Monthly Archives: February 2016

[…] ■ビキニ被曝ひばく追おう、南海放送なんかいほうそうディレクター・伊東いとう英えい朗あきらさん 　ぼくがビキニ事件じけんに出会であったのは２００４年ねんです。それからずっと取材しゅざいし、ほぼ１年ねんに１本ほんは番組ばんぐみをつくって放送ほうそうしています。南海放送なんかいほうそうという愛媛えひめ県けんのローカル放送ほうそう局きょくですが、当初とうしょは放送ほうそうしてもほとんど関心かんしんを持もってもらえなかった。ほぼ反応はんのうゼロ。多おおい年としは年間ねんかん２００本ほんくらいの番組ばんぐみをつくりますが、これほど関心かんしんを持もたれない番組ばんぐみはないと思おもいました。それでも毎年まいとし、毎年まいとし、放送ほうそうし、さすがに公共こうきょうの電波でんぱでここまで関心かんしんが持もたれないもの、つまり誰だれも見みない番組ばんぐみを放送ほうそうしていいのか、個人こじんの思おもいだけでやっていていいのか、もうこの事件じけんはだれにも興味きょうみを持もってもらえないから無理むりかなと思おもっていた矢先やさきに福島ふくしまの原発げんぱつ事故じこが起おこり、放射能ほうしゃのうや「ビキニ事件じけん」に関心かんしんが集あつまった。 　１９５４年ねんのビキニ事件じけん発覚はっかくから１０年ねん後ごに東京とうきょうオリンピックが開ひらかれ、日本人にっぽんじんは事件じけんのことを忘わすれてしまいました。２０１１年ねんの福島ふくしま原発げんぱつ事故じこの９年ねん後ごにまた、東京とうきょうオリンピックが開ひらかれようとしている。また、忘わすれてしまうのでしょうか。 　福島ふくしまの原発げんぱつ事故じこが起おきてからは、もうひとつ目的もくてきができました。福島ふくしまの今後こんごをどう見みるのか、どういうふうにしていけばいいのか。ここに重大じゅうだいなカギがあります。「ビキニ事件じけんなんて古ふるい話はなしを追おっかけてないで、今いまのことをやれよ。福島ふくしまだろう、伊東いとうさん」と言いわれることがよくあるんですけど、福島ふくしまを考かんがえるうえで、このこと（ビキニ事件じけん）はすごく重大じゅうだいなこと。福島ふくしまは過去かこから学まなばないといけないのに、事件じけんは全まったく解明かいめいされていない。被曝ひばく（ひばく）したら、そのＸ年とし後ご、人間にんげんはどうなるか。これは、残念ざんねんですが、乗組のりくみ員いんたちが死しをもって伝つたえているという厳きびしい現実げんじつがあるんです。死しんでるわけです。ぼく自身じしん、今いままでに１３０人にんぐらいの乗組のりくみ員いんや遺族いぞくからしかき取きとりできていませんけれども、取材しゅざいした乗組のりくみ員いんの多おおくが亡なくなってしまっている現実げんじつがある。ところが、全容ぜんようは全まったくわかっていない。１３０人にんはアメリカの核かく実験じっけんで被曝ひばくした人ひとの何なん万まん人にん分ぶんの１かもしれない。この事件じけんの全容ぜんようを解明かいめいすることによって、福島ふくしまで今後こんごどういうことが起おこりうるのかということがシミュレーションできる可能かのう性せいがあるかもしれない。 　戦後せんご、太平洋たいへいようで１０４回かいの大気圏たいきけん内ない核かく実験じっけんをしたアメリカ原子力げんしりょく委員いいん会かいは、アメリカ国内こくないでも人体じんたい実験じっけんをたくさんした。旧きゅう日本にっぽん軍ぐんが中国ちゅうごくで人体じんたい実験じっけんをした７３１部隊ぶたいと同おなじようなことをやったわけです。勝手かってに放射線ほうしゃせんを浴あびせたり、プルトニウムを注射ちゅうしゃしたり……。その人ひとたちが核兵器かくへいきを造つくり上あげた。（ビキニ環礁かんしょうで）核かく実験じっけんをしていた１９５０年代ねんだい当時とうじの原子力げんしりょく委員いいん会かいのトップは、（ルイス・）ストローズという人物じんぶつでした。彼かれは元もと金融きんゆう家かです。よく「核かくの抑止よくし力りょく」なんて言いいますけど、確たしかに政治せいじ的てきに見みればそういうところもあるかもしれませんが、造つくってる人ひとたちは、実じつはビジネスでやっていたんだということを認識にんしきしておかなくてはならないでしょう。 【第だい五ご福竜丸ふくりゅうまるだけじゃない】 […] 第だい五ご福竜丸ふくりゅうまるの被曝ひばくが発覚はっかくした１９５４年ねん３月がつから１０カ月かげつ間あいだだけ、人ひとや船せんや魚さかなの放射能ほうしゃのう検査けんさが実施じっしされました。検査けんさを受うけた船ふねは延のべ２７２９隻せきです。それだけの船ふねが汚染おせん海域かいいきを通とおった可能かのう性せいがあるということです。その２年ねん前まえの１９５２年ねんには、すでにたくさんの船ふねが爆ばく心地ごこち付近ふきんの汚染おせん海域かいいきにいたわけです。この年としが重要じゅうようなのは、アメリカが勝手かってに決きめていたマッカーサーライン（太平洋たいへいようの禁漁きんぎょ区域くいき）が撤廃てっぱいされた。だから、日本にっぽんの漁船ぎょせんが「さあ、マグロをとるぞ」ということで勇いさんで爆ばく心地ごこち近ちかくの漁場ぎょじょうにまで乗のり込こんでいき、被曝ひばくさせられた。第だい五ご福竜丸ふくりゅうまるが最初さいしょの船ふねでも何なんでもない。すでに被曝ひばくが続つづいていたわけです。たまたま、第だい五ご福竜丸ふくりゅうまるという船ふねの被曝ひばくがスクープされただけです。 　それから、アメリカの核兵器かくへいき実験じっけんは１９４６年ねんから１９６２年ねんまで続つづけられている。１０４回かいです。核かく実験じっけん期間きかん中ちゅう、魚さかなの検査けんさをしたり廃棄はいき処分しょぶんをしたりしたのは１９５４年ねんの１０カ月かげつ間あいだだけ。それ以外いがいの期間きかんは検査けんさせず、強烈きょうれつな被曝ひばくをした魚さかなも水揚みずあげされた。そういったものを私わたしたちは食たべ続つづけてきたという現実げんじつがあります。しかし、何なにが起おこっているのか、どういう健康けんこう被害ひがいがあったのかはわかりません。 　それから、もう一ひとつ。フォールアウトが日本にっぽん列島れっとうに届とどいていることは明あきらかです。アメリカ原子力げんしりょく委員いいん会かいは１日にちごとに調しらべている。機密きみつ文書ぶんしょによると、１９５２年ねんにはすでに世界せかいの１０７カ所かしょにモニタリングポストを設置せっちしているんです。うち日本にっぽんは５カ所かしょです。フォールアウトが広ひろがることを予測よそくし、それが分わかってて彼かれらはやり続つづけていたんです。どれぐらいの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが降ふってきたかというと、沖縄おきなわの気象台きしょうだいに「１７万まんカウント」という記録きろくがあることは知しっていたが、実じつはそれどころではなかった。福岡ふくおかが３５万まんカウント、鹿児島かごしまが２４万まんカウント、そういった雨あめが日本にっぽん列島れっとうに降ふっていたんです。もちろん、その１日にちだけじゃなく、多おおかれ少すくなかれ降ふり続つづいていた。そういうものが土壌どじょうに付つき、作物さくもつに含ふくまれ、私わたしたちが摂取せっしゅし続つづけた。映画えいがの制作せいさく過程かていで、当時とうじの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが現在げんざいも残のこっていることも分わかりました。 　無む農薬のうやく野菜やさいを選えらんで、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを摂取せっしゅしないように気きをつけていても、ごく微量びりょうですがストロンチウム９０とかセシウム１３７とかが、土壌どじょうに残のこっている。ビキニ事件じけんというのは第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる１隻せきが被曝ひばくした事件じけんではなく、日本人にっぽんじんの多おおくが強烈きょうれつな放射能ほうしゃのうの影響えいきょうを受うけていることが分わかった。ただ、そのことでどんな健康けんこう被害ひがいが起おこっているかの実態じったいはよく分わからない。死しんだ人ひとは何なにも言いいませんから。今いま生いきている人ひとは、たいしたことなかったんだろうなと思おもうかもしれません。ぼくもそうなんです。でも、生いき延のびられたということの奇跡きせきをぜひ感かんじてほしい。もっと言いうと、爆ばく心地ごこち（漁場ぎょじょう）に通とおったマグロ漁船ぎょせん、爆ばく心地ごこち近ちかくを航行こうこうした貨物かもつ船せん、捕鯨ほげい船せんの人ひとたちは、ほんとに良よく生いき延のびられたなあ、と。よく８０歳さいまで生いきてるなあ、ほんとに奇跡きせきだなあと感かんじます。 　映画えいが「Ｘ年とし後ご２」に登場とうじょうする関東かんとう在住ざいじゅうの川口かわぐち美砂みささんは小学校しょうがっこう６年生ねんせいだった時ときに、高知こうち県けん室戸むろと市しのマグロ漁船ぎょせん員いんだったお父とうさんを３６歳さいで亡なくされています。朝あさ起おきたら、突然とつぜん亡なくなっていた。そういう人ひとが室戸むろとに行いくといっぱいいます。今回こんかいの映画えいがでは、川口かわぐちさんが故郷こきょうの元もと船員せんいんや遺族いぞくら７０人にんにき取きとりをしました。それに密着みっちゃくしたのが、この映画えいがです。実じつは一番いちばん好すきなカットがあります。それはラストシーン。川口かわぐちさんがある被曝ひばく者しゃ（元もと船員せんいん）の方ほうに出会であい、「おんちゃん、何なん歳さい？」「８３歳さい」「あ、うちの父とうちゃんと一緒いっしょや」って言いうところがあるんです。自分じぶんで撮影さつえいしながら涙なみだが出しゅっそうになりました。「酒さけを飲のみ過すぎたから早死はやじににした」と言いわれた川口かわぐちさんのお父とうさんも生いきていれば８３歳さい。ああ、今いま、川口かわぐちさんはお父とうさんに会あってるんだなあ、そのときすごく実感じっかんしました。 　お父とうさんが亡なくなると、１２歳さいの川口かわぐちさんは家計かけいを支ささえるために働はたらき始はじめました。「なんちゃーことなかったですよ」って川口かわぐちさんはいつも明あかるく言いうんです。でも、改あらためてインタビューでそのことを聞きくと泣なき始はじめた。その時ときは正直しょうじき、カメラを止とめようと思おもったんですけど、それが彼女かのじょの素直すなおな気持きもちだと思おもったので収録しゅうろくし、映画えいがで見みていただくことにしました。ぼくだったら耐たえられないですね。小学校しょうがっこうの時ときに自分じぶんの親おやが突然とつぜん死しんで、胸むねに耳みみを当あてたとか、体からだが冷つめたくなってるとか。やはり僕ぼくらが考かんがえなくちゃならないのは、じゃあ、何なんでそうなったのかということです。そして乗組のりくみ員いんの死しは家族かぞくを絶望ぜつぼうさせ、地域ちいきを破壊はかいしていくことを考かんがえなければならない。 【原爆げんばくを落おとした人ひとがいる】 […] もっと読よむ。

[…] 　「お墓はかまで片付かたづけてくれるのか。大変たいへんだな、東電とうでんの人ひとは」。福島ふくしま市しに避難ひなん中ちゅうの長岡ながおか惣一そういちさん（７６）が声こえを掛かけると、東電とうでん福島ふくしま復興ふっこう本社ほんしゃ復興ふっこう推進すいしん室しつの七なな夕ゆう（たなばた）武たけさん（５９）は「ご迷惑めいわくをお掛かけしています」と頭あたまを下さげた。津波つなみに巻まき込こまれた長岡ながおかさんの次女じじょ（享年きょうねん４２）もここに眠ねむる。原発げんぱつ事故じこで捜索そうさくは遅おくれた。娘むすめの死しと向むき合あうたび「悔くやんでも悔くやみ切きれねぇ」思おもいがこみ上あげるが「誰だれを怒おこったってどうしようもねぇ。震災しんさいが悪わるいだけだ」。 　七夕たなばたさんは震災しんさい当時とうじ、同どう県けん富岡とみおか町まちにある事業じぎょう所しょで働はたらいていた。「（放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつは原発げんぱつの外そとに）出でないと俺おれたちも信しんじていた。それを信しんじて受うけ入いれてくれた地元じもとの人ひとたちを結果けっか的てきに裏切うらぎってしまった」。５７歳さいで定年ていねん退職たいしょくし地元じもとの千葉ちば県けんに帰かえった後のち、再さい雇用こようで福島ふくしま県けんに戻もどってきた。 　怒いかりをぶつける被災ひさい者しゃにひたすら謝あやまり、家いえの片付かたづけや除草じょそう作業さぎょうにいそしむ。「許ゆるしてはもらえないけど、少すこしでも役やくに立たてれば」 　　　◇　　　◇ 　東電とうでんは２０１３年ねん１月がつ、原発げんぱつ事故じこの損害そんがい賠償ばいしょうや除染じょせん、復興ふっこう推進すいしんを担になう福島ふくしま復興ふっこう本社ほんしゃを設立せつりつした。復興ふっこう推進すいしん室しつは被災ひさい者しゃの一時いちじ帰宅きたくなどを手伝てつだう活動かつどうに取とり組くむ。全ぜん社員しゃいんが対象たいしょうで参加さんかは延のべ２２万まん人にんを超こえた。 　「ここがおじの家いえ。前まえの畑はたけで遊あそんだ後のち、角かくのたばこ店てんでアイスを食たべてましたね」。復興ふっこう推進すいしん室しつの渡辺わたなべ雄一郎ゆういちろうさん（４１）にとって浪江なみえ町まちは父ちちの故郷こきょうで「夏休なつやすみの原げん風景ふうけいがある場所ばしょ」だ。多おおくの親戚しんせきが避難ひなんを強しいられており「福島ふくしまのために役立やくだちたい」と業務ぎょうむに励はげむ。 　被災ひさい者しゃの心境しんきょうは複雑ふくざつだ。東電とうでん社員しゃいんへのねぎらいの言葉ことばが増ふえた一方いっぽうで、「手伝てつだってもらうには申請しんせいが必要ひつよう。『困こまってることはないですか』と聞ききに来くるのが当然とうぜんじゃないか」と同どう県けん楢葉ならは町まちの７０代だい男性だんせい。同どう県けん飯舘いいたて村むらの６０代だい女性じょせいも「東電とうでんに手伝てつだってもらいたくはない。放射能ほうしゃのうが降ふる前まえに戻もどしてくれればいいだけ」と語気ごきを強つよめた。 　原発げんぱつ事故じこから５年ねん。一部いちぶ地域ちいきでは避難ひなん指示しじが解除かいじょされ、復興ふっこうの兆きざしが出でてきたが、将来しょうらいの見通みとおしは立たたない。「ゴールはもっともっと先さきにあると感かんじている。一人ひとりでも多おおくの方ほうが帰き町まちしたいという思おもいを抱いだけるように一ひとつ一ひとつの活動かつどうを丁寧ていねいにやっていきたい」。復興ふっこう推進すいしん室しつ浪江なみえ町まちグループのチームリーダーを務つとめる松崎まつざき裕之ひろゆきさん（４５）の目めの前まえには、生活せいかつの息遣いきづかいが消きえて久ひさしい町並まちなみが広ひろがる。 ＝2016/03/01付づけ 西日本にしにほん新聞しんぶん朝刊ちょうかん＝ 全文ぜんぶんを読よむ。

　東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ事故じこで、検察官けんさつかん役やくの指定してい弁護士べんごしは二に十じゅう九きゅう日にち、昨年さくねん七なな月がつの東京とうきょう第だい五ご検察けんさつ審査しんさ会かいの起訴きそ議決ぎけつに基もとづき、「大だい津波つなみを予測よそくできたのに対策たいさく を怠おこたり、漫然まんぜんと原発げんぱつの運転うんてんを続つづけた過失かしつがある」として、東電とうでんの勝俣かつまた恒久つねひさ元もと会長かいちょう（７５）ら旧きゅう経営けいえい陣じん三さん人にんを、業務ぎょうむ上じょう過失かしつ致死傷ちししょう罪ざいで在宅ざいたくのまま東京とうきょう地裁ちさいに強制きょうせい起おこり 訴した。発生はっせいから三さん月がつ十じゅう一いち日にちで五ご年ねん。甚大じんだいな被害ひがいをもたらした原発げんぱつ事故じこの刑事けいじ責任せきにんが、初はじめて裁判さいばんで問とわれる。 　他たに起訴きそされた二人ふたりは、ともに原子力げんしりょく・立地りっち本部ほんぶ長ちょうを務つとめた武藤むとう栄さかえ元もと副ふく社長しゃちょう（６５）と武たけ黒くろ（たけくろ）一郎いちろう元もと副ふく社長しゃちょう（６９）。今後こんご、事前じぜんに争点そうてんや証拠しょうこを絞しぼり込こむ公判こうはん前ぜん整理せいり手続てつづきが行おこなわれる。公判こうはんで勝俣かつまた元もと会長かいちょうらはいずれも無罪むざいを主張しゅちょうするとみられる。 　強制きょうせい起訴きそは二に〇〇九きゅう年ねん五ご月がつの改正かいせい検察けんさつ審査しんさ会かい法ほう施行しこう後ご、九きゅう件けん目め。 （略りゃく） ◆武藤むとう類子るいこ・告訴こくそ団だん団長だんちょう　進すすむ再さい稼働かどう「教訓きょうくん学がくんでない」 　「やっとここまできた」。事故じこの責任せきにん追及ついきゅうを求もとめてきた「福島ふくしま原発げんぱつ告訴こくそ団だん」の武藤むとう類子るいこ団長だんちょう（６２）は、東京電力とうきょうでんりょくの旧きゅう経営けいえい陣じんが強制きょうせい起訴きそされたことに感慨かんがい深ふかげだ。「三さん人にんは真実しんじつを語かたり、なぜ事故じこが起おきたかを明あきらかにしてほしい」 　放射能ほうしゃのう汚染おせんで、日々ひびの営いとなみを奪うばわれた一人ひとりだ。二に〇〇三さん年ねんに豊ゆたかな自然しぜんに囲かこまれた福島ふくしま県けん田村たむら市しで喫茶店きっさてんをオープン。裏山うらやまで摘つんだ野草やそうをお茶ちゃにした り、ドングリを使つかった料理りょうりを振ふる舞まってきた。だが、約やく四よん十じゅう五ごキロ離はなれた東電とうでん福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつで起おきた事故じこによって、山やまの幸さちは汚染おせんされドングリもキノコも食たべら れなくなり、薪たきぎ（まき）も燃もやせなくなった。店みせは一いち三さん年ねん春はるに廃業はいぎょうした。 　「被害ひがいの大おおきさだけではなく、調しらべれば調しらべるほど、東電とうでんは津波つなみ対策たいさくを握にぎりつぶしてきたことが分わかってきた。想定そうてい外がいではなかったのに、事故じこの責任せきにんを誰だれも負おわないのはおかしい」 　一いち二に年ねんに告訴こくそ団だんを結成けっせいし、団長だんちょうになった。福島ふくしま県民けんみん約やく千せん三さん百ひゃく人にんでスタートし、全国ぜんこくに共感きょうかんが広ひろがり、一いち万まん四よん千せん人にん超ちょうにまで膨ふくらんだ。今年ことし一いち月がつには、裁判さいばんで検察官けんさつかん役やくを務つとめる弁護士べんごしにエールを送おくるため、「支援しえん団だん」も発足ほっそくさせた。 　「原発げんぱつ事故じこは収束しゅうそくしていないし、被災ひさい者しゃはまだ困難こんなんな状況じょうきょうにある。責任せきにんをうやむやにしてはいけない。反省はんせいしなければ、また事故じこが起おきる」と訴うったえる。 全文ぜんぶんは東電とうでん元もと３幹部かんぶを強制きょうせい起訴きそ　原発げんぱつ事故じこの責任せきにん追及ついきゅう「やっとここから」 関連かんれん記事きじ： 強制きょうせい起訴きそ「被害ひがい者しゃの励はげみに」＝真相しんそう解明かいめいに期待きたい－福島ふくしま原発げんぱつ告訴こくそ団だん via 時事じじドットコム 武藤むとうさんは「誰だれも事故じこの責任せきにんを取とっていないのはおかしい」と指摘してき。「新あらたな真実しんじつが明あきらかにされて、責任せきにんを取とるべき被告人ひこくにんたちに公正こうせいな判決はんけつが下くだされることを信しんじている」と述のべた。 告訴こくそ団だん代理人だいりにんの河合かわい弘之ひろゆき弁護士べんごしは「もし、検察官けんさつかんの２度どにわたる不ふ起訴きそに屈くっしていたら、問題もんだい点てんが全部ぜんぶ闇やみに葬ほうむられていた」と強調きょうちょうした。裁判さいばんを通つうじて事故じこ原因げんいんを究明きゅうめいし、「二度にどと起おこらないように監視かんししていかなければならない」と訴うったえた。

【2月がつ29日にち AFP】メキシコ内務省ないむしょうは28日にち、人体じんたいに危険きけんを及およぼしかねない放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを積つんだトラック1台だいが盗難とうなん被害ひがいに遭あったとして、国内こくない5州しゅうに警戒けいかいを呼よび掛かけた。 同国どうこくの国民こくみん保護ほご国家こっか調整ちょうせい室しつは、放射線ほうしゃせん源げん「イリジウム192」を運はこんでいたピックアップトラックが盗ぬすまれたという通報つうほうを中部ちゅうぶケレタロ（Queretaro）州しゅうの企業きぎょうから受うけ、警告けいこくを発はっした。 (略りゃく） メキシコでは放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの盗難とうなんが、たびたび起おきている。ただし犯行はんこうグループの目当めあては他たの物品ぶっぴんで、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを盗ぬすんだことを認識にんしきしていないケースが大半たいはんだという。 全文ぜんぶんはメキシコで放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ盗難とうなん、内務省ないむしょうが警戒けいかい呼よび掛かけ

　３月さんがつ11日にちで５年ねんを迎むかえる東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの復興ふっこうに向むけた政府せいふの取とり組くみについて「評価ひょうかする」は31％で「評価ひょうかしない」が52％だった。内閣ないかく支持しじ層そうで は「評価ひょうかする」が46％で「評価ひょうかしない」の40％を上回うわまわった。内閣ないかく不ふ支持しじ層そうでは「評価ひょうかする」が16％で「評価ひょうかしない」が71％に達たっした。 原子力げんしりょく発電はつでん所しょについては「再さい稼働かどうを進すすめるべきだ」が昨年さくねん10月がつ下旬げじゅんの調査ちょうさより３ポイント低下ていかし26％。「再さい稼働かどうを進すすめるべきでない」は４ポイント上あがって60％だった。 続つづきは[要よう会員かいいん登録とうろく]原発げんぱつ再さい稼働かどうに反対はんたい６割わり　本社ほんしゃ世論せろん調査ちょうさ 政府せいふの復興ふっこう対応たいおう「評価ひょうかせず」52％

「何なにのために生いきているのか」。先さきの見みえない暮くらしを考かんがえると、気持きもちが沈しずむ。東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい１原発げんぱつ事故じこで福島ふくしま県けん双葉ふたば郡ぐんから避難ひなんした女性じょせい（５７）は、同どう県けんいわき市しに一軒家いっけんやを購入こうにゅうした。元手もとでは東電とうでんからの賠償金ばいしょうきん。だが、仕事しごとはない。近ちかくに友人ゆうじんもいない。自宅じたくで１人にん、昼間ひるまから日本酒にほんしゅをあおって気きを紛まぎらわせる。毎日まいにちがその繰くり返かえしだ。「酒さけでも飲のまないとやってられない」 　畜産ちくさんを営いとなんでいた。ストレスが多おおかった仮設かせつ住宅じゅうたくを約やく２年ねん前まえに出でた。新あらたなつながりを求もとめて職しょくを探さがしたが見みつからない。賠償金ばいしょうきんで生活せいかつには困こまらない。自宅じたくに籠こもりがちになり、今いまは心療内科しんりょうないかに通かよう。「国くにや東電とうでん、役場やくばは自立じりつしろと言いうが、具体ぐたい的てきには何なにもしてくれない」。いつか故郷こきょうに帰かえりたいが、自立じりつさえままならないのが現状げんじょうだ。 　「この年としじゃ仕事しごとはない。もう少すこし若わかけりゃ違ちがうんだろうけど…」。同どう県けん双葉ふたば町まちの菅本すがもと章二しょうじさんは２月がつ、埼玉さいたま県けん加須かぞ市しの借かり上あげ住宅じゅうたくで還暦かんれきを迎むかえた。故郷こきょうではコメ作づくりをしていたが、現在げんざいの生活せいかつ費ひは賠償金ばいしょうきん頼たのみ。 　この状況じょうきょうが良よいとは思おもわないが「自立じりつを促うながされても無理むり」というのが正直しょうじきなところだ。除染じょせんの仕事しごとをするか迷まよっている知人ちじんもいる。ただ、菅本すがもとさんにその選択肢せんたくしはない。「わざわざ避難ひなんしたのに除染じょせんに行いったら意味いみがない」。生活せいかつを切きり詰つめながら、年金ねんきんがもらえる年齢ねんれいになるのを待まつ。原発げんぱつ事故じこさえなければ、こうした生活せいかつに追おい込こまれることはなかった。 […] もっと読よむ。