黒くろ酢す

山西さんせい老ろう陳ひね醋す

鎮江香が醋す。
色いろも風味ふうみも濃こい。

黒くろ酢す（くろず）は、穀物こくもつを原料げんりょうとする醸造じょうぞう酢すの一種いっしゅ。黒色こくしょくを呈ていするのが特徴とくちょうである。ただし、日本にっぽんの黒くろ酢すと中国ちゅうごくの黒くろ酢すには原材料げんざいりょうに違ちがいがある。つぼ酢す、米べい黒くろ酢すともいう。

伝統でんとう的てきな製法せいほうでは、野天のてんに並ならべた陶製とうせいの壺つぼ（つぼ）を使つかって糖化とうか、アルコール発酵はっこう、酢酸さくさん発酵はっこうさせて醸造じょうぞうする。

日本にっぽんの黒くろ酢す

日本にっぽんの黒くろ酢すは米べい、米べい麹こうじ、水みずを原料げんりょうとする。

日本にっぽんでは1975年ねんに鹿児島かごしま県けん姶良あいら郡ぐん福山ふくやま町まち（現在げんざいは霧島きりしま市し福山ふくやま町まち）の坂元さかもと醸造じょうぞう株式会社かぶしきがいしゃ会長かいちょうの坂元さかもと昭夫あきおが壺つぼつくりの米べい酢すを「くろず（黒くろ酢す）」と命名めいめいして全国ぜんこく販売はんばいしたことが最初さいしょである。

含有がんゆうされているクエン酸くえんさんが疲労ひろう回復かいふく、アミノ酸あみのさんがダイエットに効用こうようがあるとされ、健康けんこう食品しょくひんの一ひとつとしてブームを呼よび、大々的だいだいてきに様々さまざまな商品しょうひんが開発かいはつされ発売はつばいされている。

効果こうかについては各社かくしゃで実証じっしょう実験じっけんなどを実施じっししているようだ。ただし、過剰かじょう摂取せっしゅは健康けんこうに被害ひがいをもたらす恐おそれもあり得える。

中国ちゅうごくの黒くろ酢す

中国ちゅうごく産さんのものにはコーリャンや大麦おおむぎなども使つかわれており、日本にっぽんでは「香こう酢す」と呼よぶことが多おおい。

栄養えいよう価か

必須ひっすアミノ酸あみのさんを多おおく含ふくむ。

自然しぜん発症はっしょう高だか血圧けつあつラットに黒くろ酢すエキスを強制きょうせい経口けいこう投与とうよしたところ、血圧けつあつは投与とうよ量りょうに依存いぞんして有意ゆういに降下こうかしたとの報告ほうこくがある。なお、食酢しょくずの摂取せっしゅでも血圧けつあつ上昇じょうしょう抑制よくせい効果こうかが認みとめられた。この効果こうかは、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系けいの穏おだやかな抑制よくせいによるものであった。

関連かんれん項目こうもく

• 薬くすり膳ぜん
• 中華ちゅうか料理りょうり

外部がいぶリンク

• 黒くろ酢す - 素材そざい情報じょうほうデータベース＜有効ゆうこう性せい情報じょうほう＞（国立こくりつ健康けんこう・栄養えいよう研究所けんきゅうじょ）