Tag Archives: 東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい・福島ふくしま原発げんぱつ

[…] 津波つなみの新あらたな浸水しんすい想定そうていは、２０１１年ねん１２月じゅうにがつに施行しこうされた「津波つなみ防災ぼうさい地域ちいきづくり法ほう」に基もとづく。兵庫ひょうごを含ふくむ４０都道府県とどうふけんで作つくる必要ひつようがあり、東京とうきょう都とを除のぞいて公表こうひょう済ずみだ。 　３県けんの新しん想定そうていは、数すう百ひゃく～千せん年ねんに１回かいと発生はっせい頻度ひんどは極きわめて低ひくいものの、防潮ぼうちょう堤つつみが壊こわれ、満潮まんちょう時じなどの悪条件あくじょうけんが重かさなった場合ばあいを前提ぜんていに、津波つなみの高たかさや浸水しんすい範囲はんいを試算しさんした。 　新しん想定そうていによると、浸水しんすい域いきの広ひろさは岩手いわて県けんで１００平方へいほうキロ、宮城みやぎ県けんで３９１平方へいほうキロ、福島ふくしま県けんで１３９平方へいほうキロに達たっする。３県けん合あわせた浸水しんすい域いきの面積めんせきは東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい時じの約やく１・３倍ばいに上のぼる。各地かくちで市町村しちょうそんの庁舎ちょうしゃが浸水しんすいしたり避難ひなんタワーが使つかえなくなったりするが、ハード対策たいさくに多額たがくの追加ついか費用ひようを投とうじるのは困難こんなんな状況じょうきょうだ。 移転いてん先さきも浸水しんすいの恐おそれ 　広大こうだいな浸水しんすい域いきから命いのちをどう守まもるのか。復興ふっこうまちづくりが一段落いちだんらくした段階だんかいで新あらたな対応たいおうを迫せまられる被災ひさい地ちの人々ひとびとには割わり切きれない思おもいが強つよい。 　「行政ぎょうせいが安全あんぜん安心あんしんだという場所ばしょに自宅じたくを再建さいけんしたのに、今いまになって津波つなみが来くると言いわれても、どうすればいいのか」。津波つなみが襲おそい、約やく７５０人にんが犠牲ぎせいになった宮城みやぎ県けん名取なとり市しの閖上ゆりあげ（ゆりあげ）地区ちくで町内ちょうない会長かいちょうを務つとめる長沼ながぬま俊幸としゆきさん（６０）の疑問ぎもんは尽つきない。 　震災しんさい後ご、３メートルほどかさ上あげして整備せいびされた市街地しがいちは海岸かいがんから約やく１・５キロ離はなれている。一戸建いっこだてと復興ふっこう住宅じゅうたくなどが混在こんざいし、約やく３１０世帯せたいが暮くらす。当初とうしょの市しの浸水しんすい想定そうていは「１メートル未満みまん」で、近ちかくの公民館こうみんかんか小中こなか一貫いっかん校こうに逃にげれば大丈夫だいじょうぶと考かんがえていた。 しかし、県けんが示しめした新しん想定そうていでは「３メートル以上いじょう５メートル未満みまん」とされた。地区ちくで最もっとも高たかい６階かい建だての復興ふっこう住宅じゅうたくの屋上おくじょうへ「垂直すいちょく避難ひなん」を検討けんとうするが、冬季とうき夜間やかんの避難ひなんは寒さむさによる低てい体温たいおん症しょうのリスクが気きがかりだ。 　長沼ながぬまさんは「震災しんさいを経験けいけんしていない新しん住民じゅうみんも増ふえている。国くにや県けんは浸水しんすい想定そうていを公表こうひょうするだけでなく、避難ひなん可能かのうな屋内おくない施設しせつや訓練くんれんなどの対策たいさくも示しめしてほしい」と求もとめる。市しは住民じゅうみん説明せつめい会かいでハザードマップを見直みなおす方針ほうしんを示しめし「避難ひなんを優先ゆうせんし、命いのちを守まもる行動こうどうを」と繰くり返かえすばかりで、目立めだった進展しんてんはない。長沼ながぬまさんの脳裏のうりには１２年ねん前まえの悪夢あくむがよぎる。 避難ひなんルールの徹底てっていを 　東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは大だい津波つなみ警報けいほうの発令はつれい後ごも逃にげなかった人ひとがおり、被害ひがい拡大かくだいにつながった。同おなじ過あやまちを決けっして繰くり返かえしてはならない。一人ひとり一いち人にんが避難ひなんできる場所ばしょやそこへ向むかう手段しゅだんを平時へいじから確認かくにんしておきたい。 　注意ちゅういしなければならないのが、避難ひなん時じの車くるまの使用しようだ。国くには「徒歩とほ避難ひなんが原則げんそく」としている。だが南海なんかいトラフ地震じしんの津波つなみが予想よそうされる兵庫ひょうごなど西日本にしにほん各地かくちでも、車くるまでの避難ひなんを「必要ひつよう」と捉とらえる自治体じちたいは多おおい。一方いっぽう、避難ひなん計画けいかくで具体ぐたい的てきなルールを定さだめている自治体じちたいはごく一部いちぶとされる。 　東日本ひがしにっぽんでは道路どうろの被災ひさいや渋滞じゅうたいで逃にげ遅おくれた例れいもある。自治体じちたいは地形ちけいなど地域ちいきの特性とくせいも考慮こうりょして計画けいかくの実効じっこう性せいを担保たんぽし、住民じゅうみんの理解りかいを得えられるよう丁寧ていねいに説明せつめいすべきだ。高齢こうれい者しゃや障害しょうがい者しゃら支援しえんが必要ひつような人ひとの避難ひなん対策たいさくの強化きょうかも欠かかせない。 　「最悪さいあく」に備そなえ、犠牲ぎせい者しゃを一人ひとりでも減へらす。それにはやり残のこしたことがまだある。自治体じちたいの負担ふたんを軽減けいげんする国くにの財政ざいせい支援しえんや地域ちいき防災ぼうさい計画けいかくの抜本ばっぽん的てき見直みなおしも急いそがねばならない。 全文ぜんぶん

復興ふっこうの新あらたな先導せんどう役やくとして期待きたいされる福島ふくしま国際こくさい研究けんきゅう教育きょういく機構きこうを巡めぐっては、政府せいふが４月がつ１日にちに浪江なみえ町まちに新しん法人ほうじんを設立せつりつし、研究けんきゅう内容ないようや施設しせつ整備せいびなど具体ぐたい化かに向むけた動うごきが本格ほんかく化かする。政府せいふは施設しせつ基本きほん計画けいかくを策定さくてい中ちゅうで、研究けんきゅう機器ききなどを備そなえた施設しせつの整備せいびは２０２４年度ねんど以降いこうとなる見通みとおしだ。 　政府せいふは福島ふくしま・国際こくさい研究けんきゅう産業さんぎょう都市とし（イノベーション・コースト）構想こうそうの司令塔しれいとうとして機構きこうを発足ほっそくさせる。４月しがつには浪江なみえ町まちに仮かり事務所じむしょを構かまえ、理事りじ長ちょうに就つく金沢かなざわ大前おおまえ学長がくちょうの山崎やまざき光悦こうえつ氏しら役員やくいん５人にんをはじめ、各かく省庁しょうちょうから派遣はけんされた職員しょくいんの計けい５８人にんで当面とうめんの間あいだは運営うんえいに当あたる。 　機構きこうは自前じまえの研究けんきゅう施設しせつが完成かんせいするまで、県内けんないの大学だいがくや既存きそんの研究けんきゅう機関きかんなどに研究けんきゅう開発かいはつを委託いたくする。重点じゅうてん分野ぶんやに〈１〉ロボット〈２〉農林のうりん水産すいさん業ぎょう〈３〉エネルギー（カーボンニュートラル）〈４〉放射線ほうしゃせん科学かがく・創そう薬やく医療いりょう〈５〉原子力げんしりょく災害さいがいに関かんするデータや知見ちけんの集積しゅうせき・発信はっしん―の５分野ぶんやを掲かかげており、委託いたく先さきや研究けんきゅう開発かいはつについて地域ちいきのニーズ調査ちょうさも進すすめていく計画けいかくだ。政府せいふは復興ふっこう庁ちょうが存続そんぞくする３０年度ねんどまでに施設しせつを順次じゅんじ開設かいせつするとともに、可能かのうな限かぎり前倒まえだおしに努つとめる方針ほうしんを示しめし、２９年度ねんどまでの事業じぎょう規模きぼを１千せん億おく円えん程度ていどと見込みこむ。 　機構きこうには将来しょうらい的てきに約やく５０の研究けんきゅうグループに国内外こくないがいから数すう百ひゃく人にんが参画さんかくする計画けいかく 続つづきは「福島ふくしま国際こくさい研究けんきゅう教育きょういく機構きこう」　「先導せんどう役やく」４月がつ、準備じゅんび本格ほんかく化か via 福島民友新聞ふくしまみんゆうしんぶん

2011年ねん3月がつに発生はっせいした福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ事故じこ後ごに日本にっぽん全国ぜんこくに点在てんざいしている福島ふくしま県民けんみんについて、復興ふっこう庁ちょうが〝所在しょざい確認かくにん〟をするなかで帰還きかん意思いしのない人ひとや所在しょざい確認かくにんできなかった人ひとなどを統計とうけいから意図いと的てきに除外じょがいしていたことが分わかった。避難ひなん者しゃとしてカウントされなかった原発げんぱつ避難ひなん者しゃは、既すでに亡なくなっていた114人にんを除のぞいても6490人にんに達たっする。23日にち午後ごごに衆議院しゅうぎいん第だい一いち議員ぎいん会館かいかんで行おこなわれた復興ふっこう庁ちょうとの意見いけん交換こうかんでは、避難ひなん当事とうじ者しゃたちが除外じょがいを撤回てっかいするよう申もうし入いれ。「なぜ帰還きかん意思いしを持もたなければ避難ひなん者しゃと集計しゅうけいしないのか」などと怒いかりをぶつけた。 （略りゃく） 【「帰還きかん意思いし問とう理由りゆう」答こたえず】　問題もんだいとなっているのは、復興ふっこう庁ちょうが今年ことし6月がつ14日にちに公表こうひょうした「全国ぜんこくの避難ひなん者しゃ数すう～福島ふくしま県けん外がい避難ひなん者しゃに係かかる所在しょざい確認かくにん結果けっか」。　昨年さくねん3月がつ、復興ふっこう庁ちょうと内閣ないかく府ふ、福島ふくしま県けん連名れんめいで「県けん外がいに避難ひなんされている皆様みなさまへのお願ねがい」と題だいした文書ぶんしょを送付そうふ。「支援しえんのためには避難ひなん者しゃの所在しょざいは大切たいせつなデータ」として、転居てんきょなどの届とどけ出でを促うながした。 （略りゃく） 　その結果けっか、所在しょざいが確認かくにんできなかった2897人にんと、所在しょざいが確認かくにんできたものの避難ひなん元もとの福島ふくしま県けんに帰還きかんする意思いしのない避難ひなん継続けいぞく者しゃ1111人にん、死亡しぼう確認かくにんされた114人にん、別べつの市町村しちょうそんに転居てんきょした避難ひなん継続けいぞく者しゃ2482人にんの計けい6604人にんが避難ひなん者しゃ数すうの集計しゅうけいから除外じょがいされたという。　そもそも原発げんぱつ避難ひなん者しゃ数すうの集計しゅうけいに「帰還きかん意思いしの有無うむ」など関係かんけいない。原発げんぱつ事故じこが発生はっせいし、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが拡散かくさんされたことで福島ふくしまを離はなれたのだから、当然とうぜん「避難ひなん者しゃ」としてカウントされなければならない。しかも、自みずから「転送てんそう不要ふよう」にしておいて、結果けっか的てきに所在しょざいが確認かくにんできなかったからといって統計とうけいそのものから存在そんざいを抹消まっしょうしてしまうのは、恣意しい的てきな統計とうけい操作そうさと批判ひはんされても仕方しかたない。　意見いけん交換こうかんに参加さんかした中手なかて聖一せいいちさん（「避難ひなんの権利けんり」を求もとめる全国ぜんこく避難ひなん者しゃの会かい共同きょうどう代表だいひょう、福島ふくしま県けん福島ふくしま市しから北海道ほっかいどう札幌さっぽろ市しに避難ひなん）は、何なん度ども「そもそもなぜ、国くにが把握はあくする避難ひなん者しゃ数すうから帰還きかん意思いしがない避難ひなん者しゃを除外じょがいするのか。その考かんがえ方かたはどこから来きているのか。『帰還きかん意思いしのない人ひとは国くにとして支援しえんする必要ひつようのない人ひとだと考かんがえているから除外じょがいした』と言いうのなら、そう説明せつめいして欲ほしい。なぜ帰還きかん意思いしのある者ものだけを把握はあくするのか。どんな理由りゆうなのか」と質ただしたが、復興ふっこう庁ちょう側がわから明快めいかいな回答かいとうはなし。 （略りゃく） 【復興ふっこう庁ちょう「『被災ひさい者しゃ』ではある」】　藤田ふじた参事官さんじかん補佐ほさは「10年ねん以上いじょう経たち、避難ひなん先さきにおいて仕事しごとをしたり子こどもが就学しゅうがくしたりして定住ていじゅうされている方ほうについては、少すくなくとも避難ひなん元もとに戻もどる意思いしがない。避難ひなん先さきの市町村しちょうそんに確認かくにんしてもらったうえで定住ていじゅうするという方ほうだけ避難ひなん者しゃの統計とうけいから外はずさせていただく。復興ふっこう庁ちょうの定義ていぎとしては、全国ぜんこくに散ちらばっている避難ひなん者しゃで避難ひなん元もとに戻もどりたくても戻もどれない人ひとの数かずを集計しゅうけいしている」とも説明せつめい。「『被災ひさい者しゃ』ではあると考かんがえている」と強調きょうちょうしたが、基本きほん的てきなデータである「避難ひなん者しゃ数すう」が恣意しい的てきに操作そうさされているのは避難ひなん当事とうじ者しゃにとって深刻しんこくな問題もんだいだ。　実じつは原発げんぱつ事故じこ発生はっせい直後ちょくごから、当事とうじ者しゃたちは「避難ひなん者しゃ数すうがきちんと把握はあくされていない」と訴うったえ続つづけてきた。　新潟にいがた県けん小千谷おじや市しでは2020年ねん、それまで16人にん確認かくにんされていた原発げんぱつ避難ひなん者しゃが突然とつぜんゼロになった。小千谷おじや市し職員しょくいんが避難ひなん者しゃに「避難ひなん終了しゅうりょう」と言いわせるよう誘導ゆうどうしたとの指摘してきがある。市議会しぎかいでも問題もんだいとなり、再さい確認かくにんの結果けっか9人にんが避難ひなん者しゃとして集計しゅうけいされた。 （略りゃく） 森もり松まつ明希子あきこさん（福島ふくしま県けん郡山こおりやま市しから大阪おおさか府ふ大阪おおさか市しに避難ひなん）は「そもそも全ぜん避難ひなん者しゃ数すうの把握はあくもできていないのに、帰還きかん意思いしを要件ようけんにするのは何なにを根拠こんきょにしているのか。国連こくれんの国内こくない避難ひなんに関かんする指導しどう原則げんそくについてどのように認識にんしきしているのか。国連こくれんから勧告かんこくも受うけている。どのように活用かつようするのか。そもそも帰還きかん意思いしをどのように確認かくにんするのか」としたうえで、「避難ひなん者しゃ数すうが矮小わいしょう化かされていくことに加くわえて、ニーズに合あった支援しえん策さくが届とどかなくなってしまう。避難ひなん者しゃの定義ていぎから『帰還きかん意思いしの有無うむ』を削除さくじょしてください。それよりも避難ひなんの理由りゆうや現在げんざいの状況じょうきょうを確認かくにんして実態じったい把握はあくをするべき。削除さくじょを約束やくそくして欲ほしい」と訴うったえたが、復興ふっこう庁ちょう側がわは削除さくじょや撤回てっかいを明言めいげんしなかった。　森松もりまつさんによると、大阪おおさか府ふでも2017年ねんから2018年ねんにかけて原発げんぱつ避難ひなん者しゃ数すうが10分ぶんの1の88人にんしか集計しゅうけいされていなかった事態じたいが起おきた。大阪おおさか市しも、市営しえい住宅じゅうたくなど公営こうえい住宅じゅうたくに入居にゅうきょした避難ひなん者しゃしか数かぞえていなかった。原発げんぱつ避難ひなん者しゃは常つねに「集計しゅうけい除外じょがい」や「不可視ふかし化か」との闘たたかいを強しいられ続つづけてきたのだった。 （略りゃく） 会見かいけんでの森松もりまつさんが非常ひじょうに重要じゅうような指摘してきをしていた。　「私わたしたちには人権じんけんがある。必要ひつような保護ほごや支援しえん、ニーズに合あった手当てあてを災害さいがい避難ひなん者しゃとして平等びょうどうに受うける権利けんりがある。しかし、保護ほごや支援しえんどころか、消けされている。避難ひなん者しゃは見みえなくされている、避難ひなん者しゃ数すうを把握はあくしたうえで必要ひつようなところに税金ぜいきんを投入とうにゅうしていくべきなのに、避難ひなん民みんの状況じょうきょうを誰だれも把握はあくしないまま11年ねんが経過けいかしてしまった。国連こくれん『国内こくない避難ひなんの指導しどう原則げんそく』には、帰還きかん意思いしを確認かくにんしろなどとは書かかれていないのに…」 全文ぜんぶんは【原発げんぱつ避難ひなん者しゃの不可視ふかし化か】復興ふっこう庁ちょうが〝帰還きかん意思いしのない避難ひなん者しゃ〟を統計とうけいから除外じょがいする暴挙ぼうきょ　避難ひなん当事とうじ者しゃたちが怒いかりの抗議こうぎ「私わたしたちの存在そんざいを消けさないで」

　未み曽そ有ゆうの被害ひがいをもたらした東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい1原発げんぱつ事故じこは「人災じんさい」だとする訴うったえを、司法しほうが全面ぜんめん的てきに認みとめた。東電とうでんの旧きゅう経営けいえい陣じん4人にんに13兆ちょう円えん余あまりの巨額きょがく賠償ばいしょうを命めいじた13日にちの東京とうきょう地裁ちさい判決はんけつ。提訴ていそから10年ねんを経へて示しめされた結論けつろんに、原告げんこくの株主かぶぬしらは「電力でんりょく会社かいしゃの安全あんぜん意識いしきの変革へんかくにつながる」と喜よろこんだ。 　「ほぼ全面ぜんめん勝利しょうりです！」。判決はんけつい渡いわたし後ごの午後ごご3時じ40分ふん過すぎ、株主かぶぬしらが東京とうきょう地裁ちさい前まえで「（旧きゅう経営けいえい陣じんの）責任せきにん認みとめる」と記しるされた紙かみを掲かかげると、集あつまった支援しえん者しゃが沸わいた。「言葉ことばが出でないほど感動かんどうした。信しんじられない気持きもちだ」。原告げんこくの一人ひとり、浅田あさだ正文まさふみさん（81）も興奮こうふんした様子ようすで話はなした。 （略りゃく） 原発げんぱつ事故じこを巡めぐる裁判さいばんは多数たすうあり、22年ねん6月がつには最高裁さいこうさいで国くにの責任せきにんが否定ひていされたばかりだ。不安ふあんもあったが、この日ひの判決はんけつでトップだった勝俣かつまた恒久つねひさ元もと会長かいちょう（82）ら旧きゅう経営けいえい陣じんの責任せきにんは認みとめられた。浅田あさださんは「旧きゅう経営けいえい陣じんの一人ひとり一いち人にんは事故じこ前まえの意識いしきを見直みなおしてほしい。電力でんりょく会社かいしゃには原発げんぱつ事故じこが及およぼす大おおきな被害ひがいを真剣しんけんに考かんがえる契機けいきにしてほしい」と語かたった。 　株主かぶぬしと弁護べんご団だんからは、記者きしゃ会見かいけんで判決はんけつの内容ないようを評価ひょうかする発言はつげんが相次あいついだ。株主かぶぬしの木村きむら結ゆいさん（70）は「原発げんぱつを運転うんてんする取締役とりしまりやくには大おおきな責任せきにんが伴ともなうことを判決はんけつが認みとめてくれてうれしい」。判決はんけつは「原発げんぱつ事故じこは国くにの崩壊ほうかいにもつながりかねない」として原子力げんしりょく事業じぎょう者しゃに高度こうどな安全あんぜん配慮はいりょを求もとめた。海渡うと雄ゆう一いち弁護士べんごしは「裁判さいばん長ちょうが福島ふくしま第だい1原発げんぱつや周辺しゅうへんを視察しさつしたからこその重おもい言葉ことばだ」と述のべた。 　勝俣かつまた元もと会長かいちょうと清水しみず正ただし孝こう元もと社長しゃちょう（78）の責任せきにんが認みとめられたことについて、河合かわい弘之ひろゆき弁護士べんごしは「経営けいえいトップも担当たんとう者しゃに任まかせていてはいけないという重要じゅうような警告けいこくだ」と指摘してき。13兆ちょう円えん余あまりの賠償ばいしょう額がくを「到底とうてい支払しはらうことができないだろうが、それだけ重おもい責任せきにんがあることを突つきつけた」と捉とらえた。【松本まつもとゆう雅みやび、遠山とおやま和宏かずひろ】 全文ぜんぶんは認みとめられた“人災じんさい”　原告げんこくら「安全あんぜん意識いしきの変革へんかくに」　原発げんぱつ事故じこ訴訟そしょう

福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこによる被ひばくが原因げんいんで甲状腺こうじょうせんがんになったとして、10代と20代だいの男女だんじょ6人にんが東京電力とうきょうでんりょくに損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめた裁判さいばんが26日にちから始はじまり、原告げんこくの20代だいの女性じょせいは法廷ほうていで、病気びょうきにより将来しょうらいの夢ゆめを諦あきらめざるを得えなくなったと述のべました。 この裁判さいばんは、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこ当時とうじ、福島ふくしま県内けんないに住すんでいた17歳さいから28歳さいの男女だんじょ6人にんが、事故じこによる被ひばくが原因げんいんで甲状腺こうじょうせんがんになったとして、東京電力とうきょうでんりょくに対たいしてあわせて6億おく円えんあまりの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめているものです。 26日にち、東京とうきょう地裁ちさいで開ひらかれた第だい1回かい口頭こうとう弁論べんろんで、原告げんこくの20代だいの女性じょせいが意見いけん陳述ちんじゅつを行おこない、「将来しょうらいの夢ゆめよりも治療ちりょうを最さい優先ゆうせんしてきました。大学だいがくも、将来しょうらいの仕事しごとのための勉強べんきょうも、全部ぜんぶ諦あきらめてしまいました」と語かたりました。 一方いっぽう、東電とうでん側がわは請求せいきゅう棄却ききゃくを求もとめ、争あらそう姿勢しせいを示しめしました。 続つづきは原発げんぱつ事故じこ後ごに甲状腺こうじょうせんがん　裁判さいばん始はじまる　原告げんこく女性じょせい「将来しょうらいの夢ゆめよりも治療ちりょうを最さい優先ゆうせん」

東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま原発げんぱつ事故じこ後ご、甲状腺こうじょうせんがんとなった若者わかもの6人にんが東京電力とうきょうでんりょくを訴うったえた「311子こども甲状腺こうじょうせん裁判さいばん」の第だい１回かい口頭こうとう弁論べんろんが5月26日にち（木き）に開ひらかれました。その支援しえん集会しゅうかい・報告ほうこく集会しゅうかいを録画ろくが配信はいしんします。 ■日時にちじ：5月26日にち（木き）14：00～16：20　※録画ろくが配信はいしん18：00～14：00 支援しえん集会しゅうかいゲスト：カテリーナ（ウクライナ民族みんぞく楽器がっき奏者そうしゃ）15：15 報告ほうこく集会しゅうかい■場所ばしょ：日比谷ひびやコンベンションホール大だいホール（旧きゅう日比谷ひびや図書館としょかん地下ちか） 動画どうが視聴しちょうは【録画ろくが配信はいしん】「子こども甲状腺こうじょうせんがん裁判さいばん」支援しえん集会しゅうかい・報告ほうこく集会しゅうかい

東京電力とうきょうでんりょくが福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ（福島ふくしま県けん大熊おおくま町まち、双葉ふたば町まち）の汚染おせん水すいを浄化じょうか処理しょりした後のちの水みずを海洋かいよう放出ほうしゅつする計画けいかくを巡めぐり、福島ふくしま県民けんみんらでつくる「これ以上いじょう海うみを汚けがすな！市民しみん会議かいぎ」は１３日にち、海洋かいよう放出ほうしゅつに向むけた設備せつび工事こうじをしないよう東電とうでんに要請ようせいした。　 市民しみん会議かいぎ共同きょうどう代表だいひょうの織田おだ千代ちよさん（６７）＝福島ふくしま県けんいわき市し＝らが東京とうきょう・内幸町うちさいわいちょうの東電とうでん本社ほんしゃ近ちかくのビルで、東電とうでん原子力げんしりょく・立地りっち本部ほんぶの井口いぐち誠一せいいち原子力げんしりょくセンター所長しょちょうに要請ようせい書しょを手渡てわたした。　 織田おださんは「海底かいてい工事こうじなどの準備じゅんびを進すすめ、廃はい炉ろを優先ゆうせんして復興ふっこうを犠牲ぎせいにする姿すがたに多おおくの福島ふくしま県民けんみんが不信ふしん感かんを抱だいている」とし、海洋かいよう放出ほうしゅつは「被災ひさい者しゃにさらなる負担ふたんと苦悩くのうを強しいるもので到底とうてい認みとめられない」と指摘してき。東電とうでんが２０１５年ねん、福島ふくしま県けん漁いざり連れんに「関係かんけい者しゃの理解りかいなしに（処理しょり水すいを）海洋かいよう放出ほうしゅつはしない」と約束やくそくしたことに触ふれ、「約束やくそくを守まもらずに強行きょうこうすれば、将来しょうらいに大おおきな禍根かこんを残のこす」と批判ひはんした。　市民しみん会議かいぎは東電とうでん本社ほんしゃ前まえで抗議こうぎしたほか、原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいにも放出ほうしゅつ設備せつびを認可にんかしないよう要請ようせいした。 （小野沢おのざわ健太けんた） 【関連かんれん記事きじ】保管ほかんタンク満杯まんぱいは「2023年ねん秋あきごろ」 福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの処理しょり水すい　東電とうでんが試算しさん見直みなおしも23年ねん春はるの放出ほうしゅつ開始かいしは変かえず 全文ぜんぶんは原発げんぱつ処理しょり水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつに向むけた工事こうじ中止ちゅうしを要請ようせい　福島ふくしまの市民しみん団体だんたいが東京電力とうきょうでんりょくに　「さらなる負担ふたんと苦悩くのうを強しいる」

福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょの事故じこで各地かくちに避難ひなんした人ひとたちが国くにと東京電力とうきょうでんりょくに賠償ばいしょうを求もとめた集団しゅうだん訴訟そしょうで最もっとも規模きぼが大おおきい福島ふくしま県けんの住民じゅうみんなどによる訴訟そしょうの弁論べんろんが最高さいこう裁判所さいばんしょで開ひらかれ、原告げんこく側がわは「事故じこがどうして起おきたのか、誰だれの責任せきにんなのかはっきりさせてほしい」と訴うったえました。 原発げんぱつ事故じこで各地かくちに避難ひなんした人ひとなどが国くにと東京電力とうきょうでんりょくに賠償ばいしょうを求もとめている集団しゅうだん訴訟そしょうでは、２審しんの判断はんだんが分わかれた国くにの責任せきにんについて、最高さいこう裁判所さいばんしょで審理しんりが行おこなわれています。 ２５日にちは、原発げんぱつ事故じこのあとも福島ふくしま県内けんないで暮くらし続つづける人ひとや避難ひなんした人ひとなどおよそ３６００人にんが起おこし、１審しんと２審しんで国くにの責任せきにんが認みとめられた訴訟そしょうの弁論べんろんが開ひらかれました。 事故じこ当時とうじ、福島ふくしま県けん富岡とみおか町まちに住すんでいた深谷ふかや敬子けいこさん（７７）は、「地元じもとで４０年ねんにわたり、美容びよう師しとして働はたらいてきましたが事故じこで自宅じたくも店みせも生いきがいも、私わたしが生いきてきた証あかしそのものを奪うばわれました。事故じこがどうして起おきたのか、誰だれの責任せきにんなのかはっきりさせてほしい」と訴うったえました。 また、原告げんこく側がわの弁護士べんごしは、「政府せいふによる地震じしんの『長期ちょうき評価ひょうか』の信頼しんらい性せいは明あきらかで、平成へいせい１４年ねんに公表こうひょうされたあと、国くには東京電力とうきょうでんりょくが万全ばんぜんな津波つなみ対策たいさくをしているか厳格げんかくに判断はんだんすべきだったのに怠おこたった」と主張しゅちょうしました。 一方いっぽう、国くには、「『長期ちょうき評価ひょうか』は信頼しんらい性せいが低ひくく、それに基もとづいて対策たいさくを指示しじしても事故じこを防ふせげなかった」と主張しゅちょうしました。 最高さいこう裁判所さいばんしょは、来月らいげつ、愛媛えひめの訴訟そしょうでも弁論べんろんを開ひらき、夏なつにも統一とういつ判断はんだんを示しめす見通みとおしです。 (略りゃく） 集会しゅうかいでは福島ふくしまの訴訟そしょうの原告げんこく団長だんちょうで、原発げんぱつ事故じこのあとも相馬そうま市しでスーパーを営いとなんでいる中島なかじま孝たかしさんが、「原発げんぱつがどれだけ危あやういものか、一度いちど事故じこが起おきてしまったら長期ちょうきにわたってどれほど深刻しんこくな被害ひがいが出でるのか嫌いやと言いうほど目めにしたし、体験たいけんさせられてきた。二度にどとこんなことが起おきないよう国こくは責任せきにんを認みとめるべきだ」と訴うったえました。 参加さんか者しゃたちは「原発げんぱつＮＯのー！」や「福島ふくしま切きり捨すてＮＯのー！」などと書かかれた紙かみを国会こっかい議事堂ぎじどうに向むけて掲かかげていました。 （略りゃく） 福島ふくしまの訴訟そしょうの原告げんこくで、２５日にちの弁論べんろんで意見いけん陳述ちんじゅつを行おこなった深谷ふかや敬子けいこさんは、「避難ひなんを続つづけた１１年間ねんかん、どれだけ大変たいへんな思おもいをしてきたか、裁判官さいばんかんに知しってほしかった。いい判決はんけつを出だしてほしい」と話はなしました。 また、原告げんこく団長だんちょうの中島なかじま孝たかしさんは、「国くには全まったく反省はんせいしていないので責任せきにんを断罪だんざいされないと同おなじことを繰くり返かえすと思おもう。裁判さいばんで国くにの違法いほう性せいがしっかり認みとめられるとともに、国くにに姿勢しせいを改あらためさせるための国民こくみん的てきな議論ぎろんが必要ひつようだ」と話はなしていました。 弁護べんご団だんの馬うま奈木厳いむ太郎たろう弁護士べんごしは、「ひとたび原発げんぱつ事故じこが起おきれば甚大じんだいな被害ひがいが起おこるからこそ、万まんが一いちにも事故じこが起おきないように国くには権限けんげんを持もたされているのに適切てきせつに行使こうししなかった。法ほうの趣旨しゅしや目的もくてきに照てらして規制きせいのあり方かたがどうあるべきなのか、歴史れきし的てきな判決はんけつが示しめされると確信かくしんしている」と話はなしていました。 全文ぜんぶんは原発げんぱつ事故じこの避難ひなん者しゃ 最大さいだい規模きぼの福島ふくしま訴訟そしょう 最高裁さいこうさいで弁論べんろん