Monthly Archives: August 2017

福島ふくしま県けんの甲状腺こうじょうせん検査けんさをめぐり、経過けいか観察かんさつとなった患者かんじゃのデータは把握はあくしていないと説明せつめいしていた福島ふくしま県立けんりつ医大いだいが、小児しょうに甲状腺こうじょうせんがんの「症例しょうれいデータベース」を構築こうちくし、福島ふくしま医科いか大だいで実施じっししていた手術しゅじゅつの全ぜん症例しょうれいを登録とうろくしていることが、OurPlanet-TVの取材しゅざいでわかった。 「症例しょうれいデータベース」の構築こうちくを行おこなっていたのは、同大どうだい甲状腺こうじょうせん・内分泌ないぶんぴつ学がく講座こうざの鈴木すずき眞一しんいち教授きょうじゅら研究けんきゅうグループ。研究けんきゅう報告ほうこく書しょのよると、鈴木すずき教授きょうじゅは県立けんりつ医大いだいで手術しゅじゅつを施行しこうした小児しょうに甲状腺こうじょうせんがん患者かんじゃの年齢ねんれい、性別せいべつ、腫瘍しゅよう径みち、病理びょうり診断しんだん結果けっかを一元いちげん管理かんりするデータベースを構築こうちくし、２０１６年ねん３月がつ末まつまでに１２８例れいが登録とうろくしていた。 この中なかには、福島ふくしま県民けんみん健康けんこう調査ちょうさの検討けんとう委員いいん会かいに報告ほうこくされていない３例れいの患者かんじゃデータも含ふくまれており、事故じこ当時とうじ４歳児さいじの患者かんじゃの情報じょうほうも登録とうろくされていると見みられる。 （略りゃく） 「手術しゅじゅつ症例しょうれい」は「過剰かじょう診断しんだん」を見極みきわめる鍵かぎ OurPlanet-TVが入手にゅうしゅした研究けんきゅう計画けいかく書しょによると、「症例しょうれいデータベース」を構築こうちくする研究けんきゅうが同大どうだい倫理りんり委員いいん会かいに提出ていしゅつされたのは２０１３年ねん１２月じゅうにがつ１日にち。検討けんとう委員いいん会かいに甲状腺こうじょうせん評価ひょうか部会ぶかいが設置せっちされた直後ちょくごにあたる。この頃ころ、５０例れいを上回うわまわる甲状腺こうじょうせんがんの多発たはつをめぐって、「過剰かじょう診断しんだん」論ろんが浮上ふじょう。翌年よくねん３月がつには、甲状腺こうじょうせん評価ひょうか部会ぶかいの委員いいん・渋谷しぶや健司けんじ東京大学とうきょうだいがく教授きょうじゅが、医学いがく雑誌ざっし「ランセット」に、福島ふくしまの甲状腺こうじょうせんがんは「スクリーニング効果こうか」では説明せつめいがつかず、「過剰かじょう診断しんだん」を招まねいている恐おそれがあるとした上うえで、検査けんさを見直みなおすべきだとの提言ていげんを投稿とうこう。 （略りゃく） このように、「手術しゅじゅつ症例しょうれい」をきちんと説明せつめいすることが、甲状腺こうじょうせんがん多発たはつの原因げんいんを分析ぶんせきするために、重視じゅうしされていたが、鈴木すずき眞一しんいち教授きょうじゅは、個人こじんの臨床りんしょう情報じょうほうであるとの理由りゆうで、詳細しょうさいの公表こうひょうを避さけてきた。しかし、「症例しょうれいデータベース」が構築こうちくされ、研究けんきゅうに活用かつようしていたことは、こうした説明せつめいをすべて覆くつがえすものと言いえる。 実際じっさい、鈴木すずき教授きょうじゅは、学会がっかいなどにおいて、過去かこ数すう回かい、県民けんみんには報告ほうこくしていない「手術しゅじゅつ症例しょうれい」を報告ほうこくしてきた。昨年さくねん９月がつに開催かいさいされた「第だい５回かい福島ふくしま国際こくさい専門せんもん家か会議かいぎ」でも、福島ふくしま県立けんりつ医大いだいで手術しゅじゅつを行おこない、手術しゅじゅつ症例しょうれいを詳細しょうさいに報告ほうこく。「過剰かじょう診断しんだん」を割さけるために、厳格げんかくな診断しんだん基準きじゅんを採用さいようしていると繰くり返かえし、説明せつめいしていた。 （略りゃく） ３０万まん人にん以上いじょうの子こどもたちが参加さんかする福島ふくしま県けんの甲状腺こうじょうせん検査けんさは、国くにの拠出きょしゅつした「福島ふくしま県民けんみん健康けんこう調査ちょうさ基金ききん」の約やく１０００億おく円えんをもとに実施じっしし、甲状腺こうじょうせん検査けんさだけで年間ねんかん８億おく円えん（2015年度ねんど実績じっせき）が支出ししゅつされている。このような公的こうてき枠組わくぐみで得えられた「症例しょうれいデータベース」や「組織そしきバンク」を、県民けんみんや患者かんじゃにさえに報告ほうこくすることなく、わずか数すう人にんの研究けんきゅうグループだけが個人こじん的てきな研究けんきゅうに活用かつようしている実態じったいが明あきらかになった。計画けいかく書しょには、これまで稀少きしょうだった小児しょうに甲状腺こうじょうせんがんの検体けんたい試料しりょうが、県民けんみん健康けんこう調査ちょうさによって多数たすう得えられるようになるとの趣旨しゅしの記載きさいもあり、県民けんみんの反発はんぱつを招まねくのは必死ひっしだ。 全文ぜんぶんは存在そんざいしていた！福島ふくしま医科いか大だい「甲状腺こうじょうせんがんデータベース」

　九州電力きゅうしゅうでんりょくは二に十じゅう八はち日にち、玄海げんかい原発げんぱつ３号機ごうき（佐賀さが県けん玄海げんかい町まち）の来年らいねん一いち月がつの再さい稼働かどうを想定そうていしていると発表はっぴょうした。関西電力かんさいでんりょくも同日どうじつ、福井ふくい県けんおおい町まちの大飯原発おおいいげんぱつ３号機ごうきを同どう一いち月がつ中旬ちゅうじゅんに、４号機ごうきを同どう三さん月がつ中旬ちゅうじゅんに再さい稼働かどうさせるとの計画けいかくを明あきらかにした。 　国内こくないでは関電かんでん高だか浜はま３、４号機ごうき（福井ふくい県けん高浜たかはま町まち）、九きゅう電でん川内せんだい（せんだい）１、２号機ごうき（鹿児島かごしま県けん薩摩さつま川内せんだい市し）、四国電力しこくでんりょく伊方いかた３号機ごうき（愛媛えひめ県けん伊方いかた町まち）の計けい五ご基きが運転うんてん中ちゅう。原発げんぱつの安全あんぜん対策たいさくや事故じこ時じの避難ひなん計画けいかくに住民じゅうみんの不安ふあんが残のこる中なかで、再さい稼働かどうが進すすむ形かたちだ。 　玄海げんかい３号機ごうきと同時どうじに原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいの審査しんさに合格ごうかくした同どう４号機ごうきの再さい稼働かどう時期じきは見通みとおせていない。九きゅう電でんは、３号機ごうきの再さい稼働かどう時期じきについて「検査けんさの進捗しんちょく（しんちょく）によっては来年らいねん一いち月がつからずれ込こむ可能かのう性せいもある」としている。 　九きゅう電でんと関電かんでんは二に十じゅう八はち日にち、玄海げんかい３号機ごうきと大飯おおめし３、４号機ごうきに関かんする機器ききや設備せつびの性能せいのうを現地げんちで確認かくにんする「使用しよう前ぜん検査けんさ」の来月らいげつからの開始かいしを規制きせい委いに申請しんせい。その際さい、想定そうていする再さい稼働かどう時期じきも併あわせて示しめした。 　両社りょうしゃの計画けいかくでは、原発げんぱつの運用うんようルールを定さだめた保安ほあん規定きていの認可にんかも得えた上うえで、玄海げんかい３号機ごうきで十じゅう二に月がつ以降いこうに燃料ねんりょうを装填そうてん（そうてん）。大飯おおめし３号機ごうきは十二月じゅうにがつ上旬じょうじゅん、同どう４号機ごうきは来年らいねん二に月がつ上旬じょうじゅんにそれぞれ装填そうてんする見通みとおし。 続つづきは原発げんぱつ３基き 再さい稼働かどうへ　玄海げんかい大飯おおい、来年らいねん１月がつ以降いこう

東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい１原子力げんしりょく発電はつでん所しょ事故じこの避難ひなん指示しじが出でていない地域ちいきから避難ひなんしている自主じしゅ避難ひなん者しゃのうち福島ふくしま県内けんないに住すむ３世帯せたいが、住宅じゅうたくの無償むしょう提供ていきょうが終了しゅうりょうしたのに家賃やちんを払はらわず借かり続つづけているとして、県けんは29日にちまでに、住宅じゅうたく明あけ渡わたしと家賃やちんの支払しはらいを求もとめ今秋こんしゅうにも福島ふくしま地裁ちさいに提訴ていそする方針ほうしんを決きめた。居住きょじゅうの実態じったいを確認かくにんできない世帯せたいもあるという。 県議会けんぎかい９月がつ定例ていれい会かいに関連かんれん議案ぎあんを提出ていしゅつする。 県けんによると、提訴ていそする避難ひなん者しゃの住宅じゅうたくではガスや電気でんきが使用しようされていなかったり、荷物にもつが放置ほうちされたままだったりしたという。県けんによる自主じしゅ避難ひなん者しゃへの住宅じゅうたく無償むしょう提供ていきょうが今年ことし３月がつ末まつで打うち切きられた後のちの家賃やちんも支払しはらわれておらず、県けんがたびたび電話でんわや訪問ほうもんをしても避難ひなん者しゃと連絡れんらくが取とれないため、悪質あくしつと判断はんだんした。 続つづきは自主じしゅ避難ひなん者しゃを提訴ていそへ　「居住きょじゅう実態じったいなし」と福島ふくしま県けん

政府せいふは東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい１原子力げんしりょく発電はつでん所しょ１～３号機ごうきで溶とけ落おちた核かく燃料ねんりょうを取とり出だす作業さぎょうの2021年ねん中ちゅうの開始かいしを維持いじする方針ほうしんだ。21年ねんの作業さぎょう開始かいしは政府せいふと東電とうでんが15年ねんに決定けっていしていたものの、溶融ようゆう燃料ねんりょうの実態じったい把握はあくが難航なんこう。開始かいし時期じきの延期えんきが焦点しょうてんとなっていたが、廃はい炉ろ支援しえんを担になう原子力げんしりょく損害そんがい賠償ばいしょう・廃はい炉ろ等とう支援しえん機構きこうが技術ぎじゅつ的てきに可能かのうと判断はんだんした。 東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい１原発げんぱつ３号機ごうきの格納かくのう容器ようき内ない調査ちょうさで、水中すいちゅうロボットが撮影さつえいした原子げんし炉ろ圧力あつりょく容器ようき底部ていぶの様子ようす＝７月がつ19日にち（国際こくさい廃はい炉ろ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう提供ていきょう） 原はら賠機構きこうは31日にち、溶融ようゆう燃料ねんりょうの取とり出だし方針ほうしんを含ふくむ「廃はい炉ろ戦略せんりゃくプラン2017」を公表こうひょう。溶融ようゆう燃料ねんりょうを水みずに浸ひたしながら原子げんし炉ろの横よこから作業さぎょうする工法こうほうを柱はしらに取とり出だし開始かいしは技術ぎじゅつ的てきに可能かのうとした。「21年ねん取とり出だし開始かいしを崩くずす理由りゆうはない」（原はら賠機構きこう幹部かんぶ）との結論けつろんになった。 強つよい放射線ほうしゃせんを出だし続つづける溶融ようゆう燃料ねんりょうを取とり除のぞく作業さぎょうは、福島ふくしま第だい１原発げんぱつ廃はい炉ろの最さい難関なんかんに位置いちづけられている。原はら賠機構きこうや東電とうでんなどが溶融ようゆう燃料ねんりょうの正確せいかくな位置いちや量りょうの把握はあくに努つとめてきたが、今年ことし１～３月がつに実施じっしした１～２号機ごうきの調査ちょうさでは特定とくていできなかった。そのため21年ねんの取とり出だし開始かいしは技術ぎじゅつ的てきに困難こんなんとの見方みかたも出でていた。 続つづきは溶融ようゆう核かく燃料ねんりょう21年ねん取とり出だし開始かいし維持いじ　福島ふくしま第だい１で政府せいふ方針ほうしん