池田いけだ理代りよ子こや黒沢くろさわ清きよしが「ソイレント・グリーン」語かたる、やしろあずきのイラストも到着とうちゃく

リチャード・フライシャー監督かんとく作さく「ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版ばん》」の本ほん予告よこくがYouTubeで公開こうかいされ、「ベルサイユのばら」などで知しられるマンガ家かの池田いけだ理代りよ子こや映画えいが監督かんとく・黒沢くろさわ清きよしらのコメントも到着とうちゃく。あわせてマンガ家かのやしろあずきとライターでありイラストレーターのレイナスによるイラストも解禁かいきんされた。

1973年ねんに製作せいさくされた「ソイレント・グリーン」は爆発ばくはつ的てきに人口じんこうが増加ぞうかした2022年ねんの米べいニューヨークを舞台ぶたいとした物語ものがたり。環境かんきょう破壊はかい、食糧難しょくりょうなんにあえぐ人々ひとびとは、週しゅうに一いち度ど政府せいふから配給はいきゅうされる“ソイレント”という栄養えいよう食品しょくひんを待まつ生活せいかつを送おくっていた。そんな中なか、究極きゅうきょくの栄養食えいようしょくをうたう新しん製品せいひん“ソイレント・グリーン”を発表はっぴょうしたソイレント社しゃ幹部かんぶサイモンソンが何者なにものかに殺害さつがいされる。

公開こうかいされた予告よこくには、暗殺あんさつを疑うたがう刑事けいじソーンが時ときに荒々あらあらしい手てを使つかい事件じけんの真相しんそうを探さぐっていく様子ようすを収録しゅうろく。チャールトン・ヘストンがソーンを演えんじた。

池田いけだは「食糧しょくりょう問題もんだい、人口じんこう問題もんだい、高齢こうれい化か問題もんだいと安楽あんらく死しの問題もんだい、そして、未来みらいにもなお存在そんざいする格差かくさ問題もんだい、すべてを仮借かしゃくない筆致ひっちで描えがき、それでいてエンターテインメント性せいも十分じゅうぶんに備そなえていて目めが離はなせない」とコメント。黒沢くろさわは「こういうバランスの映画えいが、他たに見みたことない。1970年代ねんだいのフライシャーは本当ほんとうに過激かげきだった」とつづった。そのほかの著名ちょめい人じんのコメントは下記かきの通とおり。

ハリイ・ハリスンのSF小説しょうせつをもとにした「ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版ばん》」は、5月17日にちより東京とうきょう・シネマート新宿しんじゅくほか全国ぜんこくで順次じゅんじ公開こうかい。リー・テイラー＝ヤング、エドワード・G・ロビンソン、ジョセフ・コットン、チャック・コナーズもキャストに名なを連つらねている。

映画えいが「ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版ばん》」本ほん予告よこく

池田いけだ理代りよ子こ（マンガ家か / 声楽せいがく家か）コメント

未来みらい社会しゃかいを、シビアで容赦ようしゃない視点してんで描えがき、今いまなお、人類じんるいへの衝撃しょうげき的てきな警告けいこくとなっている映画えいがである。
食糧しょくりょう問題もんだい、人口じんこう問題もんだい、高齢こうれい化か問題もんだいと安楽あんらく死しの問題もんだい、そして、未来みらいにもなお存在そんざいする格差かくさ問題もんだい、すべてを仮借かしゃくない筆致ひっちで描えがき、それでいてエンターテインメント性せいも十分じゅうぶんに備そなえていて目めが離はなせない。
作品さくひん中ちゅう、ベートーヴェンの「田園でんえん交響曲こうきょうきょく」と共ともに描えがかれる地球ちきゅうの自然しぜんの美うつくしさに胸むねを締しめ付つけられた後のちには、観みる人ひとを打うちのめす戦慄せんりつの事実じじつが待まっている。

栗原くりはら康やすし（政治せいじ学者がくしゃ）コメント

人間にんげんが人間にんげんの家畜かちくとして飼育しいくされる。
このディストピアはぼくらの現実げんじつそのものだ。
世界せかいの終おわりを殺やりにゆこう。フリーダム！
人間にんげんになりてえ。

黒沢くろさわ清きよし（映画えいが監督かんとく）コメント

無気力むきりょくな大衆たいしゅうと、引ひきこもったインテリと、ロボット化かした管理かんり者しゃだけが存在そんざいする暗澹あんたんたる未来みらいがずるずると描写びょうしゃされていく。展望てんぼうはまったく開あけない。
ところが、野卑やひなひとりの警官けいかんが急きゅうに動うごき出だしたとたん、事態じたいは猛もうスピードで進展しんてんし、あれよあれよと世よの中なかのカラクリが暴あばかれて、最後さいごは問答もんどう無用むようの社会しゃかい批判ひはんに胸むね打うたれる。
こういうバランスの映画えいが、他たに見みたことない。1970年代ねんだいのフライシャーは本当ほんとうに過激かげきだった。

ジム・オルーク（ミュージシャン）コメント

リチャード・フライシャーは、そのキャリアを通つうじて真しんの偉大いだいな映画えいが監督かんとくの一人ひとりであり、「ソイレント・グリーン」は、シニカルな世界せかい観かんに裏打うらうちされた緊張きんちょう感かんの卓越たくえつした例れいです。名作めいさくが再ふたたびスクリーンに。

中原なかはら昌也まさや（ミュージシャン / 作家さっか）コメント

何なん度どもテレビやビデオで観みた映画えいがですが、
フライシャーの映画えいがはデカいスクリーンで絶対ぜったい観みなきゃダメでしょ！

やしろあずき（マンガ家か）コメント

皆みな大好だいすきディストピア！ 人類じんるい人口じんこう爆発ばくはつ！ 食料しょくりょう危機きき！ 政府せいふの統制とうせい!!
いやなんか割わりと未来みらい予知よちされてる感かんじもする令れい和わの今いま、大だい画面がめんで、改あらためて学まなぼうディストピア！
そして皆みなで食たべようソイレント・グリーン!!

レイナス（ライター / イラストレーター）コメント

結末けつまつ以外いがいも見みどころだらけ、超ちょう辛辣しんらつでちょっとおかしな未来みらい予想よそう。
これよりかはマシな未来みらいに生いきてる……と思おもいたい！

鷲巣わしず義明よしあき（映画えいが文筆ぶんぴつ家か）コメント

終末しゅうまつ思想しそうが蔓延はびこる、この時代じだい。
強つよいアメリカを象徴しょうちょうする主人公しゅじんこうがあがき、彼かれの親友しんゆうが死しに向むかう。
親友しんゆうの死しでは、地球ちきゅうのかつての大だい自然しぜんの映像えいぞうと共ともに、
クラシック曲きょく「田園でんえん」「ペール・ギュントの朝あさ」が流ながれ、はかなくも美うつくしすぎるシーンとして記憶きおくに残のこる。
アメリカの揺ゆらぎの予兆よちょうのようでもあった。