Monthly Archives: October 2020

　原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいは３０日にち、東京電力とうきょうでんりょくが原発げんぱつの安全あんぜん確保かくほに向むけた「決意けつい」などを盛もり込こんで変更へんこうした、東電とうでん柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつの保安ほあん規定きていを認可にんかした。東電とうでんが再さい稼働かどうを目指めざす同どう原発げんぱつ７号機ごうきについては既すでに、新しん規制きせい基準きじゅんへの適合てきごう性せいと、工事こうじ計画けいかくも認みとめており、再さい稼働かどうに必要ひつような三みっつの審査しんさが全すべて終了しゅうりょうした。今後こんごは、７号機ごうきの再さい稼働かどうに対たいする地元じもとの同意どういが焦点しょうてんとなる。 […] ただ、花角はなずみ英世ひでよ知事ちじは、原発げんぱつの安全あんぜん性せいに関かんする県けん独自どくじの「三みっつの検証けんしょう」や、県けん技術ぎじゅつ委員いいん会かいによる柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつの安全あんぜん性せい確認かくにんなどが終おわらない限かぎり、再さい稼働かどうの議論ぎろんをしないとの姿勢しせいを示しめしている。 　三みっつの検証けんしょうの一ひとつ、東電とうでん福島ふくしま第だい１原発げんぱつ事故じこの原因げんいんに関かんする検証けんしょうは２６日にちに報告ほうこく書しょがまとまったが、ほかの二ふたつの検証けんしょうや柏崎かしわざき刈羽かりわの安全あんぜん確認かくにんはまだ途上とじょうにある。本県ほんけんでは再さい稼働かどう問題もんだいについて議論ぎろんする環境かんきょうが整ととのっていないのが実情じつじょうだ。 　３０日にちに認可にんかされた保安ほあん規定きていは、原発げんぱつの安全あんぜん管理かんりのルールを定さだめたもの。新あらたに「安全あんぜん性せいより経済けいざい性せいを優先ゆうせんしない」など７項目こうもくの決意けついを「順守じゅんしゅする」とした。 　また、事故じこが起おきた際さいの東電とうでん社長しゃちょうの責任せきにんを明記めいき。社長しゃちょう自みずからが安全あんぜん上じょうのリスクを把握はあくし、安全あんぜん最さい優先ゆうせんの判断はんだんや対応たいおうをした上うえで、その内容ないようを速すみやかに社会しゃかいに発信はっしんすることや、そうした対応たいおうの記録きろくを原子げんし炉ろの廃止はいしまで保管ほかんすることなどを盛もり込こんだ。 　保安ほあん規定きていの認可にんかを受うけ、東電とうでんの小早川こばやかわ智明ともあき社長しゃちょうは「私わたし自みずからが先頭せんとうに立たち、安全あんぜん最さい優先ゆうせんで取とり組くんでいく」とのコメントを出だした。 　一方いっぽう、花角はなずみ氏しは「規制きせい委いによる審査しんさの結果けっかであり、県けんとしてのコメントは控ひかえる。審査しんさ内容ないように疑問ぎもんが残のこる点てんなどについて、技術ぎじゅつ委員いいん会かいで確認かくにんしていく」とのコメントを発表はっぴょうした。 全文ぜんぶん

本年ほんねん７月がつ２２日にちに院内いんないヒアリング集会しゅうかい「放射能ほうしゃのう汚染おせん水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつ（イチエフと六ろくヶ所かしょ）」を開催かいさい、経けい産さん省しょう・原子力げんしりょく規制きせい庁ちょう・外務省がいむしょうの担当たんとうに要請ようせい・質疑しつぎ応答おうとうをしました。多おおくの訴うったえをすることができましたが、質疑しつぎ応答おうとうは時間切じかんぎれで十分じゅうぶんな確認かくにん・追及ついきゅうができませんでした。特とくにロンドン条約じょうやくと国内こくない法ほうとの関係かんけいについて不十分ふじゅうぶんでした。また、環境かんきょう法ほうの対象たいしょう外がいとされていた放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを東電とうでん福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ（以下いかイチエフ）事故じこ後ごの２０１２年ねんに対象たいしょうとし、環境かんきょう基本きほん法ほう・原子力げんしりょく基本きほん法ほうが改訂かいていされた事実じじつを新あらたに確認かくにんしました。 一方いっぽうで経けい産さん省しょう（資源エネルギしげんえねるぎー庁ちょう）は「関係かんけい者しゃの御ご意見いけんを伺うかがう場ば」を続つづけて地元じもとなどから「風評ふうひょう被害ひがい」について多おおくの厳きびしい反対はんたいの声こえを聞ききながらも、パブコメの結果けっかも公表こうひょうせず、梶山かじやま経けい産さん相しょうは「国くにはしっかりとした決断けつだんをしていく」と、そろそろ「海洋かいよう放出ほうしゅつ」を決きめそうな状況じょうきょうです。そこで、７月がつ２２日にちの質疑しつぎに続つづけて、イチエフ「ＡＬＰＳ処理しょり水すい」に的まとを絞しぼって院内いんないヒアリング集会しゅうかいを開催かいさいし、政府せいふ決定けってい前まえにトリチウム等とう放射能ほうしゃのう汚染おせん水すいを海うみに流ながさないように訴うったえます。 質問しつもん者しゃ： 山崎やまざき久隆ひさたか、木村きむら雅英まさひで、再さい稼働かどう阻止そし全国ぜんこくネットワーク、 他た 質問しつもん項目こうもく： １原子力げんしりょく基本きほん法ほうと環境かんきょう基本きほん法ほう ２トリチウムの危険きけん性せい ３ロンドン条約じょうやくと海洋かいよう投棄とうき ４イチエフ廃はい炉ろとタンク保管ほかんとの関係かんけい ５世界せかいから反対はんたいの声こえ 原文げんぶん

原子力げんしりょく発電はつでんに関連かんれんする事故じこといえばチェルノブイリ原子力げんしりょく発電はつでん所しょ事故じこが有名ゆうめいですが、人ひとが被ひばくするのは必かならずしも原子力げんしりょく発電はつでんに伴ともなう事故じことは限かぎりません。過去かこには、博物館はくぶつかんに放射線ほうしゃせんを放はなつ鉱石こうせきがバケツに入はいったまま放置ほうちされていた事例じれいや、放射能ほうしゃのうが残留ざんりゅうする遺体いたいを処理しょりした火葬かそう場じょう職員しょくいんが被ひばくする事例じれいも報告ほうこくされていますが、中なかでもアメリカ大陸あめりかたいりく最大さいだいの被ひばく事故じことされるのが「シウダー・フアレスのコバルト60汚染おせん事故じこ」です。 The Mexican Chernobyl, The Biggest Nuclear Accident In The American Continent – What’s onhttps://culturacolectiva.com/history/cobalt-60-ciudad-juarez-mexico-nuclear-accident アメリカとメキシコにまたがる広域こういきを放射能ほうしゃのうで汚染おせんする事故じこが起おきたのは、アメリカとの国境こっきょう沿ぞいに位置いちするメキシコのシウダー・フアレスという都市としでした。1983年ねん12月6日にち、シウダー・フアレスの医療いりょうセンターに務つとめる保守ほしゅ作業さぎょう員いんのVicente Sotelo氏しとRicardo Hernández氏しは、「病院びょういんの倉庫そうこにあるものを好すきに持もって帰かえっていい」と告つげられ、ガラクタの中なかから転売てんばいできそうなものを物色ぶっしょくしていました。 (略りゃく） 金属きんぞくのスクラップとして放射線ほうしゃせん治療ちりょう装置そうちを売うることにした2人ふたりは、ハンマーなどで機械きかいを分解ぶんかいする中なかで100kgもある箱はこ形がたの部品ぶひんがあることに気きづきました。2人ふたりが箱はこを壊こわすと、その内部ないぶには小ちいさな球形きゅうけいの粒つぶ(ペレット)が6000個こ以上いじょうも納おさめられていましたが、気きにせず分解ぶんかいした機械きかいをピックアップトラックにのせたそうです。 実じつはこのペレットの材料ざいりょうは、放射線ほうしゃせん治療ちりょう装置そうちにおいて放射線ほうしゃせん源げんとして用もちいられていたコバルト60であり、大量たいりょうの放射線ほうしゃせんを出だしていました。しかし、2人ふたりはそれに気きづかないままトラックでリサイクル場じょうまで運はこび、トラックの内部ないぶだけでなく道みちばたにも大量たいりょうのペレットをばらまいたとのこと。 （略りゃく） 2人ふたりが機械きかいの部品ぶひんをリサイクル場じょうに売うりつけると、Sotelo氏しは放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつで汚染おせんされたピックアップトラックを家いえの近ちかくに駐車ちゅうしゃ。ピックアップトラックはその直後ちょくごにバッテリーが盗ぬすまれたそうで、そのまま3カ月かげつほど人口じんこう密度みつどが高たかい地域ちいきに放置ほうちされました。 リサイクル場じょうでは、クレーンや付近ふきんの金属きんぞくくずが放射線ほうしゃせんを出だす機械きかいの部品ぶひんや微少びしょうなペレットに汚染おせんされたほか、機械きかいの金属きんぞく部品ぶひんは提携ていけいする精錬せいれん業者ぎょうしゃに運はこび込こまれました。精錬せいれん業者ぎょうしゃは金属きんぞくくずを解とかして建築けんちく資材しざいやテーブルなどに利用りようする金属きんぞくブロックに加工かこうしており、機械きかいの部品ぶひんや二に次じ汚染おせんされた金属きんぞくくずを含ふくんだ資材しざいが推定すいてい2万まんトンも製造せいぞうされたとのこと。そして2人ふたりが放射線ほうしゃせん治療ちりょう装置そうちを売うり飛とばした翌月よくげつには、誰だれも知しらないうちに放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつで汚染おせんされた資材しざいがメキシコ国内こくないだけでなくアメリカにも搬出はんしゅつされてしまったそうです。 （略りゃく） この手てがかりをもとに捜索そうさくしたところ、このトラックがモーテルの前まえに駐車ちゅうしゃされているのが発見はっけんされ、当局とうきょくが事態じたいの収拾しゅうしゅうに乗のり出だしました。トラックからは1時じ間あいだ当あたりでおよそ1000レム(10シーベルト)もの放射線ほうしゃせんが検出けんしゅつされたそうで、これはレントゲン撮影さつえい機きが放射ほうしゃする放射線ほうしゃせん(0.2レム)の5000倍ばいであり、50％の被ひばく者しゃが死亡しぼうするとされる400レムの被ひばく線量せんりょうを大幅おおはばに上回うわまわる値ねです。 メキシコ原子力げんしりょく安全あんぜん・保障ほしょう措置そち委員いいん会かい(CNSNS)などの調査ちょうさによって、アメリカとメキシコの国境こっきょう沿ぞいに汚染おせんされた金属きんぞくが広ひろまっていることが判明はんめいしたため、当局とうきょくは汚染おせん物質ぶっしつの回収かいしゅうを開始かいし。アメリカの当局とうきょくは国内こくないに流通りゅうつうしていた1000トンの汚染おせん物質ぶっしつのうち90％を回収かいしゅうしてメキシコに送おくり返かえしましたが、メキシコでは1万まん9000トンのうち5000トンしか回収かいしゅうできなかったとのこと。 また、最初さいしょにSotelo氏しとHernández氏しが放射線ほうしゃせん治療ちりょう装置そうちを運はこんだ際さいにばらまかれた放射線ほうしゃせん源げんのペレットを回収かいしゅうするため、180人にんもの労働ろうどう者しゃが動員どういんされたそうですが、労働ろうどう者しゃには満足まんぞくな保護ほご具ぐも与あたえられなかったそうです。この事故じこに関連かんれんして被ひばくした人々ひとびとの総数そうすうは、4000人にんに上のぼるとみられています。 放射線ほうしゃせんの被ひばくは人々ひとびとにさまざまな健康上けんこうじょうの問題もんだいをもたらす可能かのう性せいがありますが、かなりの線量せんりょうを浴あびたはずのSotelo氏しには深刻しんこくな症状しょうじょうが現あらわれなかったそうで、「Vicente the Bionic Man(超人ちょうじんのビセンテ)」というあだ名なで呼よばれました。一方いっぽう、汚染おせんが広ひろがったシウダー・フアレスの町まちでは、事故じこ後ごの数すう年間ねんかんでがん患者かんじゃの増加ぞうかや奇形きけいで生うまれたり死産しざんしたりする子こどもの数かずが増加ぞうかが確認かくにんされたとのことです。 全文ぜんぶんは放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつで汚染おせんされた資材しざいが国くにを超こえて流通りゅうつうした「アメリカ大陸あめりかたいりく最大さいだいの被ひばく事故じこ」の原因げんいんとは？

[…] ◆「原発げんぱつがなくなれば、地域ちいきが死しんでしまう」 フェッセンハイムはライン川がわを挟はさんでドイツに接せっする。60年代ねんだいまで、人口じんこう1000人にん以下いかの貧まずしい農村のうそんだった。しかし70年代ねんだいに始はじまった原発げんぱつ建設けんせつで人口じんこうは倍増ばいぞう、生うみ出だした雇用こようは約やく2100人にん分ぶんに上のぼった。　EDFからの補助ほじょ金きんも街まちを潤うるおした。市し年間ねんかん予算よさん430万まんユーロ（約やく5億おく6000万まん円えん）の約やく3分ぶんの2に及およぶ。「原発げんぱつなしに繁栄はんえいは考かんがえられなかった。原発げんぱつがなくなれば、地域ちいきが死しんでしまう」と市長しちょうは憤いきどおる。　しかし廃はい炉ろ後ごの跡地あとち利用りようの議論ぎろんは進すすまない。仏ふつ政府せいふとEDF、ドイツ側がわを含ふくむ周辺しゅうへん自治体じちたいは2019年ねん2月がつ、地域ちいきの活性かっせい化かへ向むけた協議きょうぎ会かい設立せつりつに合意ごういしたが、代表だいひょうは1年ねん半はんたっても空席くうせきのまま。そもそも、原発げんぱつ解体かいたいの手引てびきすらできていない。　仏ふつ政府せいふは先月せんげつ、新型しんがたコロナからの経済けいざい再建さいけん策さくとして、原子力げんしりょく産業さんぎょうへの支援しえんを表明ひょうめいした。各地かくちの原発げんぱつ解体かいたいで出でる金属きんぞく部品ぶひんを除染じょせん、再さい利用りようする工場こうじょうの計画けいかくにも前向まえむきで、フェッセンハイムに建設けんせつする議論ぎろんがある。　ブレンダー市長しちょうも計画けいかくに前向まえむきだが、EDFが実際じっさいに建設けんせつするか決きめるのは23年ねんの予定よていだ。安全あんぜん性せいを巡めぐり長年ながねんにわたり原発げんぱつ閉鎖へいさを求もとめてきたドイツ側がわからも、既すでに汚染おせんへの懸念けねんから反対はんたいの声こえが上あがる。飲食いんしょく業ぎょうアンジェリークさん（41）は「将来しょうらいをイメージできないまま、さらに人ひとが減へりそうで怖こわい」と打うち明あけた。 ◆補助ほじょ金きんで「暮くらしやすい街まち」に　新しん住民じゅうみん呼よび込こめるか 見通みとおしが立たたない中なか、市しは停止ていし後ごも10年間ねんかん保証ほしょうされているEDFの補助ほじょ金きんを使つかい、街まちの整備せいびを進すすめる。周辺しゅうへん自治体じちたいにはない総合そうごう診療しんりょう所しょを充実じゅうじつさせ、市有しゆう地ちを格安かくやすで提供ていきょう。暮くらしやすい街まちとして、住民じゅうみんを呼よび込こむ計画けいかくだ。30年ねんまでに現在げんざい2400人にんの人口じんこうの25％増ぞうを目指めざす。　「閉鎖へいさも跡地あとち利用りようも、市しに決定けってい権けんはない」と無力むりょく感かんを示しめすブレンダー市長しちょうは、こう訴うったえる。「街まちが生いき残のこるには、人ひとが住すみ続つづける方法ほうほうを考かんがえるしかない。主要しゅよう産業さんぎょうをなくした先さき、地域ちいきをどうするのか。国くにも電力でんりょく会社かいしゃも、向むき合あってほしい」　全ぜん電力でんりょくの7割わり超ちょうを原子力げんしりょく発電はつでんが占しめる世界せかい最大さいだいの原発げんぱつ依存いぞん国こくフランスで、原発げんぱつを取とり巻まく環境かんきょうが揺ゆれている。福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ事故じこ以降いこう、政府せいふは「減げん原発げんぱつ」の方針ほうしんを掲かかげ、今年ことし6月がつには国内こくない最古さいこの原発げんぱつを停止ていしした。しかし、「廃はい炉ろ後ご」の展望てんぼうは見みえず、近年きんねんの猛暑もうしょや新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、温暖おんだん化か対策たいさくや経済けいざい対策たいさくとしての再さい評価ひょうかも起おきている。原発げんぱつ大国たいこくのいまを追おった。（フェッセンハイムで、竹田たけだ佳彦よしひこ、写真しゃしんも） 全文ぜんぶん

２０１１年ねんの東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい１原発げんぱつ事故じこの後のち、復旧ふっきゅうや廃はい炉ろなどに関連かんれんした作業さぎょうに携たずさわった作業さぎょう員いんらの労災ろうさい認定にんていが、今年ことし１０月がつ１日にちまでの９年ねん半はん余あまりで２６９件けんに上のぼることが２９日にち、厚生こうせい労働省ろうどうしょうへの取材しゅざいで分わかった。年度ねんど別べつでは汚染おせん水すい対策たいさくの本格ほんかく化かに伴ともない事故じこが相次あいついだ１４年度ねんどの５８件けんが最多さいた。その後ご減へったが、おおむね２０件けん前後ぜんこうで推移すいいする。被ひばくによるがんや過労かろう死しが理由りゆうの認定にんていもあり、作業さぎょう員いんが厳きびしい環境かんきょうで働はたらく実態じったいが浮うき彫ぼりになった。　東電とうでんによると、１１～１９年度ねんど、作業さぎょう中ちゅうの事故じこなどで３人にんが死亡しぼう、熱中ねっちゅう症しょうも頻発ひんぱつしている。来年らいねん３月がつで事故じこから１０年ねんとなるが、廃はい炉ろに向むけた作業さぎょうは今後こんごも長期ちょうきにわたる。 原文げんぶん

菅野かんの 朋子ともこ 10月がつ内ないにもと見みられていた東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい1原子力げんしりょく発電はつでん所しょの汚染おせん処理しょり水すいを巡めぐる決定けっていが見送みおくられたが、韓国かんこくでは、「決定けってい留保りゅうほではなく海洋かいよう放出ほうしゅつは撤回てっかいすべし」という声こえが高たかまっている。 （略りゃく） 韓国かんこく与野党よやとうが一致いっち「福島ふくしま原発げんぱつ処理しょり水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつ反対はんたい」 　10月15日にち、日本にっぽん政府せいふが放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの濃度のうどを下さげた後のち海洋かいよう放出ほうしゅつする方針ほうしんを固かためたと報ほうじられると、22日にちには、李り洛らく淵ふち「共ともに民主党みんしゅとう」代表だいひょうが冨田とみた浩司こうじ駐ちゅう韓かん日本にっぽん大使たいしと会あい、処理しょり水すい関連かんれんの情報じょうほうを公開こうかいすることを求もとめ、23日にちには、釜山ぷさん市しや国会こっかい内ないの委員いいん会かいで日本にっぽん政府せいふへ処理しょり水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつ計画けいかくをとりやめるように求もとめる決議けつぎ案あんが次々つぎつぎと議決ぎけつされた。　 　与野党よやとうは福島ふくしま原発げんぱつ処理しょり水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつ反対はんたいについては一致いっちしており、なかでもひときわ強つよく声こえをあげているのは済州さいしゅう島とうの元もと喜き龍りゅう知事ちじ（野党やとう「国民こくみんの力ちから」所属しょぞく）だ。 　元もと知事ちじは、「福島ふくしまの汚染おせん水すいは200日にち後ごには済州さいしゅう島とうの海うみを含ふくめた韓国かんこくの領海りょうかいへ達たっする」として、「もし、日本にっぽん政府せいふが汚染おせん水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつを行おこなうならば日本にっぽん政府せいふ相手あいての民みん・刑事けいじ訴訟そしょう、さらには国際こくさい裁判所さいばんしょへの訴訟そしょうも辞じさない」（ソウル新聞しんぶん10月がつ23日にち）と表明ひょうめい。 　革新かくしん系けい野党やとう「正義まさよし党とう」議員ぎいんらも26日にち、駐韓ちゅうかん日本にっぽん大使館たいしかんを訪おとずれ、「日本にっぽん政府せいふは福島ふくしま放射能ほうしゃのう汚染おせん水すい海洋かいよう放出ほうしゅつ計画けいかくを全面ぜんめん白紙はくし化かすべし」という内容ないようの抗議こうぎ書しょを提出ていしゅつし、「特とくに隣接りんせつ国家こっかと積極せっきょく的てきに協議きょうぎをして決定けっていすべきだ」と相馬そうま弘ひろし尚なお駐韓ちゅうかん総括そうかつ公使こうしに伝つたえたと報ほうじられた。 （略りゃく） 日本にっぽんの水産物すいさんぶつは韓国かんこくでも絶大ぜつだいな人気にんきを博はくしていたが、震災しんさいで状況じょうきょうは一変いっぺん。韓国かんこくでは今いまでも日本にっぽんの福島ふくしま県けんを含ふくむ8県けんの水産物すいさんぶつ（水揚みずあげ、加工かこう）の輸入ゆにゅうを禁止きんししているのは周知しゅうちの通とおりだ。 （略りゃく） 原発げんぱつへのマイナスイメージが韓国かんこく原子力げんしりょく関係かんけい者しゃに与あたえた打撃だげき 　前出ぜんしゅつの韓国かんこくの専門せんもん家かは「日本にっぽんの福島ふくしま原発げんぱつの事故じこから韓国かんこくの原子力げんしりょく関係かんけい者しゃは死しに体たいになってしまった」とも言いっていた。 「韓国かんこくで脱だつ原発げんぱつの気運きうんが高たかまったきっかけは、2011年ねんの福島ふくしま原発げんぱつ事故じこです。あれほど用意ようい周到しゅうとうな日本にっぽんでさえ災害さいがいがあったからとはいえ、あんな事故じこが起おきてしまった。地震じしんや津波つなみといった大型おおがた自然しぜん災害さいがいを経験けいけんしたことのない韓国かんこくではもっと危険きけんだろう、という見方みかたになってしまった。 　最近さいきんでは韓国かんこくでも地震じしんが起おきていて、地震じしんと無関係むかんけいではいられなくなってきていますから、脱だつ原発げんぱつの雰囲気ふんいきはますます強つよくなってきています。 全文ぜんぶんは福島ふくしま第だい1の汚染おせん処理しょり水すい、韓国かんこくで「海洋かいよう放出ほうしゅつは撤回てっかいして」「国際こくさい裁判さいばんで訴うったえる」の声こえが高たかまる理由りゆう

[…] 福島ふくしま県けん双葉ふたば郡ぐん富岡とみおか町まちから神奈川かながわ県内けんないに一家いっかで避難ひなんした男性だんせいが意見いけん陳述ちんじゅつ。一いち審しん原告げんこくの代理人だいりにん弁護士べんごしは、低てい線量せんりょう被曝ひばくの健康けんこう影響えいきょうについて改あらためて陳述ちんじゅつし、避難ひなん指示しじの有無うむにかかわらず避難ひなんの相当そうとう性せいがあると主張しゅちょうした。 […] 葉山はやま町まちの実家じっかに避難ひなんしたが、それまで1人ひとり暮くらしだった母親ははおやは突然とつぜんの6人にん暮くらしに疲弊ひへいした。しばらくして5人にんは転居てんきょしたが、神奈川かながわでは富岡とみおか町まちの自宅じたくのような広ひろい間取まどりは借かりられない。富岡とみおか町まちでは健康けんこうそのものだった妻つまは、ストレスが原因げんいんで複数ふくすうの病気びょうきを発症はっしょう。通院つういんと服薬ふくやくを続つづける事ことになった。「医師いしによると、この薬くすりは一生いっしょう、飲のみ続つづけなければいけないそうです」。　住すみ慣なれた富岡とみおか町まちを追おわれて9年ねん超ちょう。移住いじゅうした翌年よくねんに新築しんちくしたわが家やは、やむなく解体かいたいした。「戻もどりたいけど戻もどれる状況じょうきょうに無ない」。まさに苦渋くじゅうの決断けつだんだった。早はやく神奈川かながわで落おち着つきたいと考かんがえているが、そこには大おおきな壁かべが立たちはだかっているのだった。 【自宅じたく解体かいたいも売うれぬ土地とち】　「私わたしたちは今後こんごも神奈川かながわ県けんに住すみ続つづけるつもりですが、住民じゅうみん票ひょうはまだ富岡とみおか町まちにあります。自宅じたくを解体かいたいした後のちの土地とちが処分しょぶん出来できないからです」　建物たてものは壊こわす事ことが出来できるが、土地とちは解体かいたい出来できない。売うるしか無ない。しかし「線量せんりょうが高たかいため一戸建いっこだての住宅じゅうたくを建たてるには敬遠けいえんされ、かといってアパートを新築しんちくするほど広ひろい土地とちでは無ないので買かってもらえない状況じょうきょうです」。土地とちが売うれないまま住民じゅうみん票ひょうを移うつしてしまえば、今度こんどは固定こてい資産しさん税ぜいの減免げんめん措置そちが受うけられなくなってしまう。 […] 【「避難ひなん、人ひととして当あたり前まえ」】　法廷ほうていでは、一いち審しん原告げんこくら代理人だいりにんの小賀坂こがさか徹とおる弁護士べんごしが「低てい線量せんりょう被曝ひばくの健康けんこう影響えいきょう」について、パワーポイントの資料しりょうを使つかって改あらためて意見いけん陳述ちんじゅつした。主張しゅちょうの柱はしらは2つ。①避難ひなん指示しじが出だされていない区域くいきからの避難ひなんの相当そうとう性せい②避難ひなん指示しじの有無うむに関かかわらず避難ひなん継続けいぞくの相当そうとう性せい。 […] 全文ぜんぶん