類…
私を、こんな私を褒めてくれてるの?
鉄の女・・道明寺のお母さんに溝鼠って言われた私だよ?
私は今までどんなに家が貧乏でも人に後ろ指指される様な生き方だけは
して来なかっただけだよ?
褒められる事なんて何も無いのよ。
私の両親だって、私を玉の輿に乗せるだけが目的で
家の収入を顧みず、無謀な計画を立てて私を英徳なんて
超セレブでお金持ちしか行かない学校に行かせたのよ?
ハッキリ言えば、偏差値だけ良い学校ならば私立だなんて
選ばなきゃ公立でもっと授業料も安い
学校は幾らでも選べたのよ。
その時はそんな事も考えなかった私が一番馬鹿だったけど。
授業料の他に施設運営費とか年間10万円、寄付金が一口50万円とか
制服や指定の教材だけで100万以上するなんて思わなかった。
今更なんだけどね?
お金はどうするの?って言えば大丈夫何とかするからって
親が言うから、その言葉を信じたのよね?
褒められたもんじゃ無いのよ、私も私の家族も・・。
どうにかこうにか大学まで卒業出来て
藤崎ホールディングスなんて大手に務められて
私は少し舞い上がってたんだよね?
類とのお付き合いも長く続けば良いなと心の中で思ってたの。
一日でも長く…類の傍に居たいってそれだけが私の願いだったの。
類との結婚なんてそんな事は考えもしなかった。
だって、類は花沢物産の唯一の後継者だもの。
容姿端麗で頭脳明晰でその上、フランス語も英語も完璧‥花沢物産に嫁ぐのに
釣り合いの取れる家柄で、類の横に居るのに相応しい令嬢がその内現れて
婚約して結婚して類に似た子供が出来て…
私は遠くで類の幸せを祈るんだって思ってた。
だって…道明寺のお母さんに言われた言葉が
今も私の中に居座ってるの。
「あなたが司さんの嫁になるなんて天と地がひっくり返ってもあり得無いわ。
身の程を弁えて頂戴。道端の石ころに躓いてる暇など
私達には無いのよ。溝鼠は溝鼠らしく住む場所を間違えないで頂きたいわ。」
鉄の女に言われても当然のこと仕方ないのよ・・
貧乏人が英徳学園なんて場違いな学校に通ったのは
私の玉の輿が理由だなんて・・・。
「牧野…司の母親と俺の両親は違うから。
逢えば分かると思う。
お金の有るなしで人間性を決めつける事はウチの両親はしないと思うよ?
俺自身も…人間性が一番大事だと思ってるからさ。
だから、俺の奥さんになって欲しいのは牧野つくし以外は考えられない。」
「・・・。」
類を信じてない訳でも信じられない訳でも無いの。
私は自信が無いの。
道明寺の時のような別れだけは・・・。
嫌なの・・・。
にほんブログ村のランキングに参加中です。
良かったら応援宜しくです。
にほんブログ村の字をポッチしてください。