マニラ首都しゅと圏けんの移動いどう手段しゅだんがインターネットやスマートフォンの普及ふきゅうに伴ともない、急速きゅうそくに変化へんかしている。

グラブヘリのロゴ

　マニラ首都しゅと圏けんの移動いどう手段しゅだんには「カレッサ」と呼よばれる馬車ばしゃ、「ペディキャブ」と呼よばれる自転車じてんしゃにサイドカーのついたもの、「トライシクル」というペディキャブのオートバイ型がた、乗合のりあい自動車じどうしゃの「ジープニー」、タクシー、バスなどがあり、通勤つうきんには契約けいやく者しゃが乗のり合あうワゴンや個人こじん契約けいやくのオートバイの2人ふたり乗のり「バイクタクシー」なども使つかわれている。

　数すう年ねん前まえに登場とうじょうしたタクシー配車はいしゃアプリは朝あさ、夕ゆうのラッシュアワーや主要しゅよう道どう以外いがいの場所ばしょなどで急激きゅうげきに利用りよう客きゃくが増ふえている。タクシー配車はいしゃアプリの最大手さいおおては「Grab　Taxi（グラブタクシー）」で、利用りよう客きゃくはブッキングフィーとして40ペソをタクシー料金りょうきんに追加ついかして払はらう。マニラのタクシー料金りょうきんは初乗はつのり30ペソで、メーターは40ペソだが燃料ねんりょう費ひの下落げらくから10ペソの割引わりびきとなっており、利用りよう客きゃくは自分じぶんで10ペソ分ぶん割引わりびきを計算けいさんして支払しはらう仕組しくみ。40ペソの追加ついか料金りょうきんは非常ひじょうに大おおきいが、マニラはラッシュアワーには慢性まんせい的てきなタクシー不足ふそくになっており、乗車じょうしゃ拒否きょひも横行おうこう。経済けいざいの中心ちゅうしんマカティ市しの主要しゅよう道どうやショッピングモールのタクシー乗のり場ばなどでも1時間じかん以上いじょうのタクシー待まちも珍めずらしくなく、かなり割高わりだかになるが配車はいしゃへのニーズは強つよい。配車はいしゃアプリと混同こんどうされる「Uber（ウーバー）」は素人しろうとの運転うんてん手しゅと利用りよう客きゃくのマッチングアプリで、運転うんてん手しゅは公的こうてき機関きかんから免許めんきょを受うけていない。

　ウーバーを利用りようするためにはクレジットカードが必須ひっすだったが、クレジットカード所持しょじ率りつが非常ひじょうに低ひくいフィリピンの事情じじょうに合あわせてか現金げんきんでも利用りようできるようになり、対抗たいこうするように現金げんきんのみしか利用りようできなかったグラブタクシーがクレジットカードの利用りようを開始かいしした。

　グラブタクシーは配車はいしゃのほか、「グラブカー」や「グラブカープラス」と名付なづけた高級こうきゅう車しゃを採用さいようしたハイヤーの配車はいしゃや「グラブバイク」と呼よばれるバイクタクシーの提供ていきょう、「グラブエクスプレス」という宅配たくはいサービス、遊覧ゆうらんヘリコプターサービス「グラブヘリ」も開始かいしした。

　ウーバーも21日にちにヘリコプターサービスの試験しけん提供ていきょうを行おこなっており、両者りょうしゃのつばぜり合あいは空中くうちゅう戦せんへと発展はってんしている。

　毎日まいにちウーバーを利用りようして出勤しゅっきんするという20代だいの会社かいしゃ員いんは「白しろタクと指摘してきされ逮捕たいほされる運転うんてん手しゅが出でた後のち、運転うんてん手しゅの質しつがさがり、道みちを知しらない運転うんてん手しゅばかりになった。利用りよう客きゃくが増加ぞうかしラッシュアワーの追加ついか料金りょうきんもうなぎのぼり。現金げんきん客きゃくに開放かいほうされたことは深刻しんこく。慢性まんせい的てきにマニラ首都しゅと圏けんは交通こうつうまひとも言いえる渋滞じゅうたいに悩なやまされていて根本こんぽん的てきな解決かいけつが必要ひつよう」と話はなす。

　深刻しんこくな交通こうつう事情じじょうをチャンスと捉とらえ新あらたなビジネスが生うまれているが、渋滞じゅうたいが経済けいざいに与あたえている損失そんしつもそれ以上いじょうに大おおきい。