国旗こっきノ意義いぎ解釈かいしゃくニ関せきスル件けん

大同だいどう二に年ねん二に月がつ二に十じゅう四日国務院佈告第三号

• 「満まん洲しゅう国こく政府せいふ公報こうほう日び訳やく（大同だいどう2年ねん3月がつ1日にち号外ごうがい）」に収載しゅうさい。原文げんぶんは縦たて書がき。

国務こくむ院いん佈告第だい三さん号ごう

我わが満まん洲しゅう国こく国旗こっきヲ五ご色しょくニ定ていメタルハ早はやク全国ぜんこくニ通告つうこくシタル所しょナリ茲ニ国旗こっきノ意義いぎニ就テ解釈かいしゃくスル左ひだりノ如シ凡ソ我国わがくに人じんハ宜むべシク共どもニ之のヲ喩たとえルヘシ此ニ佈ス

　国旗こっきヲ釈しゃくス
青あおハ東方とうほうタリ　紅べにハ南方なんぽうタリ　白しろハ西方せいほうタリ　黒くろハ北方ほっぽうタリ　黄きハ中央ちゅうおうタリ　中央ちゅうおう行政ぎょうせいヲ以テ四方しほうヲ統すべ馭スルノ義よし

　釈しゃくニ曰ク
古いにしえ者しゃ九きゅう旗はたノ制せいアリテ而シテ国旗こっきノ制せいナシ周しゅう礼あやニ載のセタル国こくノ大だい閲ニ及ヒ司馬しば旗はた物ぶつヲ頒チ王おうハ大だい常つねヲ建けんテ諸侯しょこうハ旂ヲ建たてツルトハ是ぜレ軍ぐん礼れい郊礼ノ旗はたナリ礼れい記きニ載のセタル有ゆう虞おそれ氏しノ旂夏后きさき氏しノ綏殷ノ大白おおしろ周あまねノ大だい赤あかハ是ぜレ春はる蒐秋獮ノ麾ナリ然しかレトモ大だい常つねノ既すんでニ王おう旗はたトナレル是ぜ旗きノ建けんツ所しょニハ諸侯しょこう来朝らいちょうシ四よん夷えびす帖じょう服ふくシ皆みな其ノ職しょく事ごとヲ述じゅつヘテ而シテ其ノ徳とくヲ仰おおせカサルハナシ然しかラハ則そくチ当時とうじノ大だい常つねハ猶なおホ今日きょうノ国旗こっきノ如ク王おう旗はた国旗こっき其ノ体からだ固かたヨリ一いちナリトナス秦しん漢かん以降いこう王おう礼あや尽つきク廃はいレ旌旗せいき専せんラ軍旅ぐんりょノ具ぐトナリ謂いいユル青あお竜りゅう白虎びゃっこ朱雀すざく元もと武ぶノ属ぞく皆みな兵家へいかノ乱らんル所しょトナリ五ご行ぎょう讖緯ノ説せつ奇き門もん遁甲ノ術じゅつト各々おのおの幻まぼろし詭ヲ蛇へび鳥とり風雲ふううんノ上うえニ競きおいイ而シテ旌旗せいきノ古制こせい復ふくタ世よニ見みハレサルモノ此ニ二に千余年矣清朝海禁ヲ解かいキ列国れっこくト通商つうしょう恵めぐみ工こうノ約やくヲ立りつツルニ及ヒ始はじめメテ黄き竜りゅう旗きヲ以テ定ていメテ国旗こっきトナシ日びニ於テハ其ノ恒つね照あきらノ徳とくヲ取とリ竜りゅうニ於テハ其ノ変化へんかノ神かみヲ取とル深ふかク其ノ賾ヲ探さがせテ大だいニ其ノ用ようヲ明あかりニスト謂いいフヘキナリ今いま我わがカ満まん洲しゅう国こくノ新しんタニ国旗こっきヲ制せいスル其ノ体からだハ則そくチ之のヲ社稷しゃしょくノ義よしニ取とリ其ノ用もちいハ則そくチ之のヲ王道おうどうノ功こうニ取とレリ蓋ぶたシ国こくノ国くにタル社稷しゃしょくヨリ重じゅうキハナシ社しゃハ五ご土どノ祇ヲ祭さいル所以ゆえん稷きびハ五穀ごこくノ神かみヲ祀まつル所以ゆえん穀こくハ土どニ非ひレハ生せいセス土どハ穀こくニ非ひサレハ顕あらわハレス是ぜ故こニ聖王せいおうノ始はじめメテ其ノ国くにヲ建たてツルヤ百姓ひゃくしょうノ為ためニ社稷しゃしょくヲ立たてテテ以テ建国けんこくノ神かみヲ祀まつル山林さんりん川がわ沢さわ丘陵きゅうりょう墳ふん衍原隰ノ五ご土どヲ采さいリ東方とうほうハ青色あおいろ南方なんぽうハ赤色あかいろ西方せいほうハ白色はくしょく北方ほっぽうハ黒色こくしょく中ちゅうニハ黄土おうどヲ覆くつがえヒ以テ中ちゅう色いろ順じゅん壱いちノ徳とく内ないヲ充たかしタシメテ外がいニ発はつシ四方しほう撫なで綏シテ天下でんかヲ治平じへいスルニ象ぞうルナリ三さん代だいヨリ後ご独どくリ是ぜ制せいノ泯ヒサルアリテ最さいモ開国かいこく創業そうぎょうノ崇たかし典てんタリ迺チ其ノ義ぎヲ取とリ之これヲ表おもてハシテ以テ満まん洲しゅう国こく国旗こっきトナス
願ねがいクハ三さん千せん万まん民衆みんしゅうト咸有一いち徳とく其ノ敬けいヲ昭あきらカニシテ光こうヲ世界せかいニ宣せんヘ永えいク万まん禩ニ伝でんヘム

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　国務こくむ総理そうり　鄭てい孝たかし胥

　大同だいどう二に年ねん二に月がつ二に十じゅう四よん日にち