ꙮ

多た眼めのО（たがんのオー）ことꙮは、キリル文字もじのОの特殊とくしゅな異体いたい字じである。この字形じけいは15世紀せいきに制作せいさくされた単一たんいつの写本しゃほんに現あらわれるもので、古代こだい教会きょうかいスラヴ語ごによる"серафими мн҄оꙮ҄читїи҄"（serafimi mnogoočitii、「たくさんの眼めを持もつ熾おき天使てんし」）という句くに用もちいられる。同書どうしょは1429年ねんごろに執筆しっぴつされたソルター（詩篇しへん）の写うつしであり、至いたり聖ひじり三さん者しゃ聖せいセルギイ大だい修道院しゅうどういんの蔵書ぞうしょである^[1]^[2]。この文字もじの存在そんざいはイェフィム・カルスキー（英語えいご版ばん）により記録きろくされた^[3]。2007年ねんにはそれを典拠てんきょとするUnicodeへの登録とうろく申請しんせいが行おこなわれ^[4]、翌年よくねんのUnicode 5.1.0においてU+A66Eの符号ふごう位置いちを割わり当あてられた^[5]。Unicode 15.0において登録とうろく字形じけいが7眼めのものから10眼めのものに改あらためられた^[6]^[7]。

符号ふごう位置いち

記号きごう	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	名称めいしょう
ꙮ	`U+A66E`	`-`	`ꙮ` `ꙮ`	Multiocular O

^ “Рукопись 308. Псалтирь. напис. 1429 (?) года”. p. 244. 3 August 2021時じ点てんのオリジナルよりアーカイブ。29 August 2011閲覧えつらん。
^ “Славянские рукописи — Главная библиотека.”. 3 August 2021時じ点てんのオリジナルよりアーカイブ。29 August 2011閲覧えつらん。
^ Карский, Ефим (1979). Славянская кирилловская палеография. Moscow. p. 197
^ Everson, Michael (2007年ねん3月がつ21日にち). “Proposal to encode additional Cyrillic characters in the BMP of the UCS”. p. 4. 2016年ねん4月がつ10日とおか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2018年ねん8月がつ3日にち閲覧えつらん。
^ Compart AG (2018年ねん). “Unicode Character "ꙮ" (U+A66E)”. 2018年ねん8月がつ4日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2018年ねん8月がつ3日にち閲覧えつらん。
^ Cyrillic Extended-B Range: A640–A69F
^ Everson, Michael. “Proposal to revise the glyph of CYRILLIC LETTER MULTIOCULAR O”. 2022年ねん3月がつ22日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん3月がつ22日にち閲覧えつらん。