メジャーデビューするメリットって？

取材しゅざい・文ぶん / キニナル君くん 撮影さつえい / 押尾おしび健太郎けんたろう イラスト / 柘植つげ文あや

フェニックスのように舞まい戻もどる

──バンドじゃないもん！MAXX NAKAYOSHIの3度目どめのメジャーデビュー、おめでとうございます!!（参照さんしょう：バンもん！再々さいさいメジャーデビューシングルにQ-MHz、清せい竜りゅう人じんが楽曲がっきょく提供ていきょう）

ありがとうございます！ うれしい～。

──3回かいもメジャーデビューを経験けいけんするって珍めずらしいですよね。

ふふふ。神聖しんせいかまってちゃんも入いれると4回かい（笑）。なかなかレアなケースだよね。フェニックスのように「また復活ふっかつするの？ しぶといね」みたいな感かんじで楽たのしんでもらえたらなって（笑）。

──1回かい目めは2012年ねんにワーナーミュージック・ジャパン内ないのunBORDE、次つぎに2016年ねんにポニーキャニオン、そして今回こんかいはテイチクエンタテインメント内ないのインペリアルレコードからメジャーデビューするんですよね。

今回こんかいはそれと私わたしたちのプライベートレーベルのNAKAYOSHI RECORDSと、JOYSOUNDさんにも応援おうえんいただく三みつ巴どもえスタイルで。

──どういう経緯けいいでそうなったんですか？

以前いぜんバンもん！がLINDBERGさんの「もっと愛あいしあいましょ」をカバーしたんだけど、LINDBERGさんが所属しょぞくされていたというのもあって、カバー音源おんげんをテイチクの方ほうが聴きいて「一緒いっしょにやってみよう」って思おもってくださったらしくて。そこにテイチクさんの親会社おやがいしゃで、JOYSOUNDを手てがけるエクシングさんも加くわわることになったみたい。まだ具体ぐたい的てきなことは決きまってないんだけど、老舗しにせ音楽おんがくレーベルと通信つうしんカラオケのJOYSOUNDさんという、強つよみにしている分野ぶんやが違ちがうパートナーと手てを組くむことでいろいろなコラボをやっていきたいと思おもってるよ。

メジャーのメリットとデメリット

──バンもん！はこうしてまたメジャーに舞まい戻もどるわけですけど、ずばりメジャーで活動かつどうするメリットってなんですか？

具体ぐたい的てきな話はなしをすると、アニメ作品さくひんのDVDを多おおく出だしているようなメーカーさんから作品さくひんを出だすならアニメのタイアップが取とりやすい。ただ私わたしの話はなしをすると、神聖しんせいかまってちゃんのアニメタイアップは原作げんさく者しゃさんが私わたしたちのグループを好すきでいてくれたことがきっかけだったりもしたよ（笑）。

──「進撃しんげきの巨人きょじん The Final Season」のオープニング主題歌しゅだいか「僕ぼくの戦争せんそう」ですね！ 僕ぼく、あの曲きょく大好だいすきです！

ありがとう（笑）。全ぜんアーティストがタイアップを獲得かくとくできるわけじゃないけど、タイアップの取とりやすさはメジャーならではなんじゃないかな。あとメジャーに所属しょぞくしていることで作家さっかさんからの信用度しんようどが増まして、「どこどこのレーベル所属しょぞくなら安心あんしんして楽曲がっきょく提供ていきょうできる」っていうのもあると思おもう。

──要ようはハクが付つくってことですね！

ポニーキャニオン時代じだいは同おなじレーベルというつながりでGLAYのHISASHIさんに楽曲がっきょく提供ていきょうとプロデュースをしていただいたことがあって。インディーでも頼たのむことはできるけど、初はじめましての方ほうにお願ねがいする場合ばあいはメジャーレーベルにいたほうが受うけてくれる可能かのう性せいは高たかくなるんじゃないかな。

──逆ぎゃくにメジャーで活動かつどうすることのデメリットってなんですか？

よくも悪わるくも、売うり出だし方かたのノウハウがメジャーレーベルさんにはある。もちろん担当たんとうさんによっても違ちがうけど、そことぶつかることが過去かこにはあったかな。メンバーもメジャーレーベルの担当たんとうさんもお互たがいバンもん！を売うり出だそうとがんばってはいるんだけど、その方向ほうこう性せいが違ちがって一枚岩いちまいいわになれなかったというか。

──関かかわる人ひとが増ふえるからこそ出でてくる問題もんだいですね……。

バンもん！はセルフプロデュースでやっているから、どうしても自分じぶんたちの我がを押おし通とおさないとよさが出でないときがあって。お仕事しごとをご一緒いっしょする方ほうにうちらのコンセプトをあまり理解りかいしてもらえてないと感かんじたこともあったし。もんスター（バンもん！ファンの呼称こしょう）のことはメンバーが一番いちばんよくわかっているという自負じふがあるので、「これはグループにとってプラスにならないんじゃないか」と感かんじることもあったんだよね。

──難むずかしい……。そこの相性あいしょうは大事だいじですね。レーベルごとのカラーもめちゃくちゃありそう。

担当たんとうさんとの相性あいしょうもレーベルのカラーもすごく大事だいじ。「任まかせるところは任まかせて自分じぶんたちは音楽おんがくにだけ集中しゅうちゅうする」というやり方かたが性せいに合あってるアーティストもいるとは思おもうんだけどね。

──あのー、聞ききにくいんですけど、テイチクさんとの相性あいしょうは大丈夫だいじょうぶですか……？

もちろん！ 昔むかしはアイドルと言いえば10代後半こうはんから20代だい前半ぜんはんの青春せいしゅん期きに活動かつどうして卒業そつぎょうするケースが多おおかったけど、今いまでは結婚けっこんして出産しゅっさんしても活動かつどうされてるアイドルさんもいるでしょ？ バンもん！も今いまのメンバーになって10年ねんが経たって、青春せいしゅん期きだけじゃなくて“生涯しょうがいアイドル”として活動かつどうしたいと思おもってるから、そういう意味いみで老若男女ろうにゃくなんにょさまざまなアーティストさんが長ながきにわたって所属しょぞくしているテイチクさんはピッタリ。メジャーデビューするメリットとデメリットって両方りょうほうあるけど、今回こんかいはメリットしか感かんじてなくて、「こんなにハッピーでいいのかな」と思おもってるところ（笑）。

それでもメジャーを選えらぶ理由りゆう

──みさこさんはアイドルとバンドの両方りょうほうで活動かつどうしてますけど、活動かつどうするジャンルでの違ちがいってあります？

基本きほん的てきにバンドでリリイベをやっている人ひとは少すくない。そこはけっこう大おおきな違ちがいかも。バンドだとメンバーがCD屋やさんに挨拶あいさつはするけど、直接ちょくせつ店頭てんとうに立たって売うる日ひはあまりないんじゃないかな。逆ぎゃくにアイドルはリリース期間きかん中ちゅうはほぼ毎日まいにちどこかしらでキャンペーンをやっていたりするからね。

──そういうキャンペーンって、インディーとメジャーで何なにか違ちがいがあるんですか？

内容ないようは一緒いっしょでも、規模きぼが違ちがってくるよ。例たとえばポニキャン時代じだいはポニキャンさんの持もっているスタジオでリリイベをすることもかなり多おおかったし。あとはラジオ出演しゅつえんとかも、メジャーレーベルさんは関かかわりのあるラジオ局きょくさんの数かずが圧倒的あっとうてきに違ちがう。テレビもそうだと思おもうけど。

──前回ぜんかい、鈴木すずき竜馬りょうまさんが「メジャーの強つよみはプロモーション力りょくだ」っておっしゃっていたんですけど、まさにそういうことですね！

そうだね。ただバンもん！の話はなしをすると、自己じこプロデュースが得意とくいなメンバーがそろっているので、ラジオに出演しゅつえんしたからお客きゃくさんがすごい増ふえたかと言いうとそうでもなくて。それよりもSNSで知しってくれる方ほうのほうが多おおいっていう体感たいかんかなあ。

──そうそう、それが気きになっていて。今いまの時代じだいってSNSを使つかって自分じぶんたちで発信はっしんできると思おもうんですけど、それでもメジャーを選えらんだ理由りゆうってなんですか？

メジャー時代じだいにメンバーの中なかでも一番いちばんつらい思おもいを伝つたえていたもも（大桃おおもも子こサンライズ）が「もう1回かいメジャーでやりたい」って言いったのが大おおきかったかな。「バンもん！がバンもん！らしくいられて、さらに知しってくれる人ひとが多おおくなるような機会きかいを作つくれるならぜひメジャーでやりたいけど、それはすごく難むずかしいと思おもう」っていう話はなしをしている中なか、テイチクさんとJOYSOUNDさんとお取とり組くみをする機会きかいをいただいて、露出ろしゅつの仕方しかたとかも相談そうだんに乗のってくれそうだし、逆ぎゃくにうちらも全力ぜんりょくで応こたえたいと思おもって。メジャーレーベルに所属しょぞくしているほうがバンもん！のことを知しってもらう機会きかいは確実かくじつに増ふえるので、「ももが悲かなしまないならいいよ」ってメンバーやスタッフさんとも話はなしをして、それで今回こんかいのメジャーデビューを決きめたよ。

──めちゃくちゃメンバー思おもい……！ SNSを使つかって自分じぶんたちで発信はっしんできるけど、メジャーレーベルと組くむことによってさらに相乗そうじょう効果こうかを期待きたいできるってことですね！

うん、そういうこと！ 私わたし、10年ねんくらい前まえにカロリーメイトにプレーン味あじが出でてびっくりしたことがあって。歴史れきしのある商品しょうひんで既存きそんの味あじだけで十分じゅうぶんやっていけると思おもうのに「今こんプレーンを出だすの!?」って。テイチクさんも歴史れきしのある企業きぎょうだけど新あたらしいことにチャレンジする姿勢しせいも持もっているので、今後こんごがすごく楽たのしみ！