音おと価か (音楽おんがく)

音おと価か（おんか、Note value）とは、音楽おんがくにおいて、ある音おと（または休止きゅうし）に与あたえられた楽譜がくふ上うえの時間じかんの長ながさをいう。例たとえば、楽譜がくふに2分ふん音符おんぷが示しめされているならば、その音符おんぷの音おとの長ながさ、つまり2拍はく分ぶんが、その音符おんぷの音おと価かといえる。

音おと価かはその音符おんぷまたは休きゅう符ふが支配しはいする時とき間あいだを示しめすものであるから、その符ふの開始かいし点てんから次つぎの符ふの開始かいし点てんまでがその符ふの音おと価かである。ヒトが音おとを聴取ちょうしゅする時ときの特性とくせいとして、音おとの開始かいしには敏感びんかんである一方いっぽうで、音おとの終了しゅうりょうにはあまり注意ちゅういを払はらわない傾向けいこうが見みられる。特とくに、例たとえば物ものを叩たたいた時ときに出でるような、次第しだいに弱よわくなっていく音おとにおいてその傾向けいこうは顕著けんちょである。したがって、音おとを音おと価かの途中とちゅうで始はじめることはなくても音おと価かの途中とちゅうでやめることはよくあることである。スタッカートは、音符おんぷの音おと価かの途中とちゅうで音おとをやめることを明示めいじする記号きごうの1つであるし、音おとが持続じぞくしない打楽器だがっきや撥ばち弦楽器げんがっきでは実際じっさいの音おとがどこで終おわったのか明確めいかくでないこともある。

また、音符おんぷ（または休きゅう符ふ）が拍はくに対たいする相対そうたい的てきな長ながさを示しめすものである以上いじょう、音おと価かもまたそうであって、拍はくの長ながさが（すなわちテンポが）変かわればそれに伴ともなって同おなじ音おん価かも長ながくなったり短みじかくなったりする。