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失敗を経験する権利 – デモクラティックスクールまんじぇ

失敗しっぱい経験けいけんする権利けんり

 去年きょねん記事きじですが、「公園こうえんマナー」なるものにかんするベネッセの記事きじみました。(記事きじになるほうは「幼児ようじどもにおしえたい公園こうえんマナーとは?」で検索けんさくしてみてください。)「公園こうえんまもらなくてはいけないマナーをおしえてあげましょう」と、いろんなことがいてあります。全部ぜんぶんで、正直しょうじき「うへぇ~!」っておもいました。たとえば「まずは一緒いっしょ公園こうえんまもらなくてはいけないマナーをおしえてあげましょう」として、こんなことがいてあります。

公園こうえんないにいる、のお友達ともだち仲良なかよあそぶために必要ひつようなマナー

  1.  遊具ゆうぐよこ順番じゅんばんちをしているときは、おなじようにれつならばなくてはいけないことをおしえてあげましょう。
  2.  遊具ゆうぐあそんでいるほかのお友達ともだちがいるときは、したり、ばしたりしないように「つ」ということをおぼえてもらいましょう。
  3. 自分じぶんはやすすみたいからとって、まえにいるお友達ともだちらすようないいかたをしないように、「たないとあぶないよ」など事前じぜんはなしをしておきましょう。
  4.  自分じぶんよりちいさながいたときはやさしくできているかどものこえけを確認かくにんし、できていなかった場合ばあいは「こうったほうがもっとよかったよ」などアドバイスをしてあげるとよいでしょう。ぎゃくに、上手じょうずにできていた場合ばあいめてあげることでつぎからも「そうしよう」という気持きもちをもって行動こうどうしてくれるでしょう。
どもがざってあそんでも大丈夫だいじょうぶなように、公園こうえんマナーはいえでもしっかりどもとはなうことが大切たいせつです。たとえば、「順番じゅんばんっているがいたときはどうする?」などクイズ形式けいしきにしてあたまかんがえさせることで自然しぜんにつけることができ、保護ほごしゃ安心あんしんして公園こうえんあそびにくことができるでしょう。

つづいて、遊具ゆうぐについての「注意ちゅういてん」はこんなかんじです。

 【ブランコ】

  • こいでいる途中とちゅうりない
  • こいでいるひとがいるときはぶつかるのでちかづかない
  • 鉄棒てつぼうではないのでぶらがらない

【すべりだい

  • ったまますべらない
  • したからのぼるとうえからすべるひととぶつかるのでやらない
  • すべりりてくるところでまるとぶつかる危険きけんがある

【スプリング遊具ゆうぐ

  • ひとりですわって
  • いきおいでばされる可能かのうせいがあるのではなしてはいけない
  • スプリング遊具ゆうぐうごいているときはちかづかない

【シーソー】

  • いきおいがつよいとばされてしまうのではなしてらない
  • ってるのは危険きけん
  • シーソーががっているときはしたにもぐらない

おやはこれらをみんな「ちゃんとおしえてまもらせなきゃ」なんておもったら、公園こうえんがなくなりませんか?どもも、場面場面ばめんばめんでこんなに注意ちゅういされたら、もう公園こうえんたのしい場所ばしょじゃなくなってしまいませんか?


 どもたちとかかわる仕事しごとをするようになってながいですけど(はや30ねんちょう)、そのなかで、大人おとな顔色かおいろをうかがう大人おとな許可きょかがないとうごけない、そういう確実かくじつえているとかんじています。こんな記事きじが、こういうメジャーなサイトでシェアされている状況じょうきょうわたし無関係むかんけいではないとおもいます。

 ひと自分じぶん自身じしん体験たいけんとおしてしか、本当ほんとう意味いみではまなべないんじゃないかとおもいます。たとえば「順番じゅんばんまもる」ということなら、「自分じぶんっていたのに、よこりされてかなしかった」とか、はやくやりたい気持きもちから無理矢理むりやりはいんだら、おこられてたのしくあそべなくなった」とか、そういう経験けいけんかえなか自然しぜんかってくることだとおもいます。そういう経験けいけんからまなんだ行動こうどうと、だれかにただしいとみとめられるためにする行動こうどうでは、パッとたところおなじにえるかもしれないけれど、内面ないめんてきなものはまったちがうでしょう。時々ときどきみみにする「それはやっちゃいけないんだよー!」なんていうほかめるような言葉ことば後者こうしゃからしかてこないのではないかしら?「○○くんが○○してます!」といういわゆる「いつけ」もおなじく。そして、後者こうしゃ一番いちばんのデメリットはみとめてくれるじんがいないと意味いみがなくなるということだとおもいます。


 遊具ゆうぐ使つかかたも、ここにやらないようにといてあるようなことって、「どものころにやったわ~」っていうもの、みなさんもたくさんあるのではないですか?かくか「あそびがまなびにかせないわけ」の著者ちょしゃもとボストン大学だいがく発達はったつ心理しんりがく教授きょうじゅのピーター・グレイさんが、ちょっとあぶないことをわざわざやる心理しんりは、そうやって「危険きけんかって克服こくふくした」という経験けいけんむためだとおっしゃってました。人類じんるいにとってきているあいだ出会であ数々かずかず危機ききてき状況じょうきょうたいしてあきらめたり、すくんでまってしまうひとしかいなかったらびられないから、だからわざわざそんなことをするのだと。もちろん、ときには怪我けがをすることもあるでしょう。でも、そういう経験けいけんから「これ以上いじょうはヤバそうだ」という感覚かんかくつかんでいったり、もちろん成功せいこうには自信じしんをつけることでしょう。このサイトにいてあるように、先回さきまわりしてあれこれ禁止きんししたら、怪我けがるかもしれないけれど、そうやって指示しじしてくれるひとがいないと、不安ふあんになったり消極しょうきょくてきになったりするでしょうね。その結果けっかが「大人おとな許可きょかがないとうごけない」だとおもうのです。


 本当ほんとうはこういうの全部ぜんぶ公園こうえんかぎらないのですけどね。まんじぇでは失敗しっぱい経験けいけんする権利けんり大切たいせつにしています。というか、本当ほんとうは「失敗しっぱい」なんてない。どれもつぎのステップにいくためのひとつの経験けいけんでしかない。そして、それは「ホラ、ったとおりでしょう?」なんてことをじんがいないこと、自分じぶんえらんで自分じぶん経験けいけんすることで最大限さいだいげんまなびにな るのだとおもいます。

(スタッフ きょうこ)