Monthly Archives: September 2021

原子力げんしりょく発電はつでん所しょの廃はい炉ろなどで出でる「低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ」のうち、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの濃度のうどが比較的ひかくてき高たかい廃棄はいき物ぶつについて原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいは、人ひとの生活せいかつ環境かんきょうから距離きょりを取とって処分しょぶんするため、地表ちひょうから70メートル以上いじょう深ふかい場所ばしょで管理かんりするなどとする新あらたな基準きじゅんを設もうけました。 […] 施設しせつの場所ばしょについては、▽人ひとの生活せいかつ環境かんきょうから距離きょりを取とり、地形ちけいが変化へんかしても10万まん年ねんは地表ちひょうからの深ふかさを70メートル以上いじょうに保たもてること▽震源しんげんとなる活かつ断層だんそうが周辺しゅうへんになく火山かざんの中心ちゅうしんからも15キロ以上いじょう離はなれていること▽掘ほり起おこされるおそれがある鉱物こうぶつ資源しげんなどが周辺しゅうへんに存在そんざいしないことなどを求もとめています。 また、処分しょぶんする事業じぎょう者しゃが管理かんりする期間きかんを300年ねんから400年ねんとし、この間あいだ、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが施設しせつの外そとに漏もれていないか監視かんしする必要ひつようがあるとしています。 電力でんりょく各社かくしゃでつくる電気事業連合会でんきじぎょうれんごうかいによりますと、この基準きじゅんの対象たいしょうとなる低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは、国内こくないの原発げんぱつだけでおよそ7700トン発生はっせいすると推計すいけいされています。 原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいは今後こんご、原発げんぱつの使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうから出でる高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ、いわゆる「核かくのごみ」についても処分しょぶんの基本きほん的てきな考かんがえ方かたを検討けんとうすることにしています。 全文ぜんぶん

岡田おかだ広行ひろゆき 自民党じみんとう総裁そうさい選せんでにわかに注目ちゅうもくを集あつめている核かく燃料ねんりょうサイクル政策せいさくの是非ぜひ。核かく物質ぶっしつ問題もんだいの世界せかい的てき権威けんいに聞きいた。 […] 核かく燃料ねんりょう再さい処理しょりやプルトニウムなど核かく物質ぶっしつの問題もんだいに詳くわしいプリンストン大学ぷりんすとんだいがくのフランク・フォンヒッペル名誉めいよ教授きょうじゅに、日本にっぽんの核かく燃料ねんりょうサイクル政策せいさくの是非ぜひについてインタビューした（書面しょめんインタビュー。インタビューに際さいしては、インターネット情報じょうほうサイト「核かく情報じょうほう」主宰しゅさい者しゃの田窪たくぼ雅文まさふみ氏しの協力きょうりょくを得えた）。 河野こうの氏しの「再さい検討けんとう発言はつげん」は大だい歓迎かんげい ――自民党じみんとう総裁そうさい選せんで河野こうの氏しが核かく燃料ねんりょうサイクル政策せいさくの見直みなおしを訴うったえています。六ヶ所ろっかしょ再さい処理しょり工場こうじょう（青森あおもり県けん六ろくヶ所かしょ村むら）の稼働かどうを前まえに、与党よとうの有力ゆうりょく者しゃからこうした発言はつげんが出でてきたことについてどう受うけ止とめていますか。 私わたしは、この問題もんだいについて河野こうの氏しと話はなしをしたことがある。河野こうの氏しが日本にっぽんの核かく燃料ねんりょうサイクル政策せいさくについて再さい検討けんとうすべきだと述のべていることは大だい歓迎かんげいだ。 ――河野こうの氏しは新著しんちょ『日本にっぽんを前まえに進すすめる』の中なかで、「高速こうそく増殖ぞうしょく炉ろの開発かいはつが頓挫とんざし、核かく燃料ねんりょうサイクルは行いき詰づまっている」「使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうを再さい処理しょりして余分よぶんなプルトニウムを取とり出だす必要ひつようはない」「再さい処理しょりで取とり出だしたプルトニウムは、核かく拡散かくさんの危険きけん性せいを高たかめる」などと述のべています。これらの主張しゅちょうの当否とうひについてどのようにお考かんがえですか。 これらすべての点てんにおいて河野こうの氏しに同意どういする。 ――世界せかいにおける再さい処理しょりの現状げんじょうは。 今日きょう、使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうの再さい処理しょりを実施じっししている国くには、6カ国かこくまで減へっている。中国ちゅうごく、フランス、インド、日本にっぽん、ロシア、そしてイギリスだ。 イギリスは2022年ねんに再さい処理しょりの完全かんぜん中止ちゅうしを予定よていしている。再さい処理しょりビジネスの顧客こきゃくである国内外こくないがいの電力でんりょく会社かいしゃが契約けいやく更新こうしんを拒否きょひしたためだ。中国ちゅうごく、インド、ロシアは、高速こうそく増殖ぞうしょく炉ろ計画けいかくに必要ひつようなプルトニウムを生産せいさんするために再さい処理しょりをしていると説明せつめいしている。 しかし、ロシアの原子力げんしりょく複ふく合あい企業きぎょうロスアトムは、同社どうしゃの3基き目めの高速こうそく増殖ぞうしょく原型げんけい炉ろの運転うんてん開始かいしを早はやくても2030年代ねんだいまで延期えんきするとしている。中国ちゅうごくとインドは、核兵器かくへいき用ようにプルトニウムを生産せいさんすると同時どうじに、発電はつでんもする原子げんし炉ろとして原型げんけい炉ろを建設けんせつしているとみられる。 フランスと日本にっぽんは、再さい処理しょりで取とり出だしたプルトニウムをウラン・プルトニウム混合こんごう酸化さんか物ぶつ（MOX）燃料ねんりょうに加工かこうし、通常つうじょうの原発げんぱつ（軽水炉けいすいろ）で利用りようしている。日本にっぽんでもフランスでも再さい処理しょりコストを含ふくめると、MOX燃料ねんりょうの製造せいぞうコストは通常つうじょうの原発げんぱつで使つかう低てい濃縮のうしゅくウラン燃料ねんりょうの10倍ばいレベルとなると推定すいていされている。 （IPFM）」の共同きょうどう議長ぎちょうなどを歴任れきにん。カーター政権せいけん以来いらい、アメリカの政権せいけんや議会ぎかいに対たいして核かくセキュリティー問題もんだいに関かんして助言じょげん。1993年ねん～1994年ねん、ホワイトハウス科学かがく・技術ぎじゅつ政策せいさく局きょく国家こっか安全あんぜん保障ほしょう担当たんとう次官じかんとして核かく脅威きょうい削減さくげんのための米べいロ共同きょうどうイニシアティブ策定さくていに寄与きよ。2021年ねん10月がつに共著きょうちょ『プルトニウムー原子力げんしりょくの夢ゆめの燃料ねんりょうが悪夢あくむに』（邦訳ほうやく版ばん）を出版しゅっぱん予定よてい（写真しゃしんは2016年ねん撮影さつえい、撮影さつえい：尾形おがた文ぶん繁しげる） インドの核かく実験じっけんと再さい処理しょり政策せいさくの見直みなおし ――アメリカは最初さいしょは再さい処理しょり推進すいしんの先頭せんとうに立たっていましたね。 再さい処理しょりのもともとの目的もくてきは、通常つうじょうの原発げんぱつの使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうからプルトニウムを取とり出だして「増殖ぞうしょく炉ろ」の燃料ねんりょうにすることにあった。プルトニウムを燃料ねんりょうとして使つかいながら、使つかった以上いじょうのプルトニウムを生産せいさんするというものだ。 天然てんねんウランの中なかに豊富ほうふに含ふくまれている連鎖れんさ反応はんのうをしないウラン238に中性子ちゅうせいしを当あてて核変換かくへんかんさせ、プルトニウムにするための原子げんし炉ろだ。背景はいけいにあったのは、連鎖れんさ反応はんのうを起おこすウラン235は天然てんねんウランの中なかに0.7％しか含ふくまれておらず、これを利用りようするだけでは原子力げんしりょく発電はつでんは維持いじできないという資源しげん制約せいやく上じょうの心配しんぱいだ。 ――フォンヒッペルさんはアメリカが1970年代ねんだいに再さい処理しょり政策せいさくを取とりやめる際さいの政策せいさく決定けっていに関かかわりました。 私わたしは、1977年ねんにカーター政権せいけんがアメリカの核かく燃料ねんりょう政策せいさくについて再さい検討けんとうした際さい、アドバイザーの1人ひとりだった。当時とうじのアメリカの政策せいさくは現在げんざいの日本にっぽんと同おなじだった。カーター大統領だいとうりょうは、再さい処理しょりには経済けいざい的てき合理ごうり性せいがないし、プルトニウムは核兵器かくへいきに使つかえるため、再さい処理しょりでプルトニウムを取とり出だすことは他たの国々くにぐににとって危険きけんな手本てほんとなってしまうとの結論けつろんに達たっした。[…] 全文ぜんぶん

原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいの更さら田たふけた豊志とよし委員いいん長ちょうは29日にちの記者きしゃ会見かいけんで、東京電力とうきょうでんりょくが柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつ（新潟にいがた県けん）のテロ対策たいさく不備ふびの原因げんいん分析ぶんせきと改善かいぜん策さくをまとめた報告ほうこく書しょについて「具体ぐたい性せいが読よみ取とれず、これで本当ほんとうに改善かいぜんできるのか分わからない」と述のべ、東電とうでんの姿勢しせいを批判ひはんした。　柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつでは2015年ねんごろから、侵入しんにゅう検知けんち装置そうちが多数たすう故障こしょうし、監視かんしカメラなどによる代かわりの対応たいおうも不十分ふじゅうぶんな状況じょうきょうが常態じょうたい化か。東電とうでんは22日にち公表こうひょうの報告ほうこく書しょで、テロの脅威きょういについて現場げんば担当たんとう者しゃの理解りかいが足たりず、発電はつでん所長しょちょうや本社ほんしゃ側がわも実態じったいを把握はあくしていなかったなどの問題もんだい点てんを挙あげた。　更さら田た委員いいん長ちょうは「世界せかい最大さいだい級きゅうの原発げんぱつでテロ対策たいさくが重視じゅうしされてしかるべきなのに、どうして軽視けいしされたのか。他たの発電はつでん所しょに比くらべ、経営けいえい層そうの関与かんよや意識いしきが低ひくすぎた」と話はなした。 […] 全文ぜんぶん

自民党じみんとう新しん総裁そうさいに選出せんしゅつされた岸田きしだ文雄ふみお氏しの地元じもと・広島ひろしまでは、原爆げんばくの「黒くろい雨あめ」を浴あびた人ひとたちが被爆ひばく者しゃ認定にんていを求もとめた訴訟そしょうで原告げんこく側がわ全面ぜんめん勝訴しょうそとした広島ひろしま高裁こうさい判決はんけつが7月がつに確定かくていし、原告げんこく以外いがいへの救済きゅうさい拡大かくだいが課題かだいとなっている。判決はんけつを受うけ菅かん義よし偉えら首相しゅしょうが救済きゅうさい拡大かくだい方針ほうしんを示しめしたものの具体ぐたい化かには至いたっておらず、被爆ひばく地ちから誕生たんじょうした新しん総裁そうさいがどう実現じつげんするかに注目ちゅうもくが集あつまる。 　「放はなっておかれた年月としつきが長ながすぎるの。せめて早はやく助たすけてください」。切実せつじつな願ねがいを明あかしたのは、広島ひろしま市し佐伯さいき区くの小川おがわ泰子やすこさん（80）。訴訟そしょうには加くわわれなかったが、被爆ひばく者しゃ健康けんこう手帳てちょうの申請しんせいに向むけて準備じゅんびを進すすめている。肝硬変かんこうへんや胃潰瘍いかいようで体調たいちょうは悪わるく、新型しんがたコロナウイルスによる自粛じしゅく生活せいかつで精神せいしん的てきにも落おち込こむ毎日まいにちだ。「『死しんだ方ほうがいい』とさえ思おもっていた時ときに、救済きゅうさいの方針ほうしんが示しめされた。（岸田きしだ氏しは）広島ひろしまの人じんじゃけえ、ええ方ほうに転ころぶかな。いつまで生いきとれるかわからんのです」と、一刻いっこくも早はやい救済きゅうさいを願ねがった。 　「岸田きしださんはこれまで、黒くろい雨あめのためには、全然ぜんぜん動うごいてくれんかった。今後こんごが心配しんぱい」。原告げんこくの本ほん毛もう稔みのるさん（81）＝同区どうく＝も不安ふあんを口くちにした。原告げんこくの母体ぼたいとなった「広島ひろしま県けん『黒くろい雨あめ』原爆げんばく被害ひがい者しゃの会かい連絡れんらく協議きょうぎ会かい」に加くわわり運動うんどうを続つづけてきたが、会かいによると、岸田きしだ氏しへの直接ちょくせつの陳情ちんじょうが実現じつげんしたことはないという。[…] 小山こやま美砂みさ 全文ぜんぶん