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かんむり座R型変光星 - Wikipedia コンテンツにスキップ

かんむりRがた変光星へんこうせい

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典型てんけいてきなかんむりRがた変光星へんこうせいであるいてRYほしの1988ねんから2015ねんにかけての光度こうど曲線きょくせん特徴とくちょうてき急減きゅうげんこう記録きろくされている。

かんむりRがた変光星へんこうせい(R Coronae Borealis variable)は、10ぶんの1程度ていどひく振幅しんぷくのモードと1-9等級とうきゅう不規則ふきそく急激きゅうげきなモードの2つのモードで光度こうど変化へんかする爆発ばくはつがた変光星へんこうせいである。RCB略記りゃっきする。プロトタイプぼしは、イングランドのアマチュア天文学てんもんがくしゃであるエドワード・ピゴットが1794ねん発見はっけんしたかんむりRほしである。それ以来いらいやく100のかんむりRがた変光星へんこうせいだけが発見はっけんされており[1]非常ひじょうめずらしい分類ぶんるいとなっている。

げんこうは、すすかたち凝集ぎょうしゅうした炭素たんそ恒星こうせい可視かしこうさえぎるためにこり、赤外線せきがいせんではあかるさはわらない。かんむりRがた変光星へんこうせいは、通常つうじょうはFかたまたはGがた黄色おうしょくちょう巨星きょせいで、黄色おうしょくちょう巨星きょせい特徴とくちょうてき原子げんし炭素たんそシアン化物ばけもの分子ぶんし吸収きゅうしゅうたいつ。かんむりRがた変光星へんこうせい大気たいきは、水素すいそいており、ヘリウム元素げんそたいする存在そんざいりょうは、1000ぶんの1から100まんぶんの1である。

分布ぶんぷ

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かんむりRがた変光星へんこうせいのスペクトルはおおくの種類しゅるいわたるが、ほとんどはFがたかGがたちょう巨星きょせいかまたは比較的ひかくてきつめたいC-Rがた炭素たんそぼしちょう巨星きょせいである。しかし、たとえばいてVSほしひとしの3つはあおいBかたぼしであり、はくちょうV482ほしあか巨星きょせいである。また4つはスペクトルちゅうてつフラウンホーファーせんいている[2]共通きょうつうする性質せいしつは、炭素たんそ吸収きゅうしゅうせんつよいこと、水素すいそいていること、断続だんぞくてきなはっきりした減衰げんすいつことである。

物理ぶつり

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かんむりRがた変光星へんこうせい炭素たんそちり形成けいせいについては、おもに2つのモデルが提案ていあんされている。1つのモデルは恒星こうせい中心ちゅうしんから恒星こうせい半径はんけいの20ばい位置いちちり形成けいせいされると仮定かていし、もう1つのモデルは恒星こうせいひかりだまなか形成けいせいされると仮定かていする。前者ぜんしゃ論拠ろんきょは、炭素たんそ凝集ぎょうしゅう温度おんどが1,500Kであることであるが、かんむりRがた変光星へんこうせい光度こうど曲線きょくせん最小さいしょうたっする直前ちょくぜん急速きゅうそく減退げんたいすることは説明せつめいできない。このモデルはくも形成けいせいするのに大量たいりょうちり必要ひつようとし、なが時間じかんがかかるため、急速きゅうそくげんこう説明せつめいするのはむずかしい。

後者こうしゃは、いてRYほし大気たいきちゅう検出けんしゅつされたような衝撃波しょうげきは低圧ていあつ局所きょくしょてき暴走ぼうそう冷却れいきゃくにより、4,500Kから6,500Kの環境かんきょう炭素たんそちり形成けいせいされるとするものである[2]

恒星こうせいそのものの形成けいせいもはっきりかっていない。標準ひょうじゅんてき恒星こうせい進化しんかモデルでは、水素すいそたないだい質量しつりょうあかるい恒星こうせいまれない。これらの恒星こうせい説明せつめいするためにかんがえられている2つのおも理論りろんは、どちらも風変ふうがわりで、おそらくこのようなめずらしい恒星こうせい相応ふさわしいものである。1つは、ヘリウム白色はくしょく矮星炭素たんそ-酸素さんそ白色はくしょく矮星の2種類しゅるい白色はくしょく矮星が融合ゆうごうこした結果けっかであるとするものである。白色はくしょく矮星は通常つうじょう水素すいそいているため、しょうじた恒星こうせいもこの元素げんそくことになる。2つめのモデル燃焼ねんしょうちゅうのヘリウムからでのだい規模きぼ対流たいりゅう仮定かていし、水素すいそ恒星こうせい内部ないぶもぐっていき、大気たいきちゅうにはほとんど存在そんざいしなくなるとするものである[3]。かんむりRがた変光星へんこうせい多様たようせいは、つよヘリウムぼし水素すいそいた炭素たんそぼし関連かんれんする形成けいせい過程かてい多様たようせいのためであると説明せつめいすることができる。

出典しゅってん

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  1. ^ Tisserand; Clayton; Welch; Pilecki; Wyrzykowski; Kilkenny (2012). "The ongoing pursuit of R Coronae Borealis stars: ASAS-3 survey strikes again". arXiv:1211.2475v2 [astro-ph.SR]。
  2. ^ a b Clayton, Geoffrey C. (1996). “The R Coronae Borealis Stars”. Publications of the Astronomical Society of the Pacific 108: 225. doi:10.1086/133715. ISSN 0004-6280. 
  3. ^ Hema, B. P.; Pandey, Gajendra; Lambert, David L. (2012). “THE GALACTIC R CORONAE BOREALIS STARS: THE C2SWAN BANDS, THE CARBON PROBLEM, AND THE12C/13C RATIO”. The Astrophysical Journal 747 (2): 102. doi:10.1088/0004-637X/747/2/102. ISSN 0004-637X. 

外部がいぶリンク

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