国連会議でロボットによる「遠隔出席」発案も
【台北・福岡静哉】台湾行政院(内閣)で無任所閣僚の政務委員(デジタル担当)を務める唐鳳(とうほう)氏(36)が注目を集めている。男性から女性に性別変更した情報技術(IT)専門家で、昨年12月には国連会議でロボットによる「遠隔出席」を発案。「天才閣僚」への地元の期待は高い。
行政院関係者によると、唐氏は小学生でコンピューターのプログラムを作り、高校に進学せず10代で起業。プログラミングで世界的業績を上げ、米シリコンバレーのIT業界で活躍する一方、20代で性別適合手術を受けた。
蔡英文政権の要請で2016年10月に史上最年少の35歳で閣僚に就任。オンライン請願システムを構築し、人工知能(AI)による世論調査も検討中だ。
スイスで昨年12月21日に開かれたインターネットに関する国連の国際会議では、「国連での代表権を持つ中国が台湾の参加を阻もうとしているとの情報」(関係者)を受け、会場のロボットを台北から遠隔操作し、台湾のインターネット政策を発表した。ITで国際社会での存在感を高める唐氏の取り組みに、台湾では「外交上の問題を突破した」(台湾紙「聯合報」)と称賛の声が相次いでいる。