向上 こうじょう と高速 こうそく 航行 こうこう 可能 かのう 時間 じかん の延長 えんちょう を図 はか る方針 ほうしん に転換 てんかん した。当初 とうしょ は5番 ばん 艦 かん からリチウムイオン二 に 次 じ 電池 でんち を搭載 とうさい する予定 よてい であったが、予算 よさん 面 めん の都合 つごう から価格 かかく が低廉 ていれん 化 か するのを待 ま つことになり、11番 ばん 艦 かん おうりゅう でようやくスターリング機関 きかん を廃 はい してリチウムイオン二 に 次 じ 電池 でんち に置 お き換 か えられた。
^ ただし、これらの計画 けいかく はカナダ海軍 かいぐん への艦 かん 体 たい の引渡 ひきわた しの遅延 ちえん や船 ふね 殻 から の不具合 ふぐあい 、回航 かいこう 中 ちゅう の火災 かさい 事故 じこ などによる配備 はいび の遅 おく れのために、2012年 ねん 以降 いこう への延期 えんき が伝 つた えられるなど、先行 さきゆ きが不透明 ふとうめい である。
多田 ただ 智彦 ともひこ 、2003、「各国 かっこく で開発 かいはつ 進 すす むAIP潜水 せんすい 艦 かん 」、『世界 せかい の艦船 かんせん 』618号 ごう (2003年 ねん 11月)、pp. 102-105.
野木 のぎ 恵一 けいいち 、2004、「世界 せかい の潜水 せんすい 艦 かん :その現状 げんじょう と将来 しょうらい 」、『世界 せかい の潜水 せんすい 艦 かん ハンドブック』第 だい 2版 はん (『世界 せかい の艦船 かんせん 』別冊 べっさつ )、海人 あま 社 しゃ 、pp.18-25.
Pavlov, A.S., translation by Gregory Toker, Editorial by Norman Friedman, 1997, Warships of the USSR and Russia 1945-1995 , Naval intsitute press: Annapolis, Maryland. ISBN 1-55750-671-X
Edward C. Whitman, 2001, 'AIR-INDEPENDENT PROPULSION: AIP technology creates a new undersea threat ', Underseas Warfare , 2001 Winter, Submarine warfare division , U.S.Naval OCNO .
その他 た の主要 しゅよう なAIP潜水 せんすい 艦 かん については記事 きじ 本文 ほんぶん を参照 さんしょう 。
分類 ぶんるい
動力 どうりょく
通常 つうじょう 動力 どうりょく 型 がた 原子力 げんしりょく 型 がた
コンポーネント 戦闘 せんとう ・作戦 さくせん 後方 こうほう 支援 しえん
補助 ほじょ 艦艇 かんてい 救助 きゅうじょ 要請 ようせい 救助 きゅうじょ 体制 たいせい 訓練 くんれん 施設 しせつ
各国 かっこく の潜水 せんすい 艦 かん
その他 た
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