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[…] 【「野球やきゅうのプレーで内部ないぶ被曝ひばくが心配しんぱい」】 […] 息子むすこは、野球やきゅうのクラブチームに所属しょぞくしている。好すきな野球やきゅうに取とり組くんでいる息子むすこはとても生いき生いきとしていて輝かがやいている。そんな息子むすこをサポートしている自分じぶんも、とても楽たのしく充実じゅうじつした日々ひびを送おくっている。しかし…。プレーで舞まい上あがった砂すなぼこりを吸すい込こむ事ことで内部ないぶ被曝ひばくしないだろうかと不安ふあんになる。泥どろだらけのユニフォームを洗濯せんたくするたびに、付着ふちゃくした土どの中なかに、どれだけの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが含ふくまれているのかと考かんがえてしまう。 「心配しんぱいなのは土壌どじょうです。土壌どじょうに含ふくまれる〝セシウムボール〟が再さい浮遊ふゆうし、吸すい込こむ恐おそれがあると聞ききました。ぜひ土壌どじょうの測定そくていをして欲ほしいです」 学校がっこうだけでなく、スポーツが行おこなわれる専用せんようグラウンドも含ふくめた詳細しょうさいな土壌どじょう測定そくていを望のぞむのは、親おやとしては当然とうぜんの願ねがいだ。しかし、伊達だて市長しちょうは原発げんぱつ事故じこ後ご、被曝ひばくによるわが子こへの健康けんこう被害ひがいを不安ふあん視しする親おやを「心しんの除染じょせんが必要ひつよう」などと見下みくだすような発言はつげんを続つづけてきた。少すこしでも被曝ひばくリスクを減へらそうと、子こどもには風邪かぜを引ひいていなくてもマスクをさせている。屋内おくないで過すごさせる事ことも増ふえた。福島ふくしま県けん外がいの食材しょくざいを取とり寄よせているが、県境けんきょうに壁かべがあるわけではない。何なにをどうすれば「安全あんぜん」なのか。 […] 【排出はいしゅつされない放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうし】 原告げんこくの弁護べんご団だんはこの日ひ、4つの準備じゅんび書面しょめん（43～46）を提出ていしゅつ。井戸いど謙一けんいち弁護士べんごしは、そのうち準備じゅんび書面しょめん（45）に関かんして概要がいようを陳述ちんじゅつ。原発げんぱつ事故じこによって拡散かくさんされた不溶性ふようせい放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうし（いわゆるセシウムボール、もしくはホットパーティクル）による内部ないぶ被曝ひばくに危険きけん性せいについて述のべた。 「〝セシウムボール〟の拡散かくさん状じょう況きょうや内部ないぶ被曝ひばくのリスクについては、いまなお研究けんきゅう途上とじょうだ。しかし少すくなくとも、内部ないぶ被曝ひばくについて従来じゅうらいのICRPの評価ひょうかが妥当だとうしないという事ことは既すでに共通きょうつう認識にんしきになっている。〝セシウムボール〟による内部ないぶ被曝ひばくリスクの有無うむ・程度ていどが科学かがく的てきに明確めいかくになるまで子こどもたちを防護ぼうごする必要ひつようが無ない、という考かんがえ方かたは誤あやまりだ。子こどもたちはモルモットでは無ない」 茨城いばらき県けんつくば市しでは2011年ねん3月がつ15日にち、1立方りっぽうメートル中ちゅうに4100万まん個この放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうしが見みつかっている。土壌どじょうに沈着ちんちゃくした不溶性ふようせい放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうしが再さい浮遊ふゆうする可能かのう性せいを指摘してきする専門せんもん家かもいる。「不用ふよう性せい放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうしはイオン状態じょうたいでは無ないので土壌どじょうの鉱物こうぶつに取とり込こまれない。土壌どじょうの粒子りゅうしに物理ぶつり的てきに付着ふちゃくしているだけ。したがって容易よういに再さい浮遊ふゆうすると報告ほうこくされている」。 再さい浮遊ふゆうを示しめすデータとして、井戸いど弁護士べんごしは福島ふくしま県けん農業のうぎょうセンターが2012年ねん2月がつに得えたデータを採用さいよう。「細切こまぎりの大根だいこんを乾燥かんそうさせた際さい、乾燥かんそう小屋こやで乾燥かんそうさせた大根だいこんは90Bq/kg以下いかだったが、軒下のきしたに干ほした大根だいこんは3421Bq/kgもあった。空気くうき中ちゅうに大量たいりょうの放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうしが浮遊ふゆうしているという事ことが十分じゅうぶんに推測すいそくされる。大気たいき中ちゅうに存在そんざいするということは当然とうぜん、呼気こきとともに体内たいないに取とり入いれる」。 井戸いど弁護士べんごしはさらに「放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうしは体液たいえきに吸収きゅうしゅうされないので、一定いってい期間きかんで体外たいがいに排出はいしゅつされるする『生物せいぶつ的てき半減はんげん期き』の考かんがえ方かたが通用つうようしない」として「ICRPの考かんがえ方かたをそのまま適用てきようできない」と主張しゅちょうした。「先日せんじつ、亡なくなった吉岡よしおか斉ひとし氏しを座長ざちょうとする原子力げんしりょく市民しみん委員いいん会かいが発行はっこうした冊子さっし『原発げんぱつゼロ社会しゃかいへの道みち2017』では『放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうしの人体じんたいへの取とり込こみ、滞留たいりゅう、被曝ひばくの集中しゅうちゅう性せいなど解明かいめいされなければならない多おおくの課題かだいが生しょうじており、被曝ひばく影響えいきょう評価ひょうかは根本こんぽんから再考さいこうされなければならない』と指摘してきされている」。 弁護べんご団だんは今後こんご、専門せんもん家かの意見いけん書しょ提出ていしゅつや証人しょうにん尋問じんもんを通つうじて、さらに不溶性ふようせい放射ほうしゃ性せい微粒子びりゅうしの危険きけん性せいを立証りっしょうしていく方針ほうしん。この日ひの進行しんこう協議きょうぎでは、被告ひこく側がわの代理人だいりにん弁護士べんごしの1人ひとりから「そんなことを言いったら、福島ふくしま県けんではどこにも住すめなくなる」との発言はつげんもあったという。 全文ぜんぶん

[…]小国おぐに地区ちくは、避難ひなん指示しじの代かわりに年間ねんかん積算せきさん線量せんりょうが20mSvを上回うわまわるとされる世帯せたいが「特定とくてい避難ひなん勧奨かんしょう地点ちてん」に指定していされ、避難ひなんの支援しえんや各種かくしゅ減免げんめん措置そちが講こうじられた。しかし、指定していが集落しゅうらくごとではなく世帯せたいごとだったため、わずかな数値すうちの差さで指定していを受うけられなかった世帯せたいとの間あいだで激はげしい軋轢あつれきが生しょうじた。当時とうじ、自宅じたくが特定とくてい避難ひなん勧奨かんしょう地点ちてんに指定していされた男性だんせいは、今いまでも「俺おれ自身じしんは何なにも悪わるい事ことをしていないのに、かなり責せめられた」と苦にがい表情ひょうじょうで語かたる。 そのAエリアの複数ふくすうの住民じゅうみんたちが「Cエリア除染じょせん問題もんだい」に関かんして厳きびしい批判ひはんを口くちにした。それはつまり、Cエリアの住民じゅうみんがただ単たんにわがままを言いっているわけでは無ないという事ことを物語ものがたる。しかも、Cエリアには「福島ふくしま県けん外がいに避難ひなんしたいが難むずかしいので、せめて少すこしでも汚染おせんの程度ていどの低ひくい土地とちで子育こそだてしたい」と移うつり住すんだAエリアの住民じゅうみんも暮くらしているのだ。移住いじゅう先さきの環境かんきょうを少すこしでも安心あんしん出来できるレベルにして欲ほしいと願ねがうのは当然とうぜんだ。仁志にし田た市長しちょうもそこに付つけ込こむようなキャッチフレーズを掲かかげて当選とうせんしたにもかかわらず、手ての平ひらを返かえすように除染じょせんに消極しょうきょく的てきな4年間ねんかんだった。しかも、「Cエリア除染じょせんを求もとめているのはごく一部いちぶの住民じゅうみん」、「本当ほんとうに必要ひつようなのは『心しんの除染じょせん』だ」などと、まるでCエリア除染じょせんを求もとめる住民じゅうみんが過剰かじょう不安ふあんに陥おちいっているかのような言動げんどうを繰くり返かえした。 仁志にし田た市長しちょうは、敗因はいいんの一ひとつに「世代せだい交代こうたい」を挙あげたが、決けっしてそれだけでは無ない事ことは明あきらかだ。   【「意見いけん聴きくが判断はんだんするのは市長しちょう」】 最後さいごまで強気つよきの姿勢しせいを崩くずさなかった。 「やるべき事ことはやっている。必要ひつような除染じょせんはやった」 「公約こうやく違反いはんなどとは全まったく考かんがえていない」 阿武隈あぶくま急行きゅうこう・保原ほばら駅えき近ちかくで開ひらかれた「選挙せんきょ結果けっか報告ほうこく会かい」。華々はなばなしい当選とうせん祝賀しゅくがセレモニーになるはずが一転いってん、お通夜つやのように静しずまり返かえった会場かいじょうで、仁志にし田た市長しちょうは午後ごご9時じすぎ、サバサバとした表情ひょうじょうで「市民しみんの選択せんたくには潔いさぎよく従したがう」などと敗戦はいせんの弁べんを述のべた。 集あつまった支持しじ者しゃ一いち人にん一人ひとりと握手あくしゅをし、地元じもと記者きしゃらの囲かこみ取材しゅざいを受うけた。地元じもとテレビ局てれびきょくの質問しつもんには時折ときおり、笑顔えがおを交まじえながら答こたえていた。しかし、筆者ひっしゃが唯一ゆいいつ「Cエリア除染じょせん問題もんだい」について質ただすと表情ひょうじょうが一変いっぺん。〝逆ぎゃくギレ〟にも近ちかいような口調くちょうで、これまで市議会しぎかいでの答弁とうべんでも度々たびたび、展開てんかいして来きた持論じろんを口くちにした。 「市民しみんが言いうから全すべてやりますと言いうんじゃ、それは市長しちょうでは無ない。意見いけんは聴きくけど、その判断はんだんは市長しちょうがする。除染じょせんが必要ひつようならやりますよ。でも、科学かがく的てきに必要ひつようないんだから、やる必要ひつようが無ない。だから、やらなくても良よいんじゃないですか」 そして、こうも語かたった。 「必要ひつよう無なければ除染じょせんはやらない。その結果けっかを気きに入いらないと言いう人ひとがいても、それは『ポピュリズム』と言いうんじゃないですか」 2018年ねん1月がつ26日にち号ごうで取とり上あげたように、3選せんを果はたした前回ぜんかい2014年ねんの市長しちょう選せんでは、仁志にし田た市長しちょうは「Cエリアも除染じょせんして復興ふっこうを加速かそく」と明記めいきした「後援こうえん会かいNEWS」を配くばった。しかし、実際じっさいに行おこなわれたのは住宅じゅうたく敷地しきち内ないのうち、地表ちひょう真上まうえで3μみゅーSv/hを上回うわまわった箇所かしょだけの除染じょせんだった。0･9μみゅーSv/hでも2･9μみゅーSv/hでも除染じょせんはされなかった。市民しみんから「NO」を突つきつけられてもなお「子役こやく違反いはんでは無ない」と言いい切きるのは理解りかいに苦くるしむ。 相馬そうま市しから駆かけ付つけた、いとこの立谷たちや秀しげる清しん市長しちょう（福島ふくしま県けん市長しちょう会長かいちょう）は「2人ふたりで東北とうほく中央ちゅうおう自動車じどうしゃ道どう・相馬そうま福島ふくしま道路どうろ（復興ふっこう支援しえん道路どうろ）の建設けんせつに力ちからを尽つくしてきた。もうすぐ完成かんせいという時ときに一緒いっしょに完成かんせいを祝いわえないのは極きわめて残念ざんねんだが、3期き12年間ねんかん、伊達だて市しのリーダーとして地域ちいきのために尽つくしてきた事実じじつは永遠えいえんに残のこる」と最大限さいだいげんの賛辞さんじを送おくったが、あまりに市民しみん感覚かんかくとかけ離はなれている。 […]     全文ぜんぶん