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M-2002

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
暴風ぼうふうごう / 暴風ぼうふうとら天馬てんば-215/216)
性能せいのうしょもと
全長ぜんちょう 10.28 m
車体しゃたいちょう 6.46 m
全幅ぜんぷく 3.45 m
ぜんこう 2.23 m
重量じゅうりょう 39.51 t
懸架けんか方式ほうしき トーションバー方式ほうしき
速度そくど 57 km/h整地せいち
45 km/h(整地せいち
行動こうどう距離きょり 430 km
700 - 900 km(外部がいぶタンク搭載とうさい
主砲しゅほう 115 mmすべり腔砲 2A20(暴風ぼうふうごうI)または125mmすべり腔砲(暴風ぼうふうごうII)
ふく武装ぶそう PKT7.62mm機関きかんじゅう同軸どうじく
KPV14.5mmじゅう機関きかんじゅう対空たいくう
9K38対空たいくうミサイル(対空たいくう)
とり3 対戦たいせんしゃミサイル対地たいち
装甲そうこう ふくあい装甲そうこう
エンジン 4ストロークVがた12気筒きとう水冷すいれいディーゼルエンジン
1000(±150)hp
乗員じょういん 4 めい
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外部がいぶからM-2002のコードネームで認識にんしきされる、天馬てんば-215/216こと、暴風ぼうふうごうまたは暴風ぼうふうとら発音はつおんはどちらもどうじ、ポップンホ)は、1990年代ねんだい朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく北朝鮮きたちょうせん)が開発かいはつしたとされる戦車せんしゃである。

概要がいよう

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1990年代ねんだい初頭しょとう朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐんT-5559しき戦車せんしゃをはじめ、T-62ライセンス生産せいさんした天馬てんばごう / 天馬てんまとら(チョンマホ)配備はいびしていた。一方いっぽう北朝鮮きたちょうせん事実じじつじょう敵国てきこくである大韓民国だいかんみんこくK1開発かいはつだい規模きぼ配備はいびはじめたことに刺激しげきされ、1990年代ねんだいはいって、朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとうしたかれるだい2経済けいざい委員いいんかいだい2国防こくぼう科学かがくいんにより、T-62をもと開発かいはつはじまったとされる[1]

2002ねん2がつ16にちには、平壌ぴょんやん郊外こうがい新型しんがた戦車せんしゃ性能せいのう試験しけんおこなったことが朝鮮ちょうせん中央ちゅうおう放送ほうそうのテレビ番組ばんぐみ発表はっぴょうされ、アメリカ国防総省こくぼうそうしょうは、この新型しんがた戦車せんしゃにM-2002の仮称かしょうあたえた[2]

咸鏡南道みなみどう新興しんこうのリュ・ギョンス[3]戦車せんしゃ工場こうじょうで2002ねんから生産せいさんされているとされる。

2010ねん2がつ北朝鮮きたちょうせん国内こくない放送ほうそうにて新型しんがた戦車せんしゃ動画どうがふたた公開こうかいされ、4がつ大韓民国だいかんみんこく韓国かんこく放送ほうそう公社こうしゃだい2チャンネルがあさ8のニュース番組ばんぐみで、この映像えいぞう受信じゅしんした動画どうが放映ほうえいした。画面がめんにはT-72とはことなる戦車せんしゃいちだい走行そうこうしていた[4]。このとき公開こうかいされた画像がぞうでは、戦車せんしゃ側面そくめんてんが、画像がぞうわるい、回転かいてんしている、砂埃すなぼこり、などで不鮮明ふせんめいながらも、T-55 - T-62系列けいれつのスターフィッシュがたうたてえることも、この新型しんがた戦車せんしゃがT-62をもと開発かいはつされたことを裏付うらづけている。そのどう2010ねんおこなわれた軍事ぐんじパレードに大挙たいきょして登場とうじょう。パレードに招待しょうたいされた北朝鮮きたちょうせん国外こくがいのメディアにも大々的だいだいてき公開こうかいされた。

労働ろうどう新聞しんぶん2016ねん2がつ27にちけは、「敬愛けいあいするきむただしおん同志どうしあらたに開発かいはつされた対戦たいせんしゃ誘導ゆうどう兵器へいき試験しけん射撃しゃげき指導しどうされた」のだいで、北朝鮮きたちょうせん新型しんがた対戦たいせんしゃミサイルの標的ひょうてきとして破壊はかいされた、うたて片側かたがわ6戦車せんしゃ画像がぞう掲載けいさいした。そのT-62ふう鋳造ちゅうぞうによるとおぼしき砲塔ほうとう直接ちょくせつ照準しょうじゅんあな機銃きじゅうあなひらいた前面ぜんめんからは、直線ちょくせん平面へいめんてき追加ついか装甲そうこう剥離はくりし、おそらく暴風ぼうふうごうかくがた砲塔ほうとうも、基礎きそとなる鋳造ちゅうぞう砲塔ほうとう周囲しゅうい直線ちょくせん平面へいめんてき追加ついか装甲そうこうけたものと推測すいそくされる。

開発かいはつ経緯けいい

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過去かこには、2001ねん8がつにロシアを訪問ほうもんしたきむ正日じょんいる当時とうじプーチン大統領だいとうりょうともオムスク戦車せんしゃ工場こうじょう英語えいごばん視察しさつしたさいにT-90の購入こうにゅう要求ようきゅうし、拒否きょひされたことで自国じこく開発かいはつせざるをなくなったという推測すいそくもあった。しかし、北朝鮮きたちょうせんはその翌年よくねんである2002ねんには新型しんがた戦車せんしゃ性能せいのう試験しけんおこなっていることから、要求ようきゅうしたのはT-90にもちいられている新型しんがたエンジンV-84-MSや51口径こうけい125mmすべり腔砲 2A46M-2だというせつもある[5]

T-72ベースせつ

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北朝鮮きたちょうせんが1990年代ねんだいソビエト連邦れんぽうからT-72やく300りょう入手にゅうしゅし(かり事実じじつだとしてもモンキーモデルのT-72Mだとおもわれる)、平壌ぴょんやん中心ちゅうしんとした戦車せんしゃ師団しだん配備はいびした」、もしくは、「北朝鮮きたちょうせんソ連それん時代じだいにT-72のライセンス生産せいさん許可きょかて、1991ねんから大量たいりょう生産せいさんした」、との確認かくにん情報じょうほうがある[2]。しかし北朝鮮きたちょうせんがT-72を、ロシアから購入こうにゅうしたり、ライセンス生産せいさんをしたという確証かくしょうはない。一説いっせつには北朝鮮きたちょうせんは、ざい韓米かんべいぐんM1A1韓国かんこく陸軍りくぐんK1対抗たいこうするために、ソ連それんにT-72の供与きょうよもとめたが、T-72の技術ぎじゅつ北朝鮮きたちょうせん経由けいゆ中国ちゅうごく流出りゅうしゅつすることをおそれたソ連それんことわられたともわれている(しかし結局けっきょく中国ちゅうごくべつルートでT-72を入手にゅうしゅし、国産こくさん戦車せんしゃ開発かいはつ参考さんこうとしている)。

上記じょうきもとづく推測すいそくでは、オムスク視察しさつのち北朝鮮きたちょうせんだい機械きかい工業こうぎょう設計せっけいきょく[6]でT-72をもとにしたと推測すいそくされる新型しんがた戦車せんしゃ開発かいはつはじまったとされる。

聯合れんごうニュース2010ねん8がつ17にちけによると、「韓国かんこく情報じょうほう当局とうきょくは、北朝鮮きたちょうせんは1990年代ねんだいまつまで「T-62」と「天馬てんばごう」を独自どくじ生産せいさんし、前方ぜんぽう地域ちいき平壌ぴょんやん一帯いったい集中しゅうちゅう配備はいびしたと把握はあくしている」とある。上記じょうきの「T-72を1990年代ねんだい入手にゅうしゅもしくはライセンス生産せいさん」「T-72を平壌ぴょんやん中心ちゅうしん配備はいび」というせつは、この聯合れんごうニュースの報道ほうどうおな情報じょうほうなかの「T-62」と「天馬てんばごう」をT-72と錯誤さくごしたものとおもわれる[7]

このように北朝鮮きたちょうせんは(戦力せんりょくとしては)T-72を保有ほゆうしていないという言説げんせつもあったが、北朝鮮きたちょうせん映画えいがいち生涯しょうがい人民じんみんなかで」の9さくにて不鮮明ふせんめいながらもうつっており、すくなくとも1りょうのT-72を保有ほゆうしていたことが、2020ねん判明はんめいしている。イラン・イラク戦争せんそうなか(1980ねん~1988ねん)にイランぐんによって鹵獲ろかくされたイラクぐん損傷そんしょうしたT-72(おそらく輸出ゆしゅつがたであるオブイェークト172M-E1/2)が、イランから北朝鮮きたちょうせん供与きょうよされた可能かのうせいたかい。入手にゅうしゅ時期じきは1985ねん~1992ねんあいだ(1988ねん以降いこう可能かのうせいたかい)と推測すいそくされる。

このT-72が、北朝鮮きたちょうせん新型しんがた戦車せんしゃがT-62をベースとしつつも、その開発かいはつ参考さんこう資料しりょうになった可能かのうせいがある(類似るいじれいに、ソ連それんから鹵獲ろかくしたT-62参考さんこう資料しりょうに、59しき戦車せんしゃ(=T-54A)をベースに改良かいりょうして、69しき戦車せんしゃ(=T-62そのもののコピーではない)を開発かいはつした、中国ちゅうごくれいがある)。

設計せっけい

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現在げんざい実戦じっせん配備はいびされている北朝鮮きたちょうせん新型しんがた戦車せんしゃ後述こうじゅつのM-2020はのぞく)は、種類しゅるい確認かくにんされており、かくがた砲塔ほうとう左側ひだりがわ操縦そうじゅうせき戦車せんしゃは「暴風ぼうふうごう / 暴風ぼうふうとら」(天馬てんば-215/216)、おわんがた砲塔ほうとう中央ちゅうおう操縦そうじゅうせき戦車せんしゃは「さきぐんごう / さきぐんとら」(さきぐん-915)とされているが、実態じったい不明ふめいである。これらの新型しんがた戦車せんしゃ車体しゃたいはファミリーされているようで、ミサイルの移動いどうしき発射はっしゃだいはしほうにも転用てんようされている。

車体しゃたい

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暴風ぼうふうごう / 暴風ぼうふうとらは、T-62の車体しゃたいをわずかに延長えんちょうして、それまでのT-55 - T-62のようなだい直径ちょっけいてんから、T-72のようななか直径ちょっけいてん(ただしスターフィッシュがた)にすることで、うたてかず片側かたがわ5から6やし、T-62では車体しゃたい前方ぜんぽうりだった砲塔ほうとう車体しゃたい中央ちゅうおう位置いちさせたものであるとするせつもある。それが推測すいそくされる理由りゆうT-64戦車せんしゃ以後いごのソビエトせい戦車せんしゃでは操縦そうじゅうせき中央ちゅうおう移動いどうしたが、北朝鮮きたちょうせん新型しんがた戦車せんしゃ依然いぜんとして左側ひだりがわ設置せっちされていることにある[4]

成型せいけい炸薬さくやくだん対策たいさく前部ぜんぶフェンダーは角張かくばっており、車体しゃたい側面そくめんにはサイドスカートが装備そうびされ、車体しゃたい前方ぜんぽう下部かぶにはゴムばん装備そうびしている。砲塔ほうとうもT-72とおおきく形状けいじょうことなり、85しき戦車せんしゃた、前面ぜんめんくさびがた増加ぞうか装甲そうこうけた、めん構成こうせいかくがた溶接ようせつ?)砲塔ほうとうである[4]砲塔ほうとう前面ぜんめん側面そくめんこうめん角度かくど垂直すいちょくではなく傾斜けいしゃしている。また、砲塔ほうとう車体しゃたい表面ひょうめん爆発ばくはつ反応はんのう装甲そうこう(ERA)を追加ついか装備そうびする可能かのうせいもある。くるまちょうせきはT-62とおなじく砲塔ほうとう左側ひだりがわにある(T-72は砲塔ほうとう右側みぎがわ)。砲塔ほうとう側面そくめんには左右さゆうそれぞれ4連装れんそう発煙はつえんだん発射はっしゃそなえている。

武装ぶそう

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しゅ武装ぶそうは、T-62に搭載とうさいされている115mmすべり腔砲2A20、もしくは、T-72に搭載とうさいされている125mmすべり腔砲2A26/2A46/2A46Mまたはその改良かいりょうがたかんがえられており[4] [8]「、主砲しゅほう基部きぶにT-62(天馬てんばごう/天馬てんまとら)よりも若干じゃっかんおおきなはこがたのレーザーはか距儀とされるを装備そうびする。9M119 レフレークス対戦たいせんしゃミサイルの運用うんよう能力のうりょくがあるかは不明ふめい砲塔ほうとう上面うわつら対戦たいせんしゃミサイル発射はっしゃそなえていることから、ほう自体じたいには、ほう発射はっしゃ対戦たいせんしゃミサイルの運用うんよう能力のうりょくい、もしくは、制限せいげんされている可能かのうせいたかい)。かくがた砲塔ほうとう新型しんがた戦車せんしゃ主砲しゅほう砲身ほうしんにサーマルスリーブは装着そうちゃくされておらず、おわんがた砲塔ほうとう新型しんがた戦車せんしゃには装着そうちゃくされている。

ふく武装ぶそうとして、きゅうソ連それん戦車せんしゃおなPKT7.62mm機関きかんじゅう主砲しゅほう同軸どうじくほう右側みぎがわ)に装備そうびするが、砲塔ほうとう上面うわつら右側みぎがわ対空たいくう機関きかんじゅう朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐんほか装甲そうこう車両しゃりょうおなKPV14.5mmじゅう機関きかんじゅう強化きょうかされている。

わんがた砲塔ほうとう新型しんがた戦車せんしゃは、主力しゅりょく戦車せんしゃとしてはめずらしく、砲塔ほうとう上面うわつら左側ひだりがわくるまちょうようキューポラ左側ひだりがわに、対空たいくうミサイル(ロシアの「9K38 イグラ」、射程しゃてい5km)の発射はっしゃ搭載とうさい可能かのう画像がぞう外部がいぶリンク2参照さんしょう)。これらは赤外線せきがいせん誘導ゆうどうで、本来ほんらい歩兵ほへい携行けいこうする短距離たんきょりミサイルだが、低空ていくう低速ていそく飛行ひこうする対戦たいせんしゃヘリコプターなどには充分じゅうぶん脅威きょういとなる。また、主砲しゅほうぼうたて上部じょうぶに、対戦たいせんしゃミサイル「とり3」の発射はっしゃ2搭載とうさい可能かのう

2017ねん4がつ15にちきむ日成いるそん生誕せいたん105ねん記念きねん平壌ぴょんやん軍事ぐんじパレードでは、かくがた砲塔ほうとう戦車せんしゃにも対戦たいせんしゃ対空たいくうミサイル(どちらも連装れんそう)の搭載とうさい確認かくにんされた。いちれいとして、対戦たいせんしゃミサイルは砲塔ほうとう上面うわつら左側ひだりがわ携行けいこうしき対空たいくうミサイルは砲塔ほうとう右側みぎがわ後部こうぶ突出とっしゅつするかたち架台かだい基部きぶRWS砲塔ほうとうないからの遠隔えんかく操作そうさしき)とするせつがある)を増設ぞうせつして、位置いちしている。砲塔ほうとう上面うわつら中央ちゅうおう装備そうびは、連装れんそうしきの「AGS-30 30mm自動じどう擲弾じゅう」とするせつがある。また、べつれいでは、砲塔ほうとう上面うわつら左側ひだりがわ連装れんそうしき対戦たいせんしゃミサイル1、その後方こうほうたんそうしき携帯けいたいしき対空たいくうミサイル1対戦たいせんしゃミサイルはロシアの「9K111 ファゴット(AT-4 スピガット)」の北朝鮮きたちょうせんばん発展はってんがたとり3」とするせつがある。

とり3」は2008ねんごろ開発かいはつされたもので、SACLOS方式ほうしきの「9K111」を原型げんけいに、北朝鮮きたちょうせん独自どくじにレーザー誘導ゆうどう方式ほうしき改良かいりょうしたものであり、直径ちょっけい120㎜、重量じゅうりょう26㎏、射程しゃていは3㎞。発射はっしゃとう照準しょうじゅん形状けいじょうが、縦長たてながの「9K111」とことなり、横長よこながであることから「9K111」との区別くべつ可能かのう。その配備はいびされた「とり3」は2012ねん北朝鮮きたちょうせん閲兵えっぺいしきはつ公開こうかい。2016ねん2がつには、射程しゃていばいちかくの5.5㎞に延伸えんしんした改良かいりょうがた試験しけんされた。この改良かいりょうがたはロシアの「9K133 コルネット(AT-14 スプリガン)」に匹敵ひってきする性能せいのうである(もしくは、コルネットの直接的ちょくせつてきなコピーの可能かのうせいもある)。

さきぐんごう / さきぐんとらさきぐん-915)

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2010ねん10がつ10日とおか軍事ぐんじパレードでは、うたてが6操縦そうじゅうせき中央ちゅうおうにある新型しんがた車体しゃたいに、おわんがた砲塔ほうとうせた新型しんがた戦車せんしゃ確認かくにんされている[2]。これを天馬てんばごう/天馬てんまとら最新さいしんがたとするせつもあるが、2010ねんと2012ねん天馬てんばごう/天馬てんまとら最新さいしんがたである「天馬てんば5ごう(チョンマオホ)」がこれとはべつ登場とうじょうしている。

サーマルスリーブを装着そうちゃくした主砲しゅほうは125mmすべり腔砲である可能かのうせいたかいが、外観がいかんから2A26/2A46けい単純たんじゅんなコピーではないようである。また、砲塔ほうとう下方かほう自動じどう装填そうてん装置そうち(オートローダー)は搭載とうさいしていない可能かのうせいたかい。そのため、装填そうてんしゅがいるものとかんがえられる。砲塔ほうとうないは3めいで、くるまちょう砲塔ほうとう後部こうぶ左側ひだりがわに、砲手ほうしゅ前方ぜんぽう左側ひだりがわに、装填そうてんしゅ右側みぎがわにいる。砲塔ほうとう上面うわつら右側みぎがわにはKPV14.5mmじゅう機関きかんじゅう装填そうてんしゅ操作そうさ。RWSではないので、射撃しゃげきはハッチからさら必要ひつようがある)を、砲塔ほうとう上面うわつら左側ひだりがわには携行けいこう対空たいくうミサイル(くるまちょう操作そうさ)をそなえている。砲塔ほうとう側面そくめんには左右さゆうそれぞれ4連装れんそう発煙はつえんだん発射はっしゃそなえている。操縦そうじゅうせき前方ぜんぽう傾斜けいしゃした車体しゃたい前面ぜんめんには、爆発ばくはつ反応はんのう装甲そうこうのブロックらしきものが確認かくにんできる。この2010ねん時点じてんでは砲塔ほうとう前面ぜんめん爆発ばくはつ反応はんのう装甲そうこうらしきものは確認かくにんできない。砲塔ほうとう後部こうぶはこじょうのバスルになっており、即応そくおうだん収納しゅうのうしているものと推測すいそくされる。バスル後部こうぶにはかごいている。砲塔ほうとうはしバスル部分ぶぶん直前ちょくぜん位置いち砲塔ほうとう上面うわつらにはふとめのぼうっており、環境かんきょう横風おうふう)センサーだとかんがえられる。

この戦車せんしゃは2012ねん4がつ15にちおこなわれた、きむ日成いるそん主席しゅせき生誕せいたん100周年しゅうねん記念きねん軍事ぐんじパレードにも登場とうじょうしている。操縦そうじゅうせき前方ぜんぽう傾斜けいしゃした車体しゃたい前面ぜんめんには、爆発ばくはつ反応はんのう装甲そうこうのブロックらしきものが確認かくにんできる。この2012ねん時点じてんではおわんがた砲塔ほうとう前面ぜんめんに、T-90の「コンタークト5」のような形状けいじょうの、くさびがたいたそなえている。

北朝鮮きたちょうせん情報じょうほうすじは、RHA換算かんさんで、砲塔ほうとうの900mmにくわえて、二枚重にまいがさねの砲塔ほうとうERAで500mmが追加ついかされて、やく1,400mmの砲塔ほうとう正面しょうめん防御ぼうぎょりょくがある、と主張しゅちょうしている(が、誇張こちょう可能かのうせいたかい)。

車体しゃたい左側ひだりがわめんにエンジンの排気はいきこうがあることが確認かくにんできる。

中国ちゅうごくもう2013ねん1がつ17にちけは、「北朝鮮きたちょうせんが2012ねん4がつ開催かいさいした閲兵えっぺいしきでほとんどの主力しゅりょく戦闘せんとう装備そうびうごかしたことをロシア軍事ぐんじ産業さんぎょう共同きょうどうたいのサイトが1がつ15にち報道ほうどうした」と、間接かんせつてきほうじた[9]。そのなかにはM-2002 暴風ぼうふうとらふくまれていたとされる。M-2002 暴風ぼうふうとらとして公開こうかいされた画像がぞうは、うたて片側かたがわ6で、操縦そうじゅうせき前方ぜんぽう傾斜けいしゃした車体しゃたい前面ぜんめん爆発ばくはつ反応はんのう装甲そうこうのブロックらしきものを、おわんがた砲塔ほうとう前面ぜんめんくさびがたいたそなえており、上記じょうき2010ねんと2012ねんおな戦車せんしゃである。

聯合れんごうニュース2013ねん6がつ19にちけは、北朝鮮きたちょうせんが2005ねんから2012ねんにかけて、「さきぐんごう」と「天馬てんば5ごう」からなる新型しんがた戦車せんしゃやく900りょう追加ついか配備はいびしたとほうじた[10]

朝鮮日報ちょうせんにっぽう2014ねん8がつ19にちけは、北朝鮮きたちょうせんが、中国ちゅうごくとの国境こっきょう地帯ちたいりょう江道えんどうに2010ねん創設そうせつしただい12軍団ぐんだんに、自動じどう射撃しゃげき制御せいぎょ装置そうち、コンピューターモニターを搭載とうさいした最新さいしんがた戦車せんしゃさきぐん915」をやく10だい配備はいびしたとほうじた[11]

さきぐんごうあるいはさきぐんとら(선군호、発音はつおんはどちらもソングンホ)はきむ正日じょんいるの「さきぐん政治せいじ」からづけられたとされる。初期しょき名称めいしょうさきぐん-915であった[12]。2009ねんより生産せいさん開始かいしされた[12]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 北朝鮮きたちょうせん新型しんがた戦車せんしゃ暴風ぼうふうごうはつ公開こうかいきゅうソ連それんせい改良かいりょう. 聯合れんごうニュース. (2010ねん8がつ17にち). http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2010/08/17/0300000000AJP20100817000700882.HTML 2012ねん6がつ19にち閲覧えつらん 
  2. ^ a b c 日本にっぽん周辺しゅうへんこく兵器へいき - T-72戦車せんしゃ(暴風ぼうふうごう)
  3. ^ きむ日成いるそんとともにパルチザンこうそうおこなったやなぎきょうのちだい105戦車せんしゃ師団しだんちょう)を記念きねんしたもの。
  4. ^ a b c d KPAJOUNAL Vol.1,No.4 - 2010/8/28閲覧えつらん
  5. ^ ジョンヨン:ちょ 宮田みやた敦司あつしやく北朝鮮きたちょうせんぐんのA to Z 亡命ぼうめい将校しょうこうかす朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐんのすべて』 光人みつひとしゃ 2009ねん ISBN 9784769814436
  6. ^ Bermudez Jr., Joseph S. (2001-03-14). The Armed Forces of North Korea. I.B. Tauris. ISBN 1-86064-486-4.
  7. ^ 北朝鮮きたちょうせん新型しんがた戦車せんしゃ暴風ぼうふうごうはつ公開こうかいきゅうソ連それんせい改良かいりょう
  8. ^ 『「ポクプンごう」(ちゅう暴風ぼうふうごうのこと)は「朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐん機甲きこう真髄しんずい」とし、対戦たいせんしゃ誘導ゆうどうだんなどあらゆる種類しゅるい弾薬だんやくつことができる強力きょうりょくな125ミリ戦車せんしゃほう武装ぶそうしたと記載きさいされた。価格かかくは420まんドル(やく50おくウォン)。』東亜日報とうあにっぽう2019ねん9がつ6にちづけ記事きじ『「ミサイルが5100まんドル」 北朝鮮きたちょうせんがネットで兵器へいき販売はんばい
  9. ^ “ロシアメディア:朝鮮ちょうせん神秘しんぴてき戦車せんしゃ暴風ぼうふうとら」”. 中国ちゅうごくもう. (2013ねん1がつ17にち). http://japanese.china.org.cn/culture/2013-01/17/content_27714097.htm 2013ねん1がつ17にち閲覧えつらん 
  10. ^ 北朝鮮きたちょうせん新型しんがた戦車せんしゃさきぐんごう」をはつ確認かくにん 900だい戦力せんりょく
  11. ^ 中国ちゅうごく裏切うらぎ警戒けいかい? 北朝鮮きたちょうせんぐんちゅうちょう国境こっきょう戦車せんしゃ配備はいび. 朝鮮日報ちょうせんにっぽう. (2014ねん8がつ19にち). https://web.archive.org/web/20140821194720/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/19/2014081901071.html 
  12. ^ a b 중무기실에 전시된 북의 전차들

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Bermudez Jr., Joseph S. (2001-03-14). The Armed Forces of North Korea. I.B. Tauris. ISBN 1-86064-486-4 

外部がいぶリンク

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