飲のむ

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革かわ袋ぶくろから水みずを飲のむ行為こういを表あらわした彫像ちょうぞう

飲のむ（のむ、呑のむとも表記ひょうき）とは、動物どうぶつが口くちから水みずや他たの液体えきたいを摂取せっしゅする行為こういである。

方法ほうほう[編集へんしゅう]

人ひとの場合ばあい[編集へんしゅう]

人ひとは、開ひらいた口くちに液体えきたいが注そそがれると、嚥下えんか過程かていによって、食道しょくどうの蠕動ぜんどうにより液体えきたいが胃いへ送おくられる。ただし、重力じゅうりょくによって液体えきたいは自然しぜんに胃いの方ほうへ向むかうため、固形こけい物ぶつの嚥下えんかの場合ばあいよりは蠕動ぜんどうは抑制よくせいされている。コップなどの食器しょっきから液体えきたいを飲のむほか、手てから液体えきたいを注そそいで飲のむこともある。

熱あつい液体えきたいを飲のむときや、スプーン、ストローなどで飲のむ場合ばあいには、空気くうきを吸引きゅういんすることで液体えきたいを口くちに入いれる。乳児にゅうじが母乳ぼにゅうを飲のむ場合ばあいは、唇くちびるを乳腺にゅうせんにきつく押おし付つけて吸引きゅういんする。呼吸こきゅうと舌したの動うごきの組くみ合あわせにより、口腔こうくう内ないの気圧きあつを低下ていかさせて液体えきたいを口くちに引ひき込こむ[1] 。

「噛かむ」行為こういが必要ひつようないため、歯はのない乳幼児にゅうようじや歯はの弱よわった老人ろうじんには、栄養えいようを摂取せっしゅする方法ほうほうとして適てきしている。また、消化しょうか器官きかんが弱よわっている病人びょうにんなどには、消化しょうかしやすいように流動りゅうどう食しょくを与あたえることもある。 水分すいぶん補給ほきゅうのため、又または嗜好しこう品ひんとして液体えきたい状じょうの物体ぶったいを摂取せっしゅする行為こういについて用もちいられることが普通ふつうだが、薬品やくひん（液体えきたい、固体こたい、粉末ふんまつ）を服用ふくようする場合ばあいも飲のむという。

水生すいせい動物どうぶつの場合ばあい[編集へんしゅう]

淡水たんすいに生息せいそくする両生類りょうせいるいや水生すいせい動物どうぶつは飲のむ必要ひつようはなく、浸透しんとうによって皮膚ひふを通とおして水分すいぶんを安定あんていして吸収きゅうしゅうする[2][3]。それに対たいし、海水かいすい魚ぎょは泳およぐときに口くちから海水かいすいを飲のみ、余分よぶんな塩分えんぶんは鰓えらから出だす[3]。

陸上りくじょう動物どうぶつの場合ばあい[編集へんしゅう]

猫ねこが水みずを飲のむ様子ようすのスロー動画どうが

飼育しいく下かの陸上りくじょう動物どうぶつ（英語えいご版ばん）は水みずを飲のむことに慣なれるようになるが、ほとんどの野生やせいの動物どうぶつは食たべ物ものの中なかの水分すいぶんや液体えきたいによって水分すいぶん補給ほきゅうを行おこなう[4]。水みずを飲のまなければならない状態じょうたいになった場合ばあい、水みずの飲のみ方かたや動うごきは種しゅによって大おおきく異ことなる[2]。砂漠さばくの動物どうぶつの多おおくは、水みずが利用りよう可能かのうであってもそれを飲のまず、多肉植物たにくしょくぶつを食たべて水分すいぶん補給ほきゅうを行おこなっている[2]。

猫ねこ、犬いぬ、反芻はんすう動物どうぶつは、首くびを下さげて、舌したで水みずを舐なめる[2]。猫ねこと犬いぬはスプーンのような形かたちをした舌したで水みずを包つつみ込こむ[5]。反芻はんすう動物どうぶつやほとんどの草食そうしょく動物どうぶつは、舌したを真まっ直すぐにしたまま突つっ込こむ動作どうさによって水中すいちゅうに引ひき込こむために、口くちの先端せんたんを部分ぶぶん的てきに水没すいぼつさせる[6]。捕食ほしょくの危険きけんに直面ちょくめんする反芻はんすう動物どうぶつと比くらべて、猫ねこはかなり遅おそいペースで水みずを飲のむ[2]。象ぞうは鼻はなで水みずを吸すい込こみ、口くちに噴ふき出だす[2]。ほとんどの鳥とりは嘴くちばしの頬ほお側がわの領域りょういきに水みずをすくい取とるか、吸すい込こみ、頭あたまを上あげて傾かたむけて飲のむ。例外れいがい的てきに、カワラバトは吸入きゅうにゅうによって直接ちょくせつ水みずを吸すうことができる[2]。

飲酒いんしゅ[編集へんしゅう]

「飲のむ」という用語ようごは、酒さけ（アルコール飲料いんりょう）の摂取せっしゅ（飲酒いんしゅ）および、飲酒いんしゅを伴ともなう宴会えんかいの同義語どうぎごとしてよく使用しようされる。歴史れきし的てきにほとんどの文化ぶんかで、食事しょくじ、い事わいごと、儀式ぎしき、乾杯かんぱいやその他たの機会きかいに多種たしゅ多様たような酒さけを取とり入いれてきた[7]。人間にんげん文化ぶんかにおける発酵はっこう飲料いんりょうの痕跡こんせきは新しん石器せっき時代じだいにまで遡さかのぼり[8]、最初さいしょの絵画かいが的てきな証拠しょうこは紀元前きげんぜん4000年ねん頃ごろのエジプトで見みられる[9]。

飲酒いんしゅは、世界中せかいじゅうで様々さまざまな飲酒いんしゅ文化ぶんか（英語えいご版ばん）へと発展はってんしてきた。その一方いっぽうで、アルコール摂取せっしゅは重大じゅうだいな健康上けんこうじょうのリスクをもたらす。アルコール乱用らんようやアルコール依存いぞん症しょうは、世界中せかいじゅうの先進せんしん国こくで一般いっぱん的てきな病気びょうきである[10]。高こう頻度ひんどの飲酒いんしゅは、肝硬変かんこうへん、胃炎いえん、痛風つうふう、膵炎、高血圧こうけつあつ、癌がんなど、様々さまざまな病気びょうきを引ひき起おこす可能かのう性せいがある[11]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Flint, pp. 137–138.
  2. ^ a b c d e f g Broom, p. 105.
  3. ^ a b Curtis, p. 569.
  4. ^ Mayer, p. 59.
  5. ^ Smith, p. 238.
  6. ^ Smith, p. 237.
  7. ^ Gately, pp. 1–14.
  8. ^ Patrick, Clarence Hodges. Alcohol, Culture, and Society. AMS Press, 1952, p. 13.
  9. ^ “Ancient Period”. History of Alcohol and Drinking around the World. State University of New York. 2014年ねん12月4日にち閲覧えつらん。
  10. ^ “Global Status Report on Alcohol and Health”. World Health Organization. World Health Organization. 2014年ねん12月4日にち閲覧えつらん。
  11. ^ Fiebach, p. 387.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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