Tag Archives: 再生さいせい可能かのうエネルギー

九州きゅうしゅうで、せっかく発電はつでんされた太陽光たいようこうなど再生さいせい可能かのうエネルギーの電力でんりょくが使つかわれない事態じたいが頻発ひんぱつしている。発電はつでん能力のうりょく（設備せつび容量ようりょう）で見みて、原発げんぱつ4基き分ぶんもの電力でんりょくが送電そうでんできないまま、無駄むだになっている日ひもある。政府せいふは2050年ねんのカーボンニュートラル（温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ実質じっしつゼロ）実現じつげんを目指めざし、再さいエネの主力しゅりょく電源でんげん化かを目指めざしているはずなのに、なぜこんなことが起おこるのか。そこには二ふたつの「壁かべ」が立たち塞ふさがっている。 　再さいエネの電力でんりょくがなぜ使つかわれないのか。まず、その仕組しくみを確認かくにんしておきたい。 　電力でんりょく会社かいしゃは、電力でんりょくの需給じゅきゅうバランスを保たもつため、電力でんりょく使用しよう量りょうが少すくない時ときには、発電はつでん会社かいしゃに一時いちじ的てきに発電はつでんの抑制よくせいを求もとめる「出力しゅつりょく制御せいぎょ」を行おこなう。例たとえば春はるや秋あきは、冷暖房れいだんぼうの使用しようが減へる。電力でんりょく需要じゅようが少すくないのに、発送はっそう電でんを続つづけて需給じゅきゅうバランスを崩くずしてしまうと、周波数しゅうはすうの乱みだれなどによって、最悪さいあくの場合ばあい、大だい規模きぼ停電ていでんの事態じたいを引ひき起おこす。 　[…] もっと読よむ。

　原発げんぱつの維持いじ、推進すいしんを掲かかげる自民党じみんとうにあって、菅かん義よし偉えら首相しゅしょうを支ささえるグループの中堅ちゅうけん衆院しゅういん議員ぎいんが「脱だつ原発げんぱつ」を訴うったえる著書ちょしょを出だし、一石いっせきを投とうじている。秋本あきもと真利まり氏し（45）＝千葉ちば9区く、当選とうせん3回かい＝が出版しゅっぱんした「自民党じみんとう発はつ！『原発げんぱつのない国くにへ』宣言せんげん」（東京とうきょう新聞しんぶん刊かん、272ページ。税込ぜいこみ1760円えん）。原発げんぱつの限界げんかいと再生さいせい可能かのうエネルギーの優位ゆうい性せいを門外漢もんがいかんにも分わかりやすく、かつ論理ろんり的てきに伝つたえる一いち冊さつだ。原発げんぱつ推進すいしん派はとのあつれきや、実力じつりょく者しゃからの圧あつ力りょくといった党内とうないでの実体験じつたいけんも赤裸々せきららにつづられている。なぜ、ここまで踏ふみ込こんで書かいたのか、自民党じみんとうにいながら脱だつ原発げんぱつを唱となえるのか。本人ほんにんを直撃ちょくげきした。（き手きて・湯ゆ之の前ぜん八はち州しゅう） （略りゃく） ――脱だつ原発げんぱつを持論じろんとしたのはいつごろか。 　「大学院生だいがくいんせい時代じだいに『住民じゅうみん投票とうひょう』を研究けんきゅうした。住民じゅうみん投票とうひょうの争点そうてんはいわゆる『迷惑めいわく施設しせつ』を巡めぐる事例じれいが多おおく、その流ながれで原子力げんしりょく政策せいさくの勉強べんきょうを始はじめた。原発げんぱつ立地りっち地域ちいきには政府せいふからお金かねが支払しはらわれ、金かねで地域ちいきが培養ばいようされていく。こんな地域ちいきづくり、なんかおかしいなと。おまけに原発げんぱつのごみは捨すて場じょうがない。これって、今後こんごも続つづけるのはちょっと無理むりなんじゃないのって思おもった。（2011年ねんの）福島ふくしま第だい1原発げんぱつ事故じこが起おこるより相当そうとう前まえのことです」 ――政治せいじ家かを志こころざしたきっかけは。 　「現在げんざい、行政ぎょうせい改革かいかく担当たんとう相しょうの河野こうの太郎たろうさんが当時とうじ、私わたしの通かよう大学院だいがくいんで授業じゅぎょうのこまを持もっていて、受講じゅこうした。ある時とき、河野こうのさんが『核かく燃料ねんりょうサイクルとプルサーマルの仕組しくみが分わかるか』とわれわれ学生がくせいに質問しつもんを出だし、私わたしは完璧かんぺきに説明せつめいしてみせた。『おまえは何者なにものなんだ』と驚おどろかれ、それから師弟してい関係かんけいになった。衆院しゅういん議員ぎいんになったのは、河野こうのさんの勧すすめもある」 ――脱だつ原発げんぱつを訴うったえるのなら野党やとうから立候補りっこうほした方ほうが良よかったのでは。 　「よく言いわれますね。でも、私わたしはエネルギー以外いがいは自民党じみんとうの政策せいさくに共鳴きょうめいしている。憲法けんぽう改正かいせいすべきだと思おもっているし、平和へいわ安全あんぜん法制ほうせいも賛成さんせいだし。親おやも政治せいじ家かではないけど自民党じみんとう員いんだし。自民党じみんとうが最もっとも自分じぶんと親和しんわ性せいが高たかいと思おもっているのです」 　「与党よとう内ないにいて脱だつ原発げんぱつを訴うったえることに意義いぎがある。政府せいふ、与党よとうが一体化いったいかした議院ぎいん内ない閣かく制せいでは、政策せいさく決定けっていに及およぼす影響えいきょう力りょくは野党やとうより与党よとうが格段かくだんに強つよい。自民党じみんとうで声こえを上あげるからこそ、現状げんじょうを変かえられるリアルな可能かのう性せいがある」 ――著書ちょしょの中なかでは、現役げんえき閣僚かくりょうの人ひとや、派閥はばつの領りょうりょう袖そでしゅうだった重鎮じゅうちん議員ぎいんの実名じつめいを挙あげて、さまざまな圧力あつりょくや嫌いやがらせを受うけたことを描えがいている。 　「全部ぜんぶ本当ほんとうのことですから。私わたしが初はつ当選とうせんした2012年ねん、自民党じみんとうで脱だつ原発げんぱつを鮮明せんめいにしているのは河野こうのさんぐらいだった。当時とうじは福島ふくしま第だい1原発げんぱつ事故じこが起おきてまだ日ひが浅あさく、世論せろんの原発げんぱつに対たいする風当かぜあたりは強つよかったが、それでも党内とうないの主流しゅりゅうはやはり原発げんぱつ推進すいしん。『反対はんたい』と言いうと『野党やとうに行いけ』『出世しゅっせしねえぞ』とやじられたり、会合かいごうで挙手きょしゅしても指さされなかったりした。地元じもとでも『うちの議員ぎいん、大丈夫だいじょうぶか？』と白しろい目めで見みられたりして。すごくストレスフルだった」 （略りゃく） ――菅かん義よし偉えら首相しゅしょうが「50年ねんまでのカーボンニュートラル」を掲かかげたことで、発電はつでん時じに二酸化炭素にさんかたんそ（CO2）を出ださない原発げんぱつを推進すいしんしようという声こえが再ふたたび、自民党じみんとう内ないで高たかまりつつある。 　「再さいエネは自然しぜん由来ゆらいだから、普及ふきゅうすればするほどコストは下さがり、安定あんてい供給きょうきゅうに向むけた技術ぎじゅつも進歩しんぽする。カーボンニュートラルは再さいエネだけで実現じつげん可能かのうです。一方いっぽう、原発げんぱつは安全あんぜん対策たいさくや地元じもと協力きょうりょくにお金かねがかかり、これ以上いじょう安やすくなる見込みこみもない。経済けいざい合理ごうり性せいからこの先さき、原発げんぱつは自然しぜん淘よなげとう汰たされていく運命うんめいにある。推進すいしん派はの人ひとたちもそのうち分わかってくると思おもう」 （略りゃく） ――菅かん首相しゅしょうの原発げんぱつに対たいする姿勢しせいをどうみるか。首相しゅしょうは1月がつの施政しせい方針ほうしん演説えんぜつでは「安全あんぜん最さい優先ゆうせんで原子力げんしりょく政策せいさくを進すすめ、安定あんてい的てきなエネルギー供給きょうきゅうを確立かくりつする」とひと言ことだけ触ふれた。 　「国会こっかい以外いがいで、菅かん総理そうりの原発げんぱつに関かんする具体ぐたい的てきな発言はつげんは聞きいたことがない。推進すいしんでも反対はんたいでもない、フラットなイメージですね。ただ、再さいエネ推進すいしんに対たいする思おもいは、安倍晋三あべしんぞう前ぜん首相しゅしょうとは比較ひかくにならないくらい強つよいと感かんじる。安倍あべ政権せいけん時代じだい、私わたしが再さいエネについて説明せつめいする機会きかいが、安倍あべ前ぜん首相しゅしょうに対たいしても、官房かんぼう長官ちょうかんだった菅かん総理そうりに対たいしても何なん度どかあった。その時ときに返かえってきた質問しつもんやコメントは、菅かん総理そうりの方ほうが安倍あべ前ぜん首相しゅしょうの何なん十じゅう倍ばいも『熱量ねつりょう』があると感かんじた。反応はんのうが全まったく違ちがいましたから」 （略りゃく） ――九州きゅうしゅうの再さいエネへの期待きたいを。 　「九州きゅうしゅうは北海道ほっかいどうと並ならんで、再さいエネのポテンシャルが高たかい。響灘ひびきなだ（北九州きたきゅうしゅう市し）の洋上ようじょう風力ふうりょく発電はつでん所しょ計画けいかくもあるし、太陽光たいようこうも有望ゆうぼうだ。九州電力きゅうしゅうでんりょくは早はやくから地熱じねつ発電はつでんに取とり組くみ、電力でんりょく事業じぎょう者しゃの中なかでも再さいエネに理解りかいある会社かいしゃだと思おもいます。九州きゅうしゅうは、再さいエネで日本にっぽんをリードする地域ちいきになり得えますよ」 ◇ 　あきもと・まさとし　1975年ねん、千葉ちば県けん富里とみさと市し出身しゅっしん。富里とみさと市議しぎを経へて衆院しゅういん千葉ちば9区くで3期き連続れんぞく当選とうせん。国土こくど交通こうつう政務せいむ官かんなど歴任れきにん。自民党じみんとうの再生さいせい可能かのうエネルギー普及ふきゅう拡大かくだい議員ぎいん連盟れんめい事務じむ局長きょくちょう。超党派ちょうとうは議連ぎれん「原発げんぱつゼロの会かい」所属しょぞく。 記者きしゃノート】野党やとう議員ぎいんを凌駕りょうがするその「熱量ねつりょう」 　壁際かべぎわに飾かざられた、菅かん義よし偉えら首相しゅしょうとのツーショット写真しゃしん。東京とうきょう・永田町ながたちょうの衆議院しゅうぎいん第だい1議員ぎいん会館かいかん12階かいにある秋本あきもと真利まり氏しの部屋へやは、ごく一般いっぱん的てきな自民党じみんとう議員ぎいんらしい雰囲気ふんいきだった。財界ざいかいと堅固けんごなスクラムを組くんできた党とうの方針ほうしんに反はんして脱だつ原発げんぱつを唱となえ続つづけると聞きけば、とんがった異端いたん児じを想像そうぞうされるかもしれない。だが、インタビューの間あいだ、「上うえに物申ものもうしてやる」といった気負きおいは全まったく感かんじなかった。 　ただ、脱だつ原発げんぱつと再生さいせい可能かのうエネルギー普及ふきゅうに向むけるその熱意ねついが、永田町ながたちょうでも随一ずいいちであるのは間違まちがいない。原発げんぱつ反対はんたいを党是とうぜとするような野党やとうの議員ぎいんであっても、「原発げんぱつの非合理ひごうり性せい」と「再さいエネの将来しょうらい性せい」を1時じ間あいだぶっ通とおしで弁べんずる議員ぎいんは、そうはいないのだ。常つねに私わたしの目めを正面しょうめんから見みて話はなす真剣しんけんさも印象いんしょうに残のこった。

　政府せいふは現在げんざいのエネルギー情勢じょうせいをまとめた「エネルギー白書はくしょ」を閣議かくぎ決定けっていしました。日本にっぽんでは再生さいせい可能かのうエネルギーの比率ひりつを高たかめるのは難むずかしいとしています。 　政府せいふは再生さいせい可能かのうエネルギーの比率ひりつを2030年ねんには2割わりを超こえ、22％から24％にして主力しゅりょく電源でんげん化かすることを掲かかげています。しかしエネルギー白書はくしょでは、日本にっぽんは単位たんい面積めんせきあたりの電力でんりょくの需要じゅようが他たの国くにに比くらべて大おおきいため、再生さいせい可能かのうエネルギーの比率ひりつを高たかめることは難むずかしいとしています。同時どうじにCO2削減さくげんの観点かんてんから原発げんぱつ再さい稼働かどうの進展しんてんが重要じゅうようとしています。経済けいざい界かいからも政府せいふに対たいして原発げんぱつを2030年ねんに30基き動うごかすことを目標もくひょうにすべきだという意見いけん書しょが出だされています。 動画どうが

四国電力しこくでんりょくは、６日にちまでの１０連休れんきゅうの期間きかん中ちゅう、四国しこくにおける太陽光たいようこう発電はつでんの最大さいだい出力しゅつりょくが電力でんりょく需要じゅようの８８％に達たっしたと発表はっぴょうしました。 四国電力しこくでんりょくは、１０連休れんきゅうの期間きかん中ちゅう、電力でんりょくの供給きょうきゅうが需要じゅようを上回うわまわって大だい規模きぼな停電ていでんが起おきるのを防ふせぐため、太陽光たいようこう発電はつでんを一時いちじ停止ていしさせる出力しゅつりょく制御せいぎょを実施じっしする可能かのう性せいがあるとしていました。 […] 四国電力しこくでんりょくは、１０連休れんきゅう中ちゅうの電力でんりょく需要じゅように占しめる太陽光たいようこう発電はつでんによる電力でんりょく供給きょうきゅうの比率ひりつを発表はっぴょうし、それによりますと、今月こんげつ５日にちの正午しょうごからの１時じ間あいだ、太陽光たいようこう発電はつでんによる最大さいだい出力しゅつりょくがこの時間じかん帯たいの電力でんりょく需要じゅようの８８％にあたる１８７万まんキロワットに達たっしたということです。 このため、四国電力しこくでんりょくは、本州ほんしゅうと四国しこくを結むすぶ２本ほんの連れん系けい線せんを活用かつようして本州ほんしゅうに１３１万まんキロワットの電力でんりょくを送おくるとともに、火力かりょく発電はつでんによる電力でんりょく供給きょうきゅうを抑おさえたり、余あまった電力でんりょくで水みずをくみあげてその後ご、放水ほうすいして発電はつでんする揚水ようすい発電はつでん所しょを稼働かどうさせたりして、需要じゅようと供給きょうきゅうのバランスを維持いじしたということです。 四国しこくでは太陽光たいようこう発電はつでんの発電はつでん能力のうりょくが毎月まいつき２万まんキロワットずつ増ふえているということで、四国電力しこくでんりょくは、ことし秋あきごろには台風たいふうによる大雨おおあめで揚水ようすい発電はつでん所しょの活用かつようが難むずかしくなるなどして、出力しゅつりょく制御せいぎょを行おこなう可能かのう性せいがあるとしています。 全文ぜんぶん

[…] なぜ、こんなことが起おきたのか。実じつは福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこを受うけて、原発げんぱつの安全あんぜん基準きじゅんが世界中せかいじゅうで厳きびしくなった。そのため日立ひたちが建設けんせつを進すすめてきた英国えいこく原発げんぱつの事業じぎょう費ひが、2兆ちょう円えんから3兆ちょう円えんに膨ふくれ上あがったのだ。また、日立ひたちが期待きたいした国内こくない他た企業きぎょうからの出資しゅっしも、予定よてい通どおり集あつまる見通みとおしがつかない。 日立ひたちの東原ひがしはら敏昭としあき社長しゃちょうは、会見かいけんで「開発かいはつをこれからも続つづけるとさらにコストがかかり、民間みんかん企業きぎょうの日立ひたちがすべてを負担ふたんするのは限界げんかいがある」と話はなした。つまり、原発げんぱつの採算さいさんが取とれないと判断はんだんしたということだ。 実じつは、この判断はんだんの背景はいけいには、日立ひたちが原発げんぱつで生うみ出だした電力でんりょくを英国えいこく側がわに売うれ電でんするときの価格かかくの問題もんだいがある。英国えいこくが高たかい値段ねだんで電力でんりょくを買かってくれるのであれば、採算さいさんは取とれるはず。しかし、英国えいこく政府せいふは後うしろ向むき。英国えいこくが進すすめる洋上ようじょう風力ふうりょく発電はつでんのコストが急激きゅうげきに下さがっていて、原発げんぱつのコスト優位ゆうい性せいがなくなってきているからだ。 これまで、原発げんぱつの最大さいだいのメリットとして喧伝けんでんされてきたのが、低ていコストだった。ところが、安全あんぜん対策たいさくの強化きょうかで、そのコストが急増きゅうぞうする。一方いっぽうで、再生さいせい可能かのうエネルギーのコストは急減きゅうげんしている。 […] 現げんに、東芝とうしばの米国べいこく子会社こがいしゃで進すすめていた原発げんぱつ建設けんせつは、すでに一昨年いっさくねんに経営けいえいが行いき詰づまって清算せいさんされ、三菱重工みつびしじゅうこうがトルコで進すすめる原発げんぱつ建設けんせつも暗礁あんしょうに乗のり上あげている。日本にっぽんの原発げんぱつ輸出ゆしゅつは、完全かんぜん崩壊ほうかいの状況じょうきょうだ。 そうした中なか、日立ひたちの会長かいちょうでもある経団連けいだんれんの中西なかにし宏明ひろあき会長かいちょうは、原発げんぱつ技術ぎじゅつを守まもるため、国内こくない原発げんぱつの再さい稼働かどう推進すいしんを訴うったえている。しかし、それは時代じだい錯誤さくごの提案ていあんだ。もはや世界せかいが見放みはなした“高こうコスト”の原発げんぱつを国内こくないで守まもる必要ひつようはどこにもない。 私わたしは、日立ひたちは原子力げんしりょく事業じぎょうを、廃はい炉ろ事業じぎょうに特とく化かすべきだと思おもう。幸こうか不幸ふこうか、日本にっぽんには廃はい炉ろにできる原発げんぱつが50基きも残のこっている。それを次々つぎつぎに廃はい炉ろにしていくだけでも、数すう十じゅう年ねんは飯めしが食くえるはずだし、今後こんご、世界せかいで廃はい炉ろが進すすんでいくだろうから、廃はい炉ろの技術ぎじゅつこそ、世界せかいに売うれる技術ぎじゅつになっていくはず。ただ、日本にっぽん政府せいふは、いまだに原発げんぱつを推進すいしんしようとしている。それは、国民こくみんを原発げんぱつ事故じこのリスクにさらすだけでなく、国内こくないの電力でんりょく料金りょうきんの高騰こうとうを通つうじて、日本にっぽんの国際こくさい競争きょうそう力りょくを脅おびやかす愚策ぐさくだ。 全文ぜんぶん

　経済けいざい産業さんぎょう省しょうの有識者ゆうしきしゃ会議かいぎが十じゅう日にちまとめた二に〇五ご〇年ねんに向むけたエネルギー戦略せんりゃくの提言ていげんは、表面ひょうめん上じょうは再生さいせい可能かのうエネルギーを「主力しゅりょく電源でんげん」に位置付いちづけているが、数値すうち目標もくひょうは示しめしていない。その一方いっぽうで、原発げんぱつについては「脱だつ炭素たんそ化かのための選択肢せんたくし」であることを明示めいじし、原発げんぱつを将来しょうらい的てきにも堅持けんじするお墨付すみつきを与あたえている。日本にっぽんのエネルギー政策せいさくが「再生さいせいエネ拡大かくだい・原発げんぱつ縮小しゅくしょう」という世界せかい的てきな潮流ちょうりゅうから逆行ぎゃっこうする懸念けねんは拭ぬぐえていない。　（伊藤いとう弘喜ひろき） […] 「経けい産さん省しょうが『再生さいせいエネ主力しゅりょく化か』や『脱だつ炭素たんそ化か』を言いうようになったのは前進ぜんしんだ」。エネルギー戦略せんりゃく研究所けんきゅうじょの山家やまや公雄きみお所長しょちょうは一定いっていの評価ひょうかをする。 　しかし、提言ていげん全体ぜんたいを通とおして繰くり返かえされるのは、再生さいせいエネ推進すいしん論ろんに対たいするけん制せいだ。「期待きたいは高たかいが、世界せかいで繰くり広ひろげられる挑戦ちょうせんは再生さいせいエネだけではない」「世界せかいの投資とうし額がくと設備せつび量りょうでは火力かりょく・原子力げんしりょくをしのぐが、発電はつでん量りょうでは主力しゅりょくではない」など水みずを差さすような注釈ちゅうしゃくが目立めだつ。 　温暖おんだん化か対策たいさくの重要じゅうよう性せいを言いいながら、再生さいせいエネには欠点けってんもあることを強調きょうちょうし、「やはり原発げんぱつも重要じゅうよう」という理屈りくつにつなげる思惑おもわくが透すけて見みえる。 […]       全文ぜんぶん

  「この6年間ねんかん、原発げんぱつがなくても全国ぜんこくで電力でんりょくが足たりなくて、停電ていでんになったことがなかった。原発げんぱつゼロでやっていけることを証明しょうめいしたことになるんです!」 元もと総理そうりの小泉こいずみ純一郎じゅんいちろう氏しがまたまた吠ほえた。自然しぜんエネルギーの大おおいなる世界せかいを描えがいた映画えいが『日本にっぽんと再生さいせい 光こうと風ふうのギガワット作戦さくせん』の完成かんせい披露ひろう試写ししゃ会かいに“推薦人すいせんにん”として登場とうじょう。かねてから提唱ていしょうしている原発げんぱつゼロへのアツーイ思おもいを力強ちからづよく語かたった。 監督かんとくを務つとめたのは20年ねんにわたって原発げんぱつの危険きけんを訴うったえ全国ぜんこくで差さし止とめ訴訟そしょうを繰くり広ひろげてきた弁護士べんごしの河合かわい弘之ひろゆき氏し（写真しゃしん左ひだり）。[…] 「映画えいがを見みてくださった方々かたがたから“原発げんぱつを止とめてもかわりのエネルギーはどうするの？”という声こえがたくさんあって。その質問しつもんに逃にげるわけにはいかないと思おもい製作せいさくしました」 そこで今回こんかい着目ちゃくもくしたのが自然しぜんエネルギー。ドイツや中国ちゅうごく、アメリカなどを旅たびし、風力ふうりょくや地熱じねつなど急速きゅうそくに普及ふきゅうする自然しぜんエネルギーの最前線さいぜんせんを徹底てってい紹介しょうかい。 「原発げんぱつがなくても自然しぜんエネルギーだけでやっていけるんだっていう、すごく説得せっとく力りょくのある映画えいが。何なによりも世界中せかいじゅうを飛とび回まわって取材しゅざいした、河合かわい先生せんせいのエネルギーもすごい（笑）」と、その仕上しあがりは小泉こいずみ氏しも舌したを巻まくほど。 「原発げんぱつ関係かんけいの会社かいしゃの幹部かんぶたちや原子力げんしりょく専門せんもん家かのみなさんは、頭あたまのいい人じんたちばかりなんですよ。そんな彼かれらが、どうして原発げんぱつに展望てんぼうがないことがわからないのか不思議ふしぎでしょうがない。学業がくぎょう成績せいせき優秀ゆうしゅうなのもあまり関心かんしんしないなって思おもうようになってきたね（笑）」 小泉こいずみ氏しは記者きしゃから東芝とうしばの原発げんぱつ事業じぎょう問題もんだいなど、“原子力げんしりょく村むら”について問とわれるとこう警鐘けいしょうを。福島ふくしまの原発げんぱつ事故じこで、より議論ぎろんが活発かっぱつ化かした日本にっぽんのエネルギー政策せいさく。この作品さくひんに豊ゆたかな日本にっぽんを取とり戻もどすためのヒントが隠かくされているのかもしれない―。   もっと読よむ。