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フリルフラマイド (Furylfuramide)はかつて日本 にっぽん で使 つか われていた食品 しょくひん 添加 てんか 物 ぶつ 。通称 つうしょう AF2 。上野製薬 うえのせいやく が製造 せいぞう していた。
安全 あんぜん 性 せい に問題 もんだい があるとされ、1970年代 ねんだい 前半 ぜんはん にその使用 しよう が社会 しゃかい 問題 もんだい 化 か したため、1974年 ねん に使用 しよう が禁止 きんし され、現在 げんざい は使 つか われていない。
元々 もともと は主 おも にボツリヌス菌 きん に対 たい する殺菌 さっきん 能力 のうりょく を持 も つ防腐 ぼうふ 剤 ざい として1965年 ねん に厚生省 こうせいしょう が認可 にんか 。構造 こうぞう としてはフラン にニトロ基 もと を加 くわ えたニトロフラン 誘導体 ゆうどうたい 。製造元 せいぞうもと の上野製薬 うえのせいやく では「トフロン 」の商品 しょうひん 名 めい で豆腐 とうふ 用 よう の防腐 ぼうふ 剤 ざい として販売 はんばい していたほか、魚肉 ぎょにく ソーセージ等 ひとし の製造 せいぞう の際 さい に添加 てんか 物 ぶつ として利用 りよう されていた。
しかし1969年 ねん 5月に、『アフタヌーンショー 』(NETテレビ )において「トフロンが人体 じんたい に有害 ゆうがい である」として、公害 こうがい 問題 もんだい 評論 ひょうろん 家 か の郡司 ぐんじ 篤 あつし 孝 こう が金魚 きんぎょ が泳 およ ぐ水槽 すいそう の中 なか にトフロン(をアルコールに溶 と かしたもの)を投入 とうにゅう し金魚 きんぎょ が絶命 ぜつめい する様子 ようす を見 み せたあたりから、徐々 じょじょ にその有毒 ゆうどく 性 せい が問題 もんだい 視 し されるようになる(なおこの放送 ほうそう を巡 めぐ っては、上野製薬 うえのせいやく が郡司 ぐんじ を「でたらめな実験 じっけん で誤 あやま った風説 ふうせつ を流 なが し業務 ぎょうむ を妨害 ぼうがい した」として告訴 こくそ したが、1974年 ねん に無罪 むざい 判決 はんけつ が下 くだ っている。ただし、金魚 きんぎょ が絶命 ぜつめい したのはアルコールが原因 げんいん であると認定 にんてい されている[ 1] )。実際 じっさい に体重 たいじゅう 1kgに対 たい し0.42グラムで致死 ちし 量 りょう に達 たっ するという毒性 どくせい の強 つよ さから、1970年 ねん には早 はや くも国会 こっかい でその利用 りよう が問題 もんだい として取 と り上 あ げられている[ 2] 。
そして1971年 ねん に、東京医科歯科大学 とうきょういかしかだいがく 教授 きょうじゅ の外村 とのむら 晶 あきら らのグループにより「AF2がヒトの染色 せんしょく 体 たい に異常 いじょう を起 お こさせる」ことが発見 はっけん される。さらに1973年 ねん には国立 こくりつ 遺伝 いでん 学 がく 研究所 けんきゅうじょ の田島 たじま 弥太郎 やたろう らのグループによっても「AF2がバクテリア の遺伝子 いでんし に突然変異 とつぜんへんい を起 お こさせる」ことが確認 かくにん された。その後 ご 、AF2に発癌 はつがん 性 せい があること、AF2が肝臓 かんぞう 内 うち でさらに毒性 どくせい の強 つよ い別 べつ の物質 ぶっしつ に変化 へんか する可能 かのう 性 せい があることなども研究 けんきゅう で明 あき らかになった。これらの影響 えいきょう からAF2の使用 しよう が社会 しゃかい 問題 もんだい となり、当時 とうじ 日本水産 にっぽんすいさん などはいち早 はや くAF2を使 つか わない魚肉 ぎょにく ソーセージの販売 はんばい を開始 かいし するなどの動 うご きを見 み せた[ 3] 。さらに、AF2を使用 しよう していた豆腐 とうふ 製造 せいぞう 業者 ぎょうしゃ の間 あいだ に皮膚 ひふ 炎 えん や神経 しんけい 障害 しょうがい の症状 しょうじょう が出 で たことも報告 ほうこく された[ 4] 。
最終 さいしゅう 的 てき に1974年 ねん 8月 がつ 27日 にち にAF2の食品 しょくひん 添加 てんか 物 ぶつ としての認可 にんか が取 と り消 け され、以後 いご 添加 てんか 物 ぶつ としての使用 しよう は禁止 きんし された。また後 のち に、そもそも厚生省 こうせいしょう が当初 とうしょ AF2を認可 にんか した際 さい の根拠 こんきょ とした安全 あんぜん 性 せい 試験 しけん のデータ(大阪大学 おおさかだいがく 医学部 いがくぶ で行 おこな われたとされた)が、実 じつ は上野製薬 うえのせいやく 側 がわ が行 おこな った実験 じっけん のデータであったことも判明 はんめい し、当初 とうしょ の認可 にんか 過程 かてい 自体 じたい に問題 もんだい があったのではという批判 ひはん も見 み られた。
ただ薬品 やくひん 関係 かんけい の研究 けんきゅう 者 しゃ からは「当時 とうじ は研究 けんきゅう 者 しゃ の変異 へんい 原 ばら 性 せい 試験 しけん の経験 けいけん が浅 あさ く、陽性 ようせい という試験 しけん 結果 けっか だけが独 ひと り歩 ある きしてしまった」「(発癌 はつがん 性 せい 試験 しけん の際 さい の)投与 とうよ 量 りょう は当時 とうじ としては極 きわ めて高 たか い用量 ようりょう で、科学 かがく 的 てき 根拠 こんきょ よりも行政 ぎょうせい 的 てき な目的 もくてき をもった用量 ようりょう 設定 せってい であった」として、AF2の危険 きけん 性 せい が過大 かだい 評価 ひょうか されてしまっているという意見 いけん も出 だ されている。2014年 ねん 現在 げんざい は「in vitro 系 けい では陽性 ようせい だがin vivo 系 けい では陰性 いんせい 」(=生体 せいたい においてはほぼ毒性 どくせい はない)という評価 ひょうか が研究 けんきゅう 者 しゃ の間 あいだ では広 ひろ がっている[ 5] [ 1] 。高 こう 感度 かんど のサルモネラ菌 さるもねらきん 株 かぶ を用 もち いた変異 へんい 原 ばら 性 せい 試験 しけん である Ames test (in vitro) について強 つよ い陽性 ようせい を示 しめ すのは、用 もち いたバクテリアにあるニトロ還元 かんげん 酵素 こうそ が原因 げんいん であり(しかも当初 とうしょ の Ames test では陰性 いんせい であったために、現在 げんざい の菌株 きんしゅ はAF2による変異 へんい 原 ばら 性 せい を強 つよ く示 しめ すものが開発 かいはつ 者 しゃ Ames によって選抜 せんばつ されたものなので、AF2が Ames test に強 つよ い陽性 ようせい を示 しめ すのはその意味 いみ で当然 とうぜん である)、それがない哺乳類 ほにゅうるい 細胞 さいぼう での変異 へんい 原 ばら 性 せい は弱 よわ く、リスクはないか、極 きわ めて低 ひく い、とされる。