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世界せかい重要じゅうよう農業のうぎょう遺産いさんシステム

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世界せかい重要じゅうよう農業のうぎょう遺産いさんシステム(せかいじゅうようのうぎょういさんシステム[ちゅう 1][ちゅう 2]英語えいご: Globally Important Agricultural Heritage Systems=GIAHS(ジアス)通称つうしょう世界せかい農業のうぎょう遺産いさん[5][ちゅう 3])とは、伝統でんとうてき農業のうぎょう林業りんぎょう漁業ぎょぎょうによってはぐくまれ維持いじされてきた土地とち利用りよう農地のうちやためいけ水利すいり施設しせつなどの灌漑かんがい)とその技術ぎじゅつ文化ぶんか風習ふうしゅうなどを一体いったいてき認定にんていし、次世代じせだいへの継承けいしょうはか目的もくてき2002ねん国連こくれん食糧しょくりょう農業のうぎょう機関きかん(FAO)が創設そうせつした制度せいど[広報こうほう 1]対象たいしょう生物せいぶつ多様たようせい保全ほぜん持続じぞく可能かのう農業のうぎょう実践じっせん地域ちいきとなる[6] [7]

GIAHSイニシアティブによる認定にんていサイトは2023ねん時点じてんきたアメリカとオセアニアをのぞく27のくに地域ちいき合計ごうけいで86サイトとなる。

基本きほん理念りねん

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FAOは食糧しょくりょう危機きき見据みす農業のうぎょうだい規模きぼ推進すいしんし、みどり革命かくめいかんがかたをうけ品種ひんしゅ改良かいりょう肥料ひりょう大量たいりょうもちいることでの生産せいさんせい収穫しゅうかくりょう向上こうじょうとしてきた。その結果けっか一部いちぶ地域ちいきでは環境かんきょう破壊はかい企業きぎょう参入さんにゅうによる農業のうぎょう工業こうぎょう寡占かせんといった問題もんだいしょうじてしまった。その反省はんせいまえ、農業のうぎょう原点げんてんさい確認かくにんし、農業のうぎょう就労しゅうろうしゃ減少げんしょう高齢こうれいという問題もんだいまじえてかんがえていこうというみが農業のうぎょう遺産いさん基本きほんてき姿勢しせいである[8]

登録とうろく

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地域ちいきべつ(FAOによる区分くぶん)・国名こくめいアルファベットじゅん登録とうろく年次ねんじじゅん[9]
アジア

バングラデシュの旗 バングラデシュ
  • Floating Garden Agricultural Practices(浮遊ふゆう農業のうぎょうシステム):2015ねん登録とうろく現地げんちではベイラ(baira)・ゲト(geto)・ダハップ(dhap)などとばれるたばねた浮草うきくさじょうでのみずこう栽培さいばい
中華人民共和国の旗 中国ちゅうごく
インドの旗 インド
ジャンムー・カシミール[ちゅう 4]
  • Saffron Heritage of Kashmir(カシミールのサフラン栽培さいばい):2011ねん登録とうろく
イランの旗 イラン
日本の旗 日本にっぽん
大韓民国の旗 韓国かんこく
  • Traditional Gudeuljang Irrigated Rice Terraces in Cheongsando(青山あおやまとうのクドゥルチャンノン):2014ねん登録とうろく、クドゥルはオンドル別称べっしょう、チャンノンは農地のうちのような意味いみ。オンドルにせた石積いしつじょうつちすることで、雨水あまみず排水はいすいしやすくする構造こうぞうふるくは青山あおやま濾水ろすいともばれていた。2021ねんかんがい施設しせつ遺産いさんにも登録とうろく
  • Jeju Batdam Agricultural system(済州さいしゅうとうのパッタム):2014ねん登録とうろく直訳ちょくやくすると「はたけみ」。済州さいしゅうとう溶岩ようがんげた石垣いしがきで、海風かいふうから耕地こうちまもってきた。その様相ようそうからくろりゅう万里ばんり形容けいようされる。
  • Traditional Hadong Tea Agrosystem in Hwagae-myeon(はなひらきめん朝鮮ちょうせんばん伝統でんとうてき河東かわとうちゃ栽培さいばいシステム):2017ねん登録とうろく
  • Geumsan Traditional Ginseng Agricultural System(錦山きんざん伝統でんとうてき高麗こうらい人参にんじん農業のうぎょうシステム):2018ねん登録とうろく
  • Damyang Bamboo Field Agriculture System(潭陽竹林ちくりん農業のうぎょうシステム):2020ねん登録とうろく
  • Sonteul (hand net) Fishery System for gathering Marsh Clam in Seomjingang River(蟾津こうでのソントゥル(手綱たづな)しじみりょうシステム):2023ねん登録とうろく
  • Jeju Haenyeo Fisheries System(済州さいしゅうとう海女あま漁業ぎょぎょうシステム):2023ねん登録とうろく、2016ねん無形むけい文化ぶんか遺産いさん登録とうろく
フィリピンの旗 フィリピン
スリランカの旗 スリランカ
  • The Cascaded Tank-Village System in the Dry Zone of Sri Lanka(スリランカの乾燥かんそう地帯ちたいにあるたきじょうタンク・ビレッジ・システム):2017ねん登録とうろく対象たいしょうとなるEthimale Tank BundやPadaviya Tankはかんがい施設しせつ遺産いさんでもある
タイ王国の旗 タイ

近東きんとうきたアフリカ(アラブアフリカ)

アルジェリアの旗 アルジェリア
 エジプト
  • Siwa Oasis(シワ・オアシス):2016ねん登録とうろく古代こだいエジプト時代じだいからつづ乾燥かんそう農業のうぎょう無形むけい文化ぶんか遺産いさん「ナツメヤシにかんする知識ちしき技術ぎじゅつ伝統でんとう実践じっせん」の構成こうせい資産しさん
モロッコの旗 モロッコ
チュニジアの旗 チュニジア
  • Gafsa Oases(ガフサのオアシス):2011ねん登録とうろく農民のうみん共同きょうどう管理かんりによる灌漑かんがい農業のうぎょう
  • Hanging gardens from Djebba El Olia(ジェバ・エル・オリアの空中くうちゅう庭園ていえん):2020ねん登録とうろく、ゴルアさんでの森林しんりん共生きょうせいする農作物のうさくもつ栽培さいばい
  • Ramli agricultural system in the lagoons of Ghar El Melh(ガール・エル=メルフ英語えいごばんラグーンにおけるラムリ農業のうぎょうシステム):2020ねん登録とうろく
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長しゅちょうこく連邦れんぽう
  • Al Ain and Liwa Historical Date Palm Oases(アル・アインリワナツメヤシオアシス):2015ねん登録とうろく、オアシスでの灌漑かんがい農業のうぎょう。アル・アインは世界せかい遺産いさん、ここでのナツメヤシ栽培さいばい無形むけい文化ぶんか遺産いさんでもある。

アフリカ

 ケニア
  • Oldonyonokie/Olkeri Maasai Pastoralist Heritage(オルドニョノキエ/オルケリのマサイぞく放牧ほうぼく):2011ねん登録とうろく、マサイぞくによる改良かいりょう固有こゆうしゅ牧牛ぼくぎゅう農業のうぎょう
タンザニアの旗 タンザニア
  • Engaresero Maasai Pastoralist Heritage Area(エンガレセロのマサイぞく放牧ほうぼく):2011ねん登録とうろく、ケニアのオルケリマサイぞく社会しゃかいてき地理ちりてき分断ぶんだんされたマサイぞく牧牛ぼくぎゅう農業のうぎょう
  • Shimbwe Juu Kihamba Agro-forestry Heritage Site(シンブウェ・ジュ・キハンバのこん農林のうりんぎょう):2011ねん登録とうろくキリマンジャロみなみふもとられる標高ひょうこうべつ果樹かじゅ建材けんざいりんバナナはやしコーヒー低木ていぼく菜園さいえんの4そうからなる有機ゆうき循環じゅんかんこん農林のうりんぎょう

ヨーロッパ

アンドラの旗 アンドラ
 オーストリア
スペインの旗 スペイン
  • Malaga Raisin Production System in La Axarquía(ラ・アハルキア英語えいごばんマラガレーズン生産せいさんシステム):2017ねん登録とうろく
  • The Agricultural System of Valle Salado de Añana(アニャナ塩谷しおや農業のうぎょうシステム):2017ねん登録とうろく
  • The Agricultural System Ancient Olive Trees Territorio Sénia(セニア地域ちいきオリーブ古木ふるきによる農業のうぎょうシステム):2018ねん登録とうろく
  • Historical Irrigation System at l'Horta de València(オルタ・デ・バレンシア歴史れきしてき灌漑かんがいシステム):2019ねん登録とうろく
  • Agrosilvopastoral system Mountains of León(レオン山地さんち農林のうりん牧畜ぼくちくシステム):2022ねん登録とうろく
イタリアの旗 イタリア
ポルトガルの旗 ポルトガル
  • Barroso Agro-sylvo-pastoral System(バローソ英語えいごばん農業のうぎょう林間りんかん放牧ほうぼくシステム):2018ねん登録とうろく

ラテンアメリカ

ブラジルの旗 ブラジル
 チリ
エクアドルの旗 エクアドル
  • Andean chakra: an ancestral agricultural system of Kichwas Cotacachi Communities(アンデスチャクラキチュワス英語えいごばんコタカチ英語えいごばん・コミュニティの先祖せんぞ伝来でんらい農業のうぎょうシステム):2023ねん登録とうろく
  • Amazonian Chakra, a traditional agroforestry system managed by Indigenous communities in Napo province(アマゾンのチャクラ:ナポけん先住民せんじゅうみんコミュニティによって管理かんりされる伝統でんとうてきこん農林のうりんぎょうシステム):2023ねん登録とうろく
メキシコの旗 メキシコ
ペルーの旗 ペルー
  • Andean Agriculture(アンデス農業のうぎょう[6]:2011ねん登録とうろくインカ文明ぶんめいからつづくジャガイモ栽培さいばいと、高地こうちでのアルパカ放牧ほうぼく

登録とうろく手順てじゅん

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農業のうぎょう遺産いさん認定にんてい手続てつづきは、初期しょき段階だんかいにおいてはとし1かいのFAO年次ねんじ総会そうかいわせておこなわれ、その専属せんぞくのGIAHS会議かいぎ開催かいさいするようになったが、明文化めいぶんかされた書式しょしきがなく慣例かんれいてきおこなわれてきた。そこで2016ねん科学かがく審査しんさ委員いいんかい設置せっちし、「GIAHS認定にんてい手続てつづきにかんする指針ししん」を策定さくていした。どう委員いいんかいはFAOにおけるかく地域ちいき区分くぶんから選出せんしゅつされた7めい委員いいん構成こうせいされ、認定にんてい審査しんさ担当たんとうする[11]

原則げんそくとして認定にんてい審査しんさとし1かいのGIAHS会議かいぎにおいてで、2017ねんは11月23〜25にちおこなわれたが、日本にっぽん大崎おおさき耕土こうどは12月12にちに、静岡しずおかのわさび栽培さいばい阿波あわ傾斜地けいしゃち農耕のうこうは2018ねん3がつ9にち追加ついか認定にんていおこなわれるなど変則へんそくてき対応たいおうもみられる。

日本にっぽんからの推薦すいせんには、希望きぼうする地域ちいき管轄かんかつ地方ちほう農政のうせいきょく上申じょうしんし、農林水産省のうりんすいさんしょう農村のうそん環境かんきょう農村のうそん環境かんきょう対策たいさくしつ推薦すいせん相応ふさわしい物件ぶっけんであるかを判断はんだんし、農林のうりん水産すいさん大臣だいじん名前なまえ推薦すいせんおこなわれる。

傾向けいこう

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伝統でんとうてき農林のうりん水産すいさんぎょう対象たいしょうにするとはいえ、特定とくてい地域ちいき農地のうちおこなわれている単独たんどく農法のうほうより広域こういき連携れんけいせい、さらにふくあいてき要素ようそ生産せいさん管理かんり体制たいせいともなう「システム」を全体ぜんたいてき包括ほうかつするようにしている。

地域ちいき全体ぜんたいにおけるいち産業さんぎょう相互そうご補完ほかん文化ぶんか循環じゅんかん)による文化ぶんか形成けいせいけん対象たいしょうとするれいとして、能登のとさと山里やまざとかいでは棚田たなだ農業のうぎょうだけではなく、天日てんじつ稲穂いなほかわかすはざし、炭焼すみやきや漆器しっき輪島塗わじまぬりささえるうるし栽培さいばいうるしきなどの林業りんぎょうはましき製塩せいえんほう海女あまりょうぼらりょうなど、能登半島のとはんとう全域ぜんいきにおけるやまうみめぐみをかしたいち産業さんぎょう対象たいしょうとしている。

なお、能登のとさと山里やまざとかいは2011ねん平成へいせい23ねん)に認定にんていされたが、ねんたからいたる志水しみずまち追加ついか認定にんていされており、制度せいどてき認定にんてい範囲はんい拡張かくちょう可能かのうであることが確認かくにんされた。

世界せかい遺産いさんとの差異さい

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世界せかい遺産いさん不動産ふどうさん有形ゆうけいざい構築こうちくぶつ対象たいしょうとし厳正げんせい保護ほご目的もくてきであるのにたいし、農業のうぎょう遺産いさん伝統でんとうてき農業のうぎょう手法しゅほう伝承でんしょう無形むけい財産ざいさん)とそれをおこな農地のうち周辺しゅうへん環境かんきょう文化ぶんかてき環境かんきょう環境かんきょうざい)の保護ほご目的もくてきとし、農業のうぎょう遺産いさん認定にんていブランドとして産物さんぶつ遺産いさん商品しょうひんみとめている。

いちれいげると、世界せかい遺産いさんのフィリピン・コルディリェーラの棚田たなだぐん登録とうろく範囲はんいバナウェ中心ちゅうしんとしたやく200平方へいほうkmののこそん状態じょうたい良好りょうこうかぎられた箇所かしょしぼられているのにたいし、農業のうぎょう遺産いさんのイフガオの棚田たなだイフガオぞくらしパヨとばれる棚田たなだがあるイフガオしゅう11175むらまたがやく680平方へいほうkmと、世界せかい遺産いさんさんばい以上いじょうひろさになる。とく世界せかい遺産いさんでは文化ぶんかてき景観けいかんという概念がいねん適用てきようされていることから、農作業のうさぎょうにおける機械きかい農薬のうやく使用しようなども制限せいげんされ維持いじ管理かんりむずかしいが、農業のうぎょう遺産いさんでは農民のうみん生活せいかつ向上こうじょうはかるため各戸かっこへの電力でんりょく供給きょうきゅうなども推奨すいしょうしており(娯楽ごらくようではなく気象きしょう情報じょうほう入手にゅうしゅのためのテレビやインターネットの普及ふきゅう目的もくてき)、景観けいかん阻害そがいするおそれがある。また世界せかい遺産いさんでは棚田たなだ景観けいかん重視じゅうしするが、農業のうぎょう遺産いさんでは棚田たなだ周辺しゅうへんおこなわれる焼畑やきばた農地のうちなどもふくんでいる。

問題もんだいてん

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国内こくない

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農業のうぎょう遺産いさん生産せいさん観光かんこう目的もくてきではないものの、登録とうろく宣伝せんでん効果こうか農業のうぎょう遺産いさん知名度ちめいど向上こうじょうともない、観光かんこうきゃくえる傾向けいこうにある。その影響えいきょうにより、耕作こうさくへのりやプライバシー侵害しんがい浮上ふじょうしつつある(観光かんこう公害こうがい)。

農業のうぎょう遺産いさんブランドが浸透しんとうすることで、海外かいがい海賊版かいぞくばんのような無断むだん商標しょうひょう使用しようあるいは日本にっぽん地名ちめい産地さんち偽装ぎそうひん流通りゅうつう拍車はくしゃがかかった。これまで日本にっぽんには地理ちりてき表示ひょうじ保証ほしょう制度せいどがなかったため、「農林のうりん物資ぶっし規格きかくおよび品質ひんしつ表示ひょうじ適正てきせいかんする法律ほうりつ」の改正かいせいと「特定とくてい農林のうりん水産物すいさんぶつとう名称めいしょう保護ほごかんする法律ほうりつ制定せいていにより、2015ねん平成へいせい27ねん6月1にちより『GIマーク』の導入どうにゅうはじめたが[12]国外こくがいでのまりは困難こんなんである。

海外かいがい

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農業のうぎょう遺産いさん効率こうりつ向上こうじょうのため工業こうぎょうみとめ、農家のうか生活せいかつ向上こうじょう目指めざ副産物ふくさんぶつ製作せいさく奨励しょうれいしており、日本にっぽん6産業さんぎょう注視ちゅうししているが、中国ちゅうごくにおいては加工かこう工場こうじょうへの就労しゅうろうからルイスの転換てんかんてんむかえる本末転倒ほんまつてんとう事態じたい発生はっせいしている。

農業のうぎょう=エコというイメージ・風潮ふうちょうがあるが、生物せいぶつ多様たようせい観点かんてんからすると、人為じんいてき単一たんいつ作物さくもつ栽培さいばいすることは連作れんさく障害しょうがいなどをまね環境かんきょう負荷ふか環境かんきょう破壊はかいともいえる。循環じゅんかんがたとされる焼畑やきばた農業のうぎょうインドネシアスマトラ島すまとらとう野焼のやきがシンガポール深刻しんこく煙害えんがい(ヘイズ)をあたえている[広報こうほう 5]

また、アフリカなど途上とじょうこく農業のうぎょうにおいては、プランテーションによる搾取さくしゅ児童じどう労働ろうどう問題もんだいひそんでいる。

たばこアメリカンスピリット宣伝せんでん文句もんくに「タバコは農業のうぎょう」とあり、キューバビニャーレス渓谷けいこくでのタバコ栽培さいばい世界せかい遺産いさんになっているが、社会しゃかいあくとなった煙草たばこ栽培さいばいたいする批判ひはんまぬかれない(たばこ規制きせいわくぐみ条約じょうやくでは栽培さいばい否定ひていしていない)。

展開てんかい展望てんぼう

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FAOはWFP(国際こくさい連合れんごう世界せかい食糧しょくりょう計画けいかく)やUNEP(国際こくさい連合れんごう環境かんきょう計画けいかく)そしてユネスコなどと、農業のうぎょう遺産いさん中心ちゅうしん農業のうぎょう環境かんきょうしょくについて連携れんけいふかめており、民間みんかん運動うんどうとの相互そうご補完ほかん視野しやれている。いちれいとして、公的こうてきなものとしては創造そうぞう都市としネットワークしょく部門ぶもん民間みんかんではスローシティ運動うんどう世界せかいもっとうつくしいむら運動うんどう不二ふじ運動うんどうなどがげられる。

また、農林水産省のうりんすいさんしょう独自どくじ日本にっぽん農業のうぎょう遺産いさん制度せいど創設そうせつ[13]中国ちゅうごくでは重要じゅうよう農業のうぎょう文化ぶんか遺産いさん中国ちゅうごく重要じゅうよう农业文化ぶんか遗产)、韓国かんこくでも国家こっかのう漁業ぎょぎょう遺産いさん(농가유산・어업유산)として推進すいしんしている。こうした各国かっこく国内こくない施策しさくを「Nationally Important Agriculture Heritage Systems(NIAHS)」としてFAOが奨励しょうれいしている。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ FAO日本語にほんごばんサイトではこの訳語やくご使用しよう[広報こうほう 1]羽咋はくい熊本くまもとけんのサイトなどでもこの訳語やくご使用しよう[広報こうほう 2][広報こうほう 3]
  2. ^ 輪島わじまのサイト、北國きたぐに新聞しんぶん日本経済新聞にほんけいざいしんぶんなどではこの訳語やくご使用しよう[広報こうほう 4][1][2][3]。その世界せかい重要じゅうよう農業のうぎょう文化ぶんか資産しさんやくされたこともあった[4]
  3. ^ 一般いっぱん略称りゃくしょう佐渡さどでは当初とうしょ世界せかい重要じゅうよう農業のうぎょう資産しさんシステム」または「世界せかい重要じゅうよう農業のうぎょう資産しさん」の表記ひょうき使用しようしていたが、2011ねん5がつ29にち意見いけん交換こうかんかい以降いこうに「世界せかい農業のうぎょう遺産いさん」に変更へんこう統一とういつしたとしている。
  4. ^ カシミール地方ちほうはパキスタンとの領土りょうど問題もんだいがあるためインド政府せいふでなく地方ちほう政府せいふによる推薦すいせんで、FAOも地域ちいき認定にんていした。ただし、2019ねんジャンムー・カシミール連邦れんぽう直轄ちょっかつりょう発足ほっそくし、インドは自国じこく物件ぶっけんあつかいをもとめている。

出典しゅってん

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  1. ^ 能登のと里山さとやまみたい」 棚田たなだ景観けいかん絶賛ぜっさん 世界せかい農業のうぎょう遺産いさん認定にんていでFAO部長ぶちょう視察しさつ 羽咋はくい神子原みこはら. 北國きたぐに新聞しんぶん. (2011ねん6がつ7にち). オリジナルの2014ねん10がつ23にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141023074347/http://www.hokkoku.co.jp/subpage/E20110617001.htm 2013ねん5がつ30にち閲覧えつらん 
  2. ^ 世界せかい農業のうぎょう遺産いさん佐渡さど能登のと登録とうろく 国連こくれん食糧しょくりょう農業のうぎょう機関きかん. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん. (2011ねん6がつ8にち). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08011_Y1A600C1000000/ 2013ねん5がつ30にち閲覧えつらん 
  3. ^ “「静岡しずおかちゃ草場くさば」を世界せかい農業のうぎょう遺産いさん認定にんてい. 中日新聞ちゅうにちしんぶん. (2013ねん5がつ30にち). http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20130530/CK2013053002000077.html 2013ねん5がつ30にち閲覧えつらん [リンク]
  4. ^ COP10名古屋なごやけて:さとさん世界せかい重要じゅうよう農業のうぎょう文化ぶんか資産しさん” (PDF). 国連大学こくれんだいがく高等こうとう研究所けんきゅうじょ. 2013ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  5. ^ 特集とくしゅう1 世界せかい農業のうぎょう遺産いさん(1)”. 農林水産省のうりんすいさんしょう. 2013ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  6. ^ a b c d e 水越みずこし直哉なおや (2015ねん12月16にち). “「清流せいりゅう長良川ながらがわあゆ認定にんてい 世界せかい農業のうぎょう遺産いさんって 漁法ぎょほう文化ぶんか幅広はばひろ評価ひょうか”. 中日新聞ちゅうにちしんぶん (中日新聞社ちゅうにちしんぶんしゃ): p. 朝刊ちょうかん 5 
  7. ^ a b 渡辺わたなべ泰之やすゆき (2015ねん12月16にち). “「長良川ながらがわあゆ世界せかい農業のうぎょう遺産いさん”. 中日新聞ちゅうにちしんぶん (中日新聞社ちゅうにちしんぶんしゃ): p. 朝刊ちょうかん 1 
  8. ^ 世界せかい農業のうぎょう遺産いさんだい規模きぼ反省はんせい 武内たけうち国連大学こくれんだいがく上級じょうきゅうふく学長がくちょう毎日新聞まいにちしんぶん 2013ねん8がつ23にち 東京とうきょうばん
  9. ^ List of Globally Important Agricultural Heritage Systems (GIAHS) | GIAHS - ぜんたま重要じゅうよう农业文化ぶんか遗产 | 联合こく粮食及 农业组织 | GIAHS | Food and Agriculture Organization of the United Nations”. www.fao.org. 2023ねん12月1にち閲覧えつらん
  10. ^ 扇状地せんじょうち活用かつようした果樹かじゅ栽培さいばい 世界せかい農業のうぎょう遺産いさん認定にんてい 山梨やまなしけんかいひがし地域ちいき」 UTYニュース 2022ねん7がつ19にち
  11. ^ 世界せかい農業のうぎょう遺産いさん概要がいよう FAOちゅうにち連絡れんらく事務所じむしょ
  12. ^ 農水省のうすいしょう、6月開始かいし地理ちりてき表示ひょうじ保護ほご制度せいど登録とうろくしめぎあきら「GIマーク」公表こうひょうざい情報じょうほうきょく
  13. ^ 日本にっぽん農業のうぎょう遺産いさん創設そうせつへ=文化ぶんか継承けいしょう地域ちいき振興しんこう活用かつよう-農水省のうすいしょう 時事通信じじつうしん2016ねん3がつ3にち[リンク]

広報こうほう資料しりょう・プレスリリースなどいち資料しりょう

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  1. ^ a b 世界せかい重要じゅうよう農業のうぎょう遺産いさんシステム(GIAHS)”. FAO. 2013ねん6がつ10日とおか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  2. ^ 世界せかい重要じゅうよう農業のうぎょう遺産いさんシステム(GIAHS)認定にんてい”. 羽咋はくい (2011ねん9がつ21にち). 2014ねん10がつ16にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  3. ^ 阿蘇あそ世界せかい農業のうぎょう遺産いさんへ〜阿蘇あそ草原そうげん維持いじ持続じぞくてき農業のうぎょう”. 熊本くまもとけん (2013ねん3がつ25にち). 2013ねん5がつ30にち閲覧えつらん[リンク]
  4. ^ 世界せかい農業のうぎょう遺産いさん能登のとさと山里やまざとかい”. 輪島わじま (2013ねん4がつ11にち). 2013ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  5. ^ シンガポール・マレーシア:煙害えんがい(ヘイズ)にかんする注意ちゅうい喚起かんき - 外務省がいむしょう海外かいがい安全あんぜんホームページ

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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