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民事訴訟法 (平成十五年法律第百八号) - Wikisource コンテンツにスキップ

民事みんじ訴訟そしょうほう (平成へいせいじゅうねん法律ほうりつだいひゃくはちごう)

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民事みんじ訴訟そしょうほう

目次もくじ

だいいちへん 総則そうそく
だいいちしょう 通則つうそくだいいちじょうだいさんじょう
だいしょう 裁判所さいばんしょ
だいいちせつ 管轄かんかつだいよんじょうだいじゅうじょう
だいせつ 裁判所さいばんしょ職員しょくいんじょおよ忌避きひだいじゅうさんじょうだいじゅうななじょう
だいさんしょう 当事とうじしゃ
だいいちせつ 当事とうじしゃ能力のうりょくおよ訴訟そしょう能力のうりょくだいじゅうはちじょうだいさんじゅうななじょう
だいせつ 共同きょうどう訴訟そしょうだいさんじゅうはちじょうだいよんじゅういちじょう
だいさんせつ 訴訟そしょう参加さんかだいよんじゅうじょうだいじゅうさんじょう
だいよんせつ 訴訟そしょう代理人だいりにんおよ補佐ほさじんだいじゅうよんじょうだいろくじゅうじょう
だいよんしょう 訴訟そしょう費用ひよう
だいいちせつ 訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんだいろくじゅういちじょうだいななじゅうよんじょう
だいせつ 訴訟そしょう費用ひよう担保たんぽだいななじゅうじょうだいはちじゅういちじょう
だいさんせつ 訴訟そしょうじょう救助きゅうじょだいはちじゅうじょうだいはちじゅうろくじょう
だいしょう 訴訟そしょう手続てつづき
だいいちせつ 訴訟そしょう審理しんりとうだいはちじゅうななじょうだいきゅうじゅうじょう
だいせつ 専門せんもん委員いいんだいきゅうじゅうじょうだいきゅうじゅうじょうなな
だいさんせつ 期日きじつおよ期間きかんだいきゅうじゅうさんじょうだいきゅうじゅうななじょう
だいよんせつ 送達そうたつだいきゅうじゅうはちじょうだいひゃくじゅうさんじょう
だいせつ 裁判さいばんだいひゃくじゅうよんじょうだいひゃくじゅうさんじょう
だいろくせつ 訴訟そしょう手続てつづき中断ちゅうだんおよ中止ちゅうしだいひゃくじゅうよんじょうだいひゃくさんじゅうじょう
だいろくしょう うったえの提起ていきまえにおける証拠しょうこ収集しゅうしゅう処分しょぶんとうだいひゃくさんじゅうじょうだいひゃくさんじゅうじょうきゅう
だいへん だいいちしん訴訟そしょう手続てつづき
だいいちしょう うっただいひゃくさんじゅうさんじょうだいひゃくよんじゅうななじょう
だいしょう 計画けいかく審理しんりだいひゃくよんじゅうななじょうだいひゃくよんじゅうななじょうさん
だいさんしょう 口頭こうとう弁論べんろんおよびその準備じゅんび
だいいちせつ 口頭こうとう弁論べんろんだいひゃくよんじゅうはちじょうだいひゃくろくじゅうじょう
だいせつ 準備じゅんび書面しょめんとうだいひゃくろくじゅういちじょうだいひゃくろくじゅうさんじょう
だいさんせつ 争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいり手続てつづき
だいいち款 準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろんだいひゃくろくじゅうよんじょうだいひゃくろくじゅうななじょう
だい款 弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきだいひゃくろくじゅうはちじょうだいひゃくななじゅうよんじょう
だいさん款 書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづきだいひゃくななじゅうじょうだいひゃくななじゅうはちじょう
だいよんしょう 証拠しょうこ
だいいちせつ 総則そうそくだいひゃくななじゅうきゅうじょうだいひゃくはちじゅうきゅうじょう
だいせつ 証人しょうにん尋問じんもんだいひゃくきゅうじゅうじょうだいひゃくろくじょう
だいさんせつ 当事とうじしゃ尋問じんもんだいひゃくななじょうだいひゃくじゅういちじょう
だいよんせつ 鑑定かんていだいひゃくじゅうじょうだいひゃくじゅうはちじょう
だいせつ 書証しょしょうだいひゃくじゅうきゅうじょうだいひゃくさんじゅういちじょう
だいろくせつ 検証けんしょうだいひゃくさんじゅうじょうだいひゃくさんじゅうさんじょう
だいななせつ 証拠しょうこ保全ほぜんだいひゃくさんじゅうよんじょうだいひゃくよんじゅうじょう
だいしょう 判決はんけつだいひゃくよんじゅうさんじょうだいひゃくろくじゅうじょう
だいろくしょう 裁判さいばんによらない訴訟そしょう完結かんけつだいひゃくろくじゅういちじょうだいひゃくろくじゅうななじょう
だいななしょう だい規模きぼ訴訟そしょうかんするとくそくだいひゃくろくじゅうはちじょうだいひゃくろくじゅうきゅうじょう
だいはちしょう 簡易かんい裁判所さいばんしょ訴訟そしょう手続てつづきかんするとくそくだいひゃくななじゅうじょうだいひゃくはちじゅうじょう
だいさんへん 上訴じょうそ
だいいちしょう 控訴こうそだいひゃくはちじゅういちじょうだいさんひゃくじゅうじょう
だいしょう 上告じょうこくだいさんひゃくじゅういちじょうだいさんひゃくじゅうななじょう
だいさんしょう 抗告こうこくだいさんひゃくじゅうはちじょうだいさんひゃくさんじゅうななじょう
だいよんへん 再審さいしんだいさんひゃくさんじゅうはちじょうだいさんひゃくよんじゅうきゅうじょう
だいへん 手形てがた訴訟そしょうおよ小切手こぎって訴訟そしょうかんするとくそくだいさんひゃくじゅうじょうだいさんひゃくろくじゅうななじょう
だいろくへん 少額しょうがく訴訟そしょうかんするとくそくだいさんひゃくろくじゅうはちじょうだいさんひゃくはちじゅういちじょう
だいななへん 督促とくそく手続てつづきだいさんひゃくはちじゅうじょうだいさんひゃくきゅうじゅうななじょう
だいはちへん 執行しっこう停止ていしだいさんひゃくきゅうじゅうはちじょうだいよんひゃくじょう
附則ふそく

だいいちへん 総則そうそく

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だいいちしょう 通則つうそく

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趣旨しゅし
だいいちじょう
 民事みんじ訴訟そしょうかんする手続てつづきについては、法令ほうれいさだめるもののほか、この法律ほうりつさだめるところによる。

裁判所さいばんしょおよ当事とうじしゃ責務せきむ
だいじょう
 裁判所さいばんしょは、民事みんじ訴訟そしょう公正こうせいかつ迅速じんそくおこなわれるようにつとめ、当事とうじしゃは、信義しんぎしたが誠実せいじつ民事みんじ訴訟そしょうおいぎょうしなければならない。

最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそく
だいさんじょう
 この法律ほうりつさだめるもののほか、民事みんじ訴訟そしょうかんする手続てつづきかん必要ひつよう事項じこうは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる。

だいしょう 裁判所さいばんしょ

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だいいちせつ 管轄かんかつ

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普通ふつう裁判さいばんせきによる管轄かんかつ
だいよんじょう
 うったえは、被告ひこく普通ふつう裁判さいばんせき所在地しょざいち管轄かんかつする裁判所さいばんしょ管轄かんかつぞくする。

 ひと普通ふつう裁判さいばんせきは、住所じゅうしょにより、日本にっぽん国内こくない住所じゅうしょがないときまた住所じゅうしょれないときは居所きょしょにより、日本にっぽん国内こくない居所きょしょがないときまた居所きょしょれないときは最後さいご住所じゅうしょによりさだまる。

 大使たいし公使こうしその外国がいこくってそのくに裁判さいばんけんからの免除めんじょ享有きょうゆうする日本人にっぽんじん前項ぜんこう規定きていにより普通ふつう裁判さいばんせきゆうしないときは、そのもの普通ふつう裁判さいばんせきは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるにあるものとする。

 法人ほうじんその社団しゃだんまた財団ざいだん普通ふつう裁判さいばんせきは、そのしゅたる事務所じむしょまた営業えいぎょうしょにより、事務所じむしょまた営業えいぎょうしょがないときは代表だいひょうしゃそのしゅたる業務ぎょうむ担当たんとうしゃ住所じゅうしょによりさだまる。

 外国がいこく社団しゃだんまた財団ざいだん普通ふつう裁判さいばんせきは、前項ぜんこう規定きていにかかわらず、日本にっぽんにおけるしゅたる事務所じむしょまた営業えいぎょうしょにより、日本にっぽん国内こくない事務所じむしょまた営業えいぎょうしょがないときは日本にっぽんにおける代表だいひょうしゃそのしゅたる業務ぎょうむ担当たんとうしゃ住所じゅうしょによりさだまる。

 くに普通ふつう裁判さいばんせきは、訴訟そしょうについてくに代表だいひょうする官庁かんちょう所在地しょざいちによりさだまる。

財産ざいさんけんじょううったとうについての管轄かんかつ
だいじょう
 つぎ各号かくごうかかげるうったえは、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめる管轄かんかつする裁判所さいばんしょ提起ていきすることができる。

いち 財産ざいさんけんじょううった
義務ぎむ履行りこう
 手形てがたまた小切手こぎってによる金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅう目的もくてきとするうった
手形てがたまた小切手こぎって支払しはらい
さん 船員せんいんたいする財産ざいさんけんじょううった
船舶せんぱく船籍せんせき所在地しょざいち
よん 日本にっぽん国内こくない住所じゅうしょ法人ほうじんにあっては、事務所じむしょまた営業えいぎょうしょ以下いかこのごうにおいておなじ。)がないものまた住所じゅうしょれないものたいする財産ざいさんけんじょううった
請求せいきゅうしくはその担保たんぽ目的もくてきまたさえることができる被告ひこく財産ざいさん所在地しょざいち
 事務所じむしょまた営業えいぎょうしょゆうするものたいするうったえでその事務所じむしょまた営業えいぎょうしょにおける業務ぎょうむかんするもの
当該とうがい事務所じむしょまた営業えいぎょうしょ所在地しょざいち
ろく 船舶せんぱく所有しょゆうしゃその船舶せんぱく利用りようするものたいする船舶せんぱくまた航海こうかいかんするうった
船舶せんぱく船籍せんせき所在地しょざいち
なな 船舶せんぱく債権さいけんその船舶せんぱく担保たんぽとする債権さいけんもとづくうった
船舶せんぱく所在地しょざいち
はち 会社かいしゃその社団しゃだんまた財団ざいだんかんするうったえでつぎかかげるもの
社団しゃだんまた財団ざいだん普通ふつう裁判さいばんせき所在地しょざいち
 会社かいしゃその社団しゃだんからの社員しゃいんしくは社員しゃいんであったものたいするうったえ、社員しゃいんからの社員しゃいんしくは社員しゃいんであったものたいするうったまた社員しゃいんであったものからの社員しゃいんたいするうったえで、社員しゃいんとしての資格しかくもとづくもの
 
 社団しゃだんまた財団ざいだんから役員やくいんまた役員やくいんであったものたいするうったえで役員やくいんとしての資格しかくもとづくもの
 
 会社かいしゃからの発起人ほっきにんしくは発起人ほっきにんであったものまた検査けんさやくしくは検査けんさやくであったものたいするうったえで発起人ほっきにんまた検査けんさやくとしての資格しかくもとづくもの
 
 会社かいしゃその社団しゃだん債権さいけんしゃからの社員しゃいんまた社員しゃいんであったものたいするうったえで社員しゃいんとしての資格しかくもとづくもの
 
きゅう 不法ふほう行為こういかんするうった
不法ふほう行為こういがあった
じゅう 船舶せんぱく衝突しょうとつその海上かいじょう事故じこもとづく損害そんがい賠償ばいしょううった
損害そんがいけた船舶せんぱく最初さいしょ到達とうたつした
じゅういち 海難かいなん救助きゅうじょかんするうった
海難かいなん救助きゅうじょがあったまた救助きゅうじょされた船舶せんぱく最初さいしょ到達とうたつした
じゅう 不動産ふどうさんかんするうった
不動産ふどうさん所在地しょざいち
じゅうさん 登記とうきまた登録とうろくかんするうった
登記とうきまた登録とうろくをすべき
じゅうよん 相続そうぞくけんしくは遺留分いりゅうぶんかんするうったまた遺贈いぞうその死亡しぼうによって効力こうりょくしょうずべき行為こういかんするうった
相続そうぞく開始かいしときにおける相続そうぞくじん普通ふつう裁判さいばんせき所在地しょざいち
じゅう 相続そうぞく債権さいけんその相続そうぞく財産ざいさん負担ふたんかんするうったえで前号ぜんごうかかげるうったえに該当がいとうしないもの(相続そうぞく財産ざいさん全部ぜんぶまた一部いちぶどうごうさだめる管轄かんかつする裁判所さいばんしょ管轄かんかつ区域くいきないにあるときにかぎる。)
どうごうさだめる

特許とっきょけんとうかんするうったとう管轄かんかつ
だいろくじょう
 特許とっきょけん実用じつよう新案しんあんけん回路かいろ配置はいち利用りようけんまたはプログラムの著作ちょさくぶつについての著作ちょさくしゃ権利けんりかんするうったえ(以下いか特許とっきょけんとうかんするうったえ」という。)について、ぜんじょう規定きていによればつぎ各号かくごうかかげる裁判所さいばんしょ管轄かんかつけんゆうすべき場合ばあいには、そのうったえは、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょ管轄かんかつ専属せんぞくする。

いち 東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ名古屋なごや高等こうとう裁判所さいばんしょ仙台せんだい高等こうとう裁判所さいばんしょまた札幌さっぽろ高等こうとう裁判所さいばんしょ管轄かんかつ区域くいきない所在しょざいする地方裁判所ちほうさいばんしょ

東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ

 大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょ広島ひろしま高等こうとう裁判所さいばんしょ福岡ふくおか高等こうとう裁判所さいばんしょまた高松たかまつ高等こうとう裁判所さいばんしょ管轄かんかつ区域くいきない所在しょざいする地方裁判所ちほうさいばんしょ

大阪おおさか地方裁判所ちほうさいばんしょ

 特許とっきょけんとうかんするうったえについて、ぜんじょう規定きていにより前項ぜんこう各号かくごうかかげる裁判所さいばんしょ管轄かんかつ区域くいきない所在しょざいする簡易かんい裁判所さいばんしょ管轄かんかつけんゆうする場合ばあいには、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょにも、そのうったえを提起ていきすることができる。

 だいいちこうだいごうさだめる裁判所さいばんしょだいいちしんとしてした特許とっきょけんとうかんするうったえについての終局しゅうきょく判決はんけつたいする控訴こうそは、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ管轄かんかつ専属せんぞくする。ただし、だいじゅうじょうだいいちこう規定きていにより移送いそうされた訴訟そしょうかかうったえについての終局しゅうきょく判決はんけつたいする控訴こうそについては、このかぎりでない。

意匠いしょうけんとうかんするうったえの管轄かんかつ
だいろくじょう
 意匠いしょうけん商標しょうひょうけん著作ちょさくしゃ権利けんり(プログラムの著作ちょさくぶつについての著作ちょさくしゃ権利けんりのぞく。)、出版しゅっぱんけん著作ちょさく隣接りんせつけんしくは育成いくせいしゃけんかんするうったまた不正ふせい競争きょうそう不正ふせい競争きょうそう防止ぼうしほう平成へいせいねん法律ほうりつだいよんじゅうななごうだいじょうだいいちこう規定きていする不正ふせい競争きょうそうをいう。)による営業えいぎょうじょう利益りえき侵害しんがいかかうったえについて、だいよんじょうまただいじょう規定きていによりつぎ各号かくごうかかげる裁判所さいばんしょ管轄かんかつけんゆうする場合ばあいには、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょにも、そのうったえを提起ていきすることができる。

いち 前条ぜんじょうだいいちこうだいいちごうかかげる裁判所さいばんしょ東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょのぞく。)

東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ

 前条ぜんじょうだいいちこうだいごうかかげる裁判所さいばんしょ大阪おおさか地方裁判所ちほうさいばんしょのぞく。)

大阪おおさか地方裁判所ちほうさいばんしょ

併合へいごう請求せいきゅうにおける管轄かんかつ
だいななじょう
 いちうったえで数個すうこ請求せいきゅうをする場合ばあいには、だいよんじょうから前条ぜんじょうまで(だいろくじょうだいさんこうのぞく。)の規定きていによりいち請求せいきゅうについて管轄かんかつけんゆうする裁判所さいばんしょにそのうったえを提起ていきすることができる。ただし、すうにんからのまたすうにんたいするうったえについては、だいさんじゅうはちじょう前段ぜんだんさだめる場合ばあいかぎる。

訴訟そしょう目的もくてき価額かがく算定さんてい
だいはちじょう
 裁判所さいばんしょほう昭和しょうわじゅうねん法律ほうりつだいじゅうきゅうごう)の規定きていにより管轄かんかつ訴訟そしょう目的もくてき価額かがくによりさだまるときは、その価額かがくは、うったえで主張しゅちょうする利益りえきによつて算定さんていする。

 前項ぜんこう価額かがく算定さんていすることができないとき、またきわめて困難こんなんであるときは、その価額かがくきゅうじゅうまんえんえるものとみなす。

併合へいごう請求せいきゅう場合ばあい価額かがく算定さんてい
だいきゅうじょう
 いちうったえで数個すうこ請求せいきゅうをする場合ばあいには、その価額かがく合算がっさんしたものを訴訟そしょう目的もくてき価額かがくとする。ただし、そのうったえで主張しゅちょうする利益りえきかく請求せいきゅうについて共通きょうつうである場合ばあいにおけるそのかく請求せいきゅうについては、このかぎりでない。

 果実かじつ損害そんがい賠償ばいしょう違約いやくきんまた費用ひよう請求せいきゅう訴訟そしょう附帯ふたい目的もくてきであるときは、その価額かがくは、訴訟そしょう目的もくてき価額かがく算入さんにゅうしない。

管轄かんかつ裁判所さいばんしょ指定してい
だいじゅうじょう
 管轄かんかつ裁判所さいばんしょ法律ほうりつじょうまた事実じじつじょう裁判さいばんけんおこなうことができないときは、その裁判所さいばんしょ直近ちょっきん上級じょうきゅう裁判所さいばんしょは、申立もうしたてにより、決定けっていで、管轄かんかつ裁判所さいばんしょさだめる。

 裁判所さいばんしょ管轄かんかつ区域くいき明確めいかくでないため管轄かんかつ裁判所さいばんしょさだまらないときは、関係かんけいのある裁判所さいばんしょ共通きょうつうする直近ちょっきん上級じょうきゅう裁判所さいばんしょは、申立もうしたてにより、決定けっていで、管轄かんかつ裁判所さいばんしょさだめる。

 ぜんこう決定けっていたいしては、不服ふふくもうてることができない。

管轄かんかつ合意ごうい
だいじゅういちじょう
 当事とうじしゃは、だいいちしんかぎり、合意ごういにより管轄かんかつ裁判所さいばんしょさだめることができる。

 前項ぜんこう合意ごういは、一定いってい法律ほうりつ関係かんけいもとづくうったえにかんし、かつ、書面しょめんでしなければ、その効力こうりょくしょうじない。

応訴おうそ管轄かんかつ
だいじゅうじょう
 被告ひこくだいいちしん裁判所さいばんしょにおいて管轄かんかつちがいの抗弁こうべん提出ていしゅつしないで本案ほんあんについて弁論べんろんをし、また弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおいて申述もうしのべをしたときは、その裁判所さいばんしょは、管轄かんかつけんゆうする。

専属せんぞく管轄かんかつ場合ばあい適用てきよう除外じょがいとう
だいじゅうさんじょう
 だいよんじょうだいいちこうだいじょうだいろくじょうだいこうだいろくじょうだいななじょうおよぜんじょう規定きていは、うったえについて法令ほうれい専属せんぞく管轄かんかつさだめがある場合ばあいには、適用てきようしない。

 特許とっきょけんとうかんするうったえについて、だいななじょうまたぜんじょう規定きていによればだいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょ管轄かんかつけんゆうすべき場合ばあいには、前項ぜんこう規定きていにかかわらず、だいななじょうまたぜんじょう規定きていにより、その裁判所さいばんしょは、管轄かんかつけんゆうする。

職権しょっけん証拠しょうこ調しらべ)
だいじゅうよんじょう
 裁判所さいばんしょは、管轄かんかつかんする事項じこうについて、職権しょっけん証拠しょうこ調しらべをすることができる。

管轄かんかつ標準時ひょうじゅんじ
だいじゅうじょう
 裁判所さいばんしょ管轄かんかつは、うったえの提起ていきとき標準ひょうじゅんとしてさだめる。

管轄かんかつちがいの場合ばあい取扱とりあつかい)
だいじゅうろくじょう
 裁判所さいばんしょは、訴訟そしょう全部ぜんぶまた一部いちぶがその管轄かんかつぞくしないとみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、これを管轄かんかつ裁判所さいばんしょ移送いそうする。

 地方裁判所ちほうさいばんしょは、訴訟そしょうがその管轄かんかつ区域くいきない簡易かんい裁判所さいばんしょ管轄かんかつぞくする場合ばあいにおいても、相当そうとうみとめるときは、前項ぜんこう規定きていにかかわらず、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、訴訟そしょう全部ぜんぶまた一部いちぶについてみずか審理しんりおよ裁判さいばんをすることができる。ただし、訴訟そしょうがその簡易かんい裁判所さいばんしょ専属せんぞく管轄かんかつ当事とうじしゃだいじゅういちじょう規定きていにより合意ごういさだめたものをのぞく。)にぞくする場合ばあいは、このかぎりでない。

遅滞ちたいけるとうのための移送いそう
だいじゅうななじょう
 だいいちしん裁判所さいばんしょは、訴訟そしょうがその管轄かんかつぞくする場合ばあいにおいても、当事とうじしゃおよ尋問じんもんけるべき証人しょうにん住所じゅうしょ使用しようすべき検証けんしょうぶつ所在地しょざいちその事情じじょう考慮こうりょして、訴訟そしょういちじるしい遅滞ちたいけ、また当事とうじしゃあいだ衡平こうへいはかるため必要ひつようがあるとみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、訴訟そしょう全部ぜんぶまた一部いちぶ管轄かんかつ裁判所さいばんしょ移送いそうすることができる。

簡易かんい裁判所さいばんしょ裁量さいりょう移送いそう
だいじゅうはちじょう
 簡易かんい裁判所さいばんしょは、訴訟そしょうがその管轄かんかつぞくする場合ばあいにおいても、相当そうとうみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、訴訟そしょう全部ぜんぶまた一部いちぶをその所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょ移送いそうすることができる。

必要ひつようてき移送いそう
だいじゅうきゅうじょう
 だいいちしん裁判所さいばんしょは、訴訟そしょうがその管轄かんかつぞくする場合ばあいにおいても、当事とうじしゃ申立もうしたおよ相手方あいてがた同意どういがあるときは、訴訟そしょう全部ぜんぶまた一部いちぶ申立もうしたてにかか地方裁判所ちほうさいばんしょまた簡易かんい裁判所さいばんしょ移送いそうしなければならない。ただし、移送いそうによりいちじるしく訴訟そしょう手続てつづき遅滞ちたいさせることとなるとき、またはその申立もうしたてが、簡易かんい裁判所さいばんしょからその所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょへの移送いそう申立もうした以外いがいのものであって、被告ひこく本案ほんあんについて弁論べんろんをし、しくは弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおいて申述もうしのべをしたのちにされたものであるときは、このかぎりでない。

 簡易かんい裁判所さいばんしょは、その管轄かんかつぞくする不動産ふどうさんかんする訴訟そしょうにつき被告ひこく申立もうしたてがあるときは、訴訟そしょう全部ぜんぶまた一部いちぶをその所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょ移送いそうしなければならない。ただし、その申立もうしたてのまえ被告ひこく本案ほんあんについて弁論べんろんをした場合ばあいは、このかぎりでない。

専属せんぞく管轄かんかつ場合ばあい移送いそう制限せいげん
だいじゅうじょう
 ぜんさんじょう規定きていは、訴訟そしょうがその係属けいぞくする裁判所さいばんしょ専属せんぞく管轄かんかつ当事とうじしゃだいじゅういちじょう規定きていにより合意ごういさだめたものをのぞく。)にぞくする場合ばあいには、適用てきようしない。

 特許とっきょけんとうかんするうったえにかか訴訟そしょうについて、だいじゅうななじょうまた前条ぜんじょうだいいちこう規定きていによればだいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょ移送いそうすべき場合ばあいには、前項ぜんこう規定きていにかかわらず、だいじゅうななじょうまた前条ぜんじょうだいいちこう規定きてい適用てきようする。


特許とっきょけんとうかんするうったとうかか訴訟そしょう移送いそう
だいじゅうじょう
 だいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょは、特許とっきょけんとうかんするうったえにかか訴訟そしょうどうこう規定きていによりその管轄かんかつ専属せんぞくする場合ばあいにおいても、当該とうがい訴訟そしょうにおいて審理しんりすべき専門せんもん技術ぎじゅつてき事項じこうくことその事情じじょうによりいちじるしい損害そんがいまた遅滞ちたいけるため必要ひつようがあるとみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、訴訟そしょう全部ぜんぶまた一部いちぶだいよんじょうだいじょうしくはだいじゅういちじょう規定きていによれば管轄かんかつけんゆうすべき地方裁判所ちほうさいばんしょまただいじゅうきゅうじょうだいいちこう規定きていによれば移送いそうけるべき地方裁判所ちほうさいばんしょ移送いそうすることができる。

 東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょは、だいろくじょうだいさんこう控訴こうそ提起ていきされた場合ばあいにおいて、その控訴こうそしんにおいて審理しんりすべき専門せんもん技術ぎじゅつてき事項じこうくことその事情じじょうによりいちじるしい損害そんがいまた遅滞ちたいけるため必要ひつようがあるとみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、訴訟そしょう全部ぜんぶまた一部いちぶ大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょ移送いそうすることができる。

即時そくじ抗告こうこく
だいじゅういちじょう
 移送いそう決定けっていおよ移送いそう申立もうしたてを却下きゃっかした決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

移送いそう裁判さいばん拘束こうそくりょくとう
だいじゅうじょう
 確定かくていした移送いそう裁判さいばんは、移送いそうけた裁判所さいばんしょ拘束こうそくする。

 移送いそうけた裁判所さいばんしょは、さら事件じけん裁判所さいばんしょ移送いそうすることができない。

 移送いそう裁判さいばん確定かくていしたときは、訴訟そしょうは、はじめから移送いそうけた裁判所さいばんしょ係属けいぞくしていたものとみなす。

だいせつ 裁判所さいばんしょ職員しょくいんじょおよ忌避きひ

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裁判官さいばんかんじょ斥)
だいじゅうさんじょう
 裁判官さいばんかんは、つぎかかげる場合ばあいには、その職務しょくむ執行しっこうからじょ斥される。ただし、だいろくごうかかげる場合ばあいにあっては、裁判所さいばんしょ嘱託しょくたくにより受託じゅたく裁判官さいばんかんとしてその職務しょくむおこなうことをさまたげない。

いち 裁判官さいばんかんまたはその配偶はいぐうしゃしくは配偶はいぐうしゃであったものが、事件じけん当事とうじしゃであるとき、また事件じけんについて当事とうじしゃ共同きょうどう権利けんりしゃ共同きょうどう義務ぎむしゃしくは償還しょうかん義務ぎむしゃ関係かんけいにあるとき。
 裁判官さいばんかん当事とうじしゃよん親等しんとうない血族けつぞくさん親等しんとうない姻族いんぞくしくは同居どうきょ親族しんぞくであるとき、またはあったとき。
さん 裁判官さいばんかん当事とうじしゃ後見人こうけんにん後見こうけん監督かんとくじんじん監督かんとくじん補助ほじょじんまた補助ほじょ監督かんとくじんであるとき。
よん 裁判官さいばんかん事件じけんについて証人しょうにんまた鑑定かんていじんとなったとき。
 裁判官さいばんかん事件じけんについて当事とうじしゃ代理人だいりにんまた補佐ほさじんであるとき、またはあったとき。
ろく 裁判官さいばんかん事件じけんについて仲裁ちゅうさい判断はんだん関与かんよし、また不服ふふくもうてられた前審ぜんしん裁判さいばん関与かんよしたとき。

 前項ぜんこう規定きていするじょ斥の原因げんいんがあるときは、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、じょ斥の裁判さいばんをする。

裁判官さいばんかん忌避きひ
だいじゅうよんじょう
 裁判官さいばんかんについて裁判さいばん公正こうせいさまたげるべき事情じじょうがあるときは、当事とうじしゃは、その裁判官さいばんかん忌避きひすることができる。

 当事とうじしゃは、裁判官さいばんかん面前めんぜんにおいて弁論べんろんをし、また弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおいて申述もうしのべをしたときは、その裁判官さいばんかん忌避きひすることができない。ただし、忌避きひ原因げんいんがあることをらなかったとき、また忌避きひ原因げんいんがそのしょうじたときは、このかぎりでない。

じょ斥又は忌避きひ裁判さいばん
だいじゅうじょう
 合議ごうぎたい構成こうせいいんである裁判官さいばんかんおよ地方裁判所ちほうさいばんしょ一人ひとり裁判官さいばんかんじょ斥又は忌避きひについてはその裁判官さいばんかん所属しょぞくする裁判所さいばんしょが、簡易かんい裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかんじょ斥又は忌避きひについてはその裁判所さいばんしょ所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょが、決定けっていで、裁判さいばんをする。

 地方裁判所ちほうさいばんしょにおける前項ぜんこう裁判さいばんは、合議ごうぎたいでする。

 裁判官さいばんかんは、そのじょ斥又は忌避きひについての裁判さいばん関与かんよすることができない。

 じょ斥又は忌避きひ理由りゆうがあるとする決定けっていたいしては、不服ふふくもうてることができない。

 じょ斥又は忌避きひ理由りゆうがないとする決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

訴訟そしょう手続てつづき停止ていし
だいじゅうろくじょう
 じょ斥又は忌避きひ申立もうしたてがあったときは、その申立もうしたてについての決定けってい確定かくていするまで訴訟そしょう手続てつづき停止ていししなければならない。ただし、急速きゅうそくようする行為こういについては、このかぎりでない。

裁判所さいばんしょ書記官しょきかんへの準用じゅんよう
だいじゅうななじょう
 このふし規定きていは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんについて準用じゅんようする。この場合ばあいにおいては、裁判さいばんは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかん所属しょぞくする裁判所さいばんしょがする。

だいさんしょう 当事とうじしゃ

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だいいちせつ 当事とうじしゃ能力のうりょくおよ訴訟そしょう能力のうりょく

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原則げんそく
だいじゅうはちじょう
 当事とうじしゃ能力のうりょく訴訟そしょう能力のうりょくおよ訴訟そしょう無能力むのうりょくしゃ法定ほうてい代理だいりは、この法律ほうりつ特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、民法みんぽう明治めいじじゅうきゅうねん法律ほうりつだいはちじゅうきゅうごう)その法令ほうれいしたがう。訴訟そしょう行為こういをするのに必要ひつような授権についても、同様どうようとする。

法人ほうじんでない社団しゃだんとう当事とうじしゃ能力のうりょく
だいじゅうきゅうじょう
 法人ほうじんでない社団しゃだんまた財団ざいだん代表だいひょうしゃまた管理人かんりにんさだめがあるものは、そのにおいてうったえ、またうったえられることができる。

選定せんてい当事とうじしゃ
だいさんじゅうじょう
 共同きょうどう利益りえきゆうする多数たすうもの前条ぜんじょう規定きてい該当がいとうしないものは、そのなかから、全員ぜんいんのために原告げんこくまた被告ひこくとなるべき一人ひとりまたすうにん選定せんていすることができる。

 訴訟そしょう係属けいぞくのち前項ぜんこう規定きていにより原告げんこくまた被告ひこくとなるべきもの選定せんていしたときは、当事とうじしゃは、当然とうぜん訴訟そしょうから脱退だったいする。

 係属けいぞくちゅう訴訟そしょう原告げんこくまた被告ひこく共同きょうどう利益りえきゆうするもの当事とうじしゃでないものは、その原告げんこくまた被告ひこく自己じこのためにも原告げんこくまた被告ひこくとなるべきものとして選定せんていすることができる。

 だいいちこうまた前項ぜんこう規定きていにより原告げんこくまた被告ひこくとなるべきもの選定せんていしたもの以下いか選定せんていしゃ」という。)は、その選定せんていし、また選定せんていされた当事とうじしゃ以下いか選定せんてい当事とうじしゃ」という。)を変更へんこうすることができる。

 選定せんてい当事とうじしゃのうち死亡しぼうその事由じゆうによりその資格しかく喪失そうしつしたものがあるときは、選定せんてい当事とうじしゃにおいて全員ぜんいんのために訴訟そしょう行為こういをすることができる。

未成年みせいねんしゃおよ成年せいねん後見人こうけんにん訴訟そしょう能力のうりょく
だいさんじゅういちじょう
 未成年みせいねんしゃおよ成年せいねん後見人こうけんにんは、法定ほうてい代理人だいりにんによらなければ、訴訟そしょう行為こういをすることができない。ただし、未成年みせいねんしゃ独立どくりつして法律ほうりつ行為こういをすることができる場合ばあいは、このかぎりでない。

じん補助ほじょじんおよ法定ほうてい代理人だいりにん訴訟そしょう行為こういとくそく
だいさんじゅうじょう
 じん補助ほじょじん訴訟そしょう行為こういをすることにつきその補助ほじょじん同意どういることをようするものにかぎる。次項じこうおよだいよんじゅうじょうだいよんこうにおいておなじ。)また後見人こうけんにんその法定ほうてい代理人だいりにん相手方あいてがた提起ていきしたうったまた上訴じょうそについて訴訟そしょう行為こういをするには、じんしくは監督かんとくじん補助ほじょじんしくは補助ほじょ監督かんとくじんまた後見こうけん監督かんとくじん同意どういそのの授権をようしない。

 じん補助ほじょじんまた後見人こうけんにんその法定ほうてい代理人だいりにんつぎかかげる訴訟そしょう行為こういをするには、特別とくべつの授権がなければならない。

いち うったえの取下とりさげ、和解わかい請求せいきゅう放棄ほうきしくは認諾にんだくまただいよんじゅうはちじょうだいじゅうじょうだいさんこうおよだいじゅういちじょうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていによる脱退だったい
 控訴こうそ上告じょうこくまただいさんひゃくじゅうはちじょうだいいちこう申立もうしたての取下とりさ
さん だいさんひゃくろくじゅうじょうだいさんひゃくろくじゅうななじょうだいこうおよだいさんひゃくななじゅうはちじょうだいこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていによる異議いぎ取下とりさまたはその取下とりさげについての同意どうい

外国がいこくじん訴訟そしょう能力のうりょくとくそく
だいさんじゅうさんじょう
 外国がいこくじんは、その本国ほんごくほうによれば訴訟そしょう能力のうりょくゆうしない場合ばあいであっても、日本にっぽん法律ほうりつによれば訴訟そしょう能力のうりょくゆうすべきときは、訴訟そしょう能力のうりょくしゃとみなす。

訴訟そしょう能力のうりょくとう場合ばあい措置そちとう
だいさんじゅうよんじょう
 訴訟そしょう能力のうりょく法定ほうてい代理だいりけんまた訴訟そしょう行為こういをするのに必要ひつような授権をくときは、裁判所さいばんしょは、期間きかんさだめて、その補正ほせいめいじなければならない。この場合ばあいにおいて、遅滞ちたいのため損害そんがいしょうずるおそれがあるときは、裁判所さいばんしょは、一時いちじ訴訟そしょう行為こういをさせることができる。

 訴訟そしょう能力のうりょく法定ほうてい代理だいりけんまた訴訟そしょう行為こういをするのに必要ひつような授権をものがした訴訟そしょう行為こういは、これらをゆうするにいたった当事とうじしゃまた法定ほうてい代理人だいりにん追認ついにんにより、行為こういときにさかのぼってその効力こうりょくしょうずる。

 ぜんこう規定きていは、選定せんてい当事とうじしゃ訴訟そしょう行為こういをする場合ばあいについて準用じゅんようする。

特別とくべつ代理人だいりにん
だいさんじゅうじょう
 法定ほうてい代理人だいりにんがない場合ばあいまた法定ほうてい代理人だいりにん代理だいりけんおこなうことができない場合ばあいにおいて、未成年みせいねんしゃまた成年せいねん後見人こうけんにんたい訴訟そしょう行為こういをしようとするものは、遅滞ちたいのため損害そんがいけるおそれがあることをうとあかして、受訴裁判所さいばんしょ裁判さいばんちょう特別とくべつ代理人だいりにん選任せんにんもうてることができる。

 裁判所さいばんしょは、いつでも特別とくべつ代理人だいりにんあらためにんすることができる。

 特別とくべつ代理人だいりにん訴訟そしょう行為こういをするには、後見人こうけんにん同一どういつの授権がなければならない。

法定ほうてい代理だいりけん消滅しょうめつ通知つうち
だいさんじゅうろくじょう
 法定ほうてい代理だいりけん消滅しょうめつは、本人ほんにんまた代理人だいりにんから相手方あいてがた通知つうちしなければ、その効力こうりょくしょうじない。

 前項ぜんこう規定きていは、選定せんてい当事とうじしゃ選定せんてい取消とりけおよ変更へんこうについて準用じゅんようする。

法人ほうじん代表だいひょうしゃとうへの準用じゅんよう
だいさんじゅうななじょう
 この法律ほうりつちゅう法定ほうてい代理だいりおよ法定ほうてい代理人だいりにんかんする規定きていは、法人ほうじん代表だいひょうしゃおよ法人ほうじんでない社団しゃだんまた財団ざいだんでそのにおいてうったえ、またうったえられることができるものの代表だいひょうしゃまた管理人かんりにんについて準用じゅんようする。

だいせつ 共同きょうどう訴訟そしょう

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共同きょうどう訴訟そしょう要件ようけん
だいさんじゅうはちじょう
 訴訟そしょう目的もくてきである権利けんりまた義務ぎむすうにんについて共通きょうつうであるとき、また同一どういつ事実じじつじょうおよ法律ほうりつじょう原因げんいんもとづくときは、そのすうにんは、共同きょうどう訴訟そしょうじんとしてうったえ、またうったえられることができる。訴訟そしょう目的もくてきである権利けんりまた義務ぎむ同種どうしゅであって事実じじつじょうおよ法律ほうりつじょう同種どうしゅ原因げんいんもとづくときも、同様どうようとする。

共同きょうどう訴訟そしょうじん地位ちい
だいさんじゅうきゅうじょう
 共同きょうどう訴訟そしょうじん一人ひとり訴訟そしょう行為こうい共同きょうどう訴訟そしょうじん一人ひとりたいする相手方あいてがた訴訟そしょう行為こういおよ共同きょうどう訴訟そしょうじん一人ひとりについてしょうじた事項じこうは、共同きょうどう訴訟そしょうじん影響えいきょうおよぼさない。

必要ひつようてき共同きょうどう訴訟そしょう
だいよんじゅうじょう
 訴訟そしょう目的もくてき共同きょうどう訴訟そしょうじん全員ぜんいんについて合一ごういつにのみ確定かくていすべき場合ばあいには、その一人ひとり訴訟そしょう行為こういは、全員ぜんいん利益りえきにおいてのみその効力こうりょくしょうずる。

 前項ぜんこう規定きていする場合ばあいには、共同きょうどう訴訟そしょうじん一人ひとりたいする相手方あいてがた訴訟そしょう行為こういは、全員ぜんいんたいしてその効力こうりょくしょうずる。

 だいいちこう規定きていする場合ばあいにおいて、共同きょうどう訴訟そしょうじん一人ひとりについて訴訟そしょう手続てつづき中断ちゅうだんまた中止ちゅうし原因げんいんがあるときは、その中断ちゅうだんまた中止ちゅうしは、全員ぜんいんについてその効力こうりょくしょうずる。

 だいさんじゅうじょうだいいちこう規定きていは、だいいちこう規定きていする場合ばあいにおいて、共同きょうどう訴訟そしょうじん一人ひとり提起ていきした上訴じょうそについてほか共同きょうどう訴訟そしょうじんであるじんしくは補助ほじょじんまた共同きょうどう訴訟そしょうじん後見人こうけんにんその法定ほうてい代理人だいりにんのすべき訴訟そしょう行為こういについて準用じゅんようする。

同時どうじ審判しんぱんさるがある共同きょうどう訴訟そしょう
だいよんじゅういちじょう
 共同きょうどう被告ひこく一方いっぽうたいする訴訟そしょう目的もくてきである権利けんり共同きょうどう被告ひこく他方たほうたいする訴訟そしょう目的もくてきである権利けんりとが法律ほうりつじょう併存へいそんない関係かんけいにある場合ばあいにおいて、原告げんこくさるがあったときは、弁論べんろんおよ裁判さいばんは、分離ぶんりしないでしなければならない。

 前項ぜんこう申出もうしでは、控訴こうそしん口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつときまでにしなければならない。

 だいいちこう場合ばあいにおいて、かく共同きょうどう被告ひこくかか控訴こうそ事件じけん同一どういつ控訴こうそ裁判所さいばんしょかくべつ係属けいぞくするときは、弁論べんろんおよ裁判さいばんは、併合へいごうしてしなければならない。

だいさんせつ 訴訟そしょう参加さんか

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補助ほじょ参加さんか
だいよんじゅうじょう
 訴訟そしょう結果けっかについて利害りがい関係かんけいゆうする第三者だいさんしゃは、当事とうじしゃ一方いっぽう補助ほじょするため、その訴訟そしょう参加さんかすることができる。

補助ほじょ参加さんか申出もうしで
だいよんじゅうさんじょう
 補助ほじょ参加さんかさるは、参加さんか趣旨しゅしおよ理由りゆうあきらかにして、補助ほじょ参加さんかにより訴訟そしょう行為こういをすべき裁判所さいばんしょにしなければならない。

 補助ほじょ参加さんかさるは、補助ほじょ参加さんかじんとしてすることができる訴訟そしょう行為こういとともにすることができる。

補助ほじょ参加さんかについての異議いぎとう
だいよんじゅうよんじょう
 当事とうじしゃ補助ほじょ参加さんかについて異議いぎべたときは、裁判所さいばんしょは、補助ほじょ参加さんか許否きょひについて、決定けっていで、裁判さいばんをする。この場合ばあいにおいては、補助ほじょ参加さんかじんは、参加さんか理由りゆううとあきらしなければならない。

 前項ぜんこう異議いぎは、当事とうじしゃがこれをべないで弁論べんろんをし、また弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおいて申述もうしのべをしたのちは、べることができない。

 だいいちこう裁判さいばんたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

補助ほじょ参加さんかじん訴訟そしょう行為こうい
だいよんじゅうじょう
 補助ほじょ参加さんかじんは、訴訟そしょうについて、攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ異議いぎ申立もうしたてて、上訴じょうそ提起ていき再審さいしんうったえの提起ていきその一切いっさい訴訟そしょう行為こういをすることができる。ただし、補助ほじょ参加さんかときにおける訴訟そしょう程度ていどしたがいすることができないものは、このかぎりでない。

 補助ほじょ参加さんかじん訴訟そしょう行為こういは、参加さんかじん訴訟そしょう行為こうい抵触ていしょくするときは、その効力こうりょくゆうしない。

 補助ほじょ参加さんかじんは、補助ほじょ参加さんかについて異議いぎがあつた場合ばあいにおいても、補助ほじょ参加さんかゆるさない裁判さいばん確定かくていするまでのあいだは、訴訟そしょう行為こういをすることができる。

 補助ほじょ参加さんかじん訴訟そしょう行為こういは、補助ほじょ参加さんかゆるさない裁判さいばん確定かくていした場合ばあいにおいても、当事とうじしゃ援用えんようしたときは、その効力こうりょくゆうする。

補助ほじょ参加さんかじんたいする裁判さいばん効力こうりょく
だいよんじゅうろくじょう
 補助ほじょ参加さんかかか訴訟そしょう裁判さいばんは、つぎかかげる場合ばあいのぞき、補助ほじょ参加さんかじんたいしてもその効力こうりょくゆうする。

いち 前条ぜんじょうだいいちこうただししょ規定きていにより補助ほじょ参加さんかじん訴訟そしょう行為こういをすることができなかったとき。
 前条ぜんじょうだいこう規定きていにより補助ほじょ参加さんかじん訴訟そしょう行為こうい効力こうりょくゆうしなかったとき。
さん 参加さんかじん補助ほじょ参加さんかじん訴訟そしょう行為こういさまたげたとき。
よん 参加さんかじん補助ほじょ参加さんかじんのすることができない訴訟そしょう行為こうい故意こいまた過失かしつによってしなかったとき。

独立どくりつ当事とうじしゃ参加さんか
だいよんじゅうななじょう
 訴訟そしょう結果けっかによって権利けんりがいされることを主張しゅちょうする第三者だいさんしゃまた訴訟そしょう目的もくてき全部ぜんぶしくは一部いちぶ自己じこ権利けんりであることを主張しゅちょうする第三者だいさんしゃは、その訴訟そしょう当事とうじしゃ双方そうほうまた一方いっぽう相手方あいてがたとして、当事とうじしゃとしてその訴訟そしょう参加さんかすることができる。

 [#47|前項ぜんこう]]の規定きていによる参加さんかさるは、書面しょめんでしなければならない。

 [##47_2|前項ぜんこう]]の書面しょめんは、当事とうじしゃ双方そうほう送達そうたつしなければならない。

 だいよんじゅうじょうだいいちこうからだいさんこうまでの規定きていだいいちこう訴訟そしょう当事とうじしゃおよ|どうこう規定きていによりその訴訟そしょう参加さんかしたものについて、だいよんじゅうさんじょう規定きていどうこう規定きていによる参加さんかさるについて準用じゅんようする。

訴訟そしょう脱退だったい
だいよんじゅうはちじょう
 前条ぜんじょうだいいちこう規定きていにより自己じこ権利けんり主張しゅちょうするため訴訟そしょう参加さんかしたものがある場合ばあいには、参加さんかまえ原告げんこくまた被告ひこくは、相手方あいてがた承諾しょうだく訴訟そしょうから脱退だったいすることができる。この場合ばあいにおいて、判決はんけつは、脱退だったいした当事とうじしゃたいしてもその効力こうりょくゆうする。

権利けんり承継しょうけいじん訴訟そしょう参加さんか場合ばあいにおける時効じこう中断ちゅうだんとう
だいよんじゅうきゅうじょう
 訴訟そしょう係属けいぞくちゅうその訴訟そしょう目的もくてきである権利けんり全部ぜんぶまた一部いちぶゆずけたことを主張しゅちょうして、だいよんじゅうななじょうだいいちこう規定きていにより訴訟そしょう参加さんかをしたときは、その参加さんかは、訴訟そしょう係属けいぞくはじめにさかのぼって時効じこう中断ちゅうだんまた法律ほうりつじょう期間きかん遵守じゅんしゅ効力こうりょくしょうずる。

義務ぎむ承継しょうけいじん訴訟そしょう引受ひきうけ)
だいじゅうじょう
 訴訟そしょう係属けいぞくちゅう第三者だいさんしゃがその訴訟そしょう目的もくてきである義務ぎむ全部ぜんぶまた一部いちぶ承継しょうけいしたときは、裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃ申立もうしたてにより、決定けっていで、その第三者だいさんしゃ訴訟そしょうけさせることができる。

 裁判所さいばんしょは、前項ぜんこう決定けっていをする場合ばあいには、当事とうじしゃおよ第三者だいさんしゃしんひろしなければならない。

 だいよんじゅういちじょうだいいちこうおよだいさんこうならびにぜんじょう規定きていは、だいいちこう規定きていにより訴訟そしょうけさせる決定けっていがあった場合ばあいについて準用じゅんようする。

義務ぎむ承継しょうけいじん訴訟そしょう参加さんかおよ権利けんり承継しょうけいじん訴訟そしょう引受ひきうけ)
だいじゅういちじょう
 だいよんじゅうななじょうからだいよんじゅうきゅうじょうまでの規定きてい訴訟そしょう係属けいぞくちゅうその訴訟そしょう目的もくてきである義務ぎむ全部ぜんぶまた一部いちぶ承継しょうけいしたことを主張しゅちょうする第三者だいさんしゃ訴訟そしょう参加さんかについて、前条ぜんじょう規定きてい訴訟そしょう係属けいぞくちゅう第三者だいさんしゃがその訴訟そしょう目的もくてきである権利けんり全部ぜんぶまた一部いちぶゆずけた場合ばあいについて準用じゅんようする。

共同きょうどう訴訟そしょう参加さんか
だいじゅうじょう
 訴訟そしょう目的もくてき当事とうじしゃ一方いっぽうおよ第三者だいさんしゃについて合一ごういつにのみ確定かくていすべき場合ばあいには、その第三者だいさんしゃは、共同きょうどう訴訟そしょうじんとしてその訴訟そしょう参加さんかすることができる。

 だいよんじゅうさんじょうならびにだいよんじゅうななじょうだいこうおよだいさんこう規定きていは、前項ぜんこう規定きていによる参加さんかさるについて準用じゅんようする。

訴訟そしょう告知こくち
だいじゅうさんじょう
 当事とうじしゃは、訴訟そしょう係属けいぞくちゅう参加さんかすることができる第三者だいさんしゃにその訴訟そしょう告知こくちをすることができる。

 訴訟そしょう告知こくちけたものは、さら訴訟そしょう告知こくちをすることができる。

 訴訟そしょう告知こくちは、その理由りゆうおよ訴訟そしょう程度ていど記載きさいした書面しょめん裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしてしなければならない。

 訴訟そしょう告知こくちけたもの参加さんかしなかった場合ばあいにおいても、だいよんじゅうろくじょう規定きてい適用てきようについては、参加さんかすることができたとき参加さんかしたものとみなす。

だいよんせつ 訴訟そしょう代理人だいりにんおよ補佐ほさじん

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訴訟そしょう代理人だいりにん資格しかく
だいじゅうよんじょう
 法令ほうれいにより裁判さいばんじょう行為こういをすることができる代理人だいりにんのほか、弁護士べんごしでなければ訴訟そしょう代理人だいりにんとなることができない。ただし、簡易かんい裁判所さいばんしょにおいては、その許可きょかて、弁護士べんごしでないもの訴訟そしょう代理人だいりにんとすることができる。

 前項ぜんこう許可きょかは、いつでもすことができる。

訴訟そしょう代理だいりけん範囲はんい
だいじゅうじょう
 訴訟そしょう代理人だいりにんは、委任いにんけた事件じけんについて、反訴はんそ参加さんか強制きょうせい執行しっこうかり差押さしおさおよ仮処分かりしょぶんかんする訴訟そしょう行為こういをし、かつ、弁済べんさい受領じゅりょうすることができる。

 訴訟そしょう代理人だいりにんは、つぎかかげる事項じこうについては、特別とくべつ委任いにんけなければならない。

いち 反訴はんそ提起ていき
 うったえの取下とりさげ、和解わかい請求せいきゅう放棄ほうきしくは認諾にんだくまただいよんじゅうはちじょうだいじゅうじょうだいさんこうおよだいじゅういちじょうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていによる脱退だったい
さん 控訴こうそ上告じょうこくしくはだいさんひゃくじゅうはちじょうだいいちこう申立もうしたてまたはこれらの取下とりさ
よん だいさんひゃくろくじゅうじょうだいさんひゃくろくじゅうななじょうだいこうおよだいさんひゃくななじゅうはちじょうだいこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていによる異議いぎ取下とりさまたはその取下とりさげについての同意どうい
 代理人だいりにん選任せんにん

 訴訟そしょう代理だいりけんは、制限せいげんすることができない。ただし、弁護士べんごしでない訴訟そしょう代理人だいりにんについては、このかぎりでない。

 ぜんさんこう規定きていは、法令ほうれいにより裁判さいばんじょう行為こういをすることができる代理人だいりにん権限けんげんさまたげない。

個別こべつ代理だいり
だいじゅうろくじょう
 訴訟そしょう代理人だいりにんすうにんあるときは、各自かくじ当事とうじしゃ代理だいりする。

 当事とうじしゃ前項ぜんこう規定きていことなるさだめをしても、その効力こうりょくしょうじない。

当事とうじしゃによる更正こうせい
だいじゅうななじょう
 訴訟そしょう代理人だいりにん事実じじつかんする陳述ちんじゅつは、当事とうじしゃただちにし、また更正こうせいしたときは、その効力こうりょくしょうじない。

訴訟そしょう代理だいりけん消滅しょうめつ
だいじゅうはちじょう
 訴訟そしょう代理だいりけんは、つぎかかげる事由じゆうによっては、消滅しょうめつしない。

いち 当事とうじしゃ死亡しぼうまた訴訟そしょう能力のうりょく喪失そうしつ
 当事とうじしゃである法人ほうじん合併がっぺいによる消滅しょうめつ
さん 当事とうじしゃである受託じゅたくしゃ信託しんたく任務にんむ終了しゅうりょう
よん 法定ほうてい代理人だいりにん死亡しぼう訴訟そしょう能力のうりょく喪失そうしつまた代理だいりけん消滅しょうめつしくは変更へんこう

 一定いってい資格しかくゆうするもの自己じこ他人たにんのために訴訟そしょう当事とうじしゃとなるものの訴訟そしょう代理人だいりにん代理だいりけんは、当事とうじしゃ死亡しぼうその事由じゆうによる資格しかく喪失そうしつによっては、消滅しょうめつしない。

 前項ぜんこう規定きていは、選定せんてい当事とうじしゃ死亡しぼうその事由じゆうにより資格しかく喪失そうしつした場合ばあいについて準用じゅんようする。

法定ほうてい代理だいり規定きてい準用じゅんよう
だいじゅうきゅうじょう
 だいさんじゅうよんじょうだいいちこうおよだいこうならびにだいさんじゅうろくじょうだいいちこう規定きていは、訴訟そしょう代理だいりについて準用じゅんようする。

補佐ほさじん
だいろくじゅうじょう
 当事とうじしゃまた訴訟そしょう代理人だいりにんは、裁判所さいばんしょ許可きょかて、補佐ほさじんとともに出頭しゅっとうすることができる。

 前項ぜんこう許可きょかは、いつでもすことができる。

 補佐ほさじん陳述ちんじゅつは、当事とうじしゃまた訴訟そしょう代理人だいりにんただちにし、また更正こうせいしないときは、当事とうじしゃまた訴訟そしょう代理人だいりにんみずからしたものとみなす。

だいよんしょう 訴訟そしょう費用ひよう

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だいいちせつ 訴訟そしょう費用ひよう負担ふたん

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訴訟そしょう費用ひよう負担ふたん原則げんそく
だいろくじゅういちじょう
 訴訟そしょう費用ひようは、敗訴はいそ当事とうじしゃ負担ふたんとする。

必要ひつよう行為こういがあった場合ばあいとう負担ふたん
だいろくじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、事情じじょうにより、勝訴しょうそ当事とうじしゃに、その権利けんり伸張しんちょうしくは防御ぼうぎょ必要ひつようでない行為こういによってしょうじた訴訟そしょう費用ひようまた行為こういときにおける訴訟そしょう程度ていどにおいて相手方あいてがた権利けんり伸張しんちょうしくは防御ぼうぎょ必要ひつようであった行為こういによってしょうじた訴訟そしょう費用ひよう全部ぜんぶまた一部いちぶ負担ふたんさせることができる。

訴訟そしょう遅滞ちたいさせた場合ばあい負担ふたん
だいろくじゅうさんじょう
 当事とうじしゃ適切てきせつ時期じき攻撃こうげきしくは防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつしないことにより、また期日きじつしくは期間きかん遵守じゅんしゅその当事とうじしゃめにすべき事由じゆうにより訴訟そしょう遅滞ちたいさせたときは、裁判所さいばんしょは、その当事とうじしゃに、その勝訴しょうそ場合ばあいにおいても、遅滞ちたいによってしょうじた訴訟そしょう費用ひよう全部ぜんぶまた一部いちぶ負担ふたんさせることができる。

一部いちぶ敗訴はいそ場合ばあい負担ふたん
だいろくじゅうよんじょう
 一部いちぶ敗訴はいそ場合ばあいにおけるかく当事とうじしゃ訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんは、裁判所さいばんしょが、その裁量さいりょうさだめる。ただし、事情じじょうにより、当事とうじしゃ一方いっぽう訴訟そしょう費用ひよう全部ぜんぶ負担ふたんさせることができる。

共同きょうどう訴訟そしょう場合ばあい負担ふたん
だいろくじゅうじょう
 共同きょうどう訴訟そしょうじんは、ひとしい割合わりあい訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんする。ただし、裁判所さいばんしょは、事情じじょうにより、共同きょうどう訴訟そしょうじん連帯れんたいして訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんさせ、また方法ほうほうにより負担ふたんさせることができる。

 裁判所さいばんしょは、前項ぜんこう規定きていにかかわらず、権利けんり伸張しんちょうまた防御ぼうぎょ必要ひつようでない行為こういをした当事とうじしゃに、その行為こういによってしょうじた訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんさせることができる。

補助ほじょ参加さんか場合ばあい負担ふたん
だいろくじゅうろくじょう
 だいろくじゅういちじょうから前条ぜんじょうまでの規定きていは、補助ほじょ参加さんかについての異議いぎによってしょうじた訴訟そしょう費用ひよう補助ほじょ参加さんかじんとその異議いぎべた当事とうじしゃとのあいだにおける負担ふたん関係かんけいおよ補助ほじょ参加さんかによってしょうじた訴訟そしょう費用ひよう補助ほじょ参加さんかじん相手方あいてがたとのあいだにおける負担ふたん関係かんけいについて準用じゅんようする。

訴訟そしょう費用ひよう負担ふたん裁判さいばん
だいろくじゅうななじょう
 裁判所さいばんしょは、事件じけん完結かんけつする裁判さいばんにおいて、職権しょっけんで、そのしんきゅうにおける訴訟そしょう費用ひよう全部ぜんぶについて、その負担ふたん裁判さいばんをしなければならない。ただし、事情じじょうにより、事件じけん一部いちぶまた中間ちゅうかんあらそいにかんする裁判さいばんにおいて、その費用ひようについての負担ふたん裁判さいばんをすることができる。

 上級じょうきゅう裁判所さいばんしょ本案ほんあん裁判さいばん変更へんこうする場合ばあいには、訴訟そしょうそう費用ひようについて、その負担ふたん裁判さいばんをしなければならない。事件じけん差戻さしもどまた移送いそうけた裁判所さいばんしょがその事件じけん完結かんけつする裁判さいばんをする場合ばあいも、同様どうようとする。

和解わかい場合ばあい負担ふたん
だいろくじゅうはちじょう
 当事とうじしゃ裁判所さいばんしょにおいて和解わかいをした場合ばあいにおいて、和解わかい費用ひようまた訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんについて特別とくべつさだめをしなかったときは、その費用ひようは、各自かくじ負担ふたんする。

法定ほうてい代理人だいりにんとう費用ひよう償還しょうかん
だいろくじゅうきゅうじょう
 法定ほうてい代理人だいりにん訴訟そしょう代理人だいりにん裁判所さいばんしょ書記官しょきかんまた執行官しっこうかん故意こいまた重大じゅうだい過失かしつによって無益むえき訴訟そしょう費用ひようしょうじさせたときは、受訴裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、これらのものたいし、その費用ひようがく償還しょうかんめいずることができる。

 前項ぜんこう規定きていは、法定ほうてい代理人だいりにんまた訴訟そしょう代理人だいりにんとして訴訟そしょう行為こういをしたものが、その代理だいりけんまた訴訟そしょう行為こういをするのに必要ひつような授権があることを証明しょうめいすることができず、かつ、追認ついにんることができなかった場合ばあいにおいて、その訴訟そしょう行為こういによってしょうじた訴訟そしょう費用ひようについて準用じゅんようする。

 だいいちこう前項ぜんこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていによる決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

けん代理人だいりにん費用ひよう負担ふたん
だいななじゅうじょう
 前条ぜんじょうだいこう規定きていする場合ばあいにおいて、裁判所さいばんしょうったえを却下きゃっかしたときは、訴訟そしょう費用ひようは、代理人だいりにんとして訴訟そしょう行為こういをしたもの負担ふたんとする。

訴訟そしょう費用ひようがく確定かくてい手続てつづき
だいななじゅういちじょう
 訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんがくは、その負担ふたん裁判さいばん執行しっこうりょくしょうじたのちに、申立もうしたてにより、だいいちしん裁判所さいばんしょ裁判所さいばんしょ書記官しょきかんさだめる。

 前項ぜんこう場合ばあいにおいて、当事とうじしゃ双方そうほう訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんするときは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる場合ばあいのぞき、かく当事とうじしゃ負担ふたんすべき費用ひようは、その対当たいとうがくについて相殺そうさいがあったものとみなす。

 だいいちこう申立もうしたてにかんする処分しょぶんは、相当そうとうみとめる方法ほうほう告知こくちすることによって、その効力こうりょくしょうずる。

 前項ぜんこう処分しょぶんたいする異議いぎ申立もうしたては、その告知こくちけたからいち週間しゅうかん不変ふへん期間きかんないにしなければならない。

 前項ぜんこう異議いぎ申立もうしたては、執行しっこう停止ていし効力こうりょくゆうする。

 裁判所さいばんしょは、だいいちこう規定きていによるがくさだめる処分しょぶんたいする異議いぎ申立もうしたてを理由りゆうがあるとみとめる場合ばあいにおいて、訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんがくさだめるべきときは、みずからそのがくさだめなければならない。

 だいよんこう異議いぎ申立もうしたてについての決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

和解わかい場合ばあい費用ひようがく確定かくてい手続てつづき
だいななじゅうじょう
 当事とうじしゃ裁判所さいばんしょにおいて和解わかいをした場合ばあいにおいて、和解わかい費用ひようまた訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんさだめ、そのがくさだめなかったときは、そのがくは、申立もうしたてにより、だいいちしん裁判所さいばんしょだいひゃくななじゅうじょう和解わかいにあっては、和解わかい成立せいりつした裁判所さいばんしょ)の裁判所さいばんしょ書記官しょきかんさだめる。この場合ばあいにおいては、前条ぜんじょうだいこうからだいななこうまでの規定きてい準用じゅんようする。

訴訟そしょう裁判さいばんおよ和解わかいによらないで完結かんけつした場合ばあいとう取扱とりあつかい)
だいななじゅうさんじょう
 訴訟そしょう裁判さいばんおよ和解わかいによらないで完結かんけつしたときは、申立もうしたてにより、だいいちしん裁判所さいばんしょ決定けってい訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんめいじ、その裁判所さいばんしょ裁判所さいばんしょ書記官しょきかんはその決定けってい執行しっこうりょくしょうじたのちにその負担ふたんがくさだめなければならない。補助ほじょ参加さんかさる取下とりさまた補助ほじょ参加さんかについての異議いぎ取下とりさげがあった場合ばあいも、同様どうようとする。

 だいろくじゅういちじょうからだいろくじゅうろくじょうまでおよだいななじゅういちじょうだいななこう規定きてい前項ぜんこう申立もうしたてについての決定けっていについて、どうじょうだいこうおよだいさんこう規定きてい前項ぜんこう申立もうしたてにかんする裁判所さいばんしょ書記官しょきかん処分しょぶんについて、どうじょうだいよんこうからだいななこうまでの規定きていはその処分しょぶんたいする異議いぎ申立もうしたてについて準用じゅんようする。

費用ひようがく確定かくてい処分しょぶん更正こうせい
だいななじゅうよんじょう
 だいななじゅういちじょうだいいちこうだいななじゅうじょうまた前条ぜんじょうだいいちこう規定きていによるがくさだめる処分しょぶん計算けいさんちがい、誤記ごきそのこれらにるいする明白めいはくあやまりがあるときは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、いつでもその処分しょぶん更正こうせいすることができる。

 だいななじゅういちじょうだいさんこうからだいこうまでおよだいななこう規定きていは、前項ぜんこう規定きていによる更正こうせい処分しょぶんおよびこれにたいする異議いぎ申立もうしたてについて準用じゅんようする。

 だいいちこう規定きていするがくさだめる処分しょぶんたい適法てきほう異議いぎ申立もうしたてがあったときは、前項ぜんこう異議いぎ申立もうしたては、することができない。

だいせつ 訴訟そしょう費用ひよう担保たんぽ

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担保たんぽ提供ていきょう命令めいれい
だいななじゅうじょう
 原告げんこく日本にっぽん国内こくない住所じゅうしょ事務所じむしょおよ営業えいぎょうしょゆうしないときは、裁判所さいばんしょは、被告ひこく申立もうしたてにより、決定けっていで、訴訟そしょう費用ひよう担保たんぽてるべきことを原告げんこくめいじなければならない。その担保たんぽ不足ふそくしょうじたときも、同様どうようとする。

 前項ぜんこう規定きていは、金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅう一部いちぶについてあらそいがない場合ばあいにおいて、そのがく担保たんぽとして十分じゅうぶんであるときは、適用てきようしない。

 被告ひこくは、担保たんぽてるべき事由じゆうがあることをったのち本案ほんあんについて弁論べんろんをし、また弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおいて申述もうしのべをしたときは、だいいちこう申立もうしたてをすることができない。

 だいいちこう申立もうしたてをした被告ひこくは、原告げんこく担保たんぽてるまで応訴おうそこばむことができる。

 裁判所さいばんしょは、だいいちこう決定けっていにおいて、担保たんぽがくおよ担保たんぽてるべき期間きかんさだめなければならない。

 担保たんぽがくは、被告ひこくぜんしんきゅうにおいて支出ししゅつすべき訴訟そしょう費用ひよう総額そうがく標準ひょうじゅんとしてさだめる。

 だいいちこう申立もうしたてについての決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

担保たんぽ提供ていきょう方法ほうほう
だいななじゅうろくじょう
 担保たんぽてるには、担保たんぽてるべきことをめいじた裁判所さいばんしょ所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょ管轄かんかつ区域くいきない供託きょうたくしょ金銭きんせんまた裁判所さいばんしょ相当そうとうみとめる有価ゆうか証券しょうけん平成へいせいじゅうさんねん法律ほうりつだいななじゅうごうだいひゃくじゅうきゅうじょうだいいちこう規定きていする振替ふりかえ社債しゃさいとうふくむ。つぎじょうにおいておなじ。)を供託きょうたくする方法ほうほうその最高さいこう裁判所さいばんしょ規則きそくさだめる方法ほうほうによらなければならない。ただし、当事とうじしゃ特別とくべつ契約けいやくをしたときは、その契約けいやくによる。

担保たんぽぶつたいする被告ひこく権利けんり
だいななじゅうななじょう
 被告ひこくは、訴訟そしょう費用ひようかんし、前条ぜんじょう規定きていにより供託きょうたくした金銭きんせんまた有価ゆうか証券しょうけんについて、債権さいけんしゃ先立さきだ弁済べんさいける権利けんりゆうする。

担保たんぽ提供ていきょう効果こうか
だいななじゅうはちじょう
 原告げんこく担保たんぽてるべき期間きかんないにこれをてないときは、裁判所さいばんしょは、口頭こうとう弁論べんろんないで、判決はんけつで、うったえを却下きゃっかすることができる。ただし、判決はんけつまえ担保たんぽてたときは、このかぎりでない。

担保たんぽ取消とりけし)
だいななじゅうきゅうじょう
 担保たんぽてたもの担保たんぽ事由じゆう消滅しょうめつしたことを証明しょうめいしたときは、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてにより、担保たんぽ取消とりけしの決定けっていをしなければならない。

 担保たんぽてたもの担保たんぽ取消とりけしについて担保たんぽ権利けんりしゃ同意どういたことを証明しょうめいしたときも、前項ぜんこう同様どうようとする。

 訴訟そしょう完結かんけつ裁判所さいばんしょが、担保たんぽてたもの申立もうしたてにより、担保たんぽ権利けんりしゃたいし、一定いってい期間きかんないにその権利けんり行使こうしすべきむね催告さいこくし、担保たんぽ権利けんりしゃがその行使こうしをしないときは、担保たんぽ取消とりけしについて担保たんぽ権利けんりしゃ同意どういがあったものとみなす。

 だいいちこうおよだいこう規定きていによる決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

担保たんぽ変換へんかん
だいはちじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、担保たんぽてたもの申立もうしたてにより、決定けっていで、その担保たんぽ変換へんかんめいずることができる。ただし、その担保たんぽ契約けいやくによって担保たんぽ変換へんかんすることをさまたげない。

法令ほうれいによる担保たんぽへの準用じゅんよう
だいはちじゅういちじょう
 だいななじゅうじょうだいよんこうだいこうおよだいななこうならびにだいななじゅうろくじょうから前条ぜんじょうまでの規定きていは、法令ほうれいによりうったえの提起ていきについててるべき担保たんぽについて準用じゅんようする。

だいさんせつ 訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ

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救助きゅうじょ付与ふよ
だいはちじゅうじょう
 訴訟そしょう準備じゅんびおよおいぎょう必要ひつよう費用ひよう支払しはら資力しりょくがないものまたはその支払しはらいにより生活せいかついちじるしい支障ししょうしょうずるものたいしては、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてにより、訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ決定けっていをすることができる。ただし、勝訴しょうそ見込みこみがないとはいえないときにかぎる。

 訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ決定けっていは、しんきゅうごとにする。

救助きゅうじょ効力こうりょくとう
だいはちじゅうさんじょう
 訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ決定けっていは、そのさだめるところにしたがい、訴訟そしょうおよ強制きょうせい執行しっこうについて、つぎかかげる効力こうりょくゆうする。

いち 裁判さいばん費用ひようならびに執行官しっこうかん手数料てすうりょうおよびその職務しょくむ執行しっこうようする費用ひよう支払しはらい猶予ゆうよ
 裁判所さいばんしょにおいて付添つきそいをめいじた弁護士べんごし報酬ほうしゅうおよ費用ひよう支払しはらい猶予ゆうよ
さん 訴訟そしょう費用ひよう担保たんぽ免除めんじょ

 訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ決定けっていは、これをけたもののためにのみその効力こうりょくゆうする。

 裁判所さいばんしょは、訴訟そしょう承継しょうけいじんたいし、決定けっていで、猶予ゆうよした費用ひよう支払しはらいめいずる。

救助きゅうじょ決定けってい取消とりけし)
だいはちじゅうよんじょう
 訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ決定けっていけたものだいはちじゅうじょうだいいちこう本文ほんぶん規定きていする要件ようけんくことが判明はんめいし、またはこれをくにいたったときは、訴訟そしょう記録きろくそんする裁判所さいばんしょは、利害りがい関係かんけいじん申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、決定けっていにより、いつでも訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ決定けっていし、猶予ゆうよした費用ひよう支払しはらいめいずることができる。

猶予ゆうよされた費用ひようとう取立とりたて方法ほうほう
だいはちじゅうじょう
 訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ決定けっていけたもの支払しはらい猶予ゆうよした費用ひようは、これを負担ふたんすることとされた相手方あいてがたから直接ちょくせつてることができる。この場合ばあいにおいて、弁護士べんごしまた執行官しっこうかんは、報酬ほうしゅうまた手数料てすうりょうおよ費用ひようについて、訴訟そしょうじょう救助きゅうじょ決定けっていけたものわり、だいななじゅういちじょうだいいちこうだいななじゅうじょうまただいななじゅうさんじょうだいいちこう申立もうしたておよ強制きょうせい執行しっこうをすることができる。

即時そくじ抗告こうこく
だいはちじゅうろくじょう
 このふし規定きていする決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

だいしょう 訴訟そしょう手続てつづき

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だいいちせつ 訴訟そしょう審理しんりとう

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口頭こうとう弁論べんろん必要ひつようせい
だいはちじゅうななじょう
 当事とうじしゃは、訴訟そしょうについて、裁判所さいばんしょにおいて口頭こうとう弁論べんろんをしなければならない。ただし、決定けってい完結かんけつすべき事件じけんについては、裁判所さいばんしょが、口頭こうとう弁論べんろんをすべきかかをさだめる。

 前項ぜんこうただししょ規定きていにより口頭こうとう弁論べんろんをしない場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃしんひろすることができる。

 ぜんこう規定きていは、特別とくべつさだめがある場合ばあいには、適用てきようしない。

受命じゅめい裁判官さいばんかんによるしんひろ
だいはちじゅうはちじょう
 裁判所さいばんしょは、しんひろをする場合ばあいには、受命じゅめい裁判官さいばんかんにこれをおこなわせることができる。

和解わかいこころみ)
だいはちじゅうきゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、訴訟そしょうがいかなる程度ていどにあるかをわず、和解わかいこころみ、また受命じゅめい裁判官さいばんかんしくは受託じゅたく裁判官さいばんかん和解わかいこころみさせることができる。

訴訟そしょう手続てつづきかんする異議いぎけん喪失そうしつ
だいきゅうじゅうじょう
 当事とうじしゃ訴訟そしょう手続てつづきかんする規定きてい違反いはんり、またることができた場合ばあいにおいて、遅滞ちたいなく異議いぎべないときは、これをべる権利けんりうしなう。ただし、放棄ほうきすることができないものについては、このかぎりでない。

訴訟そしょう記録きろく閲覧えつらんとう
だいきゅうじゅういちじょう
 何人なんにんも、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんたいし、訴訟そしょう記録きろく閲覧えつらん請求せいきゅうすることができる。

 公開こうかい禁止きんしした口頭こうとう弁論べんろんかか訴訟そしょう記録きろくについては、当事とうじしゃおよ利害りがい関係かんけいうとあきらした第三者だいさんしゃかぎり、前項ぜんこう規定きていによる請求せいきゅうをすることができる。

 当事とうじしゃおよ利害りがい関係かんけいうとあきらした第三者だいさんしゃは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんたいし、訴訟そしょう記録きろく謄写とうしゃ、その正本しょうほん謄本とうほんしくは抄本しょうほん交付こうふまた訴訟そしょうかんする事項じこう証明しょうめいしょ交付こうふ請求せいきゅうすることができる。

 前項ぜんこう規定きていは、訴訟そしょう記録きろくちゅう録音ろくおんテープまたはビデオテープ(これらにじゅんずる方法ほうほうにより一定いってい事項じこう記録きろくしたものふくむ。)にかんしては、適用てきようしない。この場合ばあいにおいて、これらのものについて当事とうじしゃまた利害りがい関係かんけいうとあきらした第三者だいさんしゃ請求せいきゅうがあるときは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、その複製ふくせいゆるさなければならない。

 訴訟そしょう記録きろく閲覧えつらん謄写とうしゃおよ複製ふくせい請求せいきゅうは、訴訟そしょう記録きろく保存ほぞんまた裁判所さいばんしょ執務しつむ支障ししょうがあるときは、することができない。

秘密ひみつ保護ほごのための閲覧えつらんとう制限せいげん
だいきゅうじゅうじょう
 つぎかかげる事由じゆうにつきうとあきらがあった場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、当該とうがい当事とうじしゃ申立もうしたてにより、決定けっていで、当該とうがい訴訟そしょう記録きろくちゅう当該とうがい秘密ひみつ記載きさいされ、また記録きろくされた部分ぶぶん閲覧えつらんしくは謄写とうしゃ、その正本しょうほん謄本とうほんしくは抄本しょうほん交付こうふまたはその複製ふくせい以下いか秘密ひみつ記載きさい部分ぶぶん閲覧えつらんとう」という。)の請求せいきゅうをすることができるもの当事とうじしゃかぎることができる。

いち 訴訟そしょう記録きろくちゅう当事とうじしゃ私生活しせいかつについての重大じゅうだい秘密ひみつ記載きさいされ、また記録きろくされており、かつ、第三者だいさんしゃ秘密ひみつ記載きさい部分ぶぶん閲覧えつらんとうおこなうことにより、その当事とうじしゃ社会しゃかい生活せいかついとなむのにいちじるしい支障ししょうしょうずるおそれがあること。
 訴訟そしょう記録きろくちゅう当事とうじしゃ保有ほゆうする営業えいぎょう秘密ひみつ不正ふせい競争きょうそう防止ぼうしほうだいじょうだいよんこう規定きていする営業えいぎょう秘密ひみつをいう。だいひゃくさんじゅうじょうだいいちこうだいさんごうおよだいこうにおいておなじ。)が記載きさいされ、また記録きろくされていること。

 前項ぜんこう申立もうしたてがあったときは、その申立もうしたてについての裁判さいばん確定かくていするまで、第三者だいさんしゃは、秘密ひみつ記載きさい部分ぶぶん閲覧えつらんとう請求せいきゅうをすることができない。

 秘密ひみつ記載きさい部分ぶぶん閲覧えつらんとう請求せいきゅうをしようとする第三者だいさんしゃは、訴訟そしょう記録きろくそんする裁判所さいばんしょたいし、だいいちこう規定きていする要件ようけんくことまたはこれをくにいたったことを理由りゆうとして、どうこう決定けってい取消とりけしの申立もうしたてをすることができる。

 だいいちこう申立もうしたてを却下きゃっかした裁判さいばんおよ前項ぜんこう申立もうしたてについての裁判さいばんたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

 だいいちこう決定けってい裁判さいばんは、確定かくていしなければその効力こうりょくしょうじない。

だいせつ 専門せんもん委員いいん

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専門せんもん委員いいん関与かんよ
だいきゅうじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、争点そうてんしくは証拠しょうこ整理せいりまた訴訟そしょう手続てつづき進行しんこうかん必要ひつよう事項じこう協議きょうぎをするにたり、訴訟そしょう関係かんけい明瞭めいりょうにし、また訴訟そしょう手続てつづき円滑えんかつ進行しんこうはかるため必要ひつようがあるとみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、決定けっていで、専門せんもんてき知見ちけんもとづく説明せつめいくために専門せんもん委員いいん手続てつづき関与かんよさせることができる。この場合ばあいにおいて、専門せんもん委員いいん説明せつめいは、裁判さいばんちょう書面しょめんによりまた口頭こうとう弁論べんろんしくは弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき期日きじつにおいて口頭こうとうでさせなければならない。

 裁判所さいばんしょは、証拠しょうこ調しらべをするにたり、訴訟そしょう関係かんけいまた証拠しょうこ調しらべの結果けっか趣旨しゅし明瞭めいりょうにするため必要ひつようがあるとみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、決定けっていで、証拠しょうこ調しらべの期日きじつにおいて専門せんもんてき知見ちけんもとづく説明せつめいくために専門せんもん委員いいん手続てつづき関与かんよさせることができる。この場合ばあいにおいて、証人しょうにんしくは当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんまた鑑定かんていじん質問しつもん期日きじつにおいて専門せんもん委員いいん説明せつめいをさせるときは、裁判さいばんちょうは、当事とうじしゃ同意どういて、訴訟そしょう関係かんけいまた証拠しょうこ調しらべの結果けっか趣旨しゅし明瞭めいりょうにするために必要ひつよう事項じこうについて専門せんもん委員いいん証人しょうにん当事とうじしゃ本人ほんにんまた鑑定かんていじんたい直接ちょくせついをはっすることをゆるすことができる。

 裁判所さいばんしょは、和解わかいこころみるにたり、必要ひつようがあるとみとめるときは、当事とうじしゃ同意どういて、決定けっていで、当事とうじしゃ双方そうほううことができる和解わかいこころみる期日きじつにおいて専門せんもんてき知見ちけんもとづく説明せつめいくために専門せんもん委員いいん手続てつづき関与かんよさせることができる。

音声おんせい送受信そうじゅしんによる通話つうわ方法ほうほうによる専門せんもん委員いいん関与かんよ
だいきゅうじゅうじょうさん
 裁判所さいばんしょは、前条ぜんじょう各項かくこう規定きていにより専門せんもん委員いいん手続てつづき関与かんよさせる場合ばあいにおいて、専門せんもん委員いいん遠隔えんかく居住きょじゅうしているときその相当そうとうみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、どうじょう各項かくこう期日きじつにおいて、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるところにより、裁判所さいばんしょおよ当事とうじしゃ双方そうほう専門せんもん委員いいんとのあいだ音声おんせい送受信そうじゅしんにより同時どうじ通話つうわをすることができる方法ほうほうによって、専門せんもん委員いいんどうじょう各項かくこう説明せつめいまた発問はつもんをさせることができる。

専門せんもん委員いいん関与かんよ決定けってい取消とりけし)
だいきゅうじゅうじょうよん
 裁判所さいばんしょは、相当そうとうみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、専門せんもん委員いいん手続てつづき関与かんよさせる決定けっていすことができる。ただし、当事とうじしゃ双方そうほう申立もうしたてがあるときは、これをさなければならない。

専門せんもん委員いいん指定していおよ任免にんめんとう
だいきゅうじゅうじょう
 専門せんもん委員いいん員数いんずうは、かく事件じけんについて一人ひとり以上いじょうとする。

 だいきゅうじゅうじょう規定きていにより手続てつづき関与かんよさせる専門せんもん委員いいんは、当事とうじしゃ意見いけんいて、裁判所さいばんしょかく事件じけんについて指定していする。

 専門せんもん委員いいんは、非常勤ひじょうきんとし、その任免にんめんかん必要ひつよう事項じこうは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる。

 専門せんもん委員いいんには、べつ法律ほうりつさだめるところにより手当てあて支給しきゅうし、ならびに最高さいこう裁判所さいばんしょ規則きそくさだめるがく旅費りょひ日当にっとうおよ宿泊しゅくはくりょう支給しきゅうする。

専門せんもん委員いいんじょおよ忌避きひ
だいきゅうじゅうじょうろく
 だいじゅうさんじょうからだいじゅうじょうまで(どうじょうだいこうのぞく。)の規定きていは、専門せんもん委員いいんについて準用じゅんようする。

 専門せんもん委員いいんについてじょ斥又は忌避きひ申立もうしたてがあったときは、その専門せんもん委員いいんは、その申立もうしたてについての決定けってい確定かくていするまでその申立もうしたてがあった事件じけん手続てつづき関与かんよすることができない。

受命じゅめい裁判官さいばんかんとう権限けんげん
だいきゅうじゅうじょうなな
 受命じゅめい裁判官さいばんかんまた受託じゅたく裁判官さいばんかんだいきゅうじゅうじょう各項かくこう手続てつづきおこな場合ばあいには、どうじょうからだいきゅうじゅうじょうよんまでおよだいきゅうじゅうじょうだいこう規定きていによる裁判所さいばんしょおよ裁判さいばんちょう職務しょくむは、その裁判官さいばんかんおこなう。ただし、だいきゅうじゅうじょうだいこう手続てつづきおこな場合ばあいには、専門せんもん委員いいん手続てつづき関与かんよさせる決定けってい、その決定けってい取消とりけおよ専門せんもん委員いいん指定していは、受訴裁判所さいばんしょがする。

だいさんせつ 期日きじつおよ期間きかん

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期日きじつ指定していおよ変更へんこう
だいきゅうじゅうさんじょう
 期日きじつは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、裁判さいばんちょう指定していする。

 期日きじつは、やむをない場合ばあいかぎり、日曜日にちようびその一般いっぱん休日きゅうじつ指定していすることができる。

 口頭こうとう弁論べんろんおよ弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき期日きじつ変更へんこうは、顕著けんちょ事由じゆうがある場合ばあいかぎゆるす。ただし、最初さいしょ期日きじつ変更へんこうは、当事とうじしゃ合意ごういがある場合ばあいにもゆるす。

 前項ぜんこう規定きていにかかわらず、弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ変更へんこうは、やむをない事由じゆうがある場合ばあいでなければ、ゆるすことができない。

期日きじつ呼出よびだし)
だいきゅうじゅうよんじょう
 期日きじつ呼出よびだしは、呼出よびだしじょう送達そうたつ当該とうがい事件じけんについて出頭しゅっとうしたものたいする期日きじつ告知こくちその相当そうとうみとめる方法ほうほうによってする。

 呼出よびだしじょう送達そうたつおよ当該とうがい事件じけんについて出頭しゅっとうしたものたいする期日きじつ告知こくち以外いがい方法ほうほうによる期日きじつ呼出よびだしをしたときは、期日きじつ出頭しゅっとうしない当事とうじしゃ証人しょうにんまた鑑定かんていじんたいし、法律ほうりつじょう制裁せいさいその期日きじつ遵守じゅんしゅによる不利益ふりえきすることができない。ただし、これらのもの期日きじつ呼出よびだしをけたむね記載きさいした書面しょめん提出ていしゅつしたときは、このかぎりでない。

期間きかん計算けいさん
だいきゅうじゅうじょう
 期間きかん計算けいさんについては、民法みんぽう期間きかんかんする規定きていしたがう。

 期間きかんさだめる裁判さいばんにおいて始期しきさだめなかったときは、期間きかんは、その裁判さいばん効力こうりょくしょうじたときから進行しんこうはじめる。

 期間きかん末日まつじつ日曜日にちようび土曜日どようび国民こくみん祝日しゅくじつかんする法律ほうりつ昭和しょうわじゅうさんねん法律ほうりつだいひゃくななじゅうはちごう)に規定きていする休日きゅうじついちがつにちいちがつさんにちまた十二月じゅうにがつじゅうきゅうにちから十二月じゅうにがつさんじゅういちにちまでのたるときは、期間きかんは、その翌日よくじつ満了まんりょうする。

期間きかん伸縮しんしゅくおよ付加ふか期間きかん
だいきゅうじゅうろくじょう
 裁判所さいばんしょは、法定ほうてい期間きかんまたはそのさだめた期間きかん伸長しんちょうし、また短縮たんしゅくすることができる。ただし、不変ふへん期間きかんについては、このかぎりでない。

 不変ふへん期間きかんについては、裁判所さいばんしょは、遠隔えんかく住所じゅうしょまた居所きょしょゆうするもののために付加ふか期間きかんさだめることができる。

訴訟そしょう行為こういついかん
だいきゅうじゅうななじょう
 当事とうじしゃがそのめにすることができない事由じゆうにより不変ふへん期間きかん遵守じゅんしゅすることができなかった場合ばあいには、その事由じゆう消滅しょうめつしたのちいち週間しゅうかん以内いないかぎり、不変ふへん期間きかんないにすべき訴訟そしょう行為こういついかんをすることができる。ただし、外国がいこく当事とうじしゃについては、この期間きかんは、がつとする。

 前項ぜんこう期間きかんについては、前条ぜんじょうだいいちこう本文ほんぶん規定きていは、適用てきようしない。

だいよんせつ 送達そうたつ

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職権しょっけん送達そうたつ原則げんそくとう
だいきゅうじゅうはちじょう
 送達そうたつは、特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、職権しょっけんでする。

 送達そうたつかんする事務じむは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんあつかう。

送達そうたつ実施じっし機関きかん
だいきゅうじゅうきゅうじょう
 送達そうたつは、特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、郵便ゆうびんまた執行官しっこうかんによってする。

 郵便ゆうびんによる送達そうたつにあっては、郵便ゆうびん業務ぎょうむ従事じゅうじするもの送達そうたつをする公務員こうむいんとする。

裁判所さいばんしょ書記官しょきかんによる送達そうたつ
だいひゃくじょう
 裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、その所属しょぞくする裁判所さいばんしょ事件じけんについて出頭しゅっとうしたものたいしては、みずか送達そうたつをすることができる。

交付こうふ送達そうたつ原則げんそく
だいひゃくいちじょう
 送達そうたつは、特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、送達そうたつけるべきもの送達そうたつすべき書類しょるい交付こうふしてする。

訴訟そしょう無能力むのうりょくしゃとうたいする送達そうたつ
だいひゃくじょう
 訴訟そしょう無能力むのうりょくしゃたいする送達そうたつは、その法定ほうてい代理人だいりにんにする。

 すうにん共同きょうどうして代理だいりけんおこなうべき場合ばあいには、送達そうたつは、その一人ひとりにすればりる。

 ざいかんしゃたいする送達そうたつは、監獄かんごくちょうにする。

送達そうたつ場所ばしょ
だいひゃくさんじょう
 送達そうたつは、送達そうたつけるべきもの住所じゅうしょ居所きょしょ営業えいぎょうしょまた事務所じむしょ以下いかこのふしにおいて「住所じゅうしょとう」という。)においてする。ただし、法定ほうてい代理人だいりにんたいする送達そうたつは、本人ほんにん営業えいぎょうしょまた事務所じむしょにおいてもすることができる。

 前項ぜんこうさだめる場所ばしょれないとき、またはその場所ばしょにおいて送達そうたつをするのに支障ししょうがあるときは、送達そうたつは、送達そうたつけるべきもの雇用こよう委任いにんその法律ほうりつじょう行為こういもとづき就業しゅうぎょうする他人たにん住所じゅうしょとう以下いか就業しゅうぎょう場所ばしょ」という。)においてすることができる。送達そうたつけるべきしゃつぎじょうだいいちこう規定きていするもののぞく。)が就業しゅうぎょう場所ばしょにおいて送達そうたつけるむね申述もうしのべをしたときも、同様どうようとする。

送達そうたつ場所ばしょとう届出とどけで
だいひゃくよんじょう
 当事とうじしゃ法定ほうてい代理人だいりにんまた訴訟そしょう代理人だいりにんは、送達そうたつけるべき場所ばしょ日本にっぽん国内こくないかぎる。)を受訴裁判所さいばんしょとどなければならない。この場合ばあいにおいては、送達そうたつ受取うけとりじんをもとどることができる。

 前項ぜんこう前段ぜんだん規定きていによる届出とどけでがあった場合ばあいには、送達そうたつは、前条ぜんじょう規定きていにかかわらず、その届出とどけでかか場所ばしょにおいてする。

 だいいちこう前段ぜんだん規定きていによる届出とどけでをしないものつぎ各号かくごうかかげる送達そうたつけたものにたいするその送達そうたつは、前条ぜんじょう規定きていにかかわらず、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめる場所ばしょにおいてする。

いち 前条ぜんじょう規定きていによる送達そうたつ

その送達そうたつをした場所ばしょ

 つぎじょう後段こうだん規定きていによる送達そうたつのうち郵便ゆうびん業務ぎょうむ従事じゅうじするもの郵便ゆうびんきょくにおいてするものおよだいひゃくろくじょうだいいちこう後段こうだん規定きていによる送達そうたつ

その送達そうたつにおいて送達そうたつをすべき場所ばしょとされていた場所ばしょ

さん だいひゃくななじょうだいいちこうだいいちごう規定きていによる送達そうたつ

その送達そうたつにおいてあてさきとした場所ばしょ

出会であい送達そうたつ
だいひゃくじょう
 ぜんじょう規定きていにかかわらず、送達そうたつけるべきもの日本にっぽん国内こくない住所じゅうしょとうゆうすることがあきらかでないもの(前条ぜんじょうだいいちこう前段ぜんだん規定きていによる届出とどけでをしたもののぞく。)にたいする送達そうたつは、そのもの出会であった場所ばしょにおいてすることができる。日本にっぽん国内こくない住所じゅうしょとうゆうすることがあきらかなものまたどうこう前段ぜんだん規定きていによる届出とどけでをしたもの送達そうたつけることをこばまないときも、同様どうようとする。

補充ほじゅう送達そうたつおよおけ送達そうたつ
だいひゃくろくじょう
 就業しゅうぎょう場所ばしょ以外いがい送達そうたつをすべき場所ばしょにおいて送達そうたつけるべきもの出会であわないときは、使用人しようにんその従業じゅうぎょうしゃまた同居どうきょしゃであって、書類しょるい受領じゅりょうについて相当そうとうのわきまえのあるものに書類しょるい交付こうふすることができる。郵便ゆうびん業務ぎょうむ従事じゅうじするもの郵便ゆうびんきょくにおいて書類しょるい交付こうふすべきときも、同様どうようとする。

 就業しゅうぎょう場所ばしょだいひゃくよんじょうだいいちこう前段ぜんだん規定きていによる届出とどけでかか場所ばしょ就業しゅうぎょう場所ばしょである場合ばあいふくむ。)において送達そうたつけるべきもの出会であわない場合ばあいにおいて、だいひゃくさんじょうだいこう他人たにんまたはその法定ほうてい代理人だいりにんしくは使用人しようにんその従業じゅうぎょうしゃであって、書類しょるい受領じゅりょうについて相当そうとうのわきまえのあるものが書類しょるい交付こうふけることをこばまないときは、これらのもの書類しょるい交付こうふすることができる。

 送達そうたつけるべきものまただいいちこう前段ぜんだん規定きていにより書類しょるい交付こうふけるべきもの正当せいとう理由りゆうなくこれをけることをこばんだときは、送達そうたつをすべき場所ばしょ書類しょるいくことができる。

書留かきとめ郵便ゆうびんとうする送達そうたつ
だいひゃくななじょう
 前条ぜんじょう規定きていにより送達そうたつをすることができない場合ばあいには、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、つぎ各号かくごうかかげる区分くぶんおうじ、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめる場所ばしょにあてて、書類しょるい書留かきとめ郵便ゆうびんまた民間みんかん事業じぎょうしゃによる信書しんしょ送達そうたつかんする法律ほうりつ平成へいせいじゅうよんねん法律ほうりつだいきゅうじゅうきゅうごうだいじょうだいろくこう規定きていする一般いっぱん信書しんしょ便びん事業じぎょうしゃしくはどうじょうだいきゅうこう規定きていする特定とくてい信書しんしょ便びん事業じぎょうしゃ提供ていきょうするどうじょうだいこう規定きていする信書しんしょ便びん役務えきむのうち書留かきとめ郵便ゆうびんじゅんずるものとして最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるもの(次項じこうおよだいさんこうにおいて「書留かきとめ郵便ゆうびんとう」という。)にして発送はっそうすることができる。

いち だいひゃくさんじょう規定きていのよる送達そうたつをすべき場合ばあい

どうじょうだいいちこうさだめる場所ばしょ

 だいひゃくよんじょうだいこう規定きていによる送達そうたつをすべき場合ばあい

どうこう場所ばしょ

さん だいひゃくよんじょうだいさんこう規定きていによる送達そうたつをすべき場合ばあい

どうこう場所ばしょ(その場所ばしょ就業しゅうぎょう場所ばしょである場合ばあいにあっては、訴訟そしょう記録きろくあらわれたそのもの住所じゅうしょとう

 前項ぜんこうだいごうまただいさんごう規定きていにより書類しょるい書留かきとめ郵便ゆうびんとうして発送はっそうした場合ばあいには、その送達そうたつすべき書類しょるいは、どうこうだいごうまただいさんごうさだめる場所ばしょにあてて、書留かきとめ郵便ゆうびんとうして発送はっそうすることができる。

 ぜんこう規定きていにより書類しょるい書留かきとめ郵便ゆうびんとうして発送はっそうした場合ばあいには、その発送はっそうときに、送達そうたつがあったものとみなす。

外国がいこくにおける送達そうたつ
だいひゃくはちじょう
 外国がいこくにおいてすべき送達そうたつは、裁判さいばんちょうがそのくに管轄かんかつ官庁かんちょうまたはそのくに駐在ちゅうざいする日本にっぽん大使たいし公使こうししくは領事りょうじ嘱託しょくたくしてする。

送達そうたつ報告ほうこくしょ
だいひゃくきゅうじょう
 送達そうたつをした公務員こうむいんは、書面しょめん作成さくせいし、送達そうたつかんする事項じこう記載きさいして、これを裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしなければならない。

公示こうじ送達そうたつ要件ようけん
だいひゃくじゅうじょう
 つぎかかげる場合ばあいには、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、申立もうしたてにより、公示こうじ送達そうたつをすることができる。

いち 当事とうじしゃ住所じゅうしょ居所きょしょその送達そうたつをすべき場所ばしょれない場合ばあい
 だいひゃくななじょうだいいちこう規定きていにより送達そうたつをすることができない場合ばあい
さん 外国がいこくにおいてすべき送達そうたつについて、だいひゃくはちじょう規定きていによることができず、またはこれによつても送達そうたつをすることができないとみとめるべき場合ばあい
よん だいひゃくはちじょう規定きていにより外国がいこく管轄かんかつ官庁かんちょう嘱託しょくたくはっしたのちろくがつ経過けいかしてもその送達そうたつしょうする書面しょめん送付そうふがない場合ばあい

 前項ぜんこう場合ばあいにおいて、裁判所さいばんしょは、訴訟そしょう遅滞ちたいけるため必要ひつようがあるとみとめるときは、申立もうしたてがないときであっても、裁判所さいばんしょ書記官しょきかん公示こうじ送達そうたつをすべきことをめいずることができる。

 同一どういつ当事とうじしゃたいするかい以降いこう公示こうじ送達そうたつは、職権しょっけんでする。ただし、だいいちこうだいよんごうかかげる場合ばあいは、このかぎりでない。

公示こうじ送達そうたつ方法ほうほう
だいひゃくじゅういちじょう
 公示こうじ送達そうたつは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかん送達そうたつすべき書類しょるい保管ほかんし、いつでも送達そうたつけるべきもの交付こうふすべきむね裁判所さいばんしょ掲示けいじじょう掲示けいじしてする。

公示こうじ送達そうたつ効力こうりょく発生はっせい時期じき
だいひゃくじゅうじょう
 公示こうじ送達そうたつは、前条ぜんじょう規定きていによる掲示けいじはじめたから週間しゅうかん経過けいかすることによって、その効力こうりょくしょうずる。ただし、だいひゃくじゅうじょうだいさんこう公示こうじ送達そうたつは、掲示けいじはじめた翌日よくじつにその効力こうりょくしょうずる。

 外国がいこくにおいてすべき送達そうたつについてした公示こうじ送達そうたつにあっては、前項ぜんこう期間きかんは、ろく週間しゅうかんとする。

 ぜんこう期間きかんは、短縮たんしゅくすることができない。

公示こうじ送達そうたつによる意思いし表示ひょうじ到達とうたつ
だいひゃくじゅうさんじょう
 訴訟そしょう当事とうじしゃ相手方あいてがた所在しょざいることができない場合ばあいにおいて、相手方あいてがたたいする公示こうじ送達そうたつがされた書類しょるいに、その相手方あいてがたたいしその訴訟そしょう目的もくてきである請求せいきゅうまた防御ぼうぎょ方法ほうほうかんする意思いし表示ひょうじをするむね記載きさいがあるときは、その意思いし表示ひょうじは、だいひゃくじゅういちじょう規定きていによる掲示けいじはじめたから週間しゅうかん経過けいかしたときに、相手方あいてがた到達とうたつしたものとみなす。この場合ばあいにおいては、民法みんぽうだいきゅうじゅうななじょうだいさんこうただししょ規定きてい準用じゅんようする。

だいせつ 裁判さいばん

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既判力きはんりょく範囲はんい
だいひゃくじゅうよんじょう
 確定かくてい判決はんけつは、主文しゅぶん包含ほうがんするものにかぎり、既判力きはんりょくゆうする。

 相殺そうさいのために主張しゅちょうした請求せいきゅう成立せいりつまた不成立ふせいりつ判断はんだんは、相殺そうさいをもって対抗たいこうしたがくについて既判力きはんりょくゆうする。

確定かくてい判決はんけつとう効力こうりょくおよもの範囲はんい
だいひゃくじゅうじょう
 確定かくてい判決はんけつは、つぎかかげるものたいしてその効力こうりょくゆうする。

いち 当事とうじしゃ
 当事とうじしゃ他人たにんのために原告げんこくまた被告ひこくとなった場合ばあいのそのにん
さん ぜんごうかかげるもの口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつ承継しょうけいじん
よん ぜんさんごうかかげるもののために請求せいきゅう目的もくてきぶつ所持しょじするもの

 前項ぜんこう規定きていは、かり執行しっこう宣言せんげんについて準用じゅんようする。

判決はんけつ確定かくてい時期じき
だいひゃくじゅうろくじょう
 判決はんけつは、控訴こうそしくは上告じょうこくだいさんひゃくじゅうななじょうだいいちこうだいさんひゃくはちじゅうじょうだいこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の上告じょうこくのぞく。)の提起ていきだいさんひゃくじゅうはちじょうだいいちこう申立もうしたてまただいさんひゃくじゅうななじょうだいさんひゃくろくじゅうななじょうだいこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)しくはだいさんひゃくななじゅうはちじょうだいいちこう規定きていによる異議いぎ申立もうしたてについてさだめた期間きかん満了まんりょうまえには、確定かくていしないものとする。

 判決はんけつ確定かくていは、前項ぜんこう期間きかんないにした控訴こうそ提起ていきどうこう上告じょうこく提起ていきまたどうこう申立もうしたてにより、遮断しゃだんされる。

定期ていききんによる賠償ばいしょうめいじた確定かくてい判決はんけつ変更へんこうもとめるうったえ)
だいひゃくじゅうななじょう
 口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつまえしょうじた損害そんがいにつき定期ていききんによる賠償ばいしょうめいじた確定かくてい判決はんけつについて、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつに、後遺こうい障害しょうがい程度ていど賃金ちんぎん水準すいじゅんその損害そんがいがく算定さんてい基礎きそとなった事情じじょういちじるしい変更へんこうしょうじた場合ばあいには、その判決はんけつ変更へんこうもとめるうったえを提起ていきすることができる。ただし、そのうったえの提起ていき以後いご支払しはらい期限きげん到来とうらいする定期ていききんかか部分ぶぶんかぎる。

 前項ぜんこううったえは、だいいちしん裁判所さいばんしょ管轄かんかつ専属せんぞくする。

外国がいこく裁判所さいばんしょ確定かくてい判決はんけつ効力こうりょく
だいひゃくじゅうはちじょう
 外国がいこく裁判所さいばんしょ確定かくてい判決はんけつは、つぎかかげる要件ようけんのすべてを具備ぐびする場合ばあいかぎり、その効力こうりょくゆうする。

いち 法令ほうれいまた条約じょうやくにより外国がいこく裁判所さいばんしょ裁判さいばんけんみとめられること。
 敗訴はいそ被告ひこく訴訟そしょう開始かいし必要ひつよう呼出よびだしくは命令めいれい送達そうたつ公示こうじ送達そうたつそのこれにるいする送達そうたつのぞく。)をけたことまたはこれをけなかったが応訴おうそしたこと。
さん 判決はんけつ内容ないようおよ訴訟そしょう手続てつづき日本にっぽんにおけるおおやけ秩序ちつじょまた善良ぜんりょう風俗ふうぞくはんしないこと。
よん 相互そうご保証ほしょうがあること。

決定けっていおよ命令めいれい告知こくち
だいひゃくじゅうきゅうじょう
 決定けっていおよ命令めいれいは、相当そうとうみとめる方法ほうほう告知こくちすることによって、その効力こうりょくしょうずる。

訴訟そしょう指揮しきかんする裁判さいばん取消とりけし)
だいひゃくじゅうじょう
 訴訟そしょう指揮しきかんする決定けっていおよ命令めいれいは、いつでもすことができる。

裁判所さいばんしょ書記官しょきかん処分しょぶんたいする異議いぎ
だいひゃくじゅういちじょう
 裁判所さいばんしょ書記官しょきかん処分しょぶんたいする異議いぎ申立もうしたてについては、その裁判所さいばんしょ書記官しょきかん所属しょぞくする裁判所さいばんしょが、決定けっていで、裁判さいばんをする。

判決はんけつかんする規定きてい準用じゅんよう
だいひゃくじゅうじょう
 決定けっていおよ命令めいれいには、その性質せいしつはんしないかぎり、判決はんけつかんする規定きてい準用じゅんようする。

判事はんじ権限けんげん
だいひゃくじゅうさんじょう
 判決はんけつ以外いがい裁判さいばんは、判事はんじ単独たんどくですることができる。

だいろくせつ 訴訟そしょう手続てつづき中断ちゅうだんおよ中止ちゅうし

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訴訟そしょう手続てつづき中断ちゅうだんおよび受継)
だいひゃくじゅうよんじょう
 つぎ各号かくごうかかげる事由じゆうがあるときは、訴訟そしょう手続てつづきは、中断ちゅうだんする。この場合ばあいにおいては、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめるものは、訴訟そしょう手続てつづきがなければならない。

いち 当事とうじしゃ死亡しぼう

相続そうぞくじん相続そうぞく財産ざいさん管理人かんりにんその法令ほうれいにより訴訟そしょう続行ぞっこうすべきもの

 当事とうじしゃである法人ほうじん合併がっぺいによる消滅しょうめつ

合併がっぺいによって設立せつりつされた法人ほうじんまた合併がっぺい存続そんぞくする法人ほうじん

さん 当事とうじしゃ訴訟そしょう能力のうりょく喪失そうしつまた法定ほうてい代理人だいりにん死亡しぼうしくは代理だいりけん消滅しょうめつ

法定ほうてい代理人だいりにんまた訴訟そしょう能力のうりょくゆうするにいたった当事とうじしゃ

よん 当事とうじしゃである受託じゅたくしゃ信託しんたく任務にんむ終了しゅうりょう

しん受託じゅたくしゃ

 一定いってい資格しかくゆうするもの自己じこ他人たにんのために訴訟そしょう当事とうじしゃとなるものの死亡しぼうその事由じゆうによる資格しかく喪失そうしつ
同一どういつ資格しかくゆうするもの
ろく 選定せんてい当事とうじしゃ全員ぜんいん死亡しぼうその事由じゆうによる資格しかく喪失そうしつ
選定せんていしゃ全員ぜんいんまたあらたな選定せんてい当事とうじしゃ

 前項ぜんこう規定きていは、訴訟そしょう代理人だいりにんがあるあいだは、適用てきようしない。

 だいいちこうだいいちごうかかげる事由じゆうがある場合ばあいにおいても、相続そうぞくじんは、相続そうぞく放棄ほうきをすることができるあいだは、訴訟そしょう手続てつづきぐことができない。

 だいいちこうだいごう規定きていは、合併がっぺいをもって相手方あいてがた対抗たいこうすることができない場合ばあいには、適用てきようしない。

 だいいちこうだいさんごう法定ほうてい代理人だいりにんじんまた補助ほじょじんである場合ばあいにあっては、どうごう規定きていは、つぎかかげるときには、適用てきようしない。

いち じんまた補助ほじょじん訴訟そしょう行為こういをすることについてじんまた補助ほじょじん同意どういることをようしないとき。
 じんまた補助ほじょじん前号ぜんごう規定きていする同意どういることをようする場合ばあいにおいて、その同意どういているとき。

破産はさん財団ざいだんかんする訴訟そしょう手続てつづき中断ちゅうだんおよび受継)
だいひゃくじゅうじょう
 当事とうじしゃ破産はさん宣告せんこくけたときは、破産はさん財団ざいだんかんする訴訟そしょう手続てつづきは、中断ちゅうだんする。この場合ばあいにおいて、破産はさんほう大正たいしょうじゅういちねん法律ほうりつだいななじゅういちごう)の規定きていによる受継うけつがあるまでに破産はさん手続てつづきかいどめがあったときは、破産はさんしゃは、当然とうぜん訴訟そしょう手続てつづきを受継する。

 破産はさんほう規定きていにより破産はさん財団ざいだんかんする訴訟そしょう手続てつづき受継うけつがあったのち破産はさん手続てつづきかいどめがあったときは、訴訟そしょう手続てつづきは、中断ちゅうだんする。この場合ばあいにおいては、破産はさんしゃは、訴訟そしょう手続てつづきがなければならない。

相手方あいてがたによる受継の申立もうしたて)
だいひゃくじゅうろくじょう
 訴訟そしょう手続てつづきの受継の申立もうしたては、相手方あいてがたもすることができる。

(受継の通知つうち
だいひゃくじゅうななじょう
 訴訟そしょう手続てつづきの受継の申立もうしたてがあった場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、相手方あいてがた通知つうちしなければならない。

(受継についての裁判さいばん
だいひゃくじゅうはちじょう
 訴訟そしょう手続てつづきの受継の申立もうしたてがあった場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、職権しょっけん調査ちょうさし、理由りゆうがないとみとめるときは、決定けっていで、その申立もうしたてを却下きゃっかしなければならない。

 判決はんけつしょまただいひゃくじゅうよんじょうだいこうだいさんひゃくななじゅうよんじょうだいこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の調書ちょうしょ送達そうたつ中断ちゅうだんした訴訟そしょう手続てつづきの受継の申立もうしたてがあった場合ばあいには、その判決はんけつをした裁判所さいばんしょは、その申立もうしたてについて裁判さいばんをしなければならない。

職権しょっけんによる続行ぞっこう命令めいれい
だいひゃくじゅうきゅうじょう
 当事とうじしゃ訴訟そしょう手続てつづきの受継の申立もうしたてをしない場合ばあいにおいても、裁判所さいばんしょは、職権しょっけんで、訴訟そしょう手続てつづき続行ぞっこうめいずることができる。

裁判所さいばんしょ職務しょくむ執行しっこう不能ふのうによる中止ちゅうし
だいひゃくさんじゅうじょう
 天災てんさいその事由じゆうによって裁判所さいばんしょ職務しょくむおこなうことができないときは、訴訟そしょう手続てつづきは、その事由じゆう消滅しょうめつするまで中止ちゅうしする。

当事とうじしゃ故障こしょうによる中止ちゅうし
だいひゃくさんじゅういちじょう
 当事とうじしゃ不定期ふていきあいだ故障こしょうにより訴訟そしょう手続てつづき続行ぞっこうすることができないときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、その中止ちゅうしめいずることができる。

 裁判所さいばんしょは、前項ぜんこう決定けっていすことができる。

中断ちゅうだんおよ中止ちゅうし効果こうか
だいひゃくさんじゅうじょう
 判決はんけつ言渡いいわたしは、訴訟そしょう手続てつづき中断ちゅうだんちゅうであっても、することができる。

 訴訟そしょう手続てつづき中断ちゅうだんまた中止ちゅうしがあったときは、期間きかんは、進行しんこう停止ていしする。この場合ばあいにおいては、訴訟そしょう手続てつづきの受継の通知つうちまたはその続行ぞっこうときから、あらたにぜん期間きかん進行しんこうはじめる。

だいろくしょう うったえの提起ていきまえにおける証拠しょうこ収集しゅうしゅう処分しょぶんとう

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うったえの提起ていきまえにおける照会しょうかいだいひゃくさんじゅうじょう うったえを提起ていきしようとするものうったえの被告ひこくとなるべきものたいうったえの提起ていき予告よこくする通知つうち書面しょめんでした場合ばあい以下いかこのしょうにおいて当該とうがい通知つうちを「予告よこく通知つうち」という。)には、その予告よこく通知つうちをしたもの以下いかこのしょうにおいて「予告よこく通知つうちしゃ」という。)は、その予告よこく通知つうちけたものたいし、その予告よこく通知つうちをしたからよんがつ以内いないかぎり、うったえの提起ていきまえに、うったえを提起ていきした場合ばあい主張しゅちょうまた立証りっしょう準備じゅんびするために必要ひつようであることがあきらかな事項じこうについて、相当そうとう期間きかんさだめて、書面しょめん回答かいとうするよう、書面しょめん照会しょうかいをすることができる。ただし、その照会しょうかいつぎ各号かくごうのいずれかに該当がいとうするときは、このかぎりでない。

いち だいひゃくろくじゅうさんじょう各号かくごうのいずれかに該当がいとうする照会しょうかい
 相手方あいてがたまた第三者だいさんしゃ私生活しせいかつについての秘密ひみつかんする事項じこうについての照会しょうかいであって、これに回答かいとうすることにより、その相手方あいてがたまた第三者だいさんしゃ社会しゃかい生活せいかついとなむのに支障ししょうしょうずるおそれがあるもの
さん 相手方あいてがたまた第三者だいさんしゃ営業えいぎょう秘密ひみつかんする事項じこうについての照会しょうかい

 前項ぜんこうだいごう規定きていする第三者だいさんしゃ私生活しせいかつについての秘密ひみつまたどうこうだいさんごう規定きていする第三者だいさんしゃ営業えいぎょう秘密ひみつかんする事項じこうについての照会しょうかいについては、相手方あいてがたがこれに回答かいとうすることをその第三者だいさんしゃ承諾しょうだくした場合ばあいには、これらの規定きていは、適用てきようしない。

 予告よこく通知つうち書面しょめんには、提起ていきしようとするうったえにかか請求せいきゅう要旨ようしおよ紛争ふんそう要点ようてん記載きさいしなければならない。

 だいいちこう照会しょうかいは、すでにした予告よこく通知つうち重複じゅうふくする予告よこく通知つうちもとづいては、することができない。

だいひゃくさんじゅうじょうさん 予告よこく通知つうちけたもの以下いかこのしょうにおいて「予告よこく通知つうちしゃ」という。)は、予告よこく通知つうちしゃたいし、その予告よこく通知つうち書面しょめん記載きさいされた前条ぜんじょうだいさんこう請求せいきゅう要旨ようしおよ紛争ふんそう要点ようてんたいする答弁とうべん要旨ようし記載きさいした書面しょめんでその予告よこく通知つうちたいする返答へんとうをしたときは、予告よこく通知つうちしゃたいし、その予告よこく通知つうちがされたからよんがつ以内いないかぎり、うったえの提起ていきまえに、うったえを提起ていきされた場合ばあい主張しゅちょうまた立証りっしょう準備じゅんびするために必要ひつようであることがあきらかな事項じこうについて、相当そうとう期間きかんさだめて、書面しょめん回答かいとうするよう、書面しょめん照会しょうかいをすることができる。この場合ばあいにおいては、どうじょうだいいちこうただししょおよどうじょうだいこう規定きてい準用じゅんようする。

 前項ぜんこう照会しょうかいは、すでにされた予告よこく通知つうち重複じゅうふくする予告よこく通知つうちたいする返答へんとうもとづいては、することができない。

うったえの提起ていきまえにおける証拠しょうこ収集しゅうしゅう処分しょぶんだいひゃくさんじゅうじょうよん 裁判所さいばんしょは、予告よこく通知つうちしゃまた前条ぜんじょうだいいちこう返答へんとうをした予告よこく通知つうちしゃ申立もうしたてにより、当該とうがい予告よこく通知つうちかかうったえが提起ていきされた場合ばあい立証りっしょう必要ひつようであることがあきらかな証拠しょうことなるべきものについて、申立もうしたてじんがこれをみずか収集しゅうしゅうすることが困難こんなんであるとみとめられるときは、その予告よこく通知つうちまた返答へんとう相手方あいてがた以下いかこのしょうにおいてたんに「相手方あいてがた」という。)の意見いけんいて、うったえの提起ていきまえに、その収集しゅうしゅうかかつぎかかげる処分しょぶんをすることができる。ただし、その収集しゅうしゅうようすべき時間じかんまた嘱託しょくたくけるべきもの負担ふたん相当そうとうなものとなることその事情じじょうにより、相当そうとうでないとみとめるときは、このかぎりでない。

いち 文書ぶんしょだいひゃくさんじゅういちじょう規定きていする物件ぶっけんふくむ。以下いかこのしょうにおいておなじ。)の所持しょじしゃにその文書ぶんしょ送付そうふ嘱託しょくたくすること。
 必要ひつよう調査ちょうさ官庁かんちょうしくはおおやけしょ外国がいこく官庁かんちょうしくはおおやけしょまた学校がっこう商工しょうこう会議かいぎしょ取引とりひきしょその団体だんたいつぎじょうだいいちこうだいごうにおいて「官公かんこうしょとう」という。)に嘱託しょくたくすること。
さん 専門せんもんてき知識ちしき経験けいけんゆうするものにその専門せんもんてき知識ちしき経験けいけんもとづく意見いけん陳述ちんじゅつ嘱託しょくたくすること。
よん 執行官しっこうかんたいし、もの形状けいじょう占有せんゆう関係かんけいその現況げんきょうについて調査ちょうさめいずること。

 前項ぜんこう処分しょぶん申立もうしたては、予告よこく通知つうちがされたからよんがつ不変ふへん期間きかんないにしなければならない。ただし、その期間きかん経過けいかにその申立もうしたてをすることについて相手方あいてがた同意どういがあるときは、このかぎりでない。

 だいいちこう処分しょぶん申立もうしたては、すでにした予告よこく通知つうち重複じゅうふくする予告よこく通知つうちまたはこれにたいする返答へんとうもとづいては、することができない。

 裁判所さいばんしょは、だいいちこう処分しょぶんをしたのちにおいて、どうこうただししょ規定きていする事情じじょうにより相当そうとうでないとみとめられるにいたったときは、その処分しょぶんすことができる。

証拠しょうこ収集しゅうしゅう処分しょぶん管轄かんかつ裁判所さいばんしょとうだいひゃくさんじゅうじょう つぎ各号かくごうかかげる処分しょぶん申立もうしたては、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめる管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょにしなければならない。

いち 前条ぜんじょうだいいちこうだいいちごう処分しょぶん申立もうした

申立もうしたてじんしくは相手方あいてがた普通ふつう裁判さいばんせき所在地しょざいちまた文書ぶんしょ所持しょじするもの居所きょしょ

 前条ぜんじょうだいいちこうだいごう処分しょぶん申立もうした

申立もうしたてじんしくは相手方あいてがた普通ふつう裁判さいばんせき所在地しょざいちまた調査ちょうさ嘱託しょくたくけるべき官公かんこうしょとう所在地しょざいち

さん 前条ぜんじょうだいいちこうだいさんごう処分しょぶん申立もうした

申立もうしたてじんしくは相手方あいてがた普通ふつう裁判さいばんせき所在地しょざいちまた特定とくていものにつき意見いけん陳述ちんじゅつ嘱託しょくたくがされるべき場合ばあいにおける当該とうがい特定とくていもの所在地しょざいち

よん 前条ぜんじょうだいいちこうだいよんごう処分しょぶん申立もうした

調査ちょうさかかもの所在地しょざいち

 だいじゅうろくじょうだいいちこうだいじゅういちじょうおよだいじゅうじょう規定きていは、前条ぜんじょうだいいちこう処分しょぶん申立もうしたてにかか事件じけんについて準用じゅんようする。

証拠しょうこ収集しゅうしゅう処分しょぶん手続てつづきとう
だいひゃくさんじゅうじょうろく
 裁判所さいばんしょは、だいひゃくさんじゅうじょうよんだいいちこうだいいちごうからだいさんごうまでの処分しょぶんをする場合ばあいには、嘱託しょくたくけたもの文書ぶんしょ送付そうふ調査ちょうさ結果けっか報告ほうこくまた意見いけん陳述ちんじゅつをすべき期間きかんさだめなければならない。

 #132.4-2だいひゃくさんじゅうじょうよんだいいちこうだいごう嘱託しょくたくしくはどうこうだいよんごう命令めいれいかか調査ちょうさ結果けっか報告ほうこくまたどうこうだいさんごう嘱託しょくたくかか意見いけん陳述ちんじゅつは、書面しょめんでしなければならない。

 裁判所さいばんしょは、だいひゃくさんじゅうじょうよんだいいちこう処分しょぶんもとづいて文書ぶんしょ送付そうふ調査ちょうさ結果けっか報告ほうこくまた意見いけん陳述ちんじゅつがされたときは、申立もうしたてじんおよ相手方あいてがたにそのむね通知つうちしなければならない。

 裁判所さいばんしょは、つぎじょうさだめる手続てつづきによる申立もうしたてじんおよ相手方あいてがた利用りようきょうするため、前項ぜんこう規定きていする通知つうちはっしたからいちがつあいだ送付そうふかか文書ぶんしょまた調査ちょうさ結果けっか報告ほうこくしくは意見いけん陳述ちんじゅつかか書面しょめん保管ほかんしなければならない。

 だいひゃくはちじゅうじょうだいいちこう規定きていだいひゃくさんじゅうじょうよんだいいちこう処分しょぶんについて、だいひゃくはちじゅうよんじょうだいいちこう規定きていだいひゃくさんじゅうじょうよんだいいちこうだいいちごうからだいさんごうまでの処分しょぶんについて、だいひゃくじゅうさんじょう規定きていどうごう処分しょぶんについて準用じゅんようする。

事件じけん記録きろく閲覧えつらんとう
だいひゃくさんじゅうじょうなな
 申立もうしたてじんおよ相手方あいてがたは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんたいし、だいひゃくさんじゅうじょうよんだいいちこう処分しょぶん申立もうしたてにかか事件じけん記録きろく閲覧えつらんしくは謄写とうしゃ、その正本しょうほん謄本とうほんしくは抄本しょうほん交付こうふまた当該とうがい事件じけんかんする事項じこう証明しょうめいしょ交付こうふ請求せいきゅうすることができる。

 だいきゅうじゅういちじょうだいよんこうおよだいこう規定きていは、前項ぜんこう記録きろくについて準用じゅんようする。この場合ばあいにおいて、どうじょうだいよんこうなか前項ぜんこう」とあるのは「だいひゃくさんじゅうじょうななだいいちこう」と、「当事とうじしゃまた利害りがい関係かんけいうとあきらした第三者だいさんしゃ」とあるのは「申立もうしたてじんまた相手方あいてがた」とえるものとする。

不服ふふく申立もうしたてのもと
だいひゃくさんじゅうじょうはち
 だいひゃくさんじゅうじょうよんだいいちこう処分しょぶん申立もうしたてについての裁判さいばんたいしては、不服ふふくもうてることができない。

証拠しょうこ収集しゅうしゅう処分しょぶんかか裁判さいばんかんする費用ひよう負担ふたん
だいひゃくさんじゅうじょうきゅう
 だいひゃくさんじゅうじょうよんだいいちこう処分しょぶん申立もうしたてについての裁判さいばんかんする費用ひようは、申立もうしたてじん負担ふたんとする。

 前項ぜんこう訴訟そしょう係属けいぞくする裁判所さいばんしょだいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょである場合ばあいにおいて、前項ぜんこう確認かくにん請求せいきゅうどうじょうだいいちこう規定きていにより裁判所さいばんしょ専属せんぞく管轄かんかつぞくするときは、前項ぜんこうただししょ規定きていは、適用てきようしない。

だいへん だいいちしん訴訟そしょう手続てつづき

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だいいちしょう うった

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うった提起ていき方式ほうしき
だいひゃくさんじゅうさんじょう
 うったえの提起ていきは、訴状そじょう裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしてしなければならない。

 訴状そじょうには、つぎかかげる事項じこう記載きさいしなければならない。

いち 当事とうじしゃおよ法定ほうてい代理人だいりにん
 請求せいきゅう趣旨しゅしおよ原因げんいん

証書しょうしょ真否しんぴ確認かくにんうったえ)
だいひゃくさんじゅうよんじょう
 確認かくにんうったえは、法律ほうりつ関係かんけいしょうする書面しょめん成立せいりつ真否しんぴ確定かくていするためにも提起ていきすることができる。

将来しょうらい給付きゅうふうったえ)
だいひゃくさんじゅうじょう
 将来しょうらい給付きゅうふもとめるうったえは、あらかじめその請求せいきゅうをする必要ひつようがある場合ばあいかぎり、提起ていきすることができる。

請求せいきゅう併合へいごう
だいひゃくさんじゅうろくじょう
 数個すうこ請求せいきゅうは、同種どうしゅ訴訟そしょう手続てつづきによる場合ばあいかぎり、いちうったえですることができる。

裁判さいばんちょう訴状そじょう審査しんさけん
だいひゃくさんじゅうななじょう
 訴状そじょうだいひゃくさんじゅうさんじょうだいこう規定きてい違反いはんする場合ばあいには、裁判さいばんちょうは、相当そうとう期間きかんさだめ、その期間きかんない不備ふび補正ほせいすべきことをめいじなければならない。民事みんじ訴訟そしょう費用ひようとうかんする法律ほうりつ昭和しょうわよんじゅうろくねん法律ほうりつだいよんじゅうごう)の規定きていしたがうったえの提起ていき手数料てすうりょう納付のうふしない場合ばあいも、同様どうようとする。

 前項ぜんこう場合ばあいにおいて、原告げんこく不備ふび補正ほせいしないときは、裁判さいばんちょうは、命令めいれいで、訴状そじょう却下きゃっかしなければならない。

 前項ぜんこう命令めいれいたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

訴状そじょう送達そうたつ
だいひゃくさんじゅうはちじょう
 訴状そじょうは、被告ひこく送達そうたつしなければならない。

 前条ぜんじょう規定きていは、訴状そじょう送達そうたつをすることができない場合ばあい訴状そじょう送達そうたつ必要ひつよう費用ひよう予納よのうしない場合ばあいふくむ。)について準用じゅんようする。

口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ指定してい
だいひゃくさんじゅうきゅうじょう
 うったえの提起ていきがあったときは、裁判さいばんちょうは、口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ指定していし、当事とうじしゃさなければならない。

口頭こうとう弁論べんろんないうったえの却下きゃっか
だいひゃくよんじゅうじょう
 うったえが適法てきほうでその不備ふび補正ほせいすることができないときは、裁判所さいばんしょは、口頭こうとう弁論べんろんないで、判決はんけつで、うったえを却下きゃっかすることができる。

呼出よびだし費用ひよう予納よのうがない場合ばあいうったえの却下きゃっか
だいひゃくよんじゅういちじょう
 裁判所さいばんしょは、民事みんじ訴訟そしょう費用ひようとうかんする法律ほうりつ規定きていしたが当事とうじしゃたいする期日きじつ呼出よびだしに必要ひつよう費用ひよう予納よのう相当そうとう期間きかんさだめて原告げんこくめいじた場合ばあいにおいて、その予納よのうがないときは、被告ひこく異議いぎがない場合ばあいかぎり、決定けっていで、うったえを却下きゃっかすることができる。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

重複じゅうふくするうったえの提起ていき禁止きんし
だいひゃくよんじゅうじょう
 裁判所さいばんしょ係属けいぞくする事件じけんについては、当事とうじしゃは、さらうったえを提起ていきすることができない。

うったえの変更へんこう
だいひゃくよんじゅうさんじょう
 原告げんこくは、請求せいきゅう基礎きそ変更へんこうがないかぎり、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけついたるまで、請求せいきゅうまた請求せいきゅう原因げんいん変更へんこうすることができる。ただし、これによりいちじるしく訴訟そしょう手続てつづき遅滞ちたいさせることとなるときは、このかぎりでない。

 請求せいきゅう変更へんこうは、書面しょめんでしなければならない。

 前項ぜんこう書面しょめんは、相手方あいてがた送達そうたつしなければならない。

 裁判所さいばんしょは、請求せいきゅうまた請求せいきゅう原因げんいん変更へんこう不当ふとうであるとみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、その変更へんこうゆるさないむね決定けっていをしなければならない。

選定せんていしゃかか請求せいきゅう追加ついか
だいひゃくよんじゅうよんじょう
 だいさんじゅうじょうだいさんこう規定きていによる原告げんこくとなるべきもの選定せんていがあった場合ばあいには、そのものは、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけついたるまで、その選定せんていしゃのために請求せいきゅう追加ついかをすることができる。

 だいさんじゅうじょうだいさんこう規定きていによる被告ひこくとなるべきもの選定せんていがあった場合ばあいには、原告げんこくは、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけついたるまで、その選定せんていしゃかか請求せいきゅう追加ついかをすることができる。

 前条ぜんじょうだいいちこうただししょおよだいこうからだいよんこうまでの規定きていは、ぜんこう請求せいきゅう追加ついかについて準用じゅんようする。

中間なかま確認かくにんうったえ)
だいひゃくよんじゅうじょう
 裁判さいばん訴訟そしょう進行しんこうちゅうあらそいとなっている法律ほうりつ関係かんけい成立せいりつまた不成立ふせいりつかかるときは、当事とうじしゃは、請求せいきゅう拡張かくちょうして、その法律ほうりつ関係かんけい確認かくにん判決はんけつもとめることができる。ただし、その確認かくにん請求せいきゅう裁判所さいばんしょ専属せんぞく管轄かんかつ当事とうじしゃだいじゅういちじょう規定きていにより合意ごういさだめたものをのぞく。)にぞくするときは、このかぎりでない。

 だいひゃくよんじゅうさんじょうだいこうおよだいさんこう規定きていは、前項ぜんこう規定きていによる請求せいきゅう拡張かくちょうについて準用じゅんようする。

反訴はんそ
だいひゃくよんじゅうろくじょう
 被告ひこくは、本訴ほんそ目的もくてきである請求せいきゅうまた防御ぼうぎょ方法ほうほう関連かんれんする請求せいきゅう目的もくてきとする場合ばあいかぎり、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけついたるまで、本訴ほんそ係属けいぞくする裁判所さいばんしょ反訴はんそ提起ていきすることができる。ただし、つぎかかげる場合ばあいは、このかぎりでない。

いち 反訴はんそ目的もくてきである請求せいきゅう裁判所さいばんしょ専属せんぞく管轄かんかつ当事とうじしゃだいじゅういちじょう規定きていにより合意ごういさだめたものをのぞく。)にぞくするとき。
 反訴はんそ提起ていきによりいちじるしく訴訟そしょう手続てつづき遅滞ちたいさせることとなるとき。

 本訴ほんそ係属けいぞくする裁判所さいばんしょだいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょである場合ばあいにおいて、反訴はんそ目的もくてきである請求せいきゅうどうこう規定きていにより裁判所さいばんしょ専属せんぞく管轄かんかつぞくするときは、前項ぜんこうだいいちごう規定きていは、適用てきようしない。

 反訴はんそについては、うったえにかんする規定きていによる。

時効じこう中断ちゅうだんとう効力こうりょく発生はっせい時期じき
だいひゃくよんじゅうななじょう
 時効じこう中断ちゅうだんまた法律ほうりつじょう期間きかん遵守じゅんしゅのために必要ひつよう裁判さいばんじょう請求せいきゅうは、うったえを提起ていきしたときまただいひゃくよんじゅうさんじょうだいこうだいひゃくよんじゅうよんじょうだいさんこうおよび[[|145_3|だいひゃくよんじゅうじょうだいこう]]において準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の書面しょめん裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしたときに、その効力こうりょくしょうずる。

だいしょう 計画けいかく審理しんり

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訴訟そしょう手続てつづき計画けいかくてき進行しんこう
だいひゃくよんじゅうななじょう
 裁判所さいばんしょおよ当事とうじしゃは、適正てきせいかつ迅速じんそく審理しんり実現じつげんのため、訴訟そしょう手続てつづき計画けいかくてき進行しんこうはからなければならない。

審理しんり計画けいかく
だいひゃくよんじゅうななじょうさん
 裁判所さいばんしょは、審理しんりすべき事項じこう多数たすうでありまたさくそうしているなど事件じけん複雑ふくざつであることその事情じじょうによりその適正てきせいかつ迅速じんそく審理しんりおこなうため必要ひつようがあるとみとめられるときは、当事とうじしゃ双方そうほう協議きょうぎをし、その結果けっかまえて審理しんり計画けいかくさだめなければならない。

 前項ぜんこう審理しんり計画けいかくにおいては、つぎかかげる事項じこうさだめなければならない。

いち 争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいりおこな期間きかん
 証人しょうにんおよ当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんおこな期間きかん
さん 口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつおよ判決はんけつ言渡いいわたしの予定よてい時期じき

 だいいちこう審理しんり計画けいかくにおいては、前項ぜんこう各号かくごうかかげる事項じこうのほか、特定とくてい事項じこうについての攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつすべき期間きかんその訴訟そしょう手続てつづき計画けいかくてき進行しんこうじょう必要ひつよう事項じこうさだめることができる。

 裁判所さいばんしょは、審理しんり現状げんじょうおよ当事とうじしゃ訴訟そしょうおいぎょう状況じょうきょうその事情じじょう考慮こうりょして必要ひつようがあるとみとめるときは、当事とうじしゃ双方そうほう協議きょうぎをし、その結果けっかまえてだいいちこう審理しんり計画けいかく変更へんこうすることができる。

だいさんしょう 口頭こうとう弁論べんろんおよびその準備じゅんび

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だいいちせつ 口頭こうとう弁論べんろん

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裁判さいばんちょう訴訟そしょう指揮しきけん
だいひゃくよんじゅうはちじょう
 口頭こうとう弁論べんろんは、裁判さいばんちょう指揮しきする。

 裁判さいばんちょうは、発言はつげんゆるし、またはその命令めいれいしたがわないもの発言はつげんきんずることができる。

釈明しゃくめいけんとう
だいひゃくよんじゅうきゅうじょう
 裁判さいばんちょうは、口頭こうとう弁論べんろん期日きじつまた期日きじつがいにおいて、訴訟そしょう関係かんけい明瞭めいりょうにするため、事実じじつじょうおよ法律ほうりつじょう事項じこうかんし、当事とうじしゃたいしていをはっし、また立証りっしょううながすことができる。

 陪席ばいせき裁判官さいばんかんは、裁判さいばんちょうげて、前項ぜんこう規定きていする処置しょちをすることができる。

 当事とうじしゃは、口頭こうとう弁論べんろん期日きじつまた期日きじつがいにおいて、裁判さいばんちょうたいして必要ひつよう発問はつもんもとめることができる。

 裁判さいばん長又ながまた陪席ばいせき裁判官さいばんかんが、口頭こうとう弁論べんろん期日きじつがいにおいて、攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう重要じゅうよう変更へんこうしょう事項じこうについてだいいちこうまただいこう規定きていによる処置しょちをしたときは、その内容ないよう相手方あいてがた通知つうちしなければならない。

訴訟そしょう指揮しきとうたいする異議いぎ
だいひゃくじゅうじょう
 当事とうじしゃが、口頭こうとう弁論べんろん指揮しきかんする裁判さいばんちょう命令めいれいまた前条ぜんじょうだいいちこうしくはだいこう規定きていによる裁判さいばんちょうしくは陪席ばいせき裁判官さいばんかん処置しょちたいし、異議いぎべたときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、その異議いぎについて裁判さいばんをする。

釈明しゃくめい処分しょぶん
だいひゃくじゅういちじょう
 裁判所さいばんしょは、訴訟そしょう関係かんけい明瞭めいりょうにするため、つぎかかげる処分しょぶんをすることができる。

いち 当事とうじしゃ本人ほんにんまたはその法定ほうてい代理人だいりにんたいし、口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ出頭しゅっとうすることをめいずること。
 口頭こうとう弁論べんろん期日きじつにおいて、当事とうじしゃのため事務じむ処理しょりし、また補助ほじょするもの裁判所さいばんしょ相当そうとうみとめるものに陳述ちんじゅつをさせること。
さん 訴訟そしょう書類しょるいまた訴訟そしょうにおいて引用いんようした文書ぶんしょその物件ぶっけん当事とうじしゃ所持しょじするものを提出ていしゅつさせること。
よん 当事とうじしゃまた第三者だいさんしゃ提出ていしゅつした文書ぶんしょその物件ぶっけん裁判所さいばんしょくこと。
 検証けんしょうをし、また鑑定かんていめいずること。
ろく 調査ちょうさ嘱託しょくたくすること。

 1前項ぜんこう規定きていする検証けんしょう鑑定かんていおよ調査ちょうさ嘱託しょくたくについては、証拠しょうこ調しらべにかんする規定きてい準用じゅんようする。

口頭こうとう弁論べんろん併合へいごうとう
だいひゃくじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、口頭こうとう弁論べんろん制限せいげん分離ぶんりしくは併合へいごうめいじ、またはその命令めいれいすことができる。

 裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃことにする事件じけんについて口頭こうとう弁論べんろん併合へいごうめいじた場合ばあいにおいて、そのまえ尋問じんもんをした証人しょうにんについて、尋問じんもん機会きかいがなかった当事とうじしゃ尋問じんもんさるをしたときは、その尋問じんもんをしなければならない。

口頭こうとう弁論べんろん再開さいかい
だいひゃくじゅうさんじょう
 裁判所さいばんしょは、終結しゅうけつした口頭こうとう弁論べんろん再開さいかいめいずることができる。

通訳つうやくじん立会たちあとう
だいひゃくじゅうよんじょう
 口頭こうとう弁論べんろん関与かんよするもの日本語にほんごつうじないとき、またみみこえないものしくはくちがきけないものであるときは、通訳つうやくじんわせる。ただし、みみこえないものまたくちがきけないものには、文字もじい、また陳述ちんじゅつをさせることができる。

 鑑定かんていじんかんする規定きていは、通訳つうやくじんについて準用じゅんようする。

弁論べんろん能力のうりょくものたいする措置そち
だいひゃくじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、訴訟そしょう関係かんけい明瞭めいりょうにするために必要ひつよう陳述ちんじゅつをすることができない当事とうじしゃ代理人だいりにんまた補佐ほさじん陳述ちんじゅつきんじ、口頭こうとう弁論べんろん続行ぞっこうのためあらたな期日きじつさだめることができる。

 前項ぜんこう規定きていにより陳述ちんじゅつきんじた場合ばあいにおいて、必要ひつようがあるとみとめるときは、裁判所さいばんしょは、弁護士べんごし付添つきそいをめいずることができる。

攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ時期じき
だいひゃくじゅうろくじょう
 攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほうは、訴訟そしょう進行しんこうじょうきょうおう適切てきせつ時期じき提出ていしゅつしなければならない。

審理しんり計画けいかくさだめられている場合ばあい攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ期間きかん
だいひゃくじゅうろくじょう
 だいひゃくよんじゅうななじょうさんだいいちこう審理しんり計画けいかくしたがった訴訟そしょう手続てつづき進行しんこうじょう必要ひつようがあるとみとめるときは、裁判さいばんちょうは、当事とうじしゃ意見いけんいて、特定とくてい事項じこうについての攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつすべき期間きかんさだめることができる。

時機じきおくれた攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう却下きゃっかとう
だいひゃくじゅうななじょう
 当事とうじしゃ故意こいまた重大じゅうだい過失かしつにより時機じきおくれて提出ていしゅつした攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほうについては、これにより訴訟そしょう完結かんけつ遅延ちえんさせることとなるとみとめたときは、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、却下きゃっか決定けっていをすることができる。

 攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほうでその趣旨しゅし明瞭めいりょうでないものについて当事とうじしゃ必要ひつよう釈明しゃくめいをせず、また釈明しゃくめいをすべき期日きじつ出頭しゅっとうしないときも、前項ぜんこう同様どうようとする。

審理しんり計画けいかくさだめられている場合ばあい攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう却下きゃっか
だいひゃくじゅうななじょう
 だいひゃくよんじゅうななじょうさんだいさんこうまただいひゃくじゅうろくじょうだいひゃくななじゅうじょうだいこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていにより特定とくてい事項じこうについての攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつすべき期間きかんさだめられている場合ばあいにおいて、当事とうじしゃがその期間きかん経過けいか提出ていしゅつした攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほうについては、これにより審理しんり計画けいかくしたがった訴訟そしょう手続てつづき進行しんこういちじるしい支障ししょうしょうずるおそれがあるとみとめたときは、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、却下きゃっか決定けっていをすることができる。ただし、その当事とうじしゃがその期間きかんない当該とうがい攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつすることができなかったことについて相当そうとう理由りゆうがあることをうとあきらしたときは、このかぎりでない。

訴状そじょうとう陳述ちんじゅつ擬制ぎせい
だいひゃくじゅうはちじょう
 原告げんこくまた被告ひこく最初さいしょにすべき口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ出頭しゅっとうせず、また出頭しゅっとうしたが本案ほんあん弁論べんろんをしないときは、裁判所さいばんしょは、そのもの提出ていしゅつした訴状そじょうまた答弁とうべんしょその準備じゅんび書面しょめん記載きさいした事項じこう陳述ちんじゅつしたものとみなし、出頭しゅっとうした相手方あいてがた弁論べんろんをさせることができる。

自白じはく擬制ぎせい
だいひゃくじゅうきゅうじょう
 当事とうじしゃ口頭こうとう弁論べんろんにおいて相手方あいてがた主張しゅちょうした事実じじつあらそうことをあきらかにしない場合ばあいには、その事実じじつ自白じはくしたものとみなす。ただし、弁論べんろんぜん趣旨しゅしにより、その事実じじつあらそったものとみとめるべきときは、このかぎりでない。

 相手方あいてがた主張しゅちょうした事実じじつらないむね陳述ちんじゅつをしたものは、その事実じじつあらそったものと推定すいていする。

 だいいちこう規定きていは、当事とうじしゃ口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ出頭しゅっとうしない場合ばあいについて準用じゅんようする。ただし、その当事とうじしゃ公示こうじ送達そうたつによる呼出よびだしをけたものであるときは、このかぎりでない。

口頭こうとう弁論べんろん調書ちょうしょ
だいひゃくろくじゅうじょう
 裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、口頭こうとう弁論べんろんについて、期日きじつごとに調書ちょうしょ作成さくせいしなければならない。

 調書ちょうしょ記載きさいについて当事とうじしゃその関係かんけいじん異議いぎべたときは、調書ちょうしょにそのむね記載きさいしなければならない。

 口頭こうとう弁論べんろん方式ほうしきかんする規定きてい遵守じゅんしゅは、調書ちょうしょによってのみ証明しょうめいすることができる。ただし、調書ちょうしょ滅失めっしつしたときは、このかぎりでない。

だいせつ 準備じゅんび書面しょめんとう

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準備じゅんび書面しょめん
だいひゃくろくじゅういちじょう
 口頭こうとう弁論べんろんは、書面しょめん準備じゅんびしなければならない。

 準備じゅんび書面しょめんには、つぎかかげる事項じこう記載きさいする。

いち 攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう
 相手方あいてがた請求せいきゅうおよ攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほうたいする陳述ちんじゅつ

 相手方あいてがた在廷ざいていしていない口頭こうとう弁論べんろんにおいては、準備じゅんび書面しょめん相手方あいてがた送達そうたつされたものまた相手方あいてがたからその準備じゅんび書面しょめん受領じゅりょうしたむね記載きさいした書面しょめん提出ていしゅつされたものにかぎる。)に記載きさいした事実じじつでなければ、主張しゅちょうすることができない。

準備じゅんび書面しょめんとう提出ていしゅつ期間きかん
だいひゃくろくじゅうじょう
 裁判さいばんちょうは、答弁とうべんしょしくは特定とくてい事項じこうかんする主張しゅちょう記載きさいした準備じゅんび書面しょめん提出ていしゅつまた特定とくてい事項じこうかんする証拠しょうこさるをすべき期間きかんさだめることができる。

当事とうじしゃ照会しょうかい
だいひゃくろくじゅうさんじょう
 当事とうじしゃは、訴訟そしょう係属けいぞくちゅう相手方あいてがたたいし、主張しゅちょうまた立証りっしょう準備じゅんびするために必要ひつよう事項じこうについて、相当そうとう期間きかんさだめて、書面しょめん回答かいとうするよう、書面しょめん照会しょうかいをすることができる。ただし、その照会しょうかいつぎ各号かくごうのいずれかに該当がいとうするときは、このかぎりでない。

いち 具体ぐたいてきまた個別こべつてきでない照会しょうかい
 相手方あいてがた侮辱ぶじょくし、また困惑こんわくさせる照会しょうかい
さん すでにした照会しょうかい重複じゅうふくする照会しょうかい
よん 意見いけんもとめる照会しょうかい
 相手方あいてがた回答かいとうするために相当そうとう費用ひようまた時間じかんようする照会しょうかい
ろく だいひゃくきゅうじゅうろくじょうまただいひゃくきゅうじゅうななじょう規定きていにより証言しょうげん拒絶きょぜつすることができる事項じこう同様どうよう事項じこうについての照会しょうかい

だいさんせつ 争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいり手続てつづき

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だいいち款 準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん

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準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん開始かいし
だいひゃくろくじゅうよんじょう
 裁判所さいばんしょは、争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいりおこなうため必要ひつようがあるとみとめるときは、この款にさだめるところにより、準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろんおこなうことができる。

証明しょうめいすべき事実じじつ確認かくにんとう
だいひゃくろくじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん終了しゅうりょうするにたり、その証拠しょうこ調しらべにより証明しょうめいすべき事実じじつ当事とうじしゃとのあいだ確認かくにんするものとする。

 裁判さいばんちょうは、相当そうとうみとめるときは、準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん終了しゅうりょうするにたり、当事とうじしゃ準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろんにおける争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいり結果けっか要約ようやくした書面しょめん提出ていしゅつさせることができる。

当事とうじしゃ出頭しゅっとうとうによる終了しゅうりょう
だいひゃくろくじゅうろくじょう
 当事とうじしゃ期日きじつ出頭しゅっとうせず、まただいひゃくろくじゅうじょう規定きていによりさだめられた期間きかんない準備じゅんび書面しょめん提出ていしゅつしくは証拠しょうこさるをしないときは、裁判所さいばんしょは、準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん終了しゅうりょうすることができる。

準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん終了しゅうりょう攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ
だいひゃくろくじゅうななじょう
 準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん終了しゅうりょう攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつした当事とうじしゃは、相手方あいてがたもとめがあるときは、相手方あいてがたたいし、準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん終了しゅうりょうまえにこれを提出ていしゅつすることができなかった理由りゆう説明せつめいしなければならない。

だい款 弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき

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弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき開始かいし
だいひゃくろくじゅうはちじょう
 裁判所さいばんしょは、争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいりおこなうため必要ひつようがあるとみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、事件じけん弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきすることができる。

弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき期日きじつ
だいひゃくろくじゅうきゅうじょう
 弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきは、当事とうじしゃ双方そうほううことができる期日きじつにおいておこなう。

 裁判所さいばんしょは、相当そうとうみとめるもの傍聴ぼうちょうゆるすことができる。ただし、当事とうじしゃもうものについては、手続てつづきおこなうのに支障ししょうしょうずるおそれがあるとみとめる場合ばあいのぞき、その傍聴ぼうちょうゆるさなければならない。

弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおける訴訟そしょう行為こういとう
だいひゃくななじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃ準備じゅんび書面しょめん提出ていしゅつさせることができる。

 裁判所さいばんしょは、弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき期日きじつにおいて、証拠しょうこさるかんする裁判さいばんその口頭こうとう弁論べんろん期日きじつがいにおいてすることができる裁判さいばんおよ文書ぶんしょだいひゃくさんじゅういちじょう規定きていする物件ぶっけんふくむ。)の証拠しょうこ調しらべをすることができる。

 裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃ遠隔えんかく居住きょじゅうしているときその相当そうとうみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるところにより、裁判所さいばんしょおよ当事とうじしゃ双方そうほう音声おんせい送受信そうじゅしんにより同時どうじ通話つうわをすることができる方法ほうほうによって、弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき期日きじつにおける手続てつづきおこなうことができる。ただし、当事とうじしゃ一方いっぽうがその期日きじつ出頭しゅっとうした場合ばあいかぎる。

 前項ぜんこう期日きじつ出頭しゅっとうしないでどうこう手続てつづき関与かんよした当事とうじしゃは、その期日きじつ出頭しゅっとうしたものとみなす。

 だいひゃくよんじゅうはちじょうからだいひゃくじゅういちじょうまで、だいひゃくじゅうじょうだいいちこうだいひゃくじゅうさんじょうからだいひゃくじゅうきゅうじょうまで、だいひゃくろくじゅうじょうだいひゃくろくじゅうじょうおよだいひゃくろくじゅうろくじょう規定きていは、弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきについて準用じゅんようする。

受命じゅめい裁判官さいばんかんによる弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき
だいひゃくななじゅういちじょう
 裁判所さいばんしょは、受命じゅめい裁判官さいばんかん弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきおこなわせることができる。

 弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき受命じゅめい裁判官さいばんかんおこな場合ばあいには、ぜんじょう規定きていによる裁判所さいばんしょおよ裁判さいばんちょう職務しょくむ前条ぜんじょうだいこう規定きていする裁判さいばんのぞく。)は、その裁判官さいばんかんおこなう。ただし、どうじょうだいこうにおいて準用じゅんようするだいひゃくじゅうじょう規定きていによる異議いぎについての裁判さいばんおよどうこうにおいて準用じゅんようするだいひゃくじゅうななじょう規定きていによる却下きゃっかについての裁判さいばんは、受訴裁判所さいばんしょがする。

 弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきおこな受命じゅめい裁判官さいばんかんは、だいひゃくはちじゅうろくじょう規定きていによる調査ちょうさ嘱託しょくたく鑑定かんてい嘱託しょくたく文書ぶんしょだいひゃくさんじゅういちじょう規定きていする物件ぶっけんふくむ。)を提出ていしゅつしてする書証しょしょう申出もうしでおよ文書ぶんしょだいひゃくじゅうきゅうじょうだいこうおよだいひゃくさんじゅういちじょう規定きていする物件ぶっけんふくむ。)の送付そうふ嘱託しょくたくについての裁判さいばんをすることができる。

弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきする裁判さいばん取消とりけし)
だいひゃくななじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、相当そうとうみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきする裁判さいばんすことができる。ただし、当事とうじしゃ双方そうほう申立もうしたてがあるときは、これをさなければならない。

弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき結果けっか陳述ちんじゅつ
だいひゃくななじゅうさんじょう
 当事とうじしゃは、口頭こうとう弁論べんろんにおいて、弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき結果けっか陳述ちんじゅつしなければならない。

弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき終結しゅうけつ攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ
だいひゃくななじゅうよんじょう
 だいひゃくろくじゅうななじょう規定きていは、弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき終結しゅうけつ攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつした当事とうじしゃについて準用じゅんようする。

だいさん款 書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづき

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書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづき開始かいし
だいひゃくななじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃ遠隔えんかく居住きょじゅうしているときその相当そうとうみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、事件じけん書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづき当事とうじしゃ出頭しゅっとうなしに準備じゅんび書面しょめん提出ていしゅつとうにより争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいりをする手続てつづきをいう。以下いかおなじ。)にすることができる。

書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづき方法ほうほうとう
だいひゃくななじゅうろくじょう
 書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづきは、裁判さいばんちょうおこなう。ただし、高等こうとう裁判所さいばんしょにおいては、受命じゅめい裁判官さいばんかんにこれをおこなわせることができる。

 裁判さいばん長又ながまた高等こうとう裁判所さいばんしょにおける受命じゅめい裁判官さいばんかん次項じこうにおいて「裁判さいばん長等ながら」という。)は、だいひゃくろくじゅうじょう規定きていする期間きかんさだめなければならない。

 裁判さいばん長等ながらは、必要ひつようがあるとみとめるときは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるところにより、裁判所さいばんしょおよ当事とうじしゃ双方そうほう音声おんせい送受信そうじゅしんにより同時どうじ通話つうわをすることができる方法ほうほうによって、争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいりかんする事項じこうその口頭こうとう弁論べんろん準備じゅんびのため必要ひつよう事項じこうについて、当事とうじしゃ双方そうほう協議きょうぎをすることができる。この場合ばあいにおいては、協議きょうぎ結果けっか裁判所さいばんしょ書記官しょきかん記録きろくさせることができる。

 だいひゃくよんじゅうきゅうじょうだいこうのぞく。)、だいひゃくじゅうじょうおよだいひゃくろくじゅうじょうだいこう規定きていは、書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづきについて準用じゅんようする。

証明しょうめいすべき事実じじつ確認かくにん
だいひゃくななじゅうななじょう
 裁判所さいばんしょは、書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづき終結しゅうけつ口頭こうとう弁論べんろん期日きじつにおいて、その証拠しょうこ調しらべによって証明しょうめいすべき事実じじつ当事とうじしゃとのあいだ確認かくにんするものとする。

書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづき終結しゅうけつ攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ
だいひゃくななじゅうはちじょう
 書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづき終結しゅうけつした事件じけんについて、口頭こうとう弁論べんろん期日きじつにおいて、だいひゃくななじゅうろくじょうだいよんこうにおいて準用じゅんようする#165_2だいひゃくろくじゅうじょうだいこう書面しょめん記載きさいした事項じこう陳述ちんじゅつがされ、また前条ぜんじょう規定きていによる確認かくにんがされたのち攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつした当事とうじしゃは、相手方あいてがたもとめがあるときは、相手方あいてがたたいし、その陳述ちんじゅつまた確認かくにんまえにこれを提出ていしゅつすることができなかった理由りゆう説明せつめいしなければならない。

だいよんしょう 証拠しょうこ

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だいいちせつ 総則そうそく

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証明しょうめいすることをようしない事実じじつ
だいひゃくななじゅうきゅうじょう
 裁判所さいばんしょにおいて当事とうじしゃ自白じはくした事実じじつおよ顕著けんちょ事実じじつは、証明しょうめいすることをようしない。

証拠しょうこ申出もうしで
だいひゃくはちじゅうじょう
 証拠しょうこさるは、証明しょうめいすべき事実じじつ特定とくていしてしなければならない。

 証拠しょうこさるは、期日きじつまえにおいてもすることができる。

証拠しょうこ調しらべをようしない場合ばあい
だいひゃくはちじゅういちじょう
 裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃもう証拠しょうこ必要ひつようでないとみとめるものは、調しらべることをようしない。

 証拠しょうこ調しらべについて不定期ふていきあいだ障害しょうがいがあるときは、裁判所さいばんしょは、証拠しょうこ調しらべをしないことができる。

集中しゅうちゅう証拠しょうこ調しらべ)
だいひゃくはちじゅうじょう
 証人しょうにんおよ当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんは、できるかぎり、争点そうてんおよ証拠しょうこ整理せいり終了しゅうりょうしたのち集中しゅうちゅうしておこなわなければならない。

当事とうじしゃ出頭しゅっとう場合ばあい取扱とりあつかい)
だいひゃくはちじゅうさんじょう
 証拠しょうこ調しらべは、当事とうじしゃ期日きじつ出頭しゅっとうしない場合ばあいにおいても、することができる。

外国がいこくにおける証拠しょうこ調しらべ)
だいひゃくはちじゅうよんじょう
 外国がいこくにおいてすべき証拠しょうこ調しらべは、そのくに管轄かんかつ官庁かんちょうまたはそのくに駐在ちゅうざいする日本にっぽん大使たいし公使こうししくは領事りょうじ嘱託しょくたくしてしなければならない。

 外国がいこくにおいてした証拠しょうこ調しらべは、そのくに法律ほうりつ違反いはんする場合ばあいであっても、この法律ほうりつ違反いはんしないときは、その効力こうりょくゆうする。

裁判所さいばんしょがいにおける証拠しょうこ調しらべ)
だいひゃくはちじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、相当そうとうみとめるときは、裁判所さいばんしょがいにおいて証拠しょうこ調しらべをすることができる。この場合ばあいにおいては、合議ごうぎたい構成こうせいいんめいじ、また地方裁判所ちほうさいばんしょしくは簡易かんい裁判所さいばんしょ嘱託しょくたくして証拠しょうこ調しらべをさせることができる。

 前項ぜんこう規定きていする嘱託しょくたくにより職務しょくむおこな受託じゅたく裁判官さいばんかんは、地方裁判所ちほうさいばんしょまた簡易かんい裁判所さいばんしょにおいて証拠しょうこ調しらべをすることを相当そうとうみとめるときは、さら証拠しょうこ調しらべの嘱託しょくたくをすることができる。

調査ちょうさ嘱託しょくたく
だいひゃくはちじゅうろくじょう
 裁判所さいばんしょは、必要ひつよう調査ちょうさ官庁かんちょうしくはおおやけしょ外国がいこく官庁かんちょうしくはおおやけしょまた学校がっこう商工しょうこう会議かいぎしょ取引とりひきしょその団体だんたい嘱託しょくたくすることができる。

参考さんこうじんとうしんひろ
だいひゃくはちじゅうななじょう
 裁判所さいばんしょは、決定けってい完結かんけつすべき事件じけんについて、参考さんこうじんまた当事とうじしゃ本人ほんにんしんひろすることができる。ただし、参考さんこうじんについては、当事とうじしゃもうものかぎる。

 前項ぜんこう規定きていによるしんひろは、相手方あいてがたがある事件じけんについては、当事とうじしゃ双方そうほううことができるしんひろ期日きじつにおいてしなければならない。

うとあきら
だいひゃくはちじゅうはちじょう
 うとあきらは、即時そくじ調しらべることができる証拠しょうこによってしなければならない。

過料かりょう裁判さいばん執行しっこう
だいひゃくはちじゅうきゅうじょう
 このしょう規定きていによる過料かりょう裁判さいばんは、検察官けんさつかん命令めいれい執行しっこうする。この命令めいれいは、執行しっこうりょくのある債務さいむ名義めいぎ同一どういつ効力こうりょくゆうする。

 過料かりょう裁判さいばん執行しっこうは、民事みんじ執行しっこうほう昭和しょうわじゅうよんねん法律ほうりつだいよんごう)その強制きょうせい執行しっこう手続てつづきかんする法令ほうれい規定きていしたがってする。ただし、執行しっこうをするまえ裁判さいばん送達そうたつをすることをようしない。

 刑事けいじ訴訟そしょうほう昭和しょうわじゅうさんねん法律ほうりつだいひゃくさんじゅういちごうだいひゃくななじょう規定きていは、過料かりょう裁判さいばん執行しっこうについて準用じゅんようする。


だいせつ 証人しょうにん尋問じんもん

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証人しょうにん義務ぎむ
だいひゃくきゅうじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、何人なんにんでも証人しょうにんとして尋問じんもんすることができる。

公務員こうむいん尋問じんもん
だいひゃくきゅうじゅういちじょう
 公務員こうむいんまた公務員こうむいんであったもの証人しょうにんとして職務しょくむじょう秘密ひみつについて尋問じんもんする場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、当該とうがい監督かんとく官庁かんちょう衆議院しゅうぎいんしくは参議院さんぎいん議員ぎいんまたはそのしょくにあったものについてはそのいん内閣ないかく総理そうり大臣だいじんその国務大臣こくむだいじんまたはそのしょくにあったものについては内閣ないかく)の承認しょうにんなければならない。

 前項ぜんこう承認しょうにんは、公共こうきょう利益りえきがいし、また公務こうむ遂行すいこういちじるしい支障ししょうしょうずるおそれがある場合ばあいのぞき、こばむことができない。

出頭しゅっとうたいする過料かりょうとう
だいひゃくきゅうじゅうじょう
 証人しょうにん正当せいとう理由りゆうなく出頭しゅっとうしないときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、これによってしょうじた訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんめいじ、かつ、じゅうまんえん以下いか過料かりょうしょする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

出頭しゅっとうたいする罰金ばっきんとう
だいひゃくきゅうじゅうさんじょう
 証人しょうにん正当せいとう理由りゆうなく出頭しゅっとうしないときは、じゅうまんえん以下いか罰金ばっきんまた拘留こうりゅうしょする。

 前項ぜんこうつみおかしたものには、情状じょうじょうにより、罰金ばっきんおよ拘留こうりゅう併科へいかすることができる。

( 勾引こういん
だいひゃくきゅうじゅうよんじょう
 裁判所さいばんしょは、正当せいとう理由りゆうなく出頭しゅっとうしない証人しょうにんの 勾引こういんめいずることができる。

 刑事けいじ訴訟そしょうほうちゅう勾引こういんかんする規定きていは、前項ぜんこう勾引こういんについて準用じゅんようする。

受命じゅめい裁判官さいばんかんとうによる証人しょうにん尋問じんもん
だいひゃくきゅうじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、つぎかかげる場合ばあいかぎり、受命じゅめい裁判官さいばんかんまた受託じゅたく裁判官さいばんかん裁判所さいばんしょがい証人しょうにん尋問じんもんをさせることができる。

いち 証人しょうにんが受訴裁判所さいばんしょ出頭しゅっとうする義務ぎむがないとき、また正当せいとう理由りゆうにより出頭しゅっとうすることができないとき。
 証人しょうにんが受訴裁判所さいばんしょ出頭しゅっとうするについて相当そうとう費用ひようまた時間じかんようするとき。
さん 現場げんばにおいて証人しょうにん尋問じんもんすることが事実じじつ発見はっけんするために必要ひつようであるとき。
よん 当事とうじしゃ異議いぎがないとき。

証言しょうげん拒絶きょぜつけん
だいひゃくきゅうじゅうろくじょう
 証言しょうげん証人しょうにんまた証人しょうにんつぎかかげる関係かんけいゆうするもの刑事けいじ訴追そついけ、また有罪ゆうざい判決はんけつけるおそれがある事項じこうかんするときは、証人しょうにんは、証言しょうげんこばむことができる。証言しょうげんがこれらのもの名誉めいよがいすべき事項じこうかんするときも、同様どうようとする。

いち 配偶はいぐうしゃよん親等しんとうない血族けつぞくしくはさん親等しんとうない姻族いんぞく関係かんけいにあり、またはあったこと。
 後見人こうけんにん後見人こうけんにん関係かんけいにあること。

だいひゃくきゅうじゅうななじょう つぎかかげる場合ばあいには、証人しょうにんは、証言しょうげんこばむことができる。

いち だいひゃくきゅうじゅういちじょうだいいちこう場合ばあい
 医師いし歯科しか医師いし薬剤師やくざいし医薬品いやくひん販売はんばい業者ぎょうしゃ助産じょさん弁護士べんごし外国がいこくほう事務じむ弁護士べんごしふくむ。)、弁理べんり弁護人べんごにん公証こうしょうじん宗教しゅうきょういのり いのりしくはまつり まつしょくにあるものまたはこれらのしょくにあったもの職務しょくむじょう事実じじつ黙秘もくひすべきものについて尋問じんもんける場合ばあい
さん 技術ぎじゅつまた職業しょくぎょう秘密ひみつかんする事項じこうについて尋問じんもんける場合ばあい

 前項ぜんこう規定きていは、証人しょうにん黙秘もくひ義務ぎむ免除めんじょされた場合ばあいには、適用てきようしない。

証言しょうげん拒絶きょぜつ理由りゆううとあきら
だいひゃくきゅうじゅうはちじょう
 証言しょうげん拒絶きょぜつ理由りゆうは、うとあきらしなければならない。

証言しょうげん拒絶きょぜつについての裁判さいばん
だいひゃくきゅうじゅうきゅうじょう
 だいひゃくきゅうじゅうななじょうだいいちこうだいいちごう場合ばあいのぞき、証言しょうげん拒絶きょぜつ当否とうひについては、受訴裁判所さいばんしょが、当事とうじしゃしんひろして、決定けっていで、裁判さいばんをする。

 前項ぜんこう裁判さいばんたいしては、当事とうじしゃおよ証人しょうにんは、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

証言しょうげん拒絶きょぜつたいする制裁せいさい
だいひゃくじょう
 だいひゃくきゅうじゅうじょうおよだいひゃくきゅうじゅうさんじょう規定きていは、証言しょうげん拒絶きょぜつ理由りゆうがないとする裁判さいばん確定かくていしたのち証人しょうにん正当せいとう理由りゆうなく証言しょうげんこば場合ばあいについて準用じゅんようする。

宣誓せんせい
だいひゃくいちじょう
 証人しょうにんには、特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、宣誓せんせいをさせなければならない。

 じゅうろくさい未満みまんものまた宣誓せんせい趣旨しゅし理解りかいすることができないもの証人しょうにんとして尋問じんもんする場合ばあいには、宣誓せんせいをさせることができない。

 だいひゃくきゅうじゅうろくじょう規定きてい該当がいとうする証人しょうにん証言しょうげん拒絶きょぜつ権利けんり行使こうししないものを尋問じんもんする場合ばあいには、宣誓せんせいをさせないことができる。

 証人しょうにんは、自己じこまた自己じこだいひゃくきゅうじゅうろくじょう各号かくごうかかげる関係かんけいゆうするものいちじるしい利害りがい関係かんけいのある事項じこうについて尋問じんもんけるときは、宣誓せんせいこばむことができる。

 だいひゃくきゅうじゅうはちじょうおよだいひゃくきゅうじゅうきゅうじょう規定きてい証人しょうにん宣誓せんせいこば場合ばあいについて、だいひゃくきゅうじゅうじょうおよだいひゃくきゅうじゅうさんじょう規定きてい宣誓せんせい拒絶きょぜつ理由りゆうがないとする裁判さいばん確定かくていしたのち証人しょうにん正当せいとう理由りゆうなく宣誓せんせいこば場合ばあいについて準用じゅんようする。

尋問じんもん順序じゅんじょ
だいひゃくじょう
 証人しょうにん尋問じんもんは、その尋問じんもんさるをした当事とうじしゃ当事とうじしゃ裁判さいばんちょう順序じゅんじょでする。

 裁判さいばんちょうは、適当てきとうみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、前項ぜんこう順序じゅんじょ変更へんこうすることができる。

 当事とうじしゃ前項ぜんこう規定きていによる変更へんこうについて異議いぎべたときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、その異議いぎについて裁判さいばんをする。

書類しょるいもとづく陳述ちんじゅつ禁止きんし
だいひゃくさんじょう
 証人しょうにんは、書類しょるいもとづいて陳述ちんじゅつすることができない。ただし、裁判さいばんちょう許可きょかけたときは、このかぎりでない。

映像えいぞうとう送受信そうじゅしんによる通話つうわ方法ほうほうによる尋問じんもん
だいひゃくよんじょう
 裁判所さいばんしょは、遠隔えんかく居住きょじゅうする証人しょうにん尋問じんもんをする場合ばあいには、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるところにより、へだたしゃ映像えいぞう音声おんせい送受信そうじゅしんにより相手あいて状態じょうたい相互そうご認識にんしきしながら通話つうわをすることができる方法ほうほうによって、尋問じんもんをすることができる。

尋問じんもんわる書面しょめん提出ていしゅつ
だいひゃくじょう
 裁判所さいばんしょは、相当そうとうみとめる場合ばあいにおいて、当事とうじしゃ異議いぎがないときは、証人しょうにん尋問じんもんえ、書面しょめん提出ていしゅつをさせることができる。

受命じゅめい裁判官さいばんかんとう権限けんげん
だいひゃくろくじょう
 受命じゅめい裁判官さいばんかんまた受託じゅたく裁判官さいばんかん証人しょうにん尋問じんもんをする場合ばあいには、裁判所さいばんしょおよ裁判さいばんちょう職務しょくむは、その裁判官さいばんかんおこなう。ただし、だいひゃくじょうだいさんこう規定きていによる異議いぎについての裁判さいばんは、受訴裁判所さいばんしょがする。

だいさんせつ 当事とうじしゃ尋問じんもん

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当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもん
だいひゃくななじょう
 裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんすることができる。この場合ばあいにおいては、その当事とうじしゃ宣誓せんせいをさせることができる。

 証人しょうにんおよ当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんおこなうときは、まず証人しょうにん尋問じんもんをする。ただし、適当てきとうみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、まず当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんをすることができる。

出頭しゅっとうとう効果こうか
だいひゃくはちじょう
 当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんする場合ばあいにおいて、その当事とうじしゃが、正当せいとう理由りゆうなく、出頭しゅっとうせず、また宣誓せんせいしくは陳述ちんじゅつこばんだときは、裁判所さいばんしょは、尋問じんもん事項じこうかんする相手方あいてがた主張しゅちょう真実しんじつみとめることができる。

虚偽きょぎ陳述ちんじゅつたいする過料かりょう
だいひゃくきゅうじょう
 宣誓せんせいした当事とうじしゃ虚偽きょぎ陳述ちんじゅつをしたときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、じゅうまんえん以下いか過料かりょうしょする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

 だいいちこう場合ばあいにおいて、虚偽きょぎ陳述ちんじゅつをした当事とうじしゃ訴訟そしょう係属けいぞくちゅうその陳述ちんじゅつ虚偽きょぎであることをみとめたときは、裁判所さいばんしょは、事情じじょうにより、どうこう決定けっていすことができる。

証人しょうにん尋問じんもん規定きてい準用じゅんよう
だいひゃくじゅうじょう
 だいひゃくきゅうじゅうじょうだいひゃくいちじょうだいこうだいひゃくじょうからだいひゃくよんじょうまでおよだいひゃくろくじょう規定きていは、当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんについて準用じゅんようする。

法定ほうてい代理人だいりにん尋問じんもん
だいひゃくじゅういちじょう
 この法律ほうりつちゅう当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんかんする規定きていは、訴訟そしょうにおいて当事とうじしゃ代表だいひょうする法定ほうてい代理人だいりにんについて準用じゅんようする。ただし、当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんすることをさまたげない。

だいよんせつ 鑑定かんてい

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鑑定かんてい義務ぎむ
だいひゃくじゅうじょう
 鑑定かんてい必要ひつよう学識がくしき経験けいけんゆうするものは、鑑定かんていをする義務ぎむう。

 だいひゃくきゅうじゅうろくじょうまた#201_4だいひゃくいちじょうだいよんこう規定きていにより証言しょうげんまた宣誓せんせいこばむことができるもの同一どういつ地位ちいにあるものおよどうじょうだいこう規定きていするものは、鑑定かんていじんとなることができない。

鑑定かんていじん指定してい
だいひゃくじゅうさんじょう
 鑑定かんていじんは、受訴裁判所さいばんしょ受命じゅめい裁判官さいばんかんまた受託じゅたく裁判官さいばんかん指定していする。

忌避きひ
だいひゃくじゅうよんじょう
 鑑定かんていじんについて誠実せいじつ鑑定かんていをすることをさまたげるべき事情じじょうがあるときは、当事とうじしゃは、その鑑定かんていじん鑑定かんてい事項じこうについて陳述ちんじゅつをするまえに、これを忌避きひすることができる。鑑定かんていじん陳述ちんじゅつをした場合ばあいであっても、そのに、忌避きひ原因げんいんしょうじ、また当事とうじしゃがその原因げんいんがあることをったときは、同様どうようとする。

 忌避きひ申立もうしたては、受訴裁判所さいばんしょ受命じゅめい裁判官さいばんかんまた受託じゅたく裁判官さいばんかんにしなければならない。

 忌避きひ理由りゆうがあるとする決定けっていたいしては、不服ふふくもうてることができない。

 忌避きひ理由りゆうがないとする決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

鑑定かんていじん陳述ちんじゅつ方式ほうしきとう
だいひゃくじゅうじょう
 裁判さいばんちょうは、鑑定かんていじんに、書面しょめんまた口頭こうとうで、意見いけんべさせることができる。

 裁判所さいばんしょは、鑑定かんていじん意見いけんべさせた場合ばあいにおいて、当該とうがい意見いけん内容ないよう明瞭めいりょうにし、またはその根拠こんきょ確認かくにんするため必要ひつようがあるとみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、鑑定かんていじんさら意見いけんべさせることができる。

鑑定かんていじん質問しつもん
だいひゃくじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、鑑定かんていじん口頭こうとう意見いけんべさせる場合ばあいには、鑑定かんていじん意見いけん陳述ちんじゅつをしたのちに、鑑定かんていじんたい質問しつもんをすることができる。

 前項ぜんこう質問しつもんは、裁判さいばんちょう、その鑑定かんていさるをした当事とうじしゃ当事とうじしゃ順序じゅんじょでする。

 裁判さいばんちょうは、適当てきとうみとめるときは、当事とうじしゃ意見いけんいて、前項ぜんこう順序じゅんじょ変更へんこうすることができる。

 当事とうじしゃ前項ぜんこう規定きていによる変更へんこうについて異議いぎべたときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、その異議いぎについて裁判さいばんをする。

映像えいぞうとう送受信そうじゅしんによる通話つうわ方法ほうほうによる陳述ちんじゅつだいひゃくじゅうじょうさん 裁判所さいばんしょは、鑑定かんていじん口頭こうとう意見いけんべさせる場合ばあいにおいて、鑑定かんていじん遠隔えんかく居住きょじゅうしているときその相当そうとうみとめるときは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるところにより、へだたしゃ映像えいぞう音声おんせい送受信そうじゅしんにより相手あいて状態じょうたい相互そうご認識にんしきしながら通話つうわをすることができる方法ほうほうによって、意見いけんべさせることができる。

受命じゅめい裁判官さいばんかんとう権限けんげん
だいひゃくじゅうじょうよん
 受命じゅめい裁判官さいばんかんまた受託じゅたく裁判官さいばんかん鑑定かんていじん意見いけんべさせる場合ばあいには、裁判所さいばんしょおよ裁判さいばんちょう職務しょくむは、その裁判官さいばんかんおこなう。ただし、だいひゃくじゅうじょうだいよんこう規定きていによる異議いぎについての裁判さいばんは、受訴裁判所さいばんしょがする。

証人しょうにん尋問じんもん規定きてい準用じゅんよう
だいひゃくじゅうろくじょう
 だいひゃくきゅうじゅういちじょう規定きてい公務員こうむいんまた公務員こうむいんであったもの鑑定かんていじんとして職務しょくむじょう秘密ひみつについて意見いけんべさせる場合ばあいについて、だいひゃくきゅうじゅうななじょうからだいひゃくきゅうじゅうきゅうじょうまでの規定きてい鑑定かんていじん鑑定かんていこば場合ばあいについて、だいひゃくいちじょうだいいちこう規定きてい鑑定かんていじん宣誓せんせいをさせる場合ばあいについて、だいひゃくきゅうじゅうじょうおよだいひゃくきゅうじゅうさんじょう規定きてい鑑定かんていじん正当せいとう理由りゆうなく出頭しゅっとうしない場合ばあい鑑定かんていじん宣誓せんせいこば場合ばあいおよ鑑定かんてい拒絶きょぜつ理由りゆうがないとする裁判さいばん確定かくていしたのち鑑定かんていじん正当せいとう理由りゆうなく鑑定かんていこば場合ばあいについて準用じゅんようする。

鑑定かんてい証人しょうにん
だいひゃくじゅうななじょう
 特別とくべつ学識がくしき経験けいけんにより事実じじつかんする尋問じんもんについては、証人しょうにん尋問じんもんかんする規定きていによる。

鑑定かんてい嘱託しょくたく
だいひゃくじゅうはちじょう
 裁判所さいばんしょは、必要ひつようがあるとみとめるときは、官庁かんちょうしくはおおやけしょ外国がいこく官庁かんちょうしくはおおやけしょまた相当そうとう設備せつびゆうする法人ほうじん鑑定かんてい嘱託しょくたくすることができる。この場合ばあいにおいては、宣誓せんせいかんする規定きていのぞき、このふし規定きてい準用じゅんようする。

 前項ぜんこう場合ばあいにおいて、裁判所さいばんしょは、必要ひつようがあるとみとめるときは、官庁かんちょうおおやけしょまた法人ほうじん指定していしたもの鑑定かんていしょ説明せつめいをさせることができる。

だいせつ 書証しょしょう

[編集へんしゅう]

書証しょしょう申出もうしで
だいひゃくじゅうきゅうじょう
 書証しょしょうさるは、文書ぶんしょ提出ていしゅつし、また文書ぶんしょ所持しょじしゃにその提出ていしゅつめいずることをもうててしなければならない。

文書ぶんしょ提出ていしゅつ義務ぎむ
だいひゃくじゅうじょう
 つぎかかげる場合ばあいには、文書ぶんしょ所持しょじしゃは、その提出ていしゅつこばむことができない。

いち 当事とうじしゃ訴訟そしょうにおいて引用いんようした文書ぶんしょみずか所持しょじするとき。
 挙証きょしょうしゃ文書ぶんしょ所持しょじしゃたいしその引渡ひきわたまた閲覧えつらんもとめることができるとき。
さん 文書ぶんしょ挙証きょしょうしゃ利益りえきのために作成さくせいされ、また挙証きょしょうしゃ文書ぶんしょ所持しょじしゃとのあいだ法律ほうりつ関係かんけいについて作成さくせいされたとき。
よん ぜんさんごうかかげる場合ばあいのほか、文書ぶんしょつぎかかげるもののいずれにも該当がいとうしないとき。
 文書ぶんしょ所持しょじしゃまた文書ぶんしょ所持しょじしゃだいひゃくきゅうじゅうろくじょう各号かくごうかかげる関係かんけいゆうするものについてのどうじょう規定きていする事項じこう記載きさいされている文書ぶんしょ
 公務員こうむいん職務しょくむじょう秘密ひみつかんする文書ぶんしょでその提出ていしゅつにより公共こうきょう利益りえきがいし、また公務こうむ遂行すいこういちじるしい支障ししょうしょうずるおそれがあるもの
 #197-2だいひゃくきゅうじゅうななじょうだいいちこうだいごう規定きていする事実じじつまたどうこうだいさんごう規定きていする事項じこうで、黙秘もくひ義務ぎむ免除めんじょされていないものが記載きさいされている文書ぶんしょ
 もっぱ文書ぶんしょ所持しょじしゃ利用りようきょうするための文書ぶんしょくにまた地方ちほう公共こうきょう団体だんたい所持しょじする文書ぶんしょにあっては、公務員こうむいん組織そしきてきもちいるものをのぞく。)
 刑事けいじ事件じけんかか訴訟そしょうかんする書類しょるいしくは少年しょうねん保護ほご事件じけん記録きろくまたはこれらの事件じけんにおいて押収おうしゅうされている文書ぶんしょ

文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたて)
だいひゃくじゅういちじょう
 文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたては、つぎかかげる事項じこうあきらかにしてしなければならない。

いち 文書ぶんしょ表示ひょうじ
 文書ぶんしょ趣旨しゅし
さん 文書ぶんしょ所持しょじしゃ
よん 証明しょうめいすべき事実じじつ
 文書ぶんしょ提出ていしゅつ義務ぎむ原因げんいん

 前条ぜんじょうだいよんごうかかげる場合ばあいであることを文書ぶんしょ提出ていしゅつ義務ぎむ原因げんいんとする文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたては、書証しょしょうさる文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたてによってする必要ひつようがある場合ばあいでなければ、することができない。

文書ぶんしょ特定とくていのための手続てつづき
だいひゃくじゅうじょう
 文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたてをする場合ばあいにおいて、前条ぜんじょうだいいちこうだいいちごうまただいごうかかげる事項じこうあきらかにすることがいちじるしく困難こんなんであるときは、その申立もうしたてのときにおいては、これらの事項じこうえて、文書ぶんしょ所持しょじしゃがその申立もうしたてにかか文書ぶんしょ識別しきべつすることができる事項じこうあきらかにすればりる。この場合ばあいにおいては、裁判所さいばんしょたいし、文書ぶんしょ所持しょじしゃ当該とうがい文書ぶんしょについてのどうこうだいいちごうまただいごうかかげる事項じこうあきらかにすることをもとめるようもうなければならない。

 前項ぜんこう規定きていによる申出もうしでがあったときは、裁判所さいばんしょは、文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたてに理由りゆうがないことがあきらかな場合ばあいのぞき、文書ぶんしょ所持しょじしゃたいし、どうこう後段こうだん事項じこうあきらかにすることをもとめることができる。

文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれいとう
だいひゃくじゅうさんじょう
 裁判所さいばんしょは、文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたてを理由りゆうがあるとみとめるときは、決定けっていで、文書ぶんしょ所持しょじしゃたいし、その提出ていしゅつめいずる。この場合ばあいにおいて、文書ぶんしょ調しらべる必要ひつようがないとみとめる部分ぶぶんまた提出ていしゅつ義務ぎむがあるとみとめることができない部分ぶぶんがあるときは、その部分ぶぶんのぞいて、提出ていしゅつめいずることができる。

 裁判所さいばんしょは、第三者だいさんしゃたいして文書ぶんしょ提出ていしゅつめいじようとする場合ばあいには、その第三者だいさんしゃしんひろしなければならない。

 裁判所さいばんしょは、公務員こうむいん職務しょくむじょう秘密ひみつかんする文書ぶんしょについてだいひゃくじゅうじょうだいよんごうかかげる場合ばあいであることを文書ぶんしょ提出ていしゅつ義務ぎむ原因げんいんとする文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたてがあった場合ばあいには、その申立もうしたてに理由りゆうがないことがあきらかなときをのぞき、当該とうがい文書ぶんしょどうごうかかげる文書ぶんしょ該当がいとうするかどうかについて、当該とうがい監督かんとく官庁かんちょう衆議院しゅうぎいんまた参議院さんぎいん議員ぎいん職務しょくむじょう秘密ひみつかんする文書ぶんしょについてはそのいん内閣ないかく総理そうり大臣だいじんその国務大臣こくむだいじん職務しょくむじょう秘密ひみつかんする文書ぶんしょについては内閣ないかく以下いかこのじょうにおいておなじ。)の意見いけんかなければならない。この場合ばあいにおいて、当該とうがい監督かんとく官庁かんちょうは、当該とうがい文書ぶんしょどうごうかかげる文書ぶんしょ該当がいとうするむね意見いけんべるときは、その理由りゆうしめさなければならない。

 前項ぜんこう場合ばあいにおいて、当該とうがい監督かんとく官庁かんちょう当該とうがい文書ぶんしょ提出ていしゅつによりつぎかかげるおそれがあることを理由りゆうとして当該とうがい文書ぶんしょだいひゃくじゅうじょうだいよんごうかかげる文書ぶんしょ該当がいとうするむね意見いけんべたときは、裁判所さいばんしょは、その意見いけんについて相当そうとう理由りゆうがあるとみとめるにりない場合ばあいかぎり、文書ぶんしょ所持しょじしゃたいし、その提出ていしゅつめいずることができる。

いち くに安全あんぜんがいされるおそれ、他国たこくしくは国際こくさい機関きかんとの信頼しんらい関係かんけいそこなわれるおそれまた他国たこくしくは国際こくさい機関きかんとの交渉こうしょうじょう不利益ふりえきこうむるおそれ
 犯罪はんざい予防よぼう鎮圧ちんあつまた捜査そうさ公訴こうそ維持いじけい執行しっこうその公共こうきょう安全あんぜん秩序ちつじょ維持いじ支障ししょうおよぼすおそれ

 だいさんこう前段ぜんだん場合ばあいにおいて、当該とうがい監督かんとく官庁かんちょうは、当該とうがい文書ぶんしょ所持しょじしゃ以外いがい第三者だいさんしゃ技術ぎじゅつまた職業しょくぎょう秘密ひみつかんする事項じこうかか記載きさいがされている文書ぶんしょについて意見いけんべようとするときは、だいひゃくじゅうじょうだいよんごうかかげる文書ぶんしょ該当がいとうするむね意見いけんべようとするときをのぞき、あらかじめ、当該とうがい第三者だいさんしゃ意見いけんくものとする。

 裁判所さいばんしょは、文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたてにかか文書ぶんしょだいひゃくじゅうじょうだいよんごうからまでにかかげる文書ぶんしょのいずれかに該当がいとうするかどうかの判断はんだんをするため必要ひつようがあるとみとめるときは、文書ぶんしょ所持しょじしゃにその提示ていじをさせることができる。この場合ばあいにおいては、何人なんにんも、その提示ていじされた文書ぶんしょ開示かいじもとめることができない。

 文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい申立もうしたてについての決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

当事とうじしゃ文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれいしたがわない場合ばあいとう効果こうか
だいひゃくじゅうよんじょう
 当事とうじしゃ文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれいしたがわないときは、裁判所さいばんしょは、当該とうがい文書ぶんしょ記載きさいかんする相手方あいてがた主張しゅちょう真実しんじつみとめることができる。

 当事とうじしゃ相手方あいてがた使用しようさまたげる目的もくてき提出ていしゅつ義務ぎむがある文書ぶんしょ滅失めっしつさせ、そのこれを使用しようすることができないようにしたときも、前項ぜんこう同様どうようとする。

 ぜんこう規定きていする場合ばあいにおいて、相手方あいてがたが、当該とうがい文書ぶんしょ記載きさいかんして具体ぐたいてき主張しゅちょうをすることおよ当該とうがい文書ぶんしょにより証明しょうめいすべき事実じじつ証拠しょうこにより証明しょうめいすることがいちじるしく困難こんなんであるときは、裁判所さいばんしょは、その事実じじつかんする相手方あいてがた主張しゅちょう真実しんじつみとめることができる。

第三者だいさんしゃ文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれいしたがわない場合ばあい過料かりょう
だいひゃくじゅうじょう
 第三者だいさんしゃ文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれいしたがわないときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、じゅうまんえん以下いか過料かりょうしょする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

文書ぶんしょ送付そうふ嘱託しょくたく
だいひゃくじゅうろくじょう
 書証しょしょうさるは、だいひゃくじゅうきゅうじょう規定きていにかかわらず、文書ぶんしょ所持しょじしゃにその文書ぶんしょ送付そうふ嘱託しょくたくすることをもうててすることができる。ただし、当事とうじしゃ法令ほうれいにより文書ぶんしょ正本しょうほんまた謄本とうほん交付こうふもとめることができる場合ばあいは、このかぎりでない。

文書ぶんしょ留置とめおき
だいひゃくじゅうななじょう
 裁判所さいばんしょは、必要ひつようがあるとみとめるときは、提出ていしゅつまた送付そうふかか文書ぶんしょくことができる。

文書ぶんしょ成立せいりつ
だいひゃくじゅうはちじょう
 文書ぶんしょは、その成立せいりつ真正しんせいであることを証明しょうめいしなければならない。

 文書ぶんしょは、その方式ほうしきおよ趣旨しゅしにより公務員こうむいん職務しょくむじょう作成さくせいしたものとみとめるべきときは、真正しんせい成立せいりつした公文書こうぶんしょ推定すいていする。

 公文書こうぶんしょ成立せいりつ真否しんぴについてうたがいがあるときは、裁判所さいばんしょは、職権しょっけんで、当該とうがい官庁かんちょうまたおおやけしょ照会しょうかいをすることができる。

 わたし文書ぶんしょは、本人ほんにんまたはその代理人だいりにん署名しょめいまた押印おういんがあるときは、真正しんせい成立せいりつしたものと推定すいていする。

 だいこうおよだいさんこう規定きていは、外国がいこく官庁かんちょうまたおおやけしょ作成さくせいかかるものとみとめるべき文書ぶんしょについて準用じゅんようする。

筆跡ひっせきとう対照たいしょうによる証明しょうめい
だいひゃくじゅうきゅうじょう
 文書ぶんしょ成立せいりつ真否しんぴは、筆跡ひっせきまた印影いんえい対照たいしょうによっても、証明しょうめいすることができる。

 だいひゃくじゅうきゅうじょうだいひゃくじゅうさんじょうだいひゃくじゅうよんじょうだいいちこうおよだいこうだいひゃくじゅうろくじょうならびにだいひゃくじゅうななじょう規定きていは、対照たいしょうようきょうすべき筆跡ひっせきまた印影いんえいそなえる文書ぶんしょその物件ぶっけん提出ていしゅつまた送付そうふについて準用じゅんようする。

 対照たいしょうをするのに適当てきとう相手方あいてがた筆跡ひっせきがないときは、裁判所さいばんしょは、対照たいしょうようきょうすべき文字もじ筆記ひっき相手方あいてがためいずることができる。

 相手方あいてがた正当せいとう理由りゆうなく前項ぜんこう規定きていによる決定けっていしたがわないときは、裁判所さいばんしょは、文書ぶんしょ成立せいりつ真否しんぴかんする挙証きょしょうしゃ主張しゅちょう真実しんじつみとめることができる。書体しょたいえて筆記ひっきしたときも、同様どうようとする。

 第三者だいさんしゃ正当せいとう理由りゆうなくだいこうにおいて準用じゅんようするだいひゃくじゅうさんじょうだいいちこう規定きていによる提出ていしゅつ命令めいれいしたがわないときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、じゅうまんえん以下いか過料かりょうしょする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

文書ぶんしょ成立せいりつ真正しんせいあらそったものたいする過料かりょう
だいひゃくさんじゅうじょう
 当事とうじしゃまたはその代理人だいりにん故意こいまた重大じゅうだい過失かしつにより真実しんじつはんして文書ぶんしょ成立せいりつ真正しんせいあらそったときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、じゅうまんえん以下いか過料かりょうしょする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

 だいいちこう場合ばあいにおいて、文書ぶんしょ成立せいりつ真正しんせいあらそった当事とうじしゃまた代理人だいりにん訴訟そしょう係属けいぞくちゅうその文書ぶんしょ成立せいりつ真正しんせいであることをみとめたときは、裁判所さいばんしょは、事情じじょうにより、どうこう決定けっていすことができる。

文書ぶんしょじゅんずる物件ぶっけんへの準用じゅんよう
だいひゃくさんじゅういちじょう
 このふし規定きていは、図面ずめん写真しゃしん録音ろくおんテープ、ビデオテープその情報じょうほうあらわすために作成さくせいされた物件ぶっけん文書ぶんしょでないものについて準用じゅんようする。

だいろくせつ 検証けんしょう

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検証けんしょう目的もくてき提示ていじとう
だいひゃくさんじゅうじょう
 だいひゃくじゅうきゅうじょうだいひゃくじゅうさんじょうだいひゃくじゅうよんじょうだいひゃくじゅうろくじょうおよだいひゃくじゅうななじょう規定きていは、検証けんしょう目的もくてき提示ていじまた送付そうふについて準用じゅんようする。

 第三者だいさんしゃ正当せいとう理由りゆうなく前項ぜんこうにおいて準用じゅんようするだいひゃくじゅうさんじょうだいいちこう規定きていによる提示ていじ命令めいれいしたがわないときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、じゅうまんえん以下いか過料かりょうしょする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

検証けんしょうさい鑑定かんてい
だいひゃくさんじゅうさんじょう
 裁判所さいばんしょまた受命じゅめい裁判官さいばんかんしくは受託じゅたく裁判官さいばんかんは、検証けんしょうをするにたり、必要ひつようがあるとみとめるときは、鑑定かんていめいずることができる。

だいななせつ 証拠しょうこ保全ほぜん

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証拠しょうこ保全ほぜん
だいひゃくさんじゅうよんじょう
 裁判所さいばんしょは、あらかじめ証拠しょうこ調しらべをしておかなければその証拠しょうこ使用しようすることが困難こんなんとなる事情じじょうがあるとみとめるときは、申立もうしたてにより、このしょう規定きていしたがい、証拠しょうこ調しらべをすることができる。

管轄かんかつ裁判所さいばんしょとう
だいひゃくさんじゅうじょう
 うったえの提起ていきにおける証拠しょうこ保全ほぜん申立もうしたては、その証拠しょうこ使用しようすべきしんきゅう裁判所さいばんしょにしなければならない。ただし、最初さいしょ口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ指定していされ、また事件じけん弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきしくは書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづきされたのち口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけついたるまでのあいだは、受訴裁判所さいばんしょにしなければならない。

 うったえの提起ていきまえにおける証拠しょうこ保全ほぜん申立もうしたては、尋問じんもんけるべきものしくは文書ぶんしょ所持しょじするもの居所きょしょまた検証けんしょうぶつ所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょまた簡易かんい裁判所さいばんしょにしなければならない。

 急迫きゅうはく事情じじょうがある場合ばあいには、うったえの提起ていきであっても、前項ぜんこう地方裁判所ちほうさいばんしょまた簡易かんい裁判所さいばんしょ証拠しょうこ保全ほぜん申立もうしたてをすることができる。

相手方あいてがた指定していができない場合ばあい取扱とりあつかい)
だいひゃくさんじゅうろくじょう
 証拠しょうこ保全ほぜん申立もうしたては、相手方あいてがた指定していすることができない場合ばあいにおいても、することができる。この場合ばあいにおいては、裁判所さいばんしょは、相手方あいてがたとなるべきもののために特別とくべつ代理人だいりにん選任せんにんすることができる。

職権しょっけんによる証拠しょうこ保全ほぜん
だいひゃくさんじゅうななじょう
 裁判所さいばんしょは、必要ひつようがあるとみとめるときは、訴訟そしょう係属けいぞくちゅう職権しょっけんで、証拠しょうこ保全ほぜん決定けっていをすることができる。

不服ふふく申立もうしたてのもと
だいひゃくさんじゅうはちじょう
 証拠しょうこ保全ほぜん決定けっていたいしては、不服ふふくもうてることができない。

受命じゅめい裁判官さいばんかんによる証拠しょうこ調しらべ)
だいひゃくさんじゅうきゅうじょう
 だいひゃくさんじゅうじょうだいいちこうただししょ場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、受命じゅめい裁判官さいばんかん証拠しょうこ調しらべをさせることができる。

期日きじつ呼出よびだし)
だいひゃくよんじゅうじょう
 証拠しょうこ調しらべの期日きじつには、申立もうしたてじんおよ相手方あいてがたさなければならない。ただし、急速きゅうそくようする場合ばあいは、このかぎりでない。

証拠しょうこ保全ほぜん費用ひよう
だいひゃくよんじゅういちじょう
 証拠しょうこ保全ほぜんかんする費用ひようは、訴訟そしょう費用ひよう一部いちぶとする。

口頭こうとう弁論べんろんにおけるさい尋問じんもん
だいひゃくよんじゅうじょう
 証拠しょうこ保全ほぜん手続てつづきにおいて尋問じんもんをした証人しょうにんについて、当事とうじしゃ口頭こうとう弁論べんろんにおける尋問じんもんさるをしたときは、裁判所さいばんしょは、その尋問じんもんをしなければならない。

だいしょう 判決はんけつ

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終局しゅうきょく判決はんけつ
だいひゃくよんじゅうさんじょう
 裁判所さいばんしょは、訴訟そしょう裁判さいばんをするのにじゅくしたときは、終局しゅうきょく判決はんけつをする。

 裁判所さいばんしょは、訴訟そしょう一部いちぶ裁判さいばんをするのにじゅくしたときは、その一部いちぶについて終局しゅうきょく判決はんけつをすることができる。

 #243_2前項ぜんこう規定きていは、口頭こうとう弁論べんろん併合へいごうめいじた数個すうこ訴訟そしょうちゅうそのいち裁判さいばんをするのにじゅくした場合ばあいおよ本訴ほんそまた反訴はんそ裁判さいばんをするのにじゅくした場合ばあいについて準用じゅんようする。

だいひゃくよんじゅうよんじょう 裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃ双方そうほうまた一方いっぽう口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ出頭しゅっとうせず、また弁論べんろんをしないで退廷たいていをした場合ばあいにおいて、審理しんり現状げんじょうおよ当事とうじしゃ訴訟そしょうおいぎょう状況じょうきょう考慮こうりょして相当そうとうみとめるときは、終局しゅうきょく判決はんけつをすることができる。ただし、当事とうじしゃ一方いっぽう口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ出頭しゅっとうせず、また弁論べんろんをしないで退廷たいていをした場合ばあいには、出頭しゅっとうした相手方あいてがたさるがあるときにかぎる。

中間なかま判決はんけつ
だいひゃくよんじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、独立どくりつした攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほうその中間ちゅうかんあらそいについて、裁判さいばんをするのにじゅくしたときは、中間ちゅうかん判決はんけつをすることができる。請求せいきゅう原因げんいんおよかずがくについてあらそいがある場合ばあいにおけるその原因げんいんについても、同様どうようとする。

判決はんけつ事項じこう
だいひゃくよんじゅうろくじょう
 裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃもうてていない事項じこうについて、判決はんけつをすることができない。

自由じゆう心証しんしょう主義しゅぎ
だいひゃくよんじゅうななじょう
 裁判所さいばんしょは、判決はんけつをするにたり、口頭こうとう弁論べんろんぜん趣旨しゅしおよ証拠しょうこ調しらべの結果けっかをしんしゃくして、自由じゆう心証しんしょうにより、事実じじつについての主張しゅちょう真実しんじつみとめるべきかかを判断はんだんする。

損害そんがいがく認定にんてい
だいひゃくよんじゅうはちじょう
 損害そんがいしょうじたことがみとめられる場合ばあいにおいて、損害そんがい性質せいしつじょうそのがく立証りっしょうすることがきわめて困難こんなんであるときは、裁判所さいばんしょは、口頭こうとう弁論べんろんぜん趣旨しゅしおよ証拠しょうこ調しらべの結果けっかもとづき、相当そうとう損害そんがいがく認定にんていすることができる。

直接ちょくせつ主義しゅぎ
だいひゃくよんじゅうきゅうじょう
 判決はんけつは、その基本きほんとなる口頭こうとう弁論べんろん関与かんよした裁判官さいばんかんがする。

 裁判官さいばんかんわった場合ばあいには、当事とうじしゃは、従前じゅうぜん口頭こうとう弁論べんろん結果けっか陳述ちんじゅつしなければならない。

 単独たんどく裁判官さいばんかんわった場合ばあいまた合議ごうぎたい裁判官さいばんかん過半数かはんすうわった場合ばあいにおいて、そのまえ尋問じんもんをした証人しょうにんについて、当事とうじしゃさら尋問じんもんさるをしたときは、裁判所さいばんしょは、その尋問じんもんをしなければならない。

判決はんけつ発効はっこう
だいひゃくじゅうじょう
 判決はんけつは、言渡いいわたしによってその効力こうりょくしょうずる。

言渡いいわたし期日きじつ
だいひゃくじゅういちじょう
 判決はんけつ言渡いいわたしは、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつからがつ以内いないにしなければならない。ただし、事件じけん複雑ふくざつであるときその特別とくべつ事情じじょうがあるときは、このかぎりでない。

 判決はんけつ言渡いいわたしは、当事とうじしゃ在廷ざいていしない場合ばあいにおいても、することができる。

言渡いいわたしの方式ほうしき
だいひゃくじゅうじょう
 判決はんけつ言渡いいわたしは、判決はんけつしょ原本げんぽんもとづいてする。

判決はんけつしょ
だいひゃくじゅうさんじょう
 判決はんけつしょには、つぎかかげる事項じこう記載きさいしなければならない。

いち 主文しゅぶん
 事実じじつ
さん 理由りゆう
よん 口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつ
 当事とうじしゃおよ法定ほうてい代理人だいりにん
ろく 裁判所さいばんしょ

 事実じじつ記載きさいにおいては、請求せいきゅうあきらかにし、かつ、主文しゅぶん正当せいとうであることをしめすのに必要ひつよう主張しゅちょうを摘示しなければならない。

言渡いいわたしの方式ほうしきとくそく
だいひゃくじゅうよんじょう
 つぎかかげる場合ばあいにおいて、原告げんこく請求せいきゅう認容にんようするときは、判決はんけつ言渡いいわたしは、だいひゃくじゅうじょう規定きていにかかわらず、判決はんけつしょ原本げんぽんもとづかないですることができる。

いち 被告ひこく口頭こうとう弁論べんろんにおいて原告げんこく主張しゅちょうした事実じじつあらそわず、そのなんらの防御ぼうぎょ方法ほうほうをも提出ていしゅつしない場合ばあい
 被告ひこく公示こうじ送達そうたつによる呼出よびだしをけたにもかかわらず口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ出頭しゅっとうしない場合ばあい被告ひこく提出ていしゅつした準備じゅんび書面しょめん口頭こうとう弁論べんろんにおいて陳述ちんじゅつされたものとみなされた場合ばあいのぞく。)

 前項ぜんこう規定きていにより判決はんけつ言渡いいわたしをしたときは、裁判所さいばんしょは、判決はんけつしょ作成さくせいえて、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんに、当事とうじしゃおよ法定ほうてい代理人だいりにん主文しゅぶん請求せいきゅうならびに理由りゆう要旨ようしを、判決はんけつ言渡いいわたしをした口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ調書ちょうしょ記載きさいさせなければならない。

判決はんけつしょとう送達そうたつ
だいひゃくじゅうじょう
 判決はんけつしょまた前条ぜんじょうだいこう調書ちょうしょは、当事とうじしゃ送達そうたつしなければならない。

 前項ぜんこう規定きていする送達そうたつは、判決はんけつしょ正本しょうほんまた前条ぜんじょうだいこう調書ちょうしょ謄本とうほんによってする。

変更へんこう判決はんけつ
だいひゃくじゅうろくじょう
 裁判所さいばんしょは、判決はんけつ法令ほうれい違反いはんがあることを発見はっけんしたときは、その言渡いいわたいち週間しゅうかん以内いないかぎり、変更へんこう判決はんけつをすることができる。ただし、判決はんけつ確定かくていしたとき、また判決はんけつ変更へんこうするため事件じけんにつきさら弁論べんろんをする必要ひつようがあるときは、このかぎりでない。

 変更へんこう判決はんけつは、口頭こうとう弁論べんろんないでする。

 前項ぜんこう判決はんけつ言渡いいわたし期日きじつ呼出よびだしにおいては、公示こうじ送達そうたつによる場合ばあいのぞき、送達そうたつをすべき場所ばしょにあてて呼出よびだしじょうはっしたときに、送達そうたつがあったものとみなす。

更正こうせい決定けってい
だいひゃくじゅうななじょう
 判決はんけつ計算けいさんちがい、誤記ごきそのこれらにるいする明白めいはくあやまりがあるときは、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、いつでも更正こうせい決定けっていをすることができる。

 更正こうせい決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。ただし、判決はんけつたい適法てきほう控訴こうそがあったときは、このかぎりでない。

裁判さいばん脱漏だつろう
だいひゃくじゅうはちじょう
 裁判所さいばんしょ請求せいきゅう一部いちぶについて裁判さいばん脱漏だつろうしたときは、訴訟そしょうは、その請求せいきゅう部分ぶぶんについては、なおその裁判所さいばんしょ係属けいぞくする。

 訴訟そしょう費用ひよう負担ふたん裁判さいばん脱漏だつろうしたときは、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、その訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんについて、決定けっていで、裁判さいばんをする。この場合ばあいにおいては、だいろくじゅういちじょうからだいろくじゅうろくじょうまでの規定きてい準用じゅんようする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

 だいこう規定きていによる訴訟そしょう費用ひよう負担ふたん裁判さいばんは、本案ほんあん判決はんけつたい適法てきほう控訴こうそがあったときは、その効力こうりょくうしなう。この場合ばあいにおいては、控訴こうそ裁判所さいばんしょは、訴訟そしょうそう費用ひようについて、その負担ふたん裁判さいばんをする。

かり執行しっこう宣言せんげん
だいひゃくじゅうきゅうじょう
 財産ざいさんけんじょう請求せいきゅうかんする判決はんけつについては、裁判所さいばんしょは、必要ひつようがあるとみとめるときは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、担保たんぽてて、またてないでかり執行しっこうをすることができることを宣言せんげんすることができる。

 手形てがたまた小切手こぎってによる金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅうおよびこれに附帯ふたいする法定ほうてい利率りりつによる損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうかんする判決はんけつについては、裁判所さいばんしょは、職権しょっけんで、担保たんぽてないでかり執行しっこうをすることができることを宣言せんげんしなければならない。ただし、裁判所さいばんしょ相当そうとうみとめるときは、かり執行しっこう担保たんぽてることにかかわらしめることができる。

 裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、担保たんぽててかり執行しっこうまぬかれることができることを宣言せんげんすることができる。

 かり執行しっこう宣言せんげんは、判決はんけつ主文しゅぶんかかげなければならない。前項ぜんこう規定きていによる宣言せんげんについても、同様どうようとする。

 かり執行しっこう宣言せんげん申立もうしたてについて裁判さいばんをしなかったとき、また職権しょっけんかり執行しっこう宣言せんげんをすべき場合ばあいにおいてこれをしなかったときは、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてによりまた職権しょっけんで、補充ほじゅう決定けっていをする。だいさんこう申立もうしたてについて裁判さいばんをしなかったときも、同様どうようとする。

 だいななじゅうろくじょうだいななじゅうななじょうだいななじゅうきゅうじょうおよだいはちじゅうじょう規定きていは、だいいちこうからだいさんこうまでの担保たんぽについて準用じゅんようする。

かり執行しっこう宣言せんげん失効しっこうおよ原状げんじょう回復かいふくとう
だいひゃくろくじゅうじょう
 かり執行しっこう宣言せんげんは、その宣言せんげんまた本案ほんあん判決はんけつ変更へんこうする判決はんけつ言渡いいわたしにより、変更へんこう限度げんどにおいてその効力こうりょくうしなう。

 本案ほんあん判決はんけつ変更へんこうする場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、被告ひこく申立もうしたてにより、その判決はんけつにおいて、かり執行しっこう宣言せんげんもとづき被告ひこく給付きゅうふしたものの返還へんかんおよかり執行しっこうによりまたはこれをまぬかれるために被告ひこくけた損害そんがい賠償ばいしょう原告げんこくめいじなければならない。

 かり執行しっこう宣言せんげんのみを変更へんこうしたときは、のち本案ほんあん判決はんけつ変更へんこうする判決はんけつについて、前項ぜんこう規定きてい適用てきようする。

だいろくしょう 裁判さいばんによらない訴訟そしょう完結かんけつ

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うったえの取下とりさげ)
だいひゃくろくじゅういちじょう
 うったえは、判決はんけつ確定かくていするまで、その全部ぜんぶまた一部いちぶげることができる。

 うったえの取下とりさげは、相手方あいてがた本案ほんあんについて準備じゅんび書面しょめん提出ていしゅつし、弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおいて申述もうしのべをし、また口頭こうとう弁論べんろんをしたのちにあっては、相手方あいてがた同意どういなければ、その効力こうりょくしょうじない。ただし、本訴ほんそ取下とりさげがあった場合ばあいにおける反訴はんそ取下とりさげについては、このかぎりでない。

 うったえの取下とりさげは、書面しょめんでしなければならない。ただし、口頭こうとう弁論べんろん弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきまた和解わかい期日きじつ以下いかこのしょうにおいて「口頭こうとう弁論べんろんとう期日きじつ」という。)においては、口頭こうとうですることをさまたげない。

 だいこう本文ほんぶん場合ばあいにおいて、うったえの取下とりさげが書面しょめんでされたときはその書面しょめんを、うったえの取下とりさげが口頭こうとう弁論べんろんとう期日きじつにおいて口頭こうとうでされたとき(相手方あいてがたがその期日きじつ出頭しゅっとうしたときをのぞく。)はその期日きじつ調書ちょうしょ謄本とうほん相手方あいてがた送達そうたつしなければならない。

 うったえの取下とりさげの書面しょめん送達そうたつけたから週間しゅうかん以内いない相手方あいてがた異議いぎべないときは、うったえの取下とりさげに同意どういしたものとみなす。うったえの取下とりさげが口頭こうとう弁論べんろんとう期日きじつにおいて口頭こうとうでされた場合ばあいにおいて、相手方あいてがたがその期日きじつ出頭しゅっとうしたときはうったえの取下とりさげがあったから、相手方あいてがたがその期日きじつ出頭しゅっとうしなかったときは前項ぜんこう謄本とうほん送達そうたつがあったから週間しゅうかん以内いない相手方あいてがた異議いぎべないときも、同様どうようとする。

うったえの取下とりさげの効果こうか
だいひゃくろくじゅうじょう
 訴訟そしょうは、うったえの取下とりさげがあった部分ぶぶんについては、はじめから係属けいぞくしていなかったものとみなす。

 本案ほんあんについて終局しゅうきょく判決はんけつがあったのちうったえをげたものは、同一どういつうったえを提起ていきすることができない。

うったえの取下とりさげの擬制ぎせい
だいひゃくろくじゅうさんじょう
 当事とうじしゃ双方そうほうが、口頭こうとう弁論べんろんしくは弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき期日きじつ出頭しゅっとうせず、また弁論べんろんしくは弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおける申述もうしのべをしないで退廷たいていしくは退席たいせきをした場合ばあいにおいて、いちがつ以内いない期日きじつ指定してい申立もうしたてをしないときは、うったえの取下とりさげがあったものとみなす。当事とうじしゃ双方そうほうが、連続れんぞくしてかい口頭こうとう弁論べんろんしくは弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき期日きじつ出頭しゅっとうせず、また弁論べんろんしくは弁論べんろん準備じゅんび手続てつづきにおける申述もうしのべをしないで退廷たいていしくは退席たいせきをしたときも、同様どうようとする。

和解わかい条項じょうこうあん書面しょめんによる受諾じゅだく
だいひゃくろくじゅうよんじょう
 当事とうじしゃ遠隔えんかく居住きょじゅうしていることその事由じゆうにより出頭しゅっとうすることが困難こんなんであるとみとめられる場合ばあいにおいて、その当事とうじしゃがあらかじめ裁判所さいばんしょまた受命じゅめい裁判官さいばんかんしくは受託じゅたく裁判官さいばんかんから提示ていじされた和解わかい条項じょうこうあん受諾じゅだくするむね書面しょめん提出ていしゅつし、当事とうじしゃ口頭こうとう弁論べんろんとう期日きじつ出頭しゅっとうしてその和解わかい条項じょうこうあん受諾じゅだくしたときは、当事とうじしゃあいだ和解わかい調ととのったものとみなす。

裁判所さいばんしょとうさだめる和解わかい条項じょうこう
だいひゃくろくじゅうじょう
 裁判所さいばんしょまた受命じゅめい裁判官さいばんかんしくは受託じゅたく裁判官さいばんかんは、当事とうじしゃ共同きょうどう申立もうしたてがあるときは、事件じけん解決かいけつのために適当てきとう和解わかい条項じょうこうさだめることができる。

 前項ぜんこう申立もうしたては、書面しょめんでしなければならない。この場合ばあいにおいては、その書面しょめんどうこう和解わかい条項じょうこうふくするむね記載きさいしなければならない。

 だいいちこう規定きていによる和解わかい条項じょうこうさだめは、口頭こうとう弁論べんろんとう期日きじつにおける告知こくちその相当そうとうみとめる方法ほうほうによる告知こくちによってする。

 当事とうじしゃは、前項ぜんこう告知こくちまえかぎり、だいいちこう申立もうしたてをげることができる。この場合ばあいにおいては、相手方あいてがた同意どういることをようしない。

 だいさんこう告知こくち当事とうじしゃ双方そうほうにされたときは、当事とうじしゃあいだ和解わかい調ととのったものとみなす。

請求せいきゅう放棄ほうきまた認諾にんだく
だいひゃくろくじゅうろくじょう
 請求せいきゅう放棄ほうきまた認諾にんだくは、口頭こうとう弁論べんろんとう期日きじつにおいてする。

 請求せいきゅう放棄ほうきまた認諾にんだくをするむね書面しょめん提出ていしゅつした当事とうじしゃ口頭こうとう弁論べんろんとう期日きじつ出頭しゅっとうしないときは、裁判所さいばんしょまた受命じゅめい裁判官さいばんかんしくは受託じゅたく裁判官さいばんかんは、そのむね陳述ちんじゅつをしたものとみなすことができる。

和解わかい調書ちょうしょとう効力こうりょく
だいひゃくろくじゅうななじょう
 和解わかいまた請求せいきゅう放棄ほうきしくは認諾にんだく調書ちょうしょ記載きさいしたときは、その記載きさいは、確定かくてい判決はんけつ同一どういつ効力こうりょくゆうする。

だいななしょう だい規模きぼ訴訟そしょうとうかんするとくそく

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だい規模きぼ訴訟そしょうかか事件じけんにおける受命じゅめい裁判官さいばんかんによる証人しょうにんとう尋問じんもん
だいひゃくろくじゅうはちじょう
 裁判所さいばんしょは、だい規模きぼ訴訟そしょう当事とうじしゃいちじるしく多数たすうで、かつ、尋問じんもんすべき証人しょうにんまた当事とうじしゃ本人ほんにんいちじるしく多数たすうである訴訟そしょうをいう。)にかか事件じけんについて、当事とうじしゃ異議いぎがないときは、受命じゅめい裁判官さいばんかん裁判所さいばんしょない証人しょうにんまた当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんをさせることができる。

だい規模きぼ訴訟そしょうかか事件じけんにおける合議ごうぎたい構成こうせい
だいひゃくろくじゅうきゅうじょう
 地方裁判所ちほうさいばんしょにおいては、前条ぜんじょう規定きていする事件じけんについて、にん裁判官さいばんかん合議ごうぎたい審理しんりおよ裁判さいばんをするむね決定けっていをその合議ごうぎたいですることができる。

 前項ぜんこう場合ばあいには、判事はんじは、同時どうじさんにん以上いじょう合議ごうぎたいくわわり、また裁判さいばんちょうとなることができない。

特許とっきょけんとうかんするうったえにかか事件じけんにおける合議ごうぎたい構成こうせい
だいひゃくろくじゅうきゅうじょう
 だいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょにおいては、特許とっきょけんとうかんするうったえにかか事件じけんについて、にん裁判官さいばんかん合議ごうぎたい審理しんりおよ裁判さいばんをするむね決定けっていをその合議ごうぎたいですることができる。ただし、だいじゅうじょうだいいちこう規定きていにより移送いそうされた訴訟そしょうかか事件じけんについては、このかぎりでない。

 前条ぜんじょうだいこう規定きていは、前項ぜんこう場合ばあいについて準用じゅんようする。

だいはちしょう 簡易かんい裁判所さいばんしょ訴訟そしょう手続てつづきかんするとくそく

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手続てつづき特色とくしょく
だいひゃくななじゅうじょう
 簡易かんい裁判所さいばんしょにおいては、簡易かんい手続てつづきにより迅速じんそく紛争ふんそう解決かいけつするものとする。

口頭こうとうによるうったえの提起ていき
だいひゃくななじゅういちじょう
 うったえは、口頭こうとう提起ていきすることができる。

うったえの提起ていきにおいてあきらかにすべき事項じこう
だいひゃくななじゅうじょう
 うったえの提起ていきにおいては、請求せいきゅう原因げんいんえて、紛争ふんそう要点ようてんあきらかにすればりる。

任意にんい出頭しゅっとうによるうったえの提起ていきとう
だいひゃくななじゅうさんじょう
 当事とうじしゃ双方そうほうは、任意にんい裁判所さいばんしょ出頭しゅっとうし、訴訟そしょうについて口頭こうとう弁論べんろんをすることができる。この場合ばあいにおいては、うったえの提起ていきは、口頭こうとう陳述ちんじゅつによってする。

反訴はんそ提起ていきもとづく移送いそう
だいひゃくななじゅうよんじょう
 被告ひこく反訴はんそ地方裁判所ちほうさいばんしょ管轄かんかつぞくする請求せいきゅうをした場合ばあいにおいて、相手方あいてがた申立もうしたてがあるときは、簡易かんい裁判所さいばんしょは、決定けっていで、本訴ほんそおよ反訴はんそ地方裁判所ちほうさいばんしょ移送いそうしなければならない。この場合ばあいにおいては、だいじゅうじょう規定きてい準用じゅんようする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、不服ふふくもうてることができない。

うった提起ていきまえ和解わかい
だいひゃくななじゅうじょう
 民事みんじじょうあらそいについては、当事とうじしゃは、請求せいきゅう趣旨しゅしおよ原因げんいんならびにあらそいの実情じつじょう表示ひょうじして、相手方あいてがた普通ふつう裁判さいばんせき所在地しょざいち管轄かんかつする簡易かんい裁判所さいばんしょ和解わかい申立もうしたてをすることができる。

 前項ぜんこう和解わかい調ととのわない場合ばあいにおいて、和解わかい期日きじつ出頭しゅっとうした当事とうじしゃ双方そうほう申立もうしたてがあるときは、裁判所さいばんしょは、ただちに訴訟そしょう弁論べんろんめいずる。この場合ばあいにおいては、和解わかい申立もうしたてをしたものは、その申立もうしたてをしたときに、うったえを提起ていきしたものとみなし、和解わかい費用ひようは、訴訟そしょう費用ひよう一部いちぶとする。

 申立もうしたてじんまた相手方あいてがただいいちこう和解わかい期日きじつ出頭しゅっとうしないときは、裁判所さいばんしょは、和解わかい調ととのわないものとみなすことができる。

 だいいちこう和解わかいについては、だいひゃくろくじゅうよんじょうおよだいひゃくろくじゅうじょう規定きていは、適用てきようしない。

和解わかいわる決定けってい
だいひゃくななじゅうじょう
 金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅう目的もくてきとするうったえについては、裁判所さいばんしょは、被告ひこく口頭こうとう弁論べんろんにおいて原告げんこく主張しゅちょうした事実じじつあらそわず、そのなんらの防御ぼうぎょ方法ほうほうをも提出ていしゅつしない場合ばあいにおいて、被告ひこく資力しりょくその事情じじょう考慮こうりょして相当そうとうであるとみとめるときは、原告げんこく意見いけんいて、だいさんこう期間きかん経過けいかからねんえない範囲はんいないにおいて、当該とうがい請求せいきゅうかか金銭きんせん支払しはらいについて、その時期じきさだしくは分割ぶんかつはらいさだめをし、またはこれとあわせて、その時期じきさだめにしたが支払しはらいをしたとき、しくはその分割ぶんかつはらいさだめによる期限きげん利益りえき次項じこう規定きていによるさだめによりうしなうことなく支払しはらいをしたときはうった提起ていき遅延ちえん損害そんがいきん支払しはらい義務ぎむ免除めんじょするむねさだめをして、当該とうがい請求せいきゅうかか金銭きんせん支払しはらいめいずる決定けっていをすることができる。

 前項ぜんこう分割ぶんかつはらいさだめをするときは、被告ひこく支払しはらいおこたった場合ばあいにおける期限きげん利益りえき喪失そうしつについてのさだめをしなければならない。

 だいいちこう決定けっていたいしては、当事とうじしゃは、その決定けってい告知こくちけたから週間しゅうかん不変ふへん期間きかんないに、その決定けっていをした裁判所さいばんしょ異議いぎもうてることができる。

 前項ぜんこう期間きかんない異議いぎ申立もうしたてがあったときは、だいいちこう決定けっていは、その効力こうりょくうしなう。

 だいさんこう期間きかんない異議いぎ申立もうしたてがないときは、だいいちこう決定けっていは、裁判さいばんじょう和解わかい同一どういつ効力こうりょくゆうする。

準備じゅんび書面しょめん省略しょうりゃくとう
だいひゃくななじゅうろくじょう
 口頭こうとう弁論べんろんは、書面しょめん準備じゅんびすることをようしない。

 相手方あいてがた準備じゅんびをしなければ陳述ちんじゅつをすることができないとみとめるべき事項じこうは、前項ぜんこう規定きていにかかわらず、書面しょめん準備じゅんびし、また口頭こうとう弁論べんろんぜん直接ちょくせつ相手方あいてがた通知つうちしなければならない。

 前項ぜんこう規定きていする事項じこうは、相手方あいてがた在廷ざいていしていない口頭こうとう弁論べんろんにおいては、準備じゅんび書面しょめん相手方あいてがた送達そうたつされたものまた相手方あいてがたからその準備じゅんび書面しょめん受領じゅりょうしたむね記載きさいした書面しょめん提出ていしゅつされたものにかぎる。)に記載きさいし、またどうこう規定きていによる通知つうちをしたものでなければ、主張しゅちょうすることができない。

続行ぞっこう期日きじつにおける陳述ちんじゅつ擬制ぎせい
だいひゃくななじゅうななじょう
 だいひゃくじゅうはちじょう規定きていは、原告げんこくまた被告ひこく口頭こうとう弁論べんろん続行ぞっこう期日きじつ出頭しゅっとうせず、また出頭しゅっとうしたが本案ほんあん弁論べんろんをしない場合ばあいについて準用じゅんようする。

尋問じんもんわる書面しょめん提出ていしゅつ
だいひゃくななじゅうはちじょう
 裁判所さいばんしょは、相当そうとうみとめるときは、証人しょうにん当事とうじしゃ本人ほんにんまた鑑定かんていじん尋問じんもんえ、書面しょめん提出ていしゅつをさせることができる。

司法しほう委員いいん
だいひゃくななじゅうきゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、必要ひつようがあるとみとめるときは、和解わかいこころみるについて司法しほう委員いいん補助ほじょをさせ、また司法しほう委員いいん審理しんりわせて事件じけんにつきその意見いけんくことができる。

 司法しほう委員いいん員数いんずうは、かく事件じけんについて一人ひとり以上いじょうとする。

 司法しほう委員いいんは、毎年まいとしあらかじめ地方裁判所ちほうさいばんしょ選任せんにんしたものなかから、事件じけんごとに裁判所さいばんしょ指定していする。

 前項ぜんこう規定きていにより選任せんにんされるもの資格しかく員数いんずうそのどうこう選任せんにんかん必要ひつよう事項じこうは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる。

 司法しほう委員いいんには、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるがく旅費りょひ日当にっとうおよ宿泊しゅくはくりょう支給しきゅうする。

判決はんけつしょ記載きさい事項じこう
だいひゃくはちじゅうじょう
 判決はんけつしょ事実じじつおよ理由りゆう記載きさいするには、請求せいきゅう趣旨しゅしおよ原因げんいん要旨ようし、その原因げんいん有無うむならびに請求せいきゅう排斥はいせきする理由りゆうである抗弁こうべん要旨ようし表示ひょうじすればりる。

だいさんへん 上訴じょうそ

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だいいちしょう 控訴こうそ

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控訴こうそをすることができる判決はんけつとう
だいひゃくはちじゅういちじょう
 控訴こうそは、地方裁判所ちほうさいばんしょだいいちしんとしてした終局しゅうきょく判決はんけつまた簡易かんい裁判所さいばんしょ終局しゅうきょく判決はんけつたいしてすることができる。ただし、終局しゅうきょく判決はんけつ当事とうじしゃ双方そうほうとも上告じょうこくをする権利けんり留保りゅうほして控訴こうそをしないむね合意ごういをしたときは、このかぎりでない。

 だいじゅういちじょうだいこう規定きていは、前項ぜんこう合意ごういについて準用じゅんようする。

訴訟そしょう費用ひよう負担ふたん裁判さいばんたいする控訴こうそ制限せいげん
だいひゃくはちじゅうじょう
 訴訟そしょう費用ひよう負担ふたん裁判さいばんたいしては、独立どくりつして控訴こうそをすることができない。

控訴こうそ裁判所さいばんしょ判断はんだんける裁判さいばん
だいひゃくはちじゅうさんじょう
 終局しゅうきょく判決はんけつまえ裁判さいばんは、控訴こうそ裁判所さいばんしょ判断はんだんける。ただし、不服ふふくもうてることができない裁判さいばんおよ抗告こうこくにより不服ふふくもうてることができる裁判さいばんは、このかぎりでない。

控訴こうそけん放棄ほうき
だいひゃくはちじゅうよんじょう
 控訴こうそをする権利けんりは、放棄ほうきすることができる。

控訴こうそ期間きかん
だいひゃくはちじゅうじょう
 控訴こうそは、判決はんけつしょまただいひゃくじゅうよんじょうだいこう調書ちょうしょ送達そうたつけたから週間しゅうかん不変ふへん期間きかんない提起ていきしなければならない。ただし、その期間きかんまえ提起ていきした控訴こうそ効力こうりょくさまたげない。

控訴こうそ提起ていき方式ほうしき
だいひゃくはちじゅうろくじょう
 控訴こうそ提起ていきは、控訴こうそじょうだいいちしん裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしてしなければならない。

 控訴こうそじょうには、つぎかかげる事項じこう記載きさいしなければならない。

いち 当事とうじしゃおよ法定ほうてい代理人だいりにん
 だいいちしん判決はんけつ表示ひょうじおよびその判決はんけつたいして控訴こうそをするむね

だいいちしん裁判所さいばんしょによる控訴こうそ却下きゃっか
だいひゃくはちじゅうななじょう
 控訴こうそ適法てきほうでその不備ふび補正ほせいすることができないことがあきらかであるときは、だいいちしん裁判所さいばんしょは、決定けっていで、控訴こうそ却下きゃっかしなければならない。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

裁判さいばんちょう控訴こうそじょう審査しんさけん
だいひゃくはちじゅうはちじょう
 だいひゃくさんじゅうななじょう規定きていは、控訴こうそじょうだいひゃくはちじゅうろくじょうだいこう規定きてい違反いはんする場合ばあいおよ民事みんじ訴訟そしょう費用ひようとうかんする法律ほうりつ規定きていしたが控訴こうそ提起ていき手数料てすうりょう納付のうふしない場合ばあいについて準用じゅんようする。

控訴こうそじょう送達そうたつ
だいひゃくはちじゅうきゅうじょう
 控訴こうそじょうは、控訴こうそじん送達そうたつしなければならない。

 だいひゃくさんじゅうななじょう規定きていは、控訴こうそじょう送達そうたつをすることができない場合ばあい控訴こうそじょう送達そうたつ必要ひつよう費用ひよう予納よのうしない場合ばあいふくむ。)について準用じゅんようする。

口頭こうとう弁論べんろんない控訴こうそ却下きゃっか
だいひゃくきゅうじゅうじょう
 控訴こうそ適法てきほうでその不備ふび補正ほせいすることができないときは、控訴こうそ裁判所さいばんしょは、口頭こうとう弁論べんろんないで、判決はんけつで、控訴こうそ却下きゃっかすることができる。

呼出よびだし費用ひよう予納よのうがない場合ばあい控訴こうそ却下きゃっか
だいひゃくきゅうじゅういちじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、民事みんじ訴訟そしょう費用ひようとうかんする法律ほうりつ規定きていしたが当事とうじしゃたいする期日きじつ呼出よびだしに必要ひつよう費用ひよう予納よのう相当そうとう期間きかんさだめて控訴こうそじんめいじた場合ばあいにおいて、その予納よのうがないときは、決定けっていで、控訴こうそ却下きゃっかすることができる。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

控訴こうそ取下とりさげ)
だいひゃくきゅうじゅうじょう
 控訴こうそは、控訴こうそしん終局しゅうきょく判決はんけつがあるまで、げることができる。

 だいひゃくろくじゅういちじょうだいさんこうだいひゃくろくじゅうじょうだいいちこうおよだいひゃくろくじゅうさんじょう規定きていは、控訴こうそ取下とりさげについて準用じゅんようする。

附帯ふたい控訴こうそ
だいひゃくきゅうじゅうさんじょう
 控訴こうそじんは、控訴こうそけん消滅しょうめつしたのちであっても、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけついたるまで、附帯ふたい控訴こうそをすることができる。

 附帯ふたい控訴こうそは、控訴こうそ取下とりさげがあったとき、また適法てきほうとして控訴こうそ却下きゃっかがあったときは、その効力こうりょくうしなう。ただし、控訴こうそ要件ようけんそなえるものは、独立どくりつした控訴こうそとみなす。

 附帯ふたい控訴こうそについては、控訴こうそかんする規定きていによる。ただし、附帯ふたい控訴こうそ提起ていきは、附帯ふたい控訴こうそじょう控訴こうそ裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしてすることができる。

だいいちしん判決はんけつについてのかり執行しっこう宣言せんげん
だいひゃくきゅうじゅうよんじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、だいいちしん判決はんけつについて不服ふふく申立もうしたてがない部分ぶぶんかぎり、申立もうしたてにより、決定けっていで、かり執行しっこう宣言せんげんをすることができる。

かり執行しっこうかんする裁判さいばんたいする不服ふふく申立もうしたて)
だいひゃくきゅうじゅうじょう
 かり執行しっこうかんする控訴こうそしん裁判さいばんたいしては、不服ふふくもうてることができない。ただし、前条ぜんじょう申立もうしたてを却下きゃっかする決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

口頭こうとう弁論べんろん範囲はんいとう
だいひゃくきゅうじゅうろくじょう
 口頭こうとう弁論べんろんは、当事とうじしゃだいいちしん判決はんけつ変更へんこうもとめる限度げんどにおいてのみ、これをする。

 当事とうじしゃは、だいいちしんにおける口頭こうとう弁論べんろん結果けっか陳述ちんじゅつしなければならない。

だいいちしん訴訟そしょう手続てつづき規定きてい準用じゅんよう
だいひゃくきゅうじゅうななじょう
 前編ぜんぺんだいいちしょうからだいななしょうまでの規定きていは、特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、控訴こうそしん訴訟そしょう手続てつづきについて準用じゅんようする。ただし、だいひゃくろくじゅうきゅうじょう規定きていは、このかぎりでない。

だいいちしん訴訟そしょう行為こうい効力こうりょくとう
だいひゃくきゅうじゅうはちじょう
 だいいちしんにおいてした訴訟そしょう行為こういは、控訴こうそしんにおいてもその効力こうりょくゆうする。

 だいひゃくろくじゅうななじょう規定きていは、だいいちしんにおいて準備じゅんびてき口頭こうとう弁論べんろん終了しゅうりょうし、また弁論べんろん準備じゅんび手続てつづき終結しゅうけつした事件じけんにつき控訴こうそしん攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつした当事とうじしゃについて、だいひゃくななじゅうはちじょう規定きていは、だいいちしんにおいて書面しょめんによる準備じゅんび手続てつづき終結しゅうけつした事件じけんにつきどうじょう陳述ちんじゅつまた確認かくにんがされた場合ばあいにおいて控訴こうそしん攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつした当事とうじしゃについて準用じゅんようする。

だいいちしん管轄かんかつちがいの主張しゅちょう制限せいげん
だいひゃくきゅうじゅうきゅうじょう
 控訴こうそしんにおいては、当事とうじしゃは、だいいちしん裁判所さいばんしょ管轄かんかつけんゆうしないことを主張しゅちょうすることができない。ただし、専属せんぞく管轄かんかつ当事とうじしゃだいじゅういちじょう規定きていにより合意ごういさだめたものをのぞく。)については、このかぎりでない。

 前項ぜんこうだいいちしん裁判所さいばんしょだいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょである場合ばあいにおいて、当該とうがい訴訟そしょうどうこう規定きていにより裁判所さいばんしょ専属せんぞく管轄かんかつぞくするときは、前項ぜんこうただししょ規定きていは、適用てきようしない。

反訴はんそ提起ていきとう
だいさんひゃくじょう
 控訴こうそしんにおいては、反訴はんそ提起ていきは、相手方あいてがた同意どういがある場合ばあいかぎり、することができる。

 相手方あいてがた異議いぎべないで反訴はんそ本案ほんあんについて弁論べんろんをしたときは、反訴はんそ提起ていき同意どういしたものとみなす。

 ぜんこう規定きていは、選定せんていしゃかか請求せいきゅう追加ついかについて準用じゅんようする。

攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつとう期間きかん
だいさんひゃくいちじょう
 裁判さいばんちょうは、当事とうじしゃ意見いけんいて、攻撃こうげきしくは防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ請求せいきゅうしくは請求せいきゅう原因げんいん変更へんこう反訴はんそ提起ていきまた選定せんていしゃかか請求せいきゅう追加ついかをすべき期間きかんさだめることができる。

 前項ぜんこう規定きていによりさだめられた期間きかん経過けいかどうこう規定きていする訴訟そしょう行為こういをする当事とうじしゃは、裁判所さいばんしょたいし、その期間きかんないにこれをすることができなかった理由りゆう説明せつめいしなければならない。

控訴こうそ棄却ききゃく
だいさんひゃくじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、だいいちしん判決はんけつ相当そうとうとするときは、控訴こうそ棄却ききゃくしなければならない。

 だいいちしん判決はんけつがその理由りゆうによれば不当ふとうである場合ばあいにおいても、理由りゆうにより正当せいとうであるときは、控訴こうそ棄却ききゃくしなければならない。

控訴こうそけん濫用らんようたいする制裁せいさい
だいさんひゃくさんじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、前条ぜんじょうだいいちこう規定きていにより控訴こうそ棄却ききゃくする場合ばあいにおいて、控訴こうそじん訴訟そしょう完結かんけつ遅延ちえんさせることのみを目的もくてきとして控訴こうそ提起ていきしたものとみとめるときは、控訴こうそじんたいし、控訴こうそ提起ていき手数料てすうりょうとして納付のうふすべき金額きんがくじゅうばい以下いか金銭きんせん納付のうふめいずることができる。

 前項ぜんこう規定きていによる裁判さいばんは、判決はんけつ主文しゅぶんかかげなければならない。

 だいいちこう規定きていによる裁判さいばんは、本案ほんあん判決はんけつ変更へんこうする判決はんけつ言渡いいわたしにより、その効力こうりょくうしなう。

 上告じょうこく裁判所さいばんしょは、上告じょうこく棄却ききゃくする場合ばあいにおいても、だいいちこう規定きていによる裁判さいばん変更へんこうすることができる。

 だいひゃくはちじゅうきゅうじょう規定きていは、だいいちこう規定きていによる裁判さいばんについて準用じゅんようする。

だいいちしん判決はんけつ取消とりけおよ変更へんこう範囲はんい
だいさんひゃくよんじょう
 だいいちしん判決はんけつ取消とりけおよ変更へんこうは、不服ふふく申立もうしたての限度げんどにおいてのみ、これをすることができる。

だいいちしん判決はんけつ不当ふとう場合ばあい取消とりけし)
だいさんひゃくじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、だいいちしん判決はんけつ不当ふとうとするときは、これをさなければならない。

だいいちしん判決はんけつ手続てつづき違法いほう場合ばあい取消とりけし)
だいさんひゃくろくじょう
 だいいちしん判決はんけつ手続てつづき法律ほうりつ違反いはんしたときは、控訴こうそ裁判所さいばんしょは、だいいちしん判決はんけつさなければならない。

事件じけん差戻さしもどし)
だいさんひゃくななじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、うったえを不適ふてきほうとして却下きゃっかしただいいちしん判決はんけつ場合ばあいには、事件じけんだいいちしん裁判所さいばんしょもどさなければならない。ただし、事件じけんにつきさら弁論べんろんをする必要ひつようがないときは、このかぎりでない。

だいさんひゃくはちじょう 前条ぜんじょう本文ほんぶん規定きていする場合ばあいのほか、控訴こうそ裁判所さいばんしょだいいちしん判決はんけつ場合ばあいにおいて、事件じけんにつきさら弁論べんろんをする必要ひつようがあるときは、これをだいいちしん裁判所さいばんしょもどすことができる。

 だいいちしん裁判所さいばんしょにおける訴訟そしょう手続てつづき法律ほうりつ違反いはんしたことを理由りゆうとして事件じけんもどしたときは、その訴訟そしょう手続てつづきは、これによってされたものとみなす。

だいいちしん管轄かんかつちがいを理由りゆうとする移送いそう
だいさんひゃくきゅうじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、事件じけん管轄かんかつちがいであることを理由りゆうとしてだいいちしん判決はんけつすときは、判決はんけつで、事件じけん管轄かんかつ裁判所さいばんしょ移送いそうしなければならない。

控訴こうそしん判決はんけつにおけるかり執行しっこう宣言せんげん
だいさんひゃくじゅうじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅうだいひゃくじゅうきゅうじょうだいこう請求せいきゅうのぞく。)にかんする判決はんけつについては、申立もうしたてがあるときは、必要ひつようみとめる場合ばあいのぞき、担保たんぽてないでかり執行しっこうをすることができることを宣言せんげんしなければならない。ただし、控訴こうそ裁判所さいばんしょ相当そうとうみとめるときは、かり執行しっこう担保たんぽてることにかかわらしめることができる。

特許とっきょけんとうかんするうったえにかか控訴こうそ事件じけんにおける合議ごうぎたい構成こうせい
だいさんひゃくじゅうじょう
 だいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょだいいちしんとしてした特許とっきょけんとうかんするうったえについての終局しゅうきょく判決はんけつたいする控訴こうそ提起ていきされた東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょにおいては、当該とうがい控訴こうそかか事件じけんについて、にん裁判官さいばんかん合議ごうぎたい審理しんりおよ裁判さいばんをするむね決定けっていをその合議ごうぎたいですることができる。ただし、だいじゅうじょうだいいちこう規定きていにより移送いそうされた訴訟そしょうかかうったえについての終局しゅうきょく判決はんけつたいする控訴こうそかか事件じけんについては、このかぎりでない。

だいしょう 上告じょうこく

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上告じょうこく裁判所さいばんしょ
だいさんひゃくじゅういちじょう
 上告じょうこくは、高等こうとう裁判所さいばんしょだいしんまただいいちしんとしてした終局しゅうきょく判決はんけつたいしては最高さいこう裁判所さいばんしょに、地方裁判所ちほうさいばんしょだいしんとしてした終局しゅうきょく判決はんけつたいしては高等こうとう裁判所さいばんしょにすることができる。

 だいひゃくはちじゅういちじょうだいいちこうただししょ場合ばあいには、地方裁判所ちほうさいばんしょ判決はんけつたいしては最高さいこう裁判所さいばんしょに、簡易かんい裁判所さいばんしょ判決はんけつたいしては高等こうとう裁判所さいばんしょに、ただちに上告じょうこくをすることができる。

上告じょうこく理由りゆう
だいさんひゃくじゅうじょう
 上告じょうこくは、判決はんけつ憲法けんぽう解釈かいしゃくあやまりがあることその憲法けんぽう違反いはんがあることを理由りゆうとするときに、することができる。

 上告じょうこくは、つぎかかげる事由じゆうがあることを理由りゆうとするときも、することができる。ただし、だいよんごうかかげる事由じゆうについては、だいさんじゅうよんじょうだいこうだいじゅうきゅうじょうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていによる追認ついにんがあったときは、このかぎりでない。

いち 法律ほうりつしたがって判決はんけつ裁判所さいばんしょ構成こうせいしなかったこと。
 法律ほうりつにより判決はんけつ関与かんよすることができない裁判官さいばんかん判決はんけつ関与かんよしたこと。
さん 専属せんぞく管轄かんかつかんする規定きてい違反いはんしたこと(だいろくじょうだいいちこう各号かくごうさだめる裁判所さいばんしょだいいちしん終局しゅうきょく判決はんけつをした場合ばあいにおいて当該とうがい訴訟そしょうどうこう規定きていにより裁判所さいばんしょ専属せんぞく管轄かんかつぞくするときをのぞく。)。
よん 法定ほうてい代理だいりけん訴訟そしょう代理だいりけんまた代理人だいりにん訴訟そしょう行為こういをするのに必要ひつような授権をいたこと。
 口頭こうとう弁論べんろん公開こうかい規定きてい違反いはんしたこと。
ろく 判決はんけつ理由りゆうせず、また理由りゆう食違くいちがいがあること。

 高等こうとう裁判所さいばんしょにする上告じょうこくは、判決はんけつ影響えいきょうおよぼすことがあきらかな法令ほうれい違反いはんがあることを理由りゆうとするときも、することができる。

控訴こうそ規定きてい準用じゅんよう
だいさんひゃくじゅうさんじょう
 前章ぜんしょう規定きていは、特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、上告じょうこくおよ上告じょうこくしん訴訟そしょう手続てつづきについて準用じゅんようする。

上告じょうこく提起ていき方式ほうしきとう
だいさんひゃくじゅうよんじょう
 上告じょうこく提起ていきは、上告じょうこくじょうはら裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしてしなければならない。

 前条ぜんじょうにおいて準用じゅんようするだいひゃくはちじゅうはちじょうおよだいひゃくはちじゅうきゅうじょうだいこう規定きていによる裁判さいばんちょう職権しょっけんは、はら裁判所さいばんしょ裁判さいばんちょうおこなう。

上告じょうこく理由りゆう記載きさい
だいさんひゃくじゅうじょう
 上告じょうこくじょう上告じょうこく理由りゆう記載きさいがないときは、上告じょうこくじんは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる期間きかんないに、上告じょうこく理由りゆうしょはら裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしなければならない。

 上告じょうこく理由りゆうは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる方式ほうしきにより記載きさいしなければならない。

はら裁判所さいばんしょによる上告じょうこく却下きゃっか
だいさんひゃくじゅうろくじょう
 つぎ各号かくごう該当がいとうすることがあきらかであるときは、はら裁判所さいばんしょは、決定けっていで、上告じょうこく却下きゃっかしなければならない。

いち 上告じょうこく適法てきほうでその不備ふび補正ほせいすることができないとき。
 前条ぜんじょうだいいちこう規定きてい違反いはんして上告じょうこく理由りゆうしょ提出ていしゅつせず、また上告じょうこく理由りゆう記載きさいどうじょうだいこう規定きてい違反いはんしているとき。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

上告じょうこく裁判所さいばんしょによる上告じょうこく却下きゃっかとう
だいさんひゃくじゅうななじょう
 前条ぜんじょうだいいちこう各号かくごうかかげる場合ばあいには、上告じょうこく裁判所さいばんしょは、決定けっていで、上告じょうこく却下きゃっかすることができる。

 上告じょうこく裁判所さいばんしょである最高さいこう裁判所さいばんしょは、上告じょうこく理由りゆうあきらかにだいさんひゃくじゅうじょうだいいちこうおよだいこう規定きていする事由じゆう該当がいとうしない場合ばあいには、決定けっていで、上告じょうこく棄却ききゃくすることができる。

上告じょうこく受理じゅり申立もうしたて)
だいさんひゃくじゅうはちじょう
 上告じょうこくをすべき裁判所さいばんしょ最高さいこう裁判所さいばんしょである場合ばあいには、最高裁判所さいこうさいばんしょは、はら判決はんけつ最高さいこう裁判所さいばんしょ判例はんれい(これがない場合ばあいにあっては、大審院だいしんいんまた上告じょうこく裁判所さいばんしょしくは控訴こうそ裁判所さいばんしょである高等こうとう裁判所さいばんしょ判例はんれい)と相反あいはんする判断はんだんがある事件じけんその法令ほうれい解釈かいしゃくかんする重要じゅうよう事項じこうふくむものとみとめられる事件じけんについて、申立もうしたてにより、決定けっていで、上告じょうこくしんとして事件じけん受理じゅりすることができる。

 前項ぜんこう申立もうしたて(以下いか上告じょうこく受理じゅり申立もうしたて」という。)においては、さんひゃくじゅうじょうだいいちこうおよだいこう規定きていする事由じゆう理由りゆうとすることができない。

 だいいちこう場合ばあいにおいて、最高裁判所さいこうさいばんしょは、上告じょうこく受理じゅり申立もうしたての理由りゆうちゅう重要じゅうようでないとみとめるものがあるときは、これを排除はいじょすることができる。

 だいいちこう決定けっていがあった場合ばあいには、上告じょうこくがあったものとみなす。この場合ばあいにおいては、だいさんひゃくじゅうじょう規定きてい適用てきようについては、上告じょうこく受理じゅり申立もうしたての理由りゆうちゅう前項ぜんこう規定きていにより排除はいじょされたもの以外いがいのものを上告じょうこく理由りゆうとみなす。

 だいさんひゃくじゅうさんじょうからだいさんひゃくじゅうじょうまでおよだいさんひゃくじゅうろくじょうだいいちこう規定きていは、上告じょうこく受理じゅり申立もうしたてについて準用じゅんようする。

口頭こうとう弁論べんろんない上告じょうこく棄却ききゃく
だいさんひゃくじゅうきゅうじょう
 上告じょうこく裁判所さいばんしょは、上告じょうこくじょう上告じょうこく理由りゆうしょ答弁とうべんしょその書類しょるいにより、上告じょうこく理由りゆうがないとみとめるときは、口頭こうとう弁論べんろんないで、判決はんけつで、上告じょうこく棄却ききゃくすることができる。

調査ちょうさ範囲はんい
だいさんひゃくじゅうじょう
 上告じょうこく裁判所さいばんしょは、上告じょうこく理由りゆうもとづき、不服ふふく申立もうしたてがあった限度げんどにおいてのみ調査ちょうさをする。

はら判決はんけつ確定かくていした事実じじつ拘束こうそく
だいさんひゃくじゅういちじょう
 はら判決はんけつにおいて適法てきほう確定かくていした事実じじつは、上告じょうこく裁判所さいばんしょ拘束こうそくする。

 だいさんひゃくじゅういちじょうだいこう規定きていによる上告じょうこくがあった場合ばあいには、上告じょうこく裁判所さいばんしょは、はら判決はんけつにおける事実じじつ確定かくてい法律ほうりつ違反いはんしたことを理由りゆうとして、その判決はんけつ破棄はきすることができない。

職権しょっけん調査ちょうさ事項じこうについての適用てきよう除外じょがい
だいさんひゃくじゅうじょう
 ぜんじょう規定きていは、裁判所さいばんしょ職権しょっけん調査ちょうさすべき事項じこうには、適用てきようしない。

かり執行しっこう宣言せんげん
だいさんひゃくじゅうさんじょう
 上告じょうこく裁判所さいばんしょは、はら判決はんけつについて不服ふふく申立もうしたてがない部分ぶぶんかぎり、申立もうしたてにより、決定けっていで、かり執行しっこう宣言せんげんをすることができる。

最高さいこう裁判所さいばんしょへの移送いそう
だいさんひゃくじゅうよんじょう
 上告じょうこく裁判所さいばんしょである高等こうとう裁判所さいばんしょは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる事由じゆうがあるときは、決定けっていで、事件じけん最高さいこう裁判所さいばんしょ移送いそうしなければならない。

破棄はき差戻さしもどとう
だいさんひゃくじゅうじょう
 だいさんひゃくじゅうじょうだいいちこうまただいこう規定きていする事由じゆうがあるときは、上告じょうこく裁判所さいばんしょは、はら判決はんけつ破棄はきし、つぎじょう場合ばあいのぞき、事件じけんはら裁判所さいばんしょもどし、またはこれと同等どうとうほか裁判所さいばんしょ移送いそうしなければならない。高等こうとう裁判所さいばんしょ上告じょうこく裁判所さいばんしょである場合ばあいにおいて、判決はんけつ影響えいきょうおよぼすことがあきらかな法令ほうれい違反いはんがあるときも、同様どうようとする。

 上告じょうこく裁判所さいばんしょである最高さいこう裁判所さいばんしょは、だいさんひゃくじゅうじょうだいいちこうまただいこう規定きていする事由じゆうがない場合ばあいであっても、判決はんけつ影響えいきょうおよぼすことがあきらかな法令ほうれい違反いはんがあるときは、はら判決はんけつ破棄はきし、つぎじょう場合ばあいのぞき、事件じけんはら裁判所さいばんしょもどし、またはこれと同等どうとうほか裁判所さいばんしょ移送いそうすることができる。

 ぜんこう規定きていにより差戻さしもどまた移送いそうけた裁判所さいばんしょは、あらたな口頭こうとう弁論べんろんもとづき裁判さいばんをしなければならない。この場合ばあいにおいて、上告じょうこく裁判所さいばんしょ破棄はき理由りゆうとした事実じじつじょうおよ法律ほうりつじょう判断はんだんは、差戻さしもどまた移送いそうけた裁判所さいばんしょ拘束こうそくする。

 はら判決はんけつ関与かんよした裁判官さいばんかんは、前項ぜんこう裁判さいばん関与かんよすることができない。

破棄はきはん
だいさんひゃくじゅうろくじょう
 つぎかかげる場合ばあいには、上告じょうこく裁判所さいばんしょは、事件じけんについて裁判さいばんをしなければならない。

いち 確定かくていした事実じじつについて憲法けんぽうその法令ほうれい適用てきようあやまったことを理由りゆうとして判決はんけつ破棄はきする場合ばあいにおいて、事件じけんがその事実じじつもとづき裁判さいばんをするのにじゅくするとき。
 事件じけん裁判所さいばんしょ権限けんげんぞくしないことを理由りゆうとして判決はんけつ破棄はきするとき。

特別とくべつ上告じょうこく
だいさんひゃくじゅうななじょう
 高等こうとう裁判所さいばんしょ上告じょうこくしんとしてした終局しゅうきょく判決はんけつたいしては、その判決はんけつ憲法けんぽう解釈かいしゃくあやまりがあることその憲法けんぽう違反いはんがあることを理由りゆうとするときにかぎり、最高さいこう裁判所さいばんしょさら上告じょうこくをすることができる。

 前項ぜんこう上告じょうこくおよびその上告じょうこくしん訴訟そしょう手続てつづきには、その性質せいしつはんしないかぎり、だいしんまただいいちしん終局しゅうきょく判決はんけつたいする上告じょうこくおよびその上告じょうこくしん訴訟そしょう手続てつづきかんする規定きてい準用じゅんようする。この場合ばあいにおいて、だいさんひゃくじゅういちじょうだいいちこうなかはら判決はんけつ」とあるのは、「地方裁判所ちほうさいばんしょだいしんとしてした終局しゅうきょく判決はんけつだいさんひゃくじゅういちじょうだいこう規定きていによる上告じょうこくがあった場合ばあいにあっては、簡易かんい裁判所さいばんしょ終局しゅうきょく判決はんけつ)」とえるものとする。

だいさんしょう 抗告こうこく

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抗告こうこくをすることができる裁判さいばん
だいさんひゃくじゅうはちじょう
 口頭こうとう弁論べんろんないで訴訟そしょう手続てつづきかんする申立もうしたてを却下きゃっかした決定けっていまた命令めいれいたいしては、抗告こうこくをすることができる。

 決定けっていまた命令めいれいにより裁判さいばんをすることができない事項じこうについて決定けっていまた命令めいれいがされたときは、これにたいして抗告こうこくをすることができる。

受命じゅめい裁判官さいばんかんとう裁判さいばんたいする不服ふふく申立もうしたて)
だいさんひゃくじゅうきゅうじょう
 受命じゅめい裁判官さいばんかんまた受託じゅたく裁判官さいばんかん裁判さいばんたいして不服ふふくがある当事とうじしゃは、受訴裁判所さいばんしょ異議いぎ申立もうしたてをすることができる。ただし、その裁判さいばんが受訴裁判所さいばんしょ裁判さいばんであるとした場合ばあい抗告こうこくをすることができるものであるときにかぎる。

 抗告こうこくは、前項ぜんこう申立もうしたてについての裁判さいばんたいしてすることができる。

 最高さいこう裁判所さいばんしょまた高等こうとう裁判所さいばんしょが受訴裁判所さいばんしょである場合ばあいにおけるだいいちこう規定きてい適用てきようについては、どうこうただし書中しょちゅう「受訴裁判所さいばんしょ」とあるのは、「地方裁判所ちほうさいばんしょ」とする。

さい抗告こうこく
だいさんひゃくさんじゅうじょう
 抗告こうこく裁判所さいばんしょ決定けっていたいしては、その決定けってい憲法けんぽう解釈かいしゃくあやまりがあることその憲法けんぽう違反いはんがあること、また決定けってい影響えいきょうおよぼすことがあきらかな法令ほうれい違反いはんがあることを理由りゆうとするときにかぎり、さら抗告こうこくをすることができる。

控訴こうそまた上告じょうこく規定きてい準用じゅんよう
だいさんひゃくさんじゅういちじょう
 抗告こうこくおよ抗告こうこく裁判所さいばんしょ訴訟そしょう手続てつづきには、その性質せいしつはんしないかぎり、だいいちしょう規定きてい準用じゅんようする。ただし、前条ぜんじょう抗告こうこくおよびこれにかんする訴訟そしょう手続てつづきには、前章ぜんしょう規定きていちゅうだいしんまただいいちしん終局しゅうきょく判決はんけつたいする上告じょうこくおよびその上告じょうこくしん訴訟そしょう手続てつづきかんする規定きてい準用じゅんようする。

即時そくじ抗告こうこく期間きかん
だいさんひゃくさんじゅうじょう
 即時そくじ抗告こうこくは、裁判さいばん告知こくちけたからいち週間しゅうかん不変ふへん期間きかんないにしなければならない。

はら裁判所さいばんしょとうによる更正こうせい
だいさんひゃくさんじゅうさんじょう
 はら裁判さいばんをした裁判所さいばんしょまた裁判さいばんちょうは、抗告こうこく理由りゆうがあるとみとめるときは、その裁判さいばん更正こうせいしなければならない。

はら裁判さいばん執行しっこう停止ていし
だいさんひゃくさんじゅうよんじょう
 抗告こうこくは、即時そくじ抗告こうこくかぎり、執行しっこう停止ていし効力こうりょくゆうする。

 抗告こうこく裁判所さいばんしょまたげん裁判さいばんをした裁判所さいばんしょしくは裁判官さいばんかんは、抗告こうこくについて決定けっていがあるまで、はら裁判さいばん執行しっこう停止ていしその必要ひつよう処分しょぶんめいずることができる。

口頭こうとう弁論べんろんわるしんひろ
だいさんひゃくさんじゅうじょう
 抗告こうこく裁判所さいばんしょは、抗告こうこくについて口頭こうとう弁論べんろんをしない場合ばあいには、抗告こうこくじんその利害りがい関係かんけいじんしんひろすることができる。

特別とくべつ抗告こうこく
だいさんひゃくさんじゅうろくじょう
 地方裁判所ちほうさいばんしょおよ簡易かんい裁判所さいばんしょ決定けっていおよ命令めいれい不服ふふくもうてることができないものならびに高等こうとう裁判所さいばんしょ決定けっていおよ命令めいれいたいしては、その裁判さいばん憲法けんぽう解釈かいしゃくあやまりがあることその憲法けんぽう違反いはんがあることを理由りゆうとするときに、最高さいこう裁判所さいばんしょとく抗告こうこくをすることができる。

 前項ぜんこう抗告こうこくは、裁判さいばん告知こくちけたからにち不変ふへん期間きかんないにしなければならない。

 だいいちこう抗告こうこくおよびこれにかんする訴訟そしょう手続てつづきには、その性質せいしつはんしないかぎり、だいさんひゃくじゅうななじょうだいいちこう上告じょうこくおよびその上告じょうこくしん訴訟そしょう手続てつづきかんする規定きていならびにだいさんひゃくさんじゅうよんじょうだいこう規定きてい準用じゅんようする。

許可きょか抗告こうこく
だいさんひゃくさんじゅうななじょう
 高等こうとう裁判所さいばんしょ決定けっていおよ命令めいれいだいさんひゃくさんじゅうじょう抗告こうこくおよ次項じこう申立もうしたてについての決定けっていおよ命令めいれいのぞく。)にたいしては、前条ぜんじょうだいいちこう規定きていによる場合ばあいのほか、その高等こうとう裁判所さいばんしょ次項じこう規定きていにより許可きょかしたときにかぎり、最高さいこう裁判所さいばんしょとく抗告こうこくをすることができる。ただし、その裁判さいばん地方裁判所ちほうさいばんしょ裁判さいばんであるとした場合ばあい抗告こうこくをすることができるものであるときにかぎる。

 前項ぜんこう高等こうとう裁判所さいばんしょは、どうこう裁判さいばんについて、最高さいこう裁判所さいばんしょ判例はんれい(これがない場合ばあいにあっては、大審院だいしんいんまた上告じょうこく裁判所さいばんしょしくは抗告こうこく裁判所さいばんしょである高等こうとう裁判所さいばんしょ判例はんれい)と相反あいはんする判断はんだんがある場合ばあいその法令ほうれい解釈かいしゃくかんする重要じゅうよう事項じこうふくむとみとめられる場合ばあいには、申立もうしたてにより、決定けっていで、抗告こうこく許可きょかしなければならない。

 前項ぜんこう申立もうしたてにおいては、前条ぜんじょうだいいちこう規定きていする事由じゆう理由りゆうとすることはできない。

 だいこう規定きていによる許可きょかがあった場合ばあいには、だいいちこう抗告こうこくがあったものとみなす。

 最高裁判所さいこうさいばんしょは、裁判さいばん影響えいきょうおよぼすことがあきらかな法令ほうれい違反いはんがあるときは、はら裁判さいばん破棄はきすることができる。

 だいさんひゃくじゅうさんじょうだいさんひゃくじゅうじょうおよ前条ぜんじょうだいこう規定きていだいこう申立もうしたてについて、だいさんひゃくじゅうはちじょうだいさんこう規定きていだいこう規定きていによる許可きょかをする場合ばあいについて、どうじょうだいよんこう後段こうだんおよ前条ぜんじょうだいさんこう規定きていだいこう規定きていによる許可きょかがあった場合ばあいについて準用じゅんようする。

だいよんへん 再審さいしん

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再審さいしん事由じゆう
だいさんひゃくさんじゅうはちじょう
 つぎかかげる事由じゆうがある場合ばあいには、確定かくていした終局しゅうきょく判決はんけつたいし、再審さいしんうったえをもって、不服ふふくもうてることができる。ただし、当事とうじしゃ控訴こうそしくは上告じょうこくによりその事由じゆう主張しゅちょうしたとき、またはこれをりながら主張しゅちょうしなかったときは、このかぎりでない。

いち 法律ほうりつしたがって判決はんけつ裁判所さいばんしょ構成こうせいしなかったこと。
 法律ほうりつにより判決はんけつ関与かんよすることができない裁判官さいばんかん判決はんけつ関与かんよしたこと。
さん 法定ほうてい代理だいりけん訴訟そしょう代理だいりけんまた代理人だいりにん訴訟そしょう行為こういをするのに必要ひつような授権をいたこと。
よん 判決はんけつ関与かんよした裁判官さいばんかん事件じけんについて職務しょくむかんするつみおかしたこと。
 刑事けいじじょうばっすべき他人たにん行為こういにより、自白じはくをするにいたったことまた判決はんけつ影響えいきょうおよぼすべき攻撃こうげきしくは防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつすることをさまたげられたこと。
ろく 判決はんけつ証拠しょうことなった文書ぶんしょその物件ぶっけん偽造ぎぞうまた変造へんぞうされたものであったこと。
なな 証人しょうにん鑑定かんていじん通訳つうやくじんまた宣誓せんせいした当事とうじしゃしくは法定ほうてい代理人だいりにん虚偽きょぎ陳述ちんじゅつ判決はんけつ証拠しょうことなったこと。
はち 判決はんけつ基礎きそとなった民事みんじしくは刑事けいじ判決はんけつその裁判さいばんまた行政ぎょうせい処分しょぶんこう裁判さいばんまた行政ぎょうせい処分しょぶんにより変更へんこうされたこと。
きゅう 判決はんけつ影響えいきょうおよぼすべき重要じゅうよう事項じこうについて判断はんだん遺脱いだつがあったこと。
じゅう 不服ふふく申立もうしたてにかか判決はんけつまえ確定かくていした判決はんけつ抵触ていしょくすること。

 前項ぜんこうだいよんごうからだいななごうまでにかかげる事由じゆうがある場合ばあいにおいては、ばっすべき行為こういについて、有罪ゆうざい判決はんけつしくは過料かりょう裁判さいばん確定かくていしたとき、また証拠しょうこがないという理由りゆう以外いがい理由りゆうにより有罪ゆうざい確定かくてい判決はんけつしくは過料かりょう確定かくてい裁判さいばんることができないときにかぎり、再審さいしんうったえを提起ていきすることができる。

 控訴こうそしんにおいて事件じけんにつき本案ほんあん判決はんけつをしたときは、だいいちしん判決はんけつたい再審さいしんうったえを提起ていきすることができない。

だいさんひゃくさんじゅうきゅうじょう 判決はんけつ基本きほんとなる裁判さいばんについて前条ぜんじょうだいいちこう規定きていする事由じゆうがある場合ばあいどうこうだいよんごうからだいななごうまでにかかげる事由じゆうがある場合ばあいにあっては、どうじょうだいこう規定きていする場合ばあいかぎる。)には、その裁判さいばんたい独立どくりつした不服ふふく申立もうしたての方法ほうほうさだめているときにおいても、その事由じゆう判決はんけつたいする再審さいしん理由りゆうとすることができる。

管轄かんかつ裁判所さいばんしょ
だいさんひゃくよんじゅうじょう
 再審さいしんうったえは、不服ふふく申立もうしたてにかか判決はんけつをした裁判所さいばんしょ管轄かんかつ専属せんぞくする。

 しんきゅうことにする裁判所さいばんしょ同一どういつ事件じけんについてした判決はんけつたいする再審さいしんうったえは、上級じょうきゅう裁判所さいばんしょあわせて管轄かんかつする。

再審さいしん訴訟そしょう手続てつづき
だいさんひゃくよんじゅういちじょう
 再審さいしん訴訟そしょう手続てつづきには、その性質せいしつはんしないかぎり、かくしんきゅうにおける訴訟そしょう手続てつづきかんする規定きてい準用じゅんようする。

再審さいしん期間きかん
だいさんひゃくよんじゅうじょう
 再審さいしんうったえは、当事とうじしゃ判決はんけつ確定かくていしたのち再審さいしん事由じゆうったからさんじゅうにち不変ふへん期間きかんない提起ていきしなければならない。

 判決はんけつ確定かくていした再審さいしん事由じゆう判決はんけつ確定かくていしたのちしょうじた場合ばあいにあっては、その事由じゆう発生はっせいした)からねん経過けいかしたときは、再審さいしんうったえを提起ていきすることができない。

 ぜんこう規定きていは、だいさんひゃくさんじゅうはちじょうだいいちこうだいさんごうかかげる事由じゆうのうち代理だいりけんいたことおよどうこうだいじゅうごうかかげる事由じゆう理由りゆうとする再審さいしんうったえには、適用てきようしない。

再審さいしん訴状そじょう記載きさい事項じこう
だいさんひゃくよんじゅうさんじょう
 再審さいしん訴状そじょうには、つぎかかげる事項じこう記載きさいしなければならない。

いち 当事とうじしゃおよ法定ほうてい代理人だいりにん
 不服ふふく申立もうしたてにかか判決はんけつ表示ひょうじおよびその判決はんけつたいして再審さいしんもとめるむね
さん 不服ふふく理由りゆう

不服ふふく理由りゆう変更へんこう
だいさんひゃくよんじゅうよんじょう
 再審さいしんうったえを提起ていきした当事とうじしゃは、不服ふふく理由りゆう変更へんこうすることができる。

再審さいしんうったえの却下きゃっかとう
だいさんひゃくよんじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、再審さいしんうったえが適法てきほうである場合ばあいには、決定けっていで、これを却下きゃっかしなければならない。

 裁判所さいばんしょは、再審さいしん事由じゆうがない場合ばあいには、決定けっていで、再審さいしん請求せいきゅう棄却ききゃくしなければならない。

 前項ぜんこう決定けってい確定かくていしたときは、同一どういつ事由じゆう不服ふふく理由りゆうとして、さら再審さいしんうったえを提起ていきすることができない。

再審さいしん開始かいし決定けってい
だいさんひゃくよんじゅうろくじょう
 裁判所さいばんしょは、再審さいしん事由じゆうがある場合ばあいには、再審さいしん開始かいし決定けっていをしなければならない。

 裁判所さいばんしょは、前項ぜんこう決定けっていをする場合ばあいには、相手方あいてがたしんひろしなければならない。

即時そくじ抗告こうこく
だいさんひゃくよんじゅうななじょう
 だいさんひゃくよんじゅうじょうだいいちこうおよだいこうならびに前条ぜんじょうだいいちこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

本案ほんあん審理しんりおよ裁判さいばん
だいさんひゃくよんじゅうはちじょう
 裁判所さいばんしょは、再審さいしん開始かいし決定けってい確定かくていした場合ばあいには、不服ふふく申立もうしたての限度げんどで、本案ほんあん審理しんりおよ裁判さいばんをする。

 裁判所さいばんしょは、前項ぜんこう場合ばあいにおいて、判決はんけつ正当せいとうとするときは、再審さいしん請求せいきゅう棄却ききゃくしなければならない。

 裁判所さいばんしょは、前項ぜんこう場合ばあいのぞき、判決はんけつしたうえさら裁判さいばんをしなければならない。

決定けっていまた命令めいれいたいする再審さいしん
だいさんひゃくよんじゅうきゅうじょう
 即時そくじ抗告こうこくをもって不服ふふくもうてることができる決定けっていまた命令めいれい確定かくていしたものにたいしては、再審さいしん申立もうしたてをすることができる。

 だいさんひゃくさんじゅうはちじょうから前条ぜんじょうまでの規定きていは、前項ぜんこう申立もうしたてについて準用じゅんようする。

だいへん 手形てがた訴訟そしょうおよ小切手こぎって訴訟そしょうかんするとくそく

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手形てがた訴訟そしょう要件ようけん
だいさんひゃくじゅうじょう
 手形てがたによる金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅうおよびこれに附帯ふたいする法定ほうてい利率りりつによる損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう目的もくてきとするうったえについては、手形てがた訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめることができる。

 手形てがた訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめるむね申述もうしのべは、訴状そじょう記載きさいしてしなければならない。

反訴はんそ禁止きんし
だいさんひゃくじゅういちじょう
 手形てがた訴訟そしょうにおいては、反訴はんそ提起ていきすることができない。

証拠しょうこ調しらべの制限せいげん
だいさんひゃくじゅうじょう
 手形てがた訴訟そしょうにおいては、証拠しょうこ調しらべは、書証しょしょうかぎりすることができる。

 文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれいまた送付そうふ嘱託しょくたくは、することができない。対照たいしょうようきょうすべき筆跡ひっせきまた印影いんえいそなえる物件ぶっけん提出ていしゅつ命令めいれいまた送付そうふ嘱託しょくたくについても、同様どうようとする。

 文書ぶんしょ成立せいりつ真否しんぴまた手形てがた提示ていじかんする事実じじつについては、申立もうしたてにより、当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんすることができる。

 証拠しょうこ調しらべの嘱託しょくたくは、することができない。だいひゃくはちじゅうろくじょう規定きていによる調査ちょうさ嘱託しょくたくについても、同様どうようとする。

 ぜん各項かくこう規定きていは、裁判所さいばんしょ職権しょっけん調査ちょうさすべき事項じこうには、適用てきようしない。

通常つうじょう手続てつづきへの移行いこう
だいさんひゃくじゅうさんじょう
 原告げんこくは、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけついたるまで、被告ひこく承諾しょうだくようしないで、訴訟そしょう通常つうじょう手続てつづき移行いこうさせるむね申述もうしのべをすることができる。

 訴訟そしょうは、前項ぜんこう申述もうしのべがあったときに、通常つうじょう手続てつづき移行いこうする。

 前項ぜんこう場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、ただちに、訴訟そしょう通常つうじょう手続てつづき移行いこうしたむね記載きさいした書面しょめん被告ひこく送付そうふしなければならない。ただし、だいいちこう申述もうしのべ被告ひこく出頭しゅっとうした期日きじつにおいて口頭こうとうでされたものであるときは、その送付そうふをすることをようしない。

 だいこう場合ばあいには、手形てがた訴訟そしょうのためすで指定していした期日きじつは、通常つうじょう手続てつづきのために指定していしたものとみなす。

口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつ
だいさんひゃくじゅうよんじょう
 裁判所さいばんしょは、被告ひこく口頭こうとう弁論べんろんにおいて原告げんこく主張しゅちょうした事実じじつあらそわず、そのなんらの防御ぼうぎょ方法ほうほうをも提出ていしゅつしない場合ばあいには、前条ぜんじょうだいさんこう規定きていによる書面しょめん送付そうふまえであっても、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつすることができる。

口頭こうとう弁論べんろんないうったえの却下きゃっか
だいさんひゃくじゅうじょう
 請求せいきゅう全部ぜんぶまた一部いちぶ手形てがた訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんをすることができないものであるときは、裁判所さいばんしょは、口頭こうとう弁論べんろんないで、判決はんけつで、うったえの全部ぜんぶまた一部いちぶ却下きゃっかすることができる。

 前項ぜんこう場合ばあいにおいて、原告げんこく判決はんけつしょ送達そうたつけたから週間しゅうかん以内いないどうこう請求せいきゅうについて通常つうじょう手続てつづきによりうったえを提起ていきしたときは、だいひゃくよんじゅうななじょう規定きてい適用てきようについては、そのうったえの提起ていきは、まえうったえの提起ていきときにしたものとみなす。

控訴こうそ禁止きんし
だいさんひゃくじゅうろくじょう
 手形てがた訴訟そしょう終局しゅうきょく判決はんけつたいしては、控訴こうそをすることができない。ただし、前条ぜんじょうだいいちこう判決はんけつのぞき、うったえを却下きゃっかした判決はんけつたいしては、このかぎりでない。

異議いぎ申立もうしたて)
だいさんひゃくじゅうななじょう
 手形てがた訴訟そしょう終局しゅうきょく判決はんけつたいしては、うったえを却下きゃっかした判決はんけつのぞき、判決はんけつしょまただいひゃくじゅうよんじょうだいこう調書ちょうしょ送達そうたつけたから週間しゅうかん不変ふへん期間きかんないに、その判決はんけつをした裁判所さいばんしょ異議いぎもうてることができる。ただし、その期間きかんまえもうてた異議いぎ効力こうりょくさまたげない。

異議いぎ申立もうしたてけん放棄ほうき
だいさんひゃくじゅうはちじょう
 異議いぎもうてる権利けんりは、その申立もうしたてまえかぎり、放棄ほうきすることができる。

口頭こうとう弁論べんろんない異議いぎ却下きゃっか
だいさんひゃくじゅうきゅうじょう
 異議いぎ適法てきほうでその不備ふび補正ほせいすることができないときは、裁判所さいばんしょは、口頭こうとう弁論べんろんないで、判決はんけつで、異議いぎ却下きゃっかすることができる。

異議いぎ取下とりさげ)
だいさんひゃくろくじゅうじょう
 異議いぎは、通常つうじょう手続てつづきによるだいいちしん終局しゅうきょく判決はんけつがあるまで、げることができる。

 異議いぎ取下とりさげは、相手方あいてがた同意どういなければ、その効力こうりょくしょうじない。

 だいひゃくろくじゅういちじょうだいさんこうからだいこうまで、だいひゃくろくじゅうじょうだいいちこうおよだいひゃくろくじゅうさんじょう規定きていは、異議いぎ取下とりさげについて準用じゅんようする。

異議いぎ手続てつづき
だいさんひゃくろくじゅういちじょう
 適法てきほう異議いぎがあったときは、訴訟そしょうは、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつまえ程度ていどふくする。この場合ばあいにおいては、通常つうじょう手続てつづきによりその審理しんりおよ裁判さいばんをする。

異議いぎ判決はんけつ
だいさんひゃくろくじゅうじょう
 前条ぜんじょう規定きていによってすべき判決はんけつ手形てがた訴訟そしょう判決はんけつ符合ふごうするときは、裁判所さいばんしょは、手形てがた訴訟そしょう判決はんけつ認可にんかしなければならない。ただし、手形てがた訴訟そしょう判決はんけつ手続てつづき法律ほうりつ違反いはんしたものであるときは、このかぎりでない。

 前項ぜんこう規定きていにより手形てがた訴訟そしょう判決はんけつ認可にんかする場合ばあいのぞき、前条ぜんじょう規定きていによってすべき判決はんけつにおいては、手形てがた訴訟そしょう判決はんけつさなければならない。

異議いぎ判決はんけつにおける訴訟そしょう費用ひよう
だいさんひゃくろくじゅうさんじょう
 異議いぎ却下きゃっかし、また手形てがた訴訟そしょうにおいてした訴訟そしょう費用ひよう負担ふたん裁判さいばん認可にんかする場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、異議いぎ申立もうしたてがあったのち訴訟そしょう費用ひよう負担ふたんについて裁判さいばんをしなければならない。

 だいひゃくじゅうはちじょうだいよんこう規定きていは、手形てがた訴訟そしょう判決はんけつたい適法てきほう異議いぎ申立もうしたてがあった場合ばあいについて準用じゅんようする。

事件じけん差戻さしもどし)
だいさんひゃくろくじゅうよんじょう
 控訴こうそ裁判所さいばんしょは、異議いぎ不適ふてきほうとして却下きゃっかしただいいちしん判決はんけつ場合ばあいには、事件じけんだいいちしん裁判所さいばんしょもどさなければならない。ただし、事件じけんにつきさら弁論べんろんをする必要ひつようがないときは、このかぎりでない。

うった提起ていきまえ和解わかい手続てつづきから手形てがた訴訟そしょうへの移行いこう
だいさんひゃくろくじゅうじょう
 だいひゃくななじゅうじょうだいこう後段こうだん規定きていにより提起ていきがあったものとみなされるうったえについては、手形てがた訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめるむね申述もうしのべは、どうこう前段ぜんだん申立もうしたてのさいにしなければならない。

督促とくそく手続てつづきから手形てがた訴訟そしょうへの移行いこう
だいさんひゃくろくじゅうろくじょう
 だいさんひゃくきゅうじゅうじょうまただいさんひゃくきゅうじゅうななじょうだいさんこう規定きていにより提起ていきがあったものとみなされるうったえについては、手形てがた訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめるむね申述もうしのべは、支払しはらい督促とくそく申立もうしたてのさいにしなければならない。

 だいさんひゃくきゅうじゅういちじょうだいいちこう規定きていによるかり執行しっこう宣言せんげんがあったときは、前項ぜんこう申述もうしのべは、なかったものとみなす。

小切手こぎって訴訟そしょう
だいさんひゃくろくじゅうななじょう
 小切手こぎってによる金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅうおよびこれに附帯ふたいする法定ほうてい利率りりつによる損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう目的もくてきとするうったえについては、小切手こぎって訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめることができる。

 だいさんひゃくじゅうじょうだいこうおよだいさんひゃくじゅういちじょうから前条ぜんじょうまでの規定きていは、小切手こぎって訴訟そしょうかんして準用じゅんようする。

だいろくへん 少額しょうがく訴訟そしょうかんするとくそく

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少額しょうがく訴訟そしょう要件ようけんとう
だいさんひゃくろくじゅうはちじょう
 簡易かんい裁判所さいばんしょにおいては、訴訟そしょう目的もくてき価額かがくろくじゅうまんえん以下いか金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅう目的もくてきとするうったえについて、少額しょうがく訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめることができる。ただし、同一どういつ簡易かんい裁判所さいばんしょにおいて同一どういつとし最高さいこう裁判所さいばんしょ規則きそくさだめる回数かいすうえてこれをもとめることができない。

 少額しょうがく訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめるむね申述もうしのべは、うったえの提起ていきさいにしなければならない。

 前項ぜんこうさるじゅつをするには、当該とうがいうったえを提起ていきする簡易かんい裁判所さいばんしょにおいてそのとし少額しょうがく訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめた回数かいすうとどなければならない。

反訴はんそ禁止きんし
だいさんひゃくろくじゅうきゅうじょう
 少額しょうがく訴訟そしょうにおいては、反訴はんそ提起ていきすることができない。

一期いっき審理しんり原則げんそく
だいさんひゃくななじゅうじょう
 少額しょうがく訴訟そしょうにおいては、特別とくべつ事情じじょうがある場合ばあいのぞき、最初さいしょにすべき口頭こうとう弁論べんろん期日きじつにおいて、審理しんり完了かんりょうしなければならない。

 当事とうじしゃは、前項ぜんこう期日きじつまえまたはその期日きじつにおいて、すべての攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつしなければならない。ただし、口頭こうとう弁論べんろん続行ぞっこうされたときは、このかぎりでない。

証拠しょうこ調しらべの制限せいげん
だいさんひゃくななじゅういちじょう
 証拠しょうこ調しらべは、即時そくじ調しらべることができる証拠しょうこかぎりすることができる。

証人しょうにんとう尋問じんもん
だいさんひゃくななじゅうじょう
 証人しょうにん尋問じんもんは、宣誓せんせいをさせないですることができる。

 証人しょうにんまた当事とうじしゃ本人ほんにん尋問じんもんは、裁判官さいばんかん相当そうとうみとめる順序じゅんじょでする。

 裁判所さいばんしょは、相当そうとうみとめるときは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるところにより、裁判所さいばんしょおよ当事とうじしゃ双方そうほう証人しょうにんとが音声おんせい送受信そうじゅしんにより同時どうじ通話つうわをすることができる方法ほうほうによって、証人しょうにん尋問じんもんすることができる。

通常つうじょう手続てつづきへの移行いこう
だいさんひゃくななじゅうさんじょう
 被告ひこくは、訴訟そしょう通常つうじょう手続てつづき移行いこうさせるむね申述もうしのべをすることができる。ただし、被告ひこく最初さいしょにすべき口頭こうとう弁論べんろん期日きじつにおいて弁論べんろんをし、またはその期日きじつ終了しゅうりょうしたのちは、このかぎりでない。

 訴訟そしょうは、前項ぜんこう申述もうしのべがあったときに、通常つうじょう手続てつづき移行いこうする。

 つぎかかげる場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、訴訟そしょう通常つうじょう手続てつづきにより審理しんりおよ裁判さいばんをするむね決定けっていをしなければならない。

いち だいさんひゃくろくじゅうはちじょうだいいちこう規定きてい違反いはんして少額しょうがく訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめたとき。
 だいさんひゃくろくじゅうはちじょうだいさんこう規定きていによってすべき届出とどけで相当そうとう期間きかんさだめてめいじた場合ばあいにおいて、その届出とどけでがないとき。
さん 公示こうじ送達そうたつによらなければ被告ひこくたいする最初さいしょにすべき口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ呼出よびだしをすることができないとき。
よん 少額しょうがく訴訟そしょうにより審理しんりおよ裁判さいばんをするのを相当そうとうでないとみとめるとき。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、不服ふふくもうてることができない。

 訴訟そしょう通常つうじょう手続てつづき移行いこうしたときは、少額しょうがく訴訟そしょうのためすで指定していした期日きじつは、通常つうじょう手続てつづきのために指定していしたものとみなす。

判決はんけつ言渡いいわたし)
だいさんひゃくななじゅうよんじょう
 判決はんけつ言渡いいわたしは、相当そうとうでないとみとめる場合ばあいのぞき、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつただちにする。

 前項ぜんこう場合ばあいには、判決はんけつ言渡いいわたしは、判決はんけつしょ原本げんぽんもとづかないですることができる。この場合ばあいにおいては、だいひゃくじゅうよんじょうだいこうおよだいひゃくじゅうじょう規定きてい準用じゅんようする。

判決はんけつによる支払しはらい猶予ゆうよ
だいさんひゃくななじゅうじょう
 裁判所さいばんしょは、請求せいきゅう認容にんようする判決はんけつをする場合ばあいにおいて、被告ひこく資力しりょくその事情じじょう考慮こうりょしてとく必要ひつようがあるとみとめるときは、判決はんけつ言渡いいわたしのからさんねんえない範囲はんいないにおいて、認容にんようする請求せいきゅうかか金銭きんせん支払しはらいについて、その時期じきさだしくは分割ぶんかつはらいさだめをし、またはこれとあわせて、その時期じきさだめにしたが支払しはらいをしたとき、しくはその分割ぶんかつはらいさだめによる期限きげん利益りえき次項じこう規定きていによるさだめによりうしなうことなく支払しはらいをしたときはうった提起ていき遅延ちえん損害そんがいきん支払しはらい義務ぎむ免除めんじょするむねさだめをすることができる。

 前項ぜんこう分割ぶんかつはらいさだめをするときは、被告ひこく支払しはらいおこたった場合ばあいにおける期限きげん利益りえき喪失そうしつについてのさだめをしなければならない。

 ぜんこう規定きていによるさだめにかんする裁判さいばんたいしては、不服ふふくもうてることができない。

かり執行しっこう宣言せんげん
だいさんひゃくななじゅうろくじょう
 請求せいきゅう認容にんようする判決はんけつについては、裁判所さいばんしょは、職権しょっけんで、担保たんぽてて、またてないでかり執行しっこうをすることができることを宣言せんげんしなければならない。

 だいななじゅうろくじょうだいななじゅうななじょうだいななじゅうきゅうじょうおよだいはちじゅうじょう規定きていは、前項ぜんこう担保たんぽについて準用じゅんようする。

控訴こうそ禁止きんし
だいさんひゃくななじゅうななじょう
 少額しょうがく訴訟そしょう終局しゅうきょく判決はんけつたいしては、控訴こうそをすることができない。

異議いぎ
だいさんひゃくななじゅうはちじょう
 少額しょうがく訴訟そしょう終局しゅうきょく判決はんけつたいしては、判決はんけつしょまただいひゃくじゅうよんじょうだいこうだいさんひゃくななじゅうよんじょうだいこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の調書ちょうしょ送達そうたつけたから週間しゅうかん不変ふへん期間きかんないに、その判決はんけつをした裁判所さいばんしょ異議いぎもうてることができる。ただし、その期間きかんまえもうてた異議いぎ効力こうりょくさまたげない。

 だいさんひゃくじゅうはちじょうからだいさんひゃくろくじゅうじょうまでの規定きていは、前項ぜんこう異議いぎについて準用じゅんようする。

異議いぎ審理しんりおよ裁判さいばん
だいさんひゃくななじゅうきゅうじょう
 適法てきほう異議いぎがあったときは、訴訟そしょうは、口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつまえ程度ていどふくする。この場合ばあいにおいては、通常つうじょう手続てつづきによりその審理しんりおよ裁判さいばんをする。

 だいさんひゃくろくじゅうじょうだいさんひゃくろくじゅうさんじょうだいさんひゃくろくじゅうきゅうじょうだいさんひゃくななじゅうじょうだいこうおよだいさんひゃくななじゅうじょう規定きていは、前項ぜんこう審理しんりおよ裁判さいばんについて準用じゅんようする。

異議いぎ判決はんけつたいする不服ふふく申立もうしたて)
だいさんひゃくはちじゅうじょう
 だいさんひゃくななじゅうはちじょうだいこうにおいて準用じゅんようするだいさんひゃくじゅうきゅうじょうまた前条ぜんじょうだいいちこう規定きていによってした終局しゅうきょく判決はんけつたいしては、控訴こうそをすることができない。

 だいさんひゃくじゅうななじょう規定きていは、前項ぜんこう終局しゅうきょく判決はんけつについて準用じゅんようする。

過料かりょう
だいさんひゃくはちじゅういちじょう
 少額しょうがく訴訟そしょうによる審理しんりおよ裁判さいばんもとめたものだいさんひゃくろくじゅうはちじょうだいさんこう回数かいすうについて虚偽きょぎ届出とどけでをしたときは、裁判所さいばんしょは、決定けっていで、じゅうまんえん以下いか過料かりょうしょする。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

 だいひゃくはちじゅうきゅうじょう規定きていは、だいいちこう規定きていによる過料かりょう裁判さいばんについて準用じゅんようする。

だいななへん 督促とくそく手続てつづき

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支払しはらい督促とくそく要件ようけん
だいさんひゃくはちじゅうじょう
 金銭きんせんその代替だいたいぶつまた有価ゆうか証券しょうけん一定いってい数量すうりょう給付きゅうふ目的もくてきとする請求せいきゅうについては、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、債権さいけんしゃ申立もうしたてにより、支払しはらい督促とくそくはっすることができる。ただし、日本にっぽんにおいて公示こうじ送達そうたつによらないでこれを送達そうたつすることができる場合ばあいかぎる。

支払しはらい督促とくそく申立もうしたて)
だいさんひゃくはちじゅうさんじょう
 支払しはらい督促とくそく申立もうしたては、債務さいむしゃ普通ふつう裁判さいばんせき所在地しょざいち管轄かんかつする簡易かんい裁判所さいばんしょ裁判所さいばんしょ書記官しょきかんたいしてする。

 つぎ各号かくごうかかげる請求せいきゅうについての支払しはらい督促とくそく申立もうしたては、それぞれ当該とうがい各号かくごうさだめる管轄かんかつする簡易かんい裁判所さいばんしょ裁判所さいばんしょ書記官しょきかんたいしてもすることができる。

いち 事務所じむしょまた営業えいぎょうしょゆうするものたいする請求せいきゅうでその事務所じむしょまた営業えいぎょうしょにおける業務ぎょうむかんするもの

当該とうがい事務所じむしょまた営業えいぎょうしょ所在地しょざいち

 手形てがたまた小切手こぎってによる金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅうおよびこれに附帯ふたいする請求せいきゅう

手形てがたまた小切手こぎって支払しはらい

うったえにかんする規定きてい準用じゅんよう
だいさんひゃくはちじゅうよんじょう
 支払しはらい督促とくそく申立もうしたてには、その性質せいしつはんしないかぎり、うったえにかんする規定きてい準用じゅんようする。

申立もうしたての却下きゃっか
だいさんひゃくはちじゅうじょう
 支払しはらい督促とくそく申立もうしたてがだいさんひゃくはちじゅうじょうしくはだいさんひゃくはちじゅうさんじょう規定きてい違反いはんするとき、また申立もうしたての趣旨しゅしから請求せいきゅう理由りゆうがないことがあきらかなときは、その申立もうしたてを却下きゃっかしなければならない。請求せいきゅう一部いちぶにつき支払しはらい督促とくそくはっすることができない場合ばあいにおけるその一部いちぶについても、同様どうようとする。

 前項ぜんこう規定きていによる処分しょぶんは、相当そうとうみとめる方法ほうほう告知こくちすることによって、その効力こうりょくしょうずる。

 前項ぜんこう処分しょぶんたいする異議いぎ申立もうしたては、その告知こくちけたからいち週間しゅうかん不変ふへん期間きかんないにしなければならない。

 前項ぜんこう異議いぎ申立もうしたてについての裁判さいばんたいしては、不服ふふくもうてることができない。

支払しはらい督促とくそくはつづけとう
だいさんひゃくはちじゅうろくじょう
 支払しはらい督促とくそくは、債務さいむしゃしんひろしないではっする。

 債務さいむしゃは、支払しはらい督促とくそくたいし、これをはっした裁判所さいばんしょ書記官しょきかん所属しょぞくする簡易かんい裁判所さいばんしょ督促とくそく異議いぎ申立もうしたてをすることができる。

支払しはらい督促とくそく記載きさい事項じこう
だいさんひゃくはちじゅうななじょう
 支払しはらい督促とくそくには、つぎかかげる事項じこう記載きさいし、かつ、債務さいむしゃ支払しはらい督促とくそく送達そうたつけたから週間しゅうかん以内いない督促とくそく異議いぎ申立もうしたてをしないときは債権さいけんしゃ申立もうしたてによりかり執行しっこう宣言せんげんをするむね付記ふきしなければならない。

いち だいさんひゃくはちじゅうじょう給付きゅうふめいずるむね
 請求せいきゅう趣旨しゅしおよ原因げんいん
さん 当事とうじしゃおよ法定ほうてい代理人だいりにん

支払しはらい督促とくそく送達そうたつ
だいさんひゃくはちじゅうはちじょう
 支払しはらい督促とくそくは、債務さいむしゃ送達そうたつしなければならない。

 支払しはらい督促とくそく効力こうりょくは、債務さいむしゃ送達そうたつされたときしょうずる。

 債権さいけんしゃもう場所ばしょ債務さいむしゃ住所じゅうしょ居所きょしょ営業えいぎょうしょしくは事務所じむしょまた就業しゅうぎょう場所ばしょがないため、支払しはらい督促とくそく送達そうたつすることができないときは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、そのむね債権さいけんしゃ通知つうちしなければならない。この場合ばあいにおいて、債権さいけんしゃ通知つうちけたからがつ不変ふへん期間きかんないにその申出もうしでかか場所ばしょ以外いがい送達そうたつをすべき場所ばしょさるをしないときは、支払しはらい督促とくそく申立もうしたてをげたものとみなす。

支払しはらい督促とくそく更正こうせい
だいさんひゃくはちじゅうきゅうじょう
 だいななじゅうよんじょうだいいちこうおよだいこう規定きていは、支払しはらい督促とくそくについて準用じゅんようする。

 かり執行しっこう宣言せんげん適法てきほう督促とくそく異議いぎ申立もうしたてがあったときは、前項ぜんこうにおいて準用じゅんようするだいななじゅうよんじょうだいいちこう規定きていによる更正こうせい処分しょぶんたいする異議いぎ申立もうしたては、することができない。

かり執行しっこう宣言せんげんまえ督促とくそく異議いぎ
だいさんひゃくきゅうじゅうじょう
 かり執行しっこう宣言せんげんまえ適法てきほう督促とくそく異議いぎ申立もうしたてがあったときは、支払しはらい督促とくそくは、その督促とくそく異議いぎ限度げんど効力こうりょくうしなう。

かり執行しっこう宣言せんげん
だいさんひゃくきゅうじゅういちじょう
 債務さいむしゃ支払しはらい督促とくそく送達そうたつけたから週間しゅうかん以内いない督促とくそく異議いぎ申立もうしたてをしないときは、裁判所さいばんしょ書記官しょきかんは、債権さいけんしゃ申立もうしたてにより、支払しはらい督促とくそく手続てつづき費用ひようがく付記ふきしてかり執行しっこう宣言せんげんをしなければならない。ただし、その宣言せんげんまえ督促とくそく異議いぎ申立もうしたてがあったときは、このかぎりでない。

 かり執行しっこう宣言せんげんは、支払しはらい督促とくそく記載きさいし、これを当事とうじしゃ送達そうたつしなければならない。

 だいさんひゃくはちじゅうじょうだいこうだいさんこう規定きていは、だいいちこう申立もうしたてを却下きゃっかする処分しょぶんおよびこれにたいする異議いぎ申立もうしたてについて準用じゅんようする。

 前項ぜんこう異議いぎ申立もうしたてについての裁判さいばんたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

 だいひゃくろくじゅうじょうおよだいさんひゃくはちじゅうはちじょうだいこう規定きていは、だいいちこうかり執行しっこう宣言せんげんについて準用じゅんようする。

期間きかんによる支払しはらい督促とくそく失効しっこう
だいさんひゃくきゅうじゅうじょう
 債権さいけんしゃかり執行しっこう宣言せんげん申立もうしたてをすることができるときからさんじゅうにち以内いないにその申立もうしたてをしないときは、支払しはらい督促とくそくは、その効力こうりょくうしなう。

かり執行しっこう宣言せんげん督促とくそく異議いぎ
だいさんひゃくきゅうじゅうさんじょう
 かり執行しっこう宣言せんげんした支払しはらい督促とくそく送達そうたつけたから週間しゅうかん不変ふへん期間きかん経過けいかしたときは、債務さいむしゃは、その支払しはらい督促とくそくたいし、督促とくそく異議いぎ申立もうしたてをすることができない。

督促とくそく異議いぎ却下きゃっか
だいさんひゃくきゅうじゅうよんじょう
 簡易かんい裁判所さいばんしょは、督促とくそく異議いぎ適法てきほうであるとみとめるときは、督促とくそく異議いぎかか請求せいきゅう地方裁判所ちほうさいばんしょ管轄かんかつぞくする場合ばあいにおいても、決定けっていで、その督促とくそく異議いぎ却下きゃっかしなければならない。

 前項ぜんこう決定けっていたいしては、即時そくじ抗告こうこくをすることができる。

督促とくそく異議いぎ申立もうしたてによる訴訟そしょうへの移行いこう
だいさんひゃくきゅうじゅうじょう
 適法てきほう督促とくそく異議いぎ申立もうしたてがあったときは、督促とくそく異議いぎかか請求せいきゅうについては、その目的もくてき価額かがくしたがい、支払しはらい督促とくそく申立もうしたてのときに、支払しはらい督促とくそくはっした裁判所さいばんしょ書記官しょきかん所属しょぞくする簡易かんい裁判所さいばんしょまたはその所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょうったえの提起ていきがあったものとみなす。この場合ばあいにおいては、督促とくそく手続てつづき費用ひようは、訴訟そしょう費用ひよう一部いちぶとする。

支払しはらい督促とくそく効力こうりょく
だいさんひゃくきゅうじゅうろくじょう
 かり執行しっこう宣言せんげんした支払しはらい督促とくそくたい督促とくそく異議いぎ申立もうしたてがないとき、また督促とくそく異議いぎ申立もうしたてを却下きゃっかする決定けってい確定かくていしたときは、支払しはらい督促とくそくは、確定かくてい判決はんけつ同一どういつ効力こうりょくゆうする。

電子でんし情報処理じょうほうしょり組織そしきもちいてあつか督促とくそく手続てつづきとくそく
だいさんひゃくきゅうじゅうななじょう
 電子でんし情報処理じょうほうしょり組織そしきもちいて督促とくそく手続てつづきあつか裁判所さいばんしょとして最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる簡易かんい裁判所さいばんしょ裁判所さいばんしょ書記官しょきかんたいしては、だいさんひゃくはちじゅうさんじょう規定きていによる場合ばあいのほか、どうじょう規定きていする簡易かんい裁判所さいばんしょべつ最高さいこう裁判所さいばんしょ規則きそくさだめる簡易かんい裁判所さいばんしょである場合ばあいにも、電子でんし情報処理じょうほうしょり組織そしきもちいてあつか督促とくそく手続てつづきにおける支払しはらい督促とくそく申立もうしたてをすることができる。

 前項ぜんこう申立もうしたては、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる方式ほうしき適合てきごうするものでなければならない。

 だいいちこう規定きていする督促とくそく手続てつづきにおける支払しはらい督促とくそくたい適法てきほう督促とくそく異議いぎ申立もうしたてがあったときは、督促とくそく異議いぎかか請求せいきゅうについては、その目的もくてき価額かがくしたがい、支払しはらい督促とくそく申立もうしたてのときに、だいさんひゃくはちじゅうさんじょう規定きていする簡易かんい裁判所さいばんしょ支払しはらい督促とくそくはっした裁判所さいばんしょ書記官しょきかん所属しょぞくするものしくはどうこうべつ最高さいこう裁判所さいばんしょ規則きそくさだめるものまたはその所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょうったえの提起ていきがあったものとみなす。

 前項ぜんこう場合ばあいにおいて、どうこう規定きていする簡易かんい裁判所さいばんしょまた地方裁判所ちほうさいばんしょ以上いじょうあるときは、督促とくそく異議いぎかか請求せいきゅうについては、これらの裁判所さいばんしょちゅうだいさんひゃくはちじゅうさんじょうだいいちこう規定きていする簡易かんい裁判所さいばんしょまたはその所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょがある場合ばあいにはその裁判所さいばんしょに、その裁判所さいばんしょがない場合ばあいにはどうじょうだいこうだいいちごうさだめる管轄かんかつする簡易かんい裁判所さいばんしょまたはその所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょうったえの提起ていきがあったものとみなす。ただし、債権さいけんしゃが、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめるところにより、前項ぜんこう規定きていする簡易かんい裁判所さいばんしょまた地方裁判所ちほうさいばんしょちゅうそのいち指定していしたときは、その裁判所さいばんしょうったえの提起ていきがあったものとみなす。

だいはちへん 執行しっこう停止ていし

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執行しっこう停止ていし裁判さいばん
だいさんひゃくきゅうじゅうはちじょう
 つぎかかげる場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、申立もうしたてにより、決定けっていで、担保たんぽてさせて、しくはてさせないで強制きょうせい執行しっこう一時いちじ停止ていしめいじ、またはこれとともに、担保たんぽてて強制きょうせい執行しっこう開始かいししくは続行ぞっこうをすべきむねめいじ、しくは担保たんぽてさせてすでにした執行しっこう処分しょぶん取消とりけしをめいずることができる。ただし、強制きょうせい執行しっこう開始かいしまた続行ぞっこうをすべきむね命令めいれいは、だいさんごうからだいろくごうまでにかかげる場合ばあいかぎり、することができる。

いち だいさんひゃくじゅうななじょうだいいちこうだいさんひゃくはちじゅうじょうだいこうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。つぎじょうにおいておなじ。)の上告じょうこくまた再審さいしんうったえの提起ていきがあった場合ばあいにおいて、不服ふふく理由りゆうとして主張しゅちょうした事情じじょう法律ほうりつじょう理由りゆうがあるとみえ、事実じじつじょうてんにつきうとあきらがあり、かつ、執行しっこうによりつぐなうことができない損害そんがいしょうずるおそれがあることにつきうとあきらがあったとき。
 かり執行しっこう宣言せんげんした判決はんけつたいする上告じょうこく提起ていきまた上告じょうこく受理じゅり申立もうしたてがあった場合ばあいにおいて、はら判決はんけつ破棄はき原因げんいんとなるべき事情じじょうおよ執行しっこうによりつぐなうことができない損害そんがいしょうずるおそれがあることにつきうとあきらがあったとき。
さん かり執行しっこう宣言せんげんした判決はんけつたいする控訴こうそ提起ていきまたかり執行しっこう宣言せんげんした支払しはらい督促とくそくたいする督促とくそく異議いぎ申立もうしたて(次号じごう控訴こうそ提起ていきおよ督促とくそく異議いぎ申立もうしたてをのぞく。)があった場合ばあいにおいて、はら判決はんけつしくは支払しはらい督促とくそく取消とりけしくは変更へんこう原因げんいんとなるべき事情じじょうがないとはいえないことまた執行しっこうによりいちじるしい損害そんがいしょうずるおそれがあることにつきうとあきらがあったとき。
よん 手形てがたまた小切手こぎってによる金銭きんせん支払しはらい請求せいきゅうおよびこれに附帯ふたいする法定ほうてい利率りりつによる損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうについて、かり執行しっこう宣言せんげんした判決はんけつたいする控訴こうそ提起ていきまたかり執行しっこう宣言せんげんした支払しはらい督促とくそくたいする督促とくそく異議いぎ申立もうしたてがあった場合ばあいにおいて、はら判決はんけつまた支払しはらい督促とくそく取消とりけまた変更へんこう原因げんいんとなるべき事情じじょうにつきうとあきらがあったとき。
 かり執行しっこう宣言せんげんした手形てがた訴訟そしょうしくは小切手こぎって訴訟そしょう判決はんけつたいする異議いぎ申立もうしたまたかり執行しっこう宣言せんげんした少額しょうがく訴訟そしょう判決はんけつたいする異議いぎ申立もうしたてがあった場合ばあいにおいて、はら判決はんけつ取消とりけまた変更へんこう原因げんいんとなるべき事情じじょうにつきうとあきらがあったとき。
ろく だいひゃくじゅうななじょうだいいちこううったえの提起ていきがあった場合ばあいにおいて、変更へんこうのため主張しゅちょうした事情じじょう法律ほうりつじょう理由りゆうがあるとみえ、かつ、事実じじつじょうてんにつきうとあきらがあったとき。

 前項ぜんこう規定きていする申立もうしたてについての裁判さいばんたいしては、不服ふふくもうてることができない。

はら裁判所さいばんしょによる裁判さいばん
だいさんひゃくきゅうじゅうきゅうじょう
 だいさんひゃくじゅうななじょうだいいちこう上告じょうこく提起ていきかり執行しっこう宣言せんげんした判決はんけつたいする上告じょうこく提起ていきしくは上告じょうこく受理じゅり申立もうしたまたかり執行しっこう宣言せんげんした判決はんけつたいする控訴こうそ提起ていきがあった場合ばあいにおいて、訴訟そしょう記録きろくげん裁判所さいばんしょそんするときは、その裁判所さいばんしょが、前条ぜんじょうだいいちこう規定きていする申立もうしたてについての裁判さいばんをする。

 前項ぜんこう規定きていは、かり執行しっこう宣言せんげんした支払しはらい督促とくそくたいする督促とくそく異議いぎ申立もうしたてがあった場合ばあいについて準用じゅんようする。

担保たんぽ提供ていきょう
だいよんひゃくじょう
 このへん規定きていにより担保たんぽてる場合ばあいにおいて、供託きょうたくをするには、担保たんぽてるべきことをめいじた裁判所さいばんしょまた執行しっこう裁判所さいばんしょ所在地しょざいち管轄かんかつする地方裁判所ちほうさいばんしょ管轄かんかつ区域くいきない供託きょうたくしょにしなければならない。

 だいななじゅうろくじょうだいななじゅうななじょうだいななじゅうきゅうじょうおよだいはちじゅうじょう規定きていは、前項ぜんこう担保たんぽについて準用じゅんようする。

附則ふそく

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施行しこう期日きじつ
だいいちじょう
 この法律ほうりつ以下いか新法しんぽう」という。)は、公布こうふから起算きさんしてねんえない範囲はんいないにおいて政令せいれいさだめるから施行しこうする。ただし、附則ふそくだいじゅうななじょう規定きていは、公布こうふから施行しこうする。

きゅう民事みんじ訴訟そしょうほう一部いちぶ改正かいせい
だいじょう
 民事みんじ訴訟そしょうほう明治めいじじゅうさんねん法律ほうりつだいじゅうきゅうごう)の一部いちぶつぎのように改正かいせいする。

民事みんじ訴訟そしょうほう目録もくろくけずり、題名だいめいつぎのようにあらためる。
公示こうじ催告さいこく手続てつづき及ビ仲裁ちゅうさい手続てつづきせきスル法律ほうりつ
だいいちへんだいいちしょうしょうめいおよどうしょうだい一節いっせつふしめいけずり、だいいちじょうつぎのようにあらためる。
だいいちじょう 別段べつだん規定きていアル場合ばあいじょクノがい公示こうじ催告さいこく手続てつづき及ビ仲裁ちゅうさい手続てつづきせきシテハ其性質せいしつはんセザルげん民事みんじ訴訟そしょうせきスル法令ほうれい規定きてい準用じゅんよう
だいいちへんだいいちしょうだいせつふしめいだいしょうしょうめいどうしょうだいいちせつからだいよんせつまでのふしめいだいさんしょうしょうめいどうしょうだいいちせつからだいさんせつまでのふしめいだいよんしょうしょうめいおよどうしょうだいいちせつからだいせつまでのふしめいけずり、だいじょうからだいひゃくじゅうじょうまでをつぎのようにあらためる。
だいじょう乃至ないしだいひゃくじゅうじょう 削除さくじょ
だいへんからだいろくへんまでをつぎのようにあらためる。
だいへん乃至ないしだいろくへん 削除さくじょ
だいひゃくじゅうさんじょう乃至ないしだいななひゃくろくじゅうさんじょう 削除さくじょ
だいななひゃくななじゅうよんじょうだいこうだいろくごうちゅうだいよんひゃくじゅうじょうだいよんごう乃至ないしだいはちごう」を「民事みんじ訴訟そしょうほう平成へいせいはちねん法律ほうりつだいひゃくきゅうごうだいさんひゃくさんじゅう八条第一項第四号乃至第八号」にあらためる。
だいはちひゃくいちじょうだいいちこうだいろくごうちゅうだいよんひゃくじゅうじょうだいよんごう乃至ないしだいはちごう」を「民事みんじ訴訟そしょうほうだいさんひゃくさんじゅう八条第一項第四号乃至第八号」にあらためる。

経過けいか措置そち原則げんそく
だいさんじょう
 新法しんぽう規定きてい罰則ばっそくのぞく。)は、この附則ふそく特別とくべつさだめがある場合ばあいのぞき、新法しんぽう施行しこうまえしょうじた事項じこうにも適用てきようする。ただし、前条ぜんじょう規定きていによる改正かいせいまえ民事みんじ訴訟そしょうほう以下いか旧法きゅうほう」という。)の規定きていによりしょうじた効力こうりょくさまたげない。

管轄かんかつとうかんする経過けいか措置そち
だいよんじょう
 新法しんぽう施行しこうさいげん係属けいぞくしている訴訟そしょう管轄かんかつおよ移送いそうかんしては、管轄かんかつ裁判所さいばんしょさだめる合意ごういおよ送達そうたつかんする事項じこうならびに附則ふそくだいじゅういちじょうさだめる事項じこうのぞき、なお従前じゅうぜんれいによる。

 新法しんぽう施行しこうまえにした管轄かんかつ裁判所さいばんしょさだめる合意ごういかんしては、新法しんぽうだいじゅうろくじょうだいこうただししょだいじゅうじょうだいひゃくよんじゅうじょうだいいちこうただししょ新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)、だいひゃくよんじゅうろくじょうだいいちこうただししょ新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)およだいひゃくきゅうじゅうきゅうじょうただししょ規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

訴訟そしょう費用ひようかんする経過けいか措置そち
だいじょう
 新法しんぽう施行しこうまえにした申立もうしたてにかか訴訟そしょう費用ひようまた和解わかい費用ひよう負担ふたんがくさだめる手続てつづきかんしては、新法しんぽうだいななじゅういちじょうからだいななじゅうさんじょうまでの規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

 新法しんぽう施行しこうまえ当事とうじしゃ供託きょうたくした金銭きんせんまた有価ゆうか証券しょうけんについての相手方あいてがた権利けんりについては、新法しんぽうだいななじゅうななじょう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

期日きじつ呼出よびだしにかんする経過けいか措置そち
だいろくじょう
 新法しんぽうだいきゅうじゅうよんじょうだいこうただししょ規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ旧法きゅうほうだいひゃくじゅうよんじょうだいいちこうさだめる方法ほうほう以外いがい相当そうとうみとめる方法ほうほうによる期日きじつ呼出よびだしをした場合ばあいには、適用てきようしない。

送達そうたつかんする経過けいか措置そち
だいななじょう
 新法しんぽう施行しこうまえ裁判所さいばんしょ書記官しょきかん書類しょるい送達そうたつのために郵便ゆうびんし、また執行官しっこうかんにその送達そうたつ事務じむあつかわせることとした場合ばあいには、当該とうがい送達そうたつについては、なお従前じゅうぜんれいによる。

 新法しんぽうだいひゃくよんじょうだいさんこう規定きていは、新法しんぽう施行しこう最初さいしょにする送達そうたつについては、適用てきようしない。

 新法しんぽう施行しこうまえにした申立もうしたてにかか公示こうじ送達そうたつについては、新法しんぽうだいひゃくじゅうじょうだいいちこう規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

 新法しんぽうだいひゃくじゅうさんじょう規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ掲示けいじはじめた公示こうじ送達そうたつについては、適用てきようしない。

定期ていききんによる賠償ばいしょうめいじた確定かくてい判決はんけつ変更へんこうもとめるうったえにかんする経過けいか措置そち
だいはちじょう
 新法しんぽうだいひゃくじゅうななじょう規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえだいいちしん裁判所さいばんしょにおける口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつした事件じけんについては、適用てきようしない。

うったえにかんする経過けいか措置そち
だいきゅうじょう
 新法しんぽうだいひゃくよんじゅういちじょう規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ期日きじつ呼出よびだしに必要ひつよう費用ひよう予納よのうめいじた場合ばあいには、適用てきようしない。

 新法しんぽうだいひゃくよんじゅうろくじょうだいいちこうただししょ新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていは、管轄かんかつ裁判所さいばんしょさだめる合意ごういかんする事項じこうのぞき、新法しんぽう施行しこうまえ提起ていきされた本訴ほんそかか反訴はんそ提起ていきについては、適用てきようしない。

当事とうじしゃことにする事件じけん併合へいごうかんする経過けいか措置そち
だいじゅうじょう
 新法しんぽうだいひゃくじゅうじょうだいこう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ口頭こうとう弁論べんろん併合へいごうめいじられた事件じけんについては、適用てきようしない。

攻撃こうげき防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ時期じきかんする経過けいか措置そち
だいじゅういちじょう
 新法しんぽう施行しこうさいげん係属けいぞくしている訴訟そしょうにおける攻撃こうげきまた防御ぼうぎょ方法ほうほう提出ていしゅつ時期じきについては、新法しんぽうだいひゃくじゅうろくじょう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

準備じゅんび書面しょめんかんする経過けいか措置そち
だいじゅうじょう
 新法しんぽう施行しこうまえ提出ていしゅつされた準備じゅんび書面しょめん記載きさいした事実じじつについての相手方あいてがた在廷ざいていしていない口頭こうとう弁論べんろんにおける主張しゅちょうについては、新法しんぽうだいひゃくろくじゅういちじょうだいさんこう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

準備じゅんび手続てつづきかんする経過けいか措置そち
だいじゅうさんじょう
 新法しんぽう施行しこうまえされた準備じゅんび手続てつづきかんしては、期日きじつ呼出よびだおよ送達そうたつかんする事項じこうのぞき、なお従前じゅうぜんれいによる。

うとあきらわる保証ほしょうきん供託きょうたくとうかんする経過けいか措置そち
だいじゅうよんじょう
 新法しんぽう施行しこうまえ当事とうじしゃまた法定ほうてい代理人だいりにん保証ほしょうきん供託きょうたくさせ、またはその主張しゅちょう真実しんじつであることを宣誓せんせいさせた場合ばあいにおけるうとあきら代用だいようについては、附則ふそくだいじゅういちじょうさだめる事項じこうのぞき、なお従前じゅうぜんれいによる。

当事とうじしゃ文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれいしたがわない場合ばあいとう効果こうかかんする経過けいか措置そち
だいじゅうじょう
 新法しんぽうだいひゃくじゅうよんじょうだいさんこう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていは、当事とうじしゃが、新法しんぽう施行しこうまえにした文書ぶんしょ新法しんぽうだいひゃくさんじゅういちじょう規定きていする物件ぶっけんふくむ。以下いかこのじょうにおいておなじ。)の提出ていしゅつ命令めいれいまた検証けんしょう目的もくてき提示ていじ命令めいれいしたがわない場合ばあいおよ提出ていしゅつまた提示ていじ義務ぎむがある文書ぶんしょまた検証けんしょう目的もくてき新法しんぽう施行しこうまえ使用しようすることができないようにした場合ばあいには、適用てきようしない。

損害そんがいがく認定にんていかんする経過けいか措置そち
だいじゅうろくじょう
 新法しんぽうだいひゃくよんじゅうはちじょう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえに、だいしんまただいいちしんである高等こうとう裁判所さいばんしょにおける口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつした事件じけんだいしんである地方裁判所ちほうさいばんしょにおける口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつした事件じけんおよ簡易かんい裁判所さいばんしょ判決はんけつまた地方裁判所ちほうさいばんしょだいいちしんとしてした判決はんけつたいして上告じょうこくをする権利けんり留保りゅうほして控訴こうそをしないむね合意ごういをした事件じけんについては、適用てきようしない。

うったえの取下とりさとうにつき相手方あいてがた同意どうい擬制ぎせいするための期間きかんかんする経過けいか措置そち
だいじゅうななじょう
 つぎかかげる場合ばあいには、うったえの取下とりさまた手形てがた訴訟そしょうしくは小切手こぎって訴訟そしょう終局しゅうきょく判決はんけつたいする異議いぎ取下とりさげ(以下いかこのじょうにおいて「うったえの取下とりさとう」という。)に相手方あいてがた同意どういしたものとみなすための期間きかんについては、新法しんぽうだいひゃくろくじゅういちじょうだいこう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

いち うったえの取下とりさとう書面しょめんでされた場合ばあいにおいて、新法しんぽう施行しこうまえにその書面しょめん相手方あいてがた送達そうたつされたとき。
 新法しんぽう施行しこうまえ相手方あいてがた出頭しゅっとうした口頭こうとう弁論べんろん期日きじつにおいてうったえの取下とりさとう口頭こうとうでされたとき。
さん うったえの取下とりさとう口頭こうとう弁論べんろん期日きじつにおいて口頭こうとうでされた場合ばあい(その期日きじつ相手方あいてがた出頭しゅっとうした場合ばあいのぞく。)において、新法しんぽう施行しこうまえにその期日きじつ調書ちょうしょ謄本とうほん相手方あいてがた送達そうたつされたとき。

うったえの取下とりさとう擬制ぎせいかんする経過けいか措置そち
だいじゅうはちじょう
 新法しんぽう施行しこうまえ口頭こうとう弁論べんろん期日きじつ当事とうじしゃ双方そうほう出頭しゅっとうせず、また弁論べんろんをしないで退廷たいていした場合ばあいには、うったえ、控訴こうそしくは上告じょうこく取下とりさまた手形てがた訴訟そしょうしくは小切手こぎって訴訟そしょう終局しゅうきょく判決はんけつたいする異議いぎ取下とりさげがあったものとみなすための期間きかんについては、新法しんぽうだいひゃくろくじゅうさんじょう前段ぜんだん新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

 新法しんぽうだいひゃくろくじゅうさんじょう後段こうだん新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ口頭こうとう弁論べんろん期日きじつにおける当事とうじしゃ出頭しゅっとうまた弁論べんろんをしないでした退廷たいていについては、適用てきようしない。

控訴こうそかんする経過けいか措置そち
だいじゅうきゅうじょう
 新法しんぽう施行しこうまえ言渡いいわたしがあっただいいちしん判決はんけつたいする控訴こうそ提起ていき方式ほうしきについては、新法しんぽうだいひゃくはちじゅうろくじょうだいいちこう規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

 新法しんぽうだいひゃくはちじゅうななじょう規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ言渡いいわたしがあっただいいちしん判決はんけつたいする控訴こうそについては、適用てきようしない。

 新法しんぽうだいひゃくきゅうじゅういちじょう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ期日きじつ呼出よびだしに必要ひつよう費用ひよう予納よのうめいじた場合ばあいには、適用てきようしない。

 新法しんぽうだいさんひゃくじゅうじょう新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)の規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ控訴こうそしん口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつした事件じけんについては、適用てきようしない。

最高さいこう裁判所さいばんしょにする上告じょうこくかんする経過けいか措置そち
だいじゅうじょう
 新法しんぽう施行しこうまえに、だいしんまただいいちしんである高等こうとう裁判所さいばんしょにおける口頭こうとう弁論べんろん終結しゅうけつした事件じけんおよ地方裁判所ちほうさいばんしょだいいちしんとしてした判決はんけつたいして上告じょうこくをする権利けんり留保りゅうほして控訴こうそをしないむね合意ごういをした事件じけんについての最高さいこう裁判所さいばんしょにする上告じょうこくおよびその上告じょうこくしん訴訟そしょう手続てつづきについては、新法しんぽうだいさんひゃくじゅうじょうおよだいさんひゃくじゅうじょう規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによるものとし、新法しんぽうだいさんひゃくじゅうななじょうだいこうおよび[[|#318|だいさんひゃくじゅうはちじょう]]の規定きていは、適用てきようしない。

抗告こうこくかんする経過けいか措置そち
だいじゅういちじょう
 新法しんぽう施行しこうまえ告知こくちがあった決定けっていまた命令めいれいたいする抗告こうこく提起ていき方式ほうしきについては、新法しんぽうだいさんひゃくさんじゅういちじょう本文ほんぶんにおいて準用じゅんようする新法しんぽうだいひゃくはちじゅうろくじょうだいいちこう規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

 新法しんぽうだいさんひゃくさんじゅういちじょう本文ほんぶんにおいて準用じゅんようする新法しんぽうだいひゃくはちじゅうななじょう規定きていは、新法しんぽう施行しこうまえ告知こくちがあった決定けっていおよ命令めいれいたいする抗告こうこくについては、適用てきようしない。

 新法しんぽう施行しこうまえにち以内いない告知こくちがあった決定けっていおよ命令めいれいについては、新法しんぽうだいさんひゃくさんじゅうななじょうだいろくこうにおいて準用じゅんようする新法しんぽうだいさんひゃくさんじゅうろくじょうだいこう規定きていにかかわらず、新法しんぽう施行しこうからにち不変ふへん期間きかんないは、新法しんぽうだいさんひゃくさんじゅうななじょうだいこう規定きていによる抗告こうこく許可きょか申立もうしたてをすることができる。

再審さいしんかんする経過けいか措置そち
だいじゅうじょう
 新法しんぽう施行しこうまえ再審さいしんうったえの提起ていきまた再審さいしん申立もうしたてがあった事件じけんについては、新法しんぽうだいさんひゃくよんじゅうじょうからだいさんひゃくよんじゅうはちじょうまでの規定きてい(これらの規定きてい新法しんぽうにおいて準用じゅんようする場合ばあいふくむ。)にかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

督促とくそく手続てつづきかんする経過けいか措置そち
だいじゅうさんじょう
 新法しんぽう施行しこうまえにした支払しはらい命令めいれい申立もうしたてにかか督促とくそく手続てつづきかんしては、送達そうたつかんする事項じこうおよ附則ふそくだいじゅういちじょうさだめる事項じこうのぞき、なお従前じゅうぜんれいによる。

執行しっこう停止ていしかんする経過けいか措置そち
だいじゅうよんじょう
 新法しんぽう施行しこうまえにした執行しっこう停止ていし申立もうしたて(かり執行しっこう宣言せんげんした支払しはらい命令めいれいかんする執行しっこう停止ていし申立もうしたてをのぞく。)にかか裁判さいばんについては、新法しんぽう|だいさんひゃくきゅうじゅうはちじょうおよだいさんひゃくきゅうじゅうきゅうじょう規定きていにかかわらず、なお従前じゅうぜんれいによる。

罰則ばっそく適用てきようかんする経過けいか措置そち
だいじゅうじょう
 新法しんぽう施行しこうまえにした行為こういたいする罰則ばっそく適用てきようについては、なお従前じゅうぜんれいによる。

最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくへの委任いにん
だいじゅうろくじょう
 附則ふそくだいさんじょうから前条ぜんじょうまでに規定きていするもののほか、新法しんぽう施行しこうさいげん裁判所さいばんしょ係属けいぞくしている事件じけん処理しょりかん必要ひつよう事項じこうは、最高裁判所さいこうさいばんしょ規則きそくさだめる。

検討けんとう
だいじゅうななじょう
 新法しんぽうだいひゃくじゅうじょうだいよんごう規定きていする公務員こうむいんまた公務員こうむいんであったものがその職務しょくむかん保管ほかんし、また所持しょじする文書ぶんしょ対象たいしょうとする文書ぶんしょ提出ていしゅつ命令めいれい制度せいどについては、行政ぎょうせい機関きかん保有ほゆうする情報じょうほう公開こうかいするための制度せいどかんしておこなわれている検討けんとう並行へいこうして、総合そうごうてき検討けんとうくわえ、その結果けっかもとづいて必要ひつよう措置そちこうずるものとする。

 前項ぜんこう措置そちは、新法しんぽう公布こうふねん目途もくととして、こうずるものとする。

この著作ちょさくぶつは、日本にっぽんこく著作ちょさくけんほう10じょう2こうまたは13じょうにより著作ちょさくけん目的もくてきとならないため、パブリックドメイン状態じょうたいにあります。どうほう10じょう2こうおよび13じょうは、つぎのいずれかに該当がいとうする著作ちょさくぶつ著作ちょさくけん目的もくてきとならないむねさだめています。

  1. 憲法けんぽうその法令ほうれい
  2. くにしくは地方ちほう公共こうきょう団体だんたい機関きかん独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんまた地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんはっする告示こくじ訓令くんれい通達つうたつそのこれらにるいするもの
  3. 裁判所さいばんしょ判決はんけつ決定けってい命令めいれいおよ審判しんぱんならびに行政ぎょうせいちょう裁決さいけつおよ決定けってい裁判さいばんじゅんずる手続てつづきによりおこなわれるもの
  4. 上記じょうきいずれかのものの翻訳ほんやくぶつおよ編集へんしゅうぶつで、くにしくは地方ちほう公共こうきょう団体だんたい機関きかん独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんまた地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん作成さくせいするもの
  5. 事実じじつ伝達でんたつにすぎない雑報ざっぽうおよ時事じじ報道ほうどう

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