義ぎ風ふう堂々どうどう!! 兼けん続つづけと慶けい次じ

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  第だい1話わ 兼けん続つづけと慶けい次じ

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  あらすじをみる 戦国せんごく末期まっき、出羽いずは国こく米沢よねざわ堂どう森もり(上杉うえすぎ領りょう)。月夜つきよの庭にわに直江なおえ兼けん続つづけと前田まえだ慶けい次じの姿すがたがあった。「しばし昔むかしを物語ものがたるかね…?」上杉うえすぎ家かの存亡そんぼうが掛かかった戦たたかいで「義よし」に生いきた二人ふたりの武将ぶしょうが月つきに興きょうじて盃さかずきを交かわす。遡さかのぼること、天正てんしょう16年ねん夏なつの京きょう。兼けん続つづけは後妻ごさい(うわなり)打うちの見届みとどけ役やくを頼たのまれる。後妻ごさいの助すけっ人とに天下てんか無双むそうのいくさ人じん、前田まえだ慶けい次じがいた。次郎じろう坊ぼうの情報じょうほうで茂助もすけを伴ともない兼けん続つづけが向むかったのは遊郭ゆうかく、西洞院にしのとういん。座敷ざしきで琵琶びわを奏かなでる慶けい次じの背後はいごに無言むごんで立たった兼けん続つづけは―。
  あらすじをみる 戦国せんごく末期まっき、出羽いずは国こく米沢よねざわ堂どう森もり(上杉うえすぎ領りょう)。月夜つきよの庭にわに直江なおえ兼けん続つづけと前田まえだ慶けい次じの姿すがたがあった。「しばし昔むかしを物語ものがたるかね…?」上杉うえすぎ家かの存亡そんぼうが掛かかった戦たたかいで「義よし」に生いきた二人ふたりの武将ぶしょうが月つきに興きょうじて盃さかずきを交かわす。遡さかのぼること、天正てんしょう16年ねん夏なつの京きょう。兼けん続つづけは後妻ごさい(うわなり)打うちの見届みとどけ役やくを頼たのまれる。後妻ごさいの助すけっ人とに天下てんか無双むそうのいくさ人じん、前田まえだ慶けい次じがいた。次郎じろう坊ぼうの情報じょうほうで茂助もすけを伴ともない兼けん続つづけが向むかったのは遊郭ゆうかく、西洞院にしのとういん。座敷ざしきで琵琶びわを奏かなでる慶けい次じの背後はいごに無言むごんで立たった兼けん続つづけは―。
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  第だい2話わ 兼けん続つづけの義よし

  110円えん

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  あらすじをみる 刺客しかく達たちを一閃いっせんのもと倒たおした慶けい次じと兼けん続ぞく。二人ふたりの運命うんめいが大おおきく動うごいた瞬間しゅんかんであった。上杉うえすぎ家か家臣かしん、山田やまだ喜八きはちの屋敷やしき。前妻ぜんさい組ぐみと後妻ごさい組ぐみが揃そろい、後妻ごさい打うちが始はじまろうとしていた。庭にわに座ざし、虎とら皮がわの仮面かめんを深ふかく被こうむり成なり行ゆきを見守みまもる慶けい次じ。兼けん続つづけが慶けい次じの前まえに歩あゆみ出でるが、その手てには大おおきな包つつみと何故なぜか蠅はえ打うちがあった。兼けん続つづけは蠅はえ打うちを振ふり「邪魔じゃま立だて無用むよう」と包つつみを渡わたす中身なかみを見みた慶けい次じは震ふるえる手てで刀かたなに手てを掛かけるが、兼けん続つづけから凄すさまじい覇気はきが吹ふき上のぼり、その姿すがたが―。
  あらすじをみる 刺客しかく達たちを一閃いっせんのもと倒たおした慶けい次じと兼けん続ぞく。二人ふたりの運命うんめいが大おおきく動うごいた瞬間しゅんかんであった。上杉うえすぎ家か家臣かしん、山田やまだ喜八きはちの屋敷やしき。前妻ぜんさい組ぐみと後妻ごさい組ぐみが揃そろい、後妻ごさい打うちが始はじまろうとしていた。庭にわに座ざし、虎とら皮がわの仮面かめんを深ふかく被こうむり成なり行ゆきを見守みまもる慶けい次じ。兼けん続つづけが慶けい次じの前まえに歩あゆみ出でるが、その手てには大おおきな包つつみと何故なぜか蠅はえ打うちがあった。兼けん続つづけは蠅はえ打うちを振ふり「邪魔じゃま立だて無用むよう」と包つつみを渡わたす中身なかみを見みた慶けい次じは震ふるえる手てで刀かたなに手てを掛かけるが、兼けん続つづけから凄すさまじい覇気はきが吹ふき上のぼり、その姿すがたが―。
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  第だい3話わ 佐渡さわたりはいらにゃあきゃあ?

  110円えん

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  あらすじをみる 佐渡さど平定へいていを果はたせ、と豊臣とよとみ秀吉ひでよしは上杉うえすぎ景勝かげかつに圧力あつりょくをかける。蘆あし名めい氏しの暗躍あんやくと聞きき、景勝けいしょうは眉間みけんのシワを深ふかく刻きざむ。本国ほんごく寺てらにて激昂げっこうする景勝けいしょうに、兼けん続つづけは言いった「これは罠わなかと」。二人ふたりは腹はらを決きめた。西洞院にしのとういんの座敷ざしきで慶けい次じに佐渡さど攻ぜめについて語かたる兼けん続ぞく。そして慶けい次じに別わかれを告つげた。琵琶びわの音おとが流ながれる。上杉うえすぎ軍ぐんは本国ほんごく寺てらを佐渡さどに向むけ出発しゅっぱつした。しかし異形いぎょうの男おとこが立たちふさがり鉄砲てっぽうを弾ひくという。兼けん続つづけは馬うまを駆かり、異形いぎょうの男おとこと対峙たいじしたが―。
  あらすじをみる 佐渡さど平定へいていを果はたせ、と豊臣とよとみ秀吉ひでよしは上杉うえすぎ景勝かげかつに圧力あつりょくをかける。蘆あし名めい氏しの暗躍あんやくと聞きき、景勝けいしょうは眉間みけんのシワを深ふかく刻きざむ。本国ほんごく寺てらにて激昂げっこうする景勝けいしょうに、兼けん続つづけは言いった「これは罠わなかと」。二人ふたりは腹はらを決きめた。西洞院にしのとういんの座敷ざしきで慶けい次じに佐渡さど攻ぜめについて語かたる兼けん続ぞく。そして慶けい次じに別わかれを告つげた。琵琶びわの音おとが流ながれる。上杉うえすぎ軍ぐんは本国ほんごく寺てらを佐渡さどに向むけ出発しゅっぱつした。しかし異形いぎょうの男おとこが立たちふさがり鉄砲てっぽうを弾ひくという。兼けん続つづけは馬うまを駆かり、異形いぎょうの男おとこと対峙たいじしたが―。
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  第だい4話わ 佐渡さど上陸じょうりく!

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  あらすじをみる 天正てんしょう16年ねん6月がつ 、佐渡さど平定へいていに乗のり出だした上杉うえすぎ軍ぐんを陣中じんちゅう迎むかえ入いれるのは、北きた佐渡さどの地頭じとう、河原田本かわはらだほん間あいだ高だか統すべ(かわらだほんまたかつな)。しかし、その裏うらには本ほん間あいだ家か 、ひいては豊臣とよとみ秀吉ひでよしの陰謀いんぼうが潜ひそんでいた。鴻おおとりの川かわを挟はさんで河原田本かわはらだほん間あいだ家かの陣じんと羽茂はも本田ほんだ家かの陣じんが相対あいたいしていたが同時どうじに膠着こうちゃく状態じょうたいだった。大だいいびきを掻かく高こう統みつるに、藤田ふじた信吉のぶよしが詰つめ寄よる。しか高こう統みつるは言いった「これは佐渡さどの戦せんだ、迂闊うかつに動うごけない」業ぎょうを煮にやした藤田ふじた信吉のぶよしは、敵陣てきじんに突入とつにゅうを 図はかったが―。
  あらすじをみる 天正てんしょう16年ねん6月がつ 、佐渡さど平定へいていに乗のり出だした上杉うえすぎ軍ぐんを陣中じんちゅう迎むかえ入いれるのは、北きた佐渡さどの地頭じとう、河原田本かわはらだほん間あいだ高だか統すべ(かわらだほんまたかつな)。しかし、その裏うらには本ほん間あいだ家か 、ひいては豊臣とよとみ秀吉ひでよしの陰謀いんぼうが潜ひそんでいた。鴻おおとりの川かわを挟はさんで河原田本かわはらだほん間あいだ家かの陣じんと羽茂はも本田ほんだ家かの陣じんが相対あいたいしていたが同時どうじに膠着こうちゃく状態じょうたいだった。大だいいびきを掻かく高こう統みつるに、藤田ふじた信吉のぶよしが詰つめ寄よる。しか高こう統みつるは言いった「これは佐渡さどの戦せんだ、迂闊うかつに動うごけない」業ぎょうを煮にやした藤田ふじた信吉のぶよしは、敵陣てきじんに突入とつにゅうを 図はかったが―。
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  第だい5話わ 佐渡さど攻ぜめ

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  あらすじをみる 鴻おおとりの川かわが血ちで赤錆あかさび色しょくに染そまる。旗はたも武器ぶきなく無抵抗むていこうに倒たおれていった老兵ろうへいたちは、本間ほんま高こう統みつるに家族かぞくを人質ひとじち取とられた農民のうみんであった。兼けん続つづけは老兵ろうへいたちの進軍しんぐんが秀吉ひでよしの使者ししゃが到着とうちゃくするまで時間じかん稼かせぎだったことを見抜みぬいてた。そして旗印はたじるしが南みなみ佐さ軍ぐんと北きた佐さ軍ぐんの口裏くちうら合あわせとなっていたのだった。旗はたがあれば南みなみ佐さ軍ぐんは本気ほんきで戦たたかわない、その油断ゆだんを逆手さかてに取とる兼けん続つづけの奇策きさく。「地獄じごくも極楽ごくらく先さきは有明ありあけの月つき心しんにかる雲くもなし」そこには兼けん続つづけの見事みごとな覚悟かくごがあった…。
  あらすじをみる 鴻おおとりの川かわが血ちで赤錆あかさび色しょくに染そまる。旗はたも武器ぶきなく無抵抗むていこうに倒たおれていった老兵ろうへいたちは、本間ほんま高こう統みつるに家族かぞくを人質ひとじち取とられた農民のうみんであった。兼けん続つづけは老兵ろうへいたちの進軍しんぐんが秀吉ひでよしの使者ししゃが到着とうちゃくするまで時間じかん稼かせぎだったことを見抜みぬいてた。そして旗印はたじるしが南みなみ佐さ軍ぐんと北きた佐さ軍ぐんの口裏くちうら合あわせとなっていたのだった。旗はたがあれば南みなみ佐さ軍ぐんは本気ほんきで戦たたかわない、その油断ゆだんを逆手さかてに取とる兼けん続つづけの奇策きさく。「地獄じごくも極楽ごくらく先さきは有明ありあけの月つき心しんにかる雲くもなし」そこには兼けん続つづけの見事みごとな覚悟かくごがあった…。
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  第だい6話わ 上杉うえすぎの義よし

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  あらすじをみる 佐渡さど平定へいていの報ほうを聞きき秀吉ひでよしは独ひとりごちた「兼けん続つづけと慶けい次じが欲ほしい」。佐渡さどでは本ほん間あいだ高だか季きの首くびがさられていた、再起さいきの為ため向むかった越後えちごの浜はまで討うたれたのだ。その潔いさぎよさに義ぎを感かんじる兼けん続つづけと慶けい次じ、問題もんだいは義ぎなき本間ほんま高こう統みつるだった。河原田かわはらだ城じょうでは宴うたげが催もよおされていた。大だいトラになって踊おどる高こう統みつる、景勝けいしょうらは静しずか杯はいを傾かたむけている。兼けん続つづけは銚子ちょうしを差さし向むけ高こう統みつるにすめた。ところが高こう統みつるは役不足やくぶそくだと景勝けいしょうを指さし、なんと杯はいの酒さけを打うちかけた!そこには上杉うえすぎ家かの秘中ひちゅうが潜ひそんでいた-。
  あらすじをみる 佐渡さど平定へいていの報ほうを聞きき秀吉ひでよしは独ひとりごちた「兼けん続つづけと慶けい次じが欲ほしい」。佐渡さどでは本ほん間あいだ高だか季きの首くびがさられていた、再起さいきの為ため向むかった越後えちごの浜はまで討うたれたのだ。その潔いさぎよさに義ぎを感かんじる兼けん続つづけと慶けい次じ、問題もんだいは義ぎなき本間ほんま高こう統みつるだった。河原田かわはらだ城じょうでは宴うたげが催もよおされていた。大だいトラになって踊おどる高こう統みつる、景勝けいしょうらは静しずか杯はいを傾かたむけている。兼けん続つづけは銚子ちょうしを差さし向むけ高こう統みつるにすめた。ところが高こう統みつるは役不足やくぶそくだと景勝けいしょうを指さし、なんと杯はいの酒さけを打うちかけた!そこには上杉うえすぎ家かの秘中ひちゅうが潜ひそんでいた-。
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  第だい7話わ 月がつに語かたる真実しんじつ

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  あらすじをみる 堂どう森もりの地ちで月下げっかに語かたり合あう二人ふたりの前まえ、水面すいめんに浮うかび立たったのは、本能寺ほんのうじで自害じがいし果はてたはずの織田おだ信長のぶながだった。妙みょう姫ひめの檜扇ひおうぎを手てにした兼けん続つづけがその素生すじょうを追及ついきゅうされ暴あばかれた後のちに、生いきていられるはずが無ない。今いまなぜ、越後えちごが滅ほろびず兼けん続つづけが生いきているのか?信長のぶながは手前てまえの謀略ぼうりゃくと異ことなる国状こくじょうに合点がてんがいかず、再ふたたび魂たましいとなって二に人にんの前まえに現あらわれたのだ。ありえない出来事できごとに戸惑とまどう事こと無なく、兼けん続つづけは語かたる「それは、私わたしが義ぎの子こであったゆえ・・・」。
  あらすじをみる 堂どう森もりの地ちで月下げっかに語かたり合あう二人ふたりの前まえ、水面すいめんに浮うかび立たったのは、本能寺ほんのうじで自害じがいし果はてたはずの織田おだ信長のぶながだった。妙みょう姫ひめの檜扇ひおうぎを手てにした兼けん続つづけがその素生すじょうを追及ついきゅうされ暴あばかれた後のちに、生いきていられるはずが無ない。今いまなぜ、越後えちごが滅ほろびず兼けん続つづけが生いきているのか?信長のぶながは手前てまえの謀略ぼうりゃくと異ことなる国状こくじょうに合点がてんがいかず、再ふたたび魂たましいとなって二に人にんの前まえに現あらわれたのだ。ありえない出来事できごとに戸惑とまどう事こと無なく、兼けん続つづけは語かたる「それは、私わたしが義ぎの子こであったゆえ・・・」。
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  第だい8話わ いくさ人じんの風ふう

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  あらすじをみる 聚楽第じゅらくだいの庭園ていえんで豊臣とよとみ秀吉ひでよしが告つげた計略けいりゃくは前田まえだ利家としいえを驚おどろかすには十分じゅうぶん過すぎるものであった。由よしなるは佐渡さど平定へいていの功労こうろう者しゃである前田まえだ慶けい次じの引見いんけん、だが秀吉ひでよしの策さくには裏うらがあった。引見いんけんの仲立なかだち人じんを上杉うえすぎ景勝かげかつに申もうし付つけ、傾かたぶけ奇き者しゃの振ふる舞まいの責任せきにんを追及ついきゅうする、これが越後えちご国こくの命取いのちとりとなるのだ。その様子ようすをじっと座ざして見みていた秀吉ひでよしの側近そっきん、石田いしだ三成みつなりは筆ふでをとる。計略けいりゃくを露あらわ知しらず、春日かすが山城やましろ近傍きんぼうの山中さんちゅうの兼けん続つづけは、一人ひとりの坊主ぼうずと出会であい茶ちゃを勧すすめられたのだが…。
  あらすじをみる 聚楽第じゅらくだいの庭園ていえんで豊臣とよとみ秀吉ひでよしが告つげた計略けいりゃくは前田まえだ利家としいえを驚おどろかすには十分じゅうぶん過すぎるものであった。由よしなるは佐渡さど平定へいていの功労こうろう者しゃである前田まえだ慶けい次じの引見いんけん、だが秀吉ひでよしの策さくには裏うらがあった。引見いんけんの仲立なかだち人じんを上杉うえすぎ景勝かげかつに申もうし付つけ、傾かたぶけ奇き者しゃの振ふる舞まいの責任せきにんを追及ついきゅうする、これが越後えちご国こくの命取いのちとりとなるのだ。その様子ようすをじっと座ざして見みていた秀吉ひでよしの側近そっきん、石田いしだ三成みつなりは筆ふでをとる。計略けいりゃくを露あらわ知しらず、春日かすが山城やましろ近傍きんぼうの山中さんちゅうの兼けん続つづけは、一人ひとりの坊主ぼうずと出会であい茶ちゃを勧すすめられたのだが…。
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  第だい9話わ 傾かたぶけ奇き者しゃ 与六よろく!

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  あらすじをみる 共ともに上洛じょうらくすることを決きめた兼けん続つづけと慶けい次じ、それは勝かてぬいくさであることを承知しょうちし、漢かんの義ぎを貫つらぬいた清々すがすがしい生いき方かたでもあった。別々べつべつに分わかれ、独どくり京きょうに向むかう兼けん続つづけが安土あづちに差さし掛かかった時とき、兼けん続つづけの前まえに転ころがり出でた人影ひとかげはなんと茂助もすけだった。やっとのことで追おいついた茂助もすけは置おいてけぼりを抗議こうぎする。この再会さいかいに兼けん続つづけは腑ふに落おちた。ここ安土あづちの地ちは与六よろくと茂助もすけが信頼しんらい深ふかき間柄あいだがらとなった深ふかくも哀かなしい出来事できごとがあった地ちだったのだ。
  あらすじをみる 共ともに上洛じょうらくすることを決きめた兼けん続つづけと慶けい次じ、それは勝かてぬいくさであることを承知しょうちし、漢かんの義ぎを貫つらぬいた清々すがすがしい生いき方かたでもあった。別々べつべつに分わかれ、独どくり京きょうに向むかう兼けん続つづけが安土あづちに差さし掛かかった時とき、兼けん続つづけの前まえに転ころがり出でた人影ひとかげはなんと茂助もすけだった。やっとのことで追おいついた茂助もすけは置おいてけぼりを抗議こうぎする。この再会さいかいに兼けん続つづけは腑ふに落おちた。ここ安土あづちの地ちは与六よろくと茂助もすけが信頼しんらい深ふかき間柄あいだがらとなった深ふかくも哀かなしい出来事できごとがあった地ちだったのだ。
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  第だい10話わ 薄うす雲くもの傾かたむき

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  あらすじをみる 不敵ふてきな笑えみを浮うかべる徳川とくがわ家康いえやす、憂慮ゆうりょする石田いしだ三成みつなり、そして豊臣とよとみ秀吉ひでよし、各々おのおのが上杉うえすぎの上洛じょうらくを待まっていた。慶けい次じのとばっちりを危あやうんだ前田まえだ利家としいえは、兼けん続つづけの行程こうていを挫くじこうと計けいを案あんじたが、ことごとく打うち払はらわれ、上洛じょうらくを阻はばむには及およばなかった。肝心かんじんの慶けい次じは既すでに京きょうの遊郭ゆうかく、西洞院にしのとういんに忍しのんでいた。薄うす雲くもの座敷ざしきで落おち合あった兼けん続つづけと慶けい次じだったが、あろうことか酔客すいきゃくが薄うす雲くもを求もとめて乱入らんにゅうする。その時とき、薄うす雲くもがとった機転きてんに慶けい次じは死中しちゅうの活かつを見出みいだしたのだった…!
  あらすじをみる 不敵ふてきな笑えみを浮うかべる徳川とくがわ家康いえやす、憂慮ゆうりょする石田いしだ三成みつなり、そして豊臣とよとみ秀吉ひでよし、各々おのおのが上杉うえすぎの上洛じょうらくを待まっていた。慶けい次じのとばっちりを危あやうんだ前田まえだ利家としいえは、兼けん続つづけの行程こうていを挫くじこうと計けいを案あんじたが、ことごとく打うち払はらわれ、上洛じょうらくを阻はばむには及およばなかった。肝心かんじんの慶けい次じは既すでに京きょうの遊郭ゆうかく、西洞院にしのとういんに忍しのんでいた。薄うす雲くもの座敷ざしきで落おち合あった兼けん続つづけと慶けい次じだったが、あろうことか酔客すいきゃくが薄うす雲くもを求もとめて乱入らんにゅうする。その時とき、薄うす雲くもがとった機転きてんに慶けい次じは死中しちゅうの活かつを見出みいだしたのだった…!
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  第だい11話わ 天下てんか人じんとの謁見えっけん

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  あらすじをみる 乱らん裁さい道どう宗むねを使つかって兼けん続つづけを説得せっとくしようと試こころみた石田いしだ三成みつなりの思惑おもわくは悪わるい方向ほうこうへ外はずれた。落水おちみず城じょうの因縁いんねんと案あんじた光成みつなりは秀吉ひでよしに尋たずねる。「上杉うえすぎを消けすことは容易よういなはず、なぜ直江なおえ兼けん続つづけにこだわるのですか?」秀吉ひでよしは答こたえた。「さてな、だが、此度はどうやって越後えちごを守まもるのか楽たのしみじゃ」上杉うえすぎの秘中ひちゅうの秘ひを知しる三成みつなりは秀吉ひでよしを守まもるため島とう左近さこんを使つかいに出だした。左近さこんが向むかうのは…柳生やぎゅうの里さと。そして越後えちご国こくの運命うんめいがかかった上杉うえすぎ引見いんけんの日ひが昇のぼる!
  あらすじをみる 乱らん裁さい道どう宗むねを使つかって兼けん続つづけを説得せっとくしようと試こころみた石田いしだ三成みつなりの思惑おもわくは悪わるい方向ほうこうへ外はずれた。落水おちみず城じょうの因縁いんねんと案あんじた光成みつなりは秀吉ひでよしに尋たずねる。「上杉うえすぎを消けすことは容易よういなはず、なぜ直江なおえ兼けん続つづけにこだわるのですか?」秀吉ひでよしは答こたえた。「さてな、だが、此度はどうやって越後えちごを守まもるのか楽たのしみじゃ」上杉うえすぎの秘中ひちゅうの秘ひを知しる三成みつなりは秀吉ひでよしを守まもるため島とう左近さこんを使つかいに出だした。左近さこんが向むかうのは…柳生やぎゅうの里さと。そして越後えちご国こくの運命うんめいがかかった上杉うえすぎ引見いんけんの日ひが昇のぼる!
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  第だい12話わ 心しんの儘に・・・

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  あらすじをみる いくさの心構こころがまえで聚楽第じゅらくだいに上のぼった兼けん続つづけと慶けい次じ。対面たいめんした二人ふたりの眼前がんぜんに座ざするは天下てんか人じん、豊臣とよとみ秀吉ひでよし。慶けい次じの髷まげは天井てんじょう高たかく立たち上あがり、松まつの木きの様ように傾かたむいている。その髷まげを秀吉ひでよしに向むけ叩頭こうとうすると、慶けい次じの顔かおは秀吉ひでよしを向むかない。慶けい次じが頭あたまを下さげた時とき、聚楽第じゅらくだいの広間ひろまに尋常じんじょうならざる空気くうきが満みちた…!そして微かすかに腰こしを浮うかす慶けい次じ。二人ふたりの気持きもちは三成みなりに伝つたわっていたが、三成みなりの思おもいは届とどいていなかったのか…対たいする傍かたわらの小姓こしょうから凄すさまじい気迫きはくが立たち上のぼり…!
  あらすじをみる いくさの心構こころがまえで聚楽第じゅらくだいに上のぼった兼けん続つづけと慶けい次じ。対面たいめんした二人ふたりの眼前がんぜんに座ざするは天下てんか人じん、豊臣とよとみ秀吉ひでよし。慶けい次じの髷まげは天井てんじょう高たかく立たち上あがり、松まつの木きの様ように傾かたむいている。その髷まげを秀吉ひでよしに向むけ叩頭こうとうすると、慶けい次じの顔かおは秀吉ひでよしを向むかない。慶けい次じが頭あたまを下さげた時とき、聚楽第じゅらくだいの広間ひろまに尋常じんじょうならざる空気くうきが満みちた…!そして微かすかに腰こしを浮うかす慶けい次じ。二人ふたりの気持きもちは三成みなりに伝つたわっていたが、三成みなりの思おもいは届とどいていなかったのか…対たいする傍かたわらの小姓こしょうから凄すさまじい気迫きはくが立たち上のぼり…!
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  第だい13話わ いくさ人じんと兵法ひょうほう家か

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  あらすじをみる 上杉うえすぎ家かの存亡そんぼうと慶けい次じの命いのちがかかった謁見えっけんは、義ぎ風ふうに満みちて幕まくを閉とじた。秀吉ひでよしは越後えちごを許ゆるした。兼けん続つづけへのこだわりが解消かいしょうしたのだ。その理由りゆうを聞きき、目めを潤うるませる三成みなり。その言葉ことばは三成みなりにも向むいていた。秀吉ひでよしと三成みつなりもまた、太ふとい絆きずなで繋つながっていたのだ。過去かこに信長のぶながが若わかき三成みなりに伝つたえた、秀吉ひでよしの心しんと兼けん続つづけとの縁えんがここに示しめされたのである。竹林ちくりんをゆく兼けん続つづけの前まえに帯刀たいとうした小姓こしょうが立たちふさがる。秀吉ひでよしの傍はたに控ひかえていた小姓こしょうであった。その目めは殺気さっきに溢あふれていた…。
  あらすじをみる 上杉うえすぎ家かの存亡そんぼうと慶けい次じの命いのちがかかった謁見えっけんは、義ぎ風ふうに満みちて幕まくを閉とじた。秀吉ひでよしは越後えちごを許ゆるした。兼けん続つづけへのこだわりが解消かいしょうしたのだ。その理由りゆうを聞きき、目めを潤うるませる三成みなり。その言葉ことばは三成みなりにも向むいていた。秀吉ひでよしと三成みつなりもまた、太ふとい絆きずなで繋つながっていたのだ。過去かこに信長のぶながが若わかき三成みなりに伝つたえた、秀吉ひでよしの心しんと兼けん続つづけとの縁えんがここに示しめされたのである。竹林ちくりんをゆく兼けん続つづけの前まえに帯刀たいとうした小姓こしょうが立たちふさがる。秀吉ひでよしの傍はたに控ひかえていた小姓こしょうであった。その目めは殺気さっきに溢あふれていた…。
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  第だい14話わ 漢かんたちの酒さけ語かたり

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  あらすじをみる ―総集編そうしゅうへん 月夜づきよの庭にわに茂助もすけと次郎じろう坊ぼうの姿すがたがあった。「しばし物語ものがたるかね?」「ああ、いたそう」杯はいを合あわせようとする…が届とどかず、茂助もすけは池いけに真まっ逆さかさま!彼かれらの口くちから語かたられる、莫逆ばくぎゃくの友ともと呼よばれた直江なおえ兼けん続つづけと前田まえだ慶けい次じの物語ものがたり。
  あらすじをみる ―総集編そうしゅうへん 月夜づきよの庭にわに茂助もすけと次郎じろう坊ぼうの姿すがたがあった。「しばし物語ものがたるかね?」「ああ、いたそう」杯はいを合あわせようとする…が届とどかず、茂助もすけは池いけに真まっ逆さかさま!彼かれらの口くちから語かたられる、莫逆ばくぎゃくの友ともと呼よばれた直江なおえ兼けん続つづけと前田まえだ慶けい次じの物語ものがたり。
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  第だい15話わ 大谷おおや吉よし継つぎの仁じん

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  あらすじをみる 上杉うえすぎ家かに下命かめいされた小田原おだわら城じょう攻せめ、小田原おだわら領主りょうしゅの北条ほうじょう氏政うじまさは禁きんを破やぶって真田さなだ家かの城しろを落おとした。よって秀吉ひでよしは徳川とくがわ・上杉うえすぎ・伊達だてに小田原おだわら攻ぜめを命めいじたのだ。そこで三成みつなりが兼けん続つづけのもとへ遣つかわしたのが大谷おおや吉よし継つぎであった。北条ほうじょう家かには徳川とくがわ家康いえやすの娘むすめ、督とく姫ひめが嫁とついでいた。大谷おおやはその身みを傷きずつけてまで、徳川とくがわ家康いえやすに小田原おだわら攻ぜめを説得せっとくした男おとこだった。大谷おおやは傷きずついたままの身体しんたいで問とう。秀吉ひでよしは上杉うえすぎの謀反むほんを危惧きぐした。大谷おおやは自分じぶんの身みを挺ていして使者ししゃの務つとめを果はたそうとしていた。
  あらすじをみる 上杉うえすぎ家かに下命かめいされた小田原おだわら城じょう攻せめ、小田原おだわら領主りょうしゅの北条ほうじょう氏政うじまさは禁きんを破やぶって真田さなだ家かの城しろを落おとした。よって秀吉ひでよしは徳川とくがわ・上杉うえすぎ・伊達だてに小田原おだわら攻ぜめを命めいじたのだ。そこで三成みつなりが兼けん続つづけのもとへ遣つかわしたのが大谷おおや吉よし継つぎであった。北条ほうじょう家かには徳川とくがわ家康いえやすの娘むすめ、督とく姫ひめが嫁とついでいた。大谷おおやはその身みを傷きずつけてまで、徳川とくがわ家康いえやすに小田原おだわら攻ぜめを説得せっとくした男おとこだった。大谷おおやは傷きずついたままの身体しんたいで問とう。秀吉ひでよしは上杉うえすぎの謀反むほんを危惧きぐした。大谷おおやは自分じぶんの身みを挺ていして使者ししゃの務つとめを果はたそうとしていた。
• 00:23:55

  第だい16話わ 笛ふえの軍師ぐんし

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  あらすじをみる 天正てんしょう18年ねん3月がつ―ついに秀吉ひでよしは北条ほうじょう小田原おだわら征伐せいばつを開始かいしした。兼けん続つづけら上杉うえすぎ勢ぜいは松井田まついだ城しろを攻せめていたが、北条ほうじょう氏しの家臣かしん大道寺だいどうじ政せい繁しげるが籠城ろうじょう、戦況せんきょうは一進一退いっしんいったいであった。そこへ、兼けん続つづけは秘策ひさくがあると言いい、なぜか一いち頭とうの犬いぬを連つれ山やまに入はいった。一方いっぽう、秀吉ひでよしの大だい進軍しんぐんを駿府すんぷ城じょうで見送みおくる家康いえやすだが、双方そうほうとも心しん穏おだやかではない。兼けん続つづけの策さくが功こうを成なし、戦たたかわず疲弊ひへいしていく松井田まついだ城じょうの兵士へいしたちその夜よる、月つきが城しろに差さし掛かかる丘おかの上うえで兼けん続つづけは美うつくしい笛ふえの音おとを聞きいた―
  あらすじをみる 天正てんしょう18年ねん3月がつ―ついに秀吉ひでよしは北条ほうじょう小田原おだわら征伐せいばつを開始かいしした。兼けん続つづけら上杉うえすぎ勢ぜいは松井田まついだ城しろを攻せめていたが、北条ほうじょう氏しの家臣かしん大道寺だいどうじ政せい繁しげるが籠城ろうじょう、戦況せんきょうは一進一退いっしんいったいであった。そこへ、兼けん続つづけは秘策ひさくがあると言いい、なぜか一いち頭とうの犬いぬを連つれ山やまに入はいった。一方いっぽう、秀吉ひでよしの大だい進軍しんぐんを駿府すんぷ城じょうで見送みおくる家康いえやすだが、双方そうほうとも心しん穏おだやかではない。兼けん続つづけの策さくが功こうを成なし、戦たたかわず疲弊ひへいしていく松井田まついだ城じょうの兵士へいしたちその夜よる、月つきが城しろに差さし掛かかる丘おかの上うえで兼けん続つづけは美うつくしい笛ふえの音おとを聞きいた―
• 00:23:55

  第だい17話わ 井伊いいの赤あか鬼おに

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  あらすじをみる 小田原おだわら城じょうを見渡みわたせる笠懸かさかけ山さんに設もうけた演舞えんぶ台だいとその上うえで踊おどる肌はだも露あらわな遊女ゆうじょたち。北条ほうじょうの戦意せんいをそぐ秀吉ひでよしの計略けいりゃくであった。一方いっぽう、徳川とくがわの家臣かしんたちは上杉うえすぎ謙信けんしんの落おとし胤たねの正体しょうたいを暴あばく策さくを練ねる。「玉たま眼めをご存ぞんじか?」玉たま眼めとは水晶すいしょうを磨みがき、模様もようと描えがいたもの。これを菩薩ぼさつ像ぞうの目めにはめ込こむと本物ほんものと見紛みまがうばかりの瞳ひとみとなる。謙信けんしんは、妙みょう姫ひめの供養くように玉たま眼めの制作せいさくを仏師ぶっしに命めいじたというのだ。兼けん続つづけの瞳ひとみに同おなじ特徴とくちょうがあれば―井伊いい直政なおまさは不敵ふてきに笑わらい、家康いえやすは身みを乗のり出だした。
  あらすじをみる 小田原おだわら城じょうを見渡みわたせる笠懸かさかけ山さんに設もうけた演舞えんぶ台だいとその上うえで踊おどる肌はだも露あらわな遊女ゆうじょたち。北条ほうじょうの戦意せんいをそぐ秀吉ひでよしの計略けいりゃくであった。一方いっぽう、徳川とくがわの家臣かしんたちは上杉うえすぎ謙信けんしんの落おとし胤たねの正体しょうたいを暴あばく策さくを練ねる。「玉たま眼めをご存ぞんじか?」玉たま眼めとは水晶すいしょうを磨みがき、模様もようと描えがいたもの。これを菩薩ぼさつ像ぞうの目めにはめ込こむと本物ほんものと見紛みまがうばかりの瞳ひとみとなる。謙信けんしんは、妙みょう姫ひめの供養くように玉たま眼めの制作せいさくを仏師ぶっしに命めいじたというのだ。兼けん続つづけの瞳ひとみに同おなじ特徴とくちょうがあれば―井伊いい直政なおまさは不敵ふてきに笑わらい、家康いえやすは身みを乗のり出だした。
• 00:23:55

  第だい18話わ 伊達だての死装束しにしょうぞく

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  あらすじをみる 謙信けんしんと兼けん続つづけの秘密ひみつを暴あばくため、菩薩ぼさつ像ぞうの行方ゆくえを追おう半蔵はんぞう・左ひだり玄げん・井伊いい。天正てんしょう18年ねん6月がつ5日にち ようやく奥州おうしゅうより伊達だて政まさし宗むねが着陣ちゃくじんしたが、遅おそすぎる小田原おだわら到着とうちゃくに秀吉ひでよしの怒いかりを買かい箱根はこね幽閉ゆうへいを命めいじられる。兼けん続つづけは八王子はちおうじ城じょう攻略こうりゃくへ向むかう前まえ、片倉かたくら小しょう十じゅう郎ろうを訪おとずれ箱根はこねの湯ゆに誘さそった。小しょう十じゅう郎ろうの心情しんじょうを察さっする兼けん続ぞく。そこへ湯ゆけむりの中なかから現あらわれたのは小しょう十じゅう郎ろうの主君しゅくん、伊達だて政まさし宗むね。二人ふたりの前まえで月夜つきよに向むかって拳こぶしを突つき上あげた。「いずれはわしが天下てんか人じんじゃ!」
  あらすじをみる 謙信けんしんと兼けん続つづけの秘密ひみつを暴あばくため、菩薩ぼさつ像ぞうの行方ゆくえを追おう半蔵はんぞう・左ひだり玄げん・井伊いい。天正てんしょう18年ねん6月がつ5日にち ようやく奥州おうしゅうより伊達だて政まさし宗むねが着陣ちゃくじんしたが、遅おそすぎる小田原おだわら到着とうちゃくに秀吉ひでよしの怒いかりを買かい箱根はこね幽閉ゆうへいを命めいじられる。兼けん続つづけは八王子はちおうじ城じょう攻略こうりゃくへ向むかう前まえ、片倉かたくら小しょう十じゅう郎ろうを訪おとずれ箱根はこねの湯ゆに誘さそった。小しょう十じゅう郎ろうの心情しんじょうを察さっする兼けん続ぞく。そこへ湯ゆけむりの中なかから現あらわれたのは小しょう十じゅう郎ろうの主君しゅくん、伊達だて政まさし宗むね。二人ふたりの前まえで月夜つきよに向むかって拳こぶしを突つき上あげた。「いずれはわしが天下てんか人じんじゃ!」
• 00:23:55

  第だい19話わ 動うごき出だした忍にん

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  あらすじをみる 政せい宗しゅうと小しょう十じゅう郎ろうの間あいだにも強つよい絆きずながあった。「まるであやつのようじゃな」秀吉ひでよしは利休りきゅうにこぼすのであった。八王子はちおうじ城じょうへ進軍しんぐんする上杉うえすぎ軍ぐんを待まち伏ぶせていた三さん葉よう葵あおいの軍勢ぐんぜい、それは家康いえやすであった。挨拶あいさつを述のべ行いき過すぎようとする兼けん続つづけに家康いえやすは井伊いいの醜態しゅうたいを詫わびるが、不意ふいに兼けん続つづけの顔かおを凝視ぎょうしし―徳川とくがわの企たくらみを察さっした景勝けいしょうと兼けん続つづけ、謙信けんしんの菩薩ぼさつ像ぞうを守まもるために次郎じろう坊ぼうを走はしらせるが、左ひだり玄げんに拉致らちされる。瀕死ひんしの次郎じろう坊ぼうの前まえに現あらわれたのは、鎧よろいをまとった巨大きょだいな獣ししだった。
  あらすじをみる 政せい宗しゅうと小しょう十じゅう郎ろうの間あいだにも強つよい絆きずながあった。「まるであやつのようじゃな」秀吉ひでよしは利休りきゅうにこぼすのであった。八王子はちおうじ城じょうへ進軍しんぐんする上杉うえすぎ軍ぐんを待まち伏ぶせていた三さん葉よう葵あおいの軍勢ぐんぜい、それは家康いえやすであった。挨拶あいさつを述のべ行いき過すぎようとする兼けん続つづけに家康いえやすは井伊いいの醜態しゅうたいを詫わびるが、不意ふいに兼けん続つづけの顔かおを凝視ぎょうしし―徳川とくがわの企たくらみを察さっした景勝けいしょうと兼けん続つづけ、謙信けんしんの菩薩ぼさつ像ぞうを守まもるために次郎じろう坊ぼうを走はしらせるが、左ひだり玄げんに拉致らちされる。瀕死ひんしの次郎じろう坊ぼうの前まえに現あらわれたのは、鎧よろいをまとった巨大きょだいな獣ししだった。
• 00:23:55

  第だい20話わ 魔物まもの

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  あらすじをみる 左ひだり玄げんら伊賀いが忍しのぶ軍ぐんに捕とらわれ、瀕死ひんしの次郎じろう坊ぼうを連つれ去さった異形いぎょうの魔物まもの。それほどの秘密ひみつを謙信けんしんの直ちょく臣しんでもあった次郎じろう坊ぼうは握にぎっていた。それは、遡さかのぼること永なが禄ろく二に年ねん(1559年ねん)、長尾ながお景虎かげとら(後ごの上杉うえすぎ謙信けんしん)と妙みょう姫ひめ(当時とうじの関白かんぱく、近衛このえ前ぜん久ひさの妹いもうと)が、ささやかな情じょうを交かわしたことから始はじまった。その夜よる、足利あしかが義輝よしてる将軍しょうぐんの名なの下した、近衛このえ邸ていで催もよおされた祝宴しゅくえんに、景虎かげとらと若衆わかしゅ姿すがたに扮ふんした妙みょう姫ひめは大だい盃さかずきを交かわす。宴うたげもたけなわの頃ころ、何者なにものかが侵入しんにゅうした気配けはいを察さっした妙みょう姫ひめは―
  あらすじをみる 左ひだり玄げんら伊賀いが忍しのぶ軍ぐんに捕とらわれ、瀕死ひんしの次郎じろう坊ぼうを連つれ去さった異形いぎょうの魔物まもの。それほどの秘密ひみつを謙信けんしんの直ちょく臣しんでもあった次郎じろう坊ぼうは握にぎっていた。それは、遡さかのぼること永なが禄ろく二に年ねん(1559年ねん)、長尾ながお景虎かげとら(後ごの上杉うえすぎ謙信けんしん)と妙みょう姫ひめ(当時とうじの関白かんぱく、近衛このえ前ぜん久ひさの妹いもうと)が、ささやかな情じょうを交かわしたことから始はじまった。その夜よる、足利あしかが義輝よしてる将軍しょうぐんの名なの下した、近衛このえ邸ていで催もよおされた祝宴しゅくえんに、景虎かげとらと若衆わかしゅ姿すがたに扮ふんした妙みょう姫ひめは大だい盃さかずきを交かわす。宴うたげもたけなわの頃ころ、何者なにものかが侵入しんにゅうした気配けはいを察さっした妙みょう姫ひめは―