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SD-Audio

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SD-Audio（エスディーオーディオ）は、SDメモリーカードに著作ちょさく権けん保護ほごを施ほどこして音楽おんがくを記録きろくするSDアプリケーションフォーマットである。

概要がいよう

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SD-Audioは、SDメモリーカードのアプリケーションフォーマットの一ひとつとして規格きかく化かされた[1]。

SD-Audio自体じたいはMP3に代表だいひょうされるような音声おんせい圧縮あっしゅくのファイルフォーマットではない。もともとSDメモリーカードにはCPRMによる著作ちょさく権けん保護ほご機能きのうが備そなわっており、これを利用りようして音声おんせいデータファイルを暗号あんごう化かする規格きかくである。暗号あんごう化か前まえの元もとデータとしてはMP3、MPEG2-AAC、MPEG2-AAC+SBR（HE-AAC）、WMAがサポートされている[2]。

1998年ねん、MP3の違法いほうファイルコピーによる著作ちょさく権けん侵害しんがいが広ひろがり、対策たいさくに苦慮くりょしていたアメリカレコード協会きょうかいが中心ちゅうしんとなり、デジタルオーディオの著作ちょさく権けん保護ほご規格きかく策定さくてい団体だんたいSDMI（英語えいご版ばん）が設立せつりつされた。 1999年ねん、SDMIからPortable Device Specificationが公開こうかいされ[3]、その規格きかくに準拠じゅんきょするオーディオフォーマットとしてSD-Audioが制定せいていされた[4]。

SDメモリーカードが生うまれた直後ちょくごの2000年ねんから2001年ねんにかけて、松下電器産業まつしたでんきさんぎょう（現げん・パナソニックホールディングス）、東芝とうしば、日本にほんビクター（現げん・JVCケンウッド）から本ほん規格きかくに準拠じゅんきょした携帯けいたい型がたオーディオプレイヤーが順次じゅんじリリースされ、その後ごはSDメモリーカード、miniSDカード、microSDカードを搭載とうさいできる携帯けいたい電話でんわを中心ちゅうしんに採用さいようされた製品せいひんがリリースされた。主おもに日本にっぽん国内こくないが中心ちゅうしんに販売はんばいされていたが、海外かいがいでも本ほん規格きかくに準拠じゅんきょした製品せいひんは販売はんばいされていた。

au W31SA II　SD-Audioに対応たいおうしたスライドタイプミュージックケータイである。(2005年ねん製せい)
SoftBank 905SH SD-Audioに対応たいおうしており本体ほんたいに光ひかりデジタル変換へんかんケーブルを接続せつぞくしCDなどからSD-Audio形式けいしき(AAC)で録音ろくおんすることもできる。(2006年ねん製せい)

SD-Audio関連かんれんのSD CardのアプリケーションフォーマットとしてはMIDIの音声おんせいデータを格納かくのうするSD-Sound、ボイスレコーダ用ようのSD-Voiceがある[1]。

特徴とくちょう

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SD-Audioの特徴とくちょうのひとつは、ファイルの移動いどうを実現じつげんしたことである。通常つうじょうパソコンにおいては、移動いどうと称しょうした動作どうさであってもファイルを複製ふくせいしたのち、古ふるいほうを削除さくじょすることになる。この複製ふくせいと削除さくじょを一連いちれんの動作どうさとして確実かくじつに実施じっしすることで、複製ふくせいを制限せいげんすることが目的もくてきのひとつであった。CPRMを用もちいた暗号あんごう化かとSDカード内ないの秘匿ひとく領域りょういきの利用りようにより、データの複製ふくせい後ごの削除さくじょを確実かくじつなものとし、たとえファイルをバックアップしておいたり、データ復元ふくげんソフト等とうで戻もどそうとしても復元ふくげん不可能ふかのうとすることが実現じつげんできている[4]。

これらの著作ちょさく権けん保護ほごをおこなうため、SDメモリーカードの操作そうさには、専用せんようのソフトウェアと、セキュア対応たいおうのSDカードリーダーを用もちいなければいけない。 対応たいおう機器ききは、正規せいきの手続てつづきで暗号あんごう化かして書かき込こまれたデータでなければSD-Audioファイルとして認識にんしきしない。また、パソコンに内蔵ないぞうされているSDカードリーダーや市販しはんされているUSB接続せつぞくのSDカードリーダーの多おおくはセキュア対応たいおうしておらず、SD-Audioの転送てんそうに使用しようすることができない。多おおくのSD-Audio製品せいひんは付属ふぞくのケーブルを用もちいてパソコンと接続せつぞくすることができ、それ自身じしんがカードリーダーとして動作どうさするため、必かならず別途べっとカードリーダーを買かわなければ利用りようできない、というものではないが、ユーザーが誤解ごかいをしやすい。

衰退すいたい

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携帯けいたい音楽おんがくプレーヤーの市場いちばにおいては、AppleのiPodやソニーのウォークマンが市場いちばを寡占かせんして、SD-Audio対応たいおう製品せいひんは大おおきなシェアを取とることができなかった。携帯けいたい電話でんわの市場いちばでは多おおくの採用さいようを誇ほこっていたが、その所有しょゆう者しゃのほとんどは携帯けいたい電話でんわの音楽おんがくプレイヤー機能きのうを使つかわず、別べつの携帯けいたい音楽おんがくプレイヤーを所持しょじし使用しようするということが多おおかったため、SD-Audio利用りよう者しゃはそれほど伸のびなかった。

かつては「著作ちょさく者しゃの権利けんりを守まもるために著作ちょさく権けん保護ほご機能きのうが必要ひつようで、そのためにはユーザーが自由じゆうに扱あつかえないことがあったり使つかいにくくても仕方しかたない」とされてきたが、2007年ねん頃ごろには、「複雑ふくざつな著作ちょさく権けん保護ほごは不便ふべんを強しいるだけでなく市場いちばの発展はってんにとっても好このましくない」という意見いけんが多おおくなり[5]、アップルやAmazon.comのコンテンツ配信はいしんサービスがDRMフリー化かする[6][7]など、著作ちょさく権けん保護ほごを行おこなわないことが主流しゅりゅうとなった。規格きかくから徹底的てっていてきな著作ちょさく権けん保護ほごを行おこなっているSD-Audioは、このような流ながれに乗のることができず、ユーザーから避さけられるようになった。

2008年ねんには、音楽おんがく配信はいしんサービスのMOOCSが終了しゅうりょうし[8]、携帯けいたい音楽おんがくプレーヤーのPanasonic D-Snapも生産せいさんを終了しゅうりょうしたことで、SD-Audioは市場いちばからほぼ撤退てったいした形かたちとなった。

その後ごも携帯けいたい音楽おんがくプレーヤー以外いがいの分野ぶんや、家庭かてい用ようコンポやワンセグテレビ、カーナビなどでSD-Audio規格きかくの製品せいひんは販売はんばいされているが、その多おおくは、SD-Audioも再生さいせいできるが暗号あんごう化かされていないファイルであっても再生さいせいできるようになっているため、当初とうしょの著作ちょさく権けん管理かんりの効果こうかはなく、実質じっしつ的てきには従来じゅうらい品ひんとの互換ごかんのために動作どうさするようになっているだけである。

日本にっぽんでの製品せいひん群ぐん

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音楽おんがく配信はいしんサービス

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  • Arcstar MUSIC (2002年ねん5月がつで終了しゅうりょう)
  • MOOCS (2008年ねん3月がつで終了しゅうりょう)

PC用ようデータ転送てんそうソフトウェア

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  • SD-Jukebox
  • SD-MobileImpact（パソコンやワンセグケータイに添付てんぷ。単体たんたいで販売はんばいはされていない。）
  • 東芝とうしばオーディオマネージャー（東芝とうしば製せいオーディオプレイヤーに添付てんぷ。単体たんたいで販売はんばいはされていない。）

カードリーダー

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デジタルオーディオプレーヤーなど

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携帯けいたい電話でんわ

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b SDアプリケーションフォーマット - SD Association
  2. ^ SD-Audio - SD Association
  3. ^ SDMIが携帯けいたい音楽おんがくプレーヤーの仕様しよう文書ぶんしょを来週らいしゅうにも公表こうひょう
  4. ^ a b SD カードのコンテンツ保護ほご
  5. ^ “DRM廃止はいしは、ユーザーとレコード会社かいしゃの信頼しんらい関係かんけいを取とり戻もどせるか”. ASCII.jp. (2007年ねん5月がつ31日にち). https://ascii.jp/elem/000/000/039/39104/ 
  6. ^ “アップル、iTunes StoreでDRMフリーの“iTunes Plus”を提供ていきょう”. ASCII.jp. (2007年ねん5月がつ31日にち). https://ascii.jp/elem/000/000/038/38911/ 
  7. ^ “Amazon、年内ねんないにDRMフリーの音楽おんがく配信はいしんサービス開始かいしを決定けってい”. GIGAZINE. (2007年ねん5月がつ17日にち). https://gigazine.net/news/20070517_amazon_drm_free/ 
  8. ^ “ニフティ、音楽おんがく配信はいしんサービス「MOOCS」を2008年ねん3月がつに終了しゅうりょう”. AV Watch. (2007年ねん11月15日にち). https://av.watch.impress.co.jp/docs/20071115/nifty.htm 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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