“オルタナティヴアイドル”RAY、アイドルとバンドの壁かべを壊こわした対たいバン企画きかく「Destroy the Wall」

RAYが主催しゅさいする対たいバン企画きかく「RAY presents『Destroy the Wall』」が8月がつ18日にちに東京とうきょう・渋谷しぶやCLUB QUATTROで開催かいさいされた。

RAYは「極北きょくほくを目指めざすオルタナティヴアイドル」をコンセプトに活動かつどうする女性じょせいアイドルグループ。「アイドルとバンドの壁かべを壊こわす」をテーマにした対たいバン企画きかくにはdowny、明日あしたの叙景じょけい、MO'SOME TONEBENDERと、RAYに楽曲がっきょく提供ていきょうの経験けいけんがあるバンドがラインナップされた。

downy

スクリーンに映うつし出だされていた砂嵐すなあらしが夕焼ゆうやけの映像えいぞうに変かわると同時どうじに、トップバッターのdownyが「春はると修羅しゅら」でライブをスタートさせる。変へん拍子ひょうしのリフが生うみ出だす張はり詰つめた空気くうきの中なかで、青木あおきロビン（Vo, G）の柔やわらかな歌唱かしょうがゆらゆらとたゆたい、緊張きんちょうと緩和かんわが共存きょうぞんする音おと世界せかいが創造そうぞうされた。そこからライブは「黒くろい雨あめ」「視界しかい不良ふりょう」と続つづき、オーディエンスは異い世界せかいへ誘さそうような音楽おんがくに身みを委ゆだねながら、恍惚こうこつとした表情ひょうじょうを見みせていた。そして「downyです。よろしくお願ねがいします」と青木あおきが簡潔かんけつにMCを済すませると、バンドは時ときに激はげしく、時ときにずっしりと構かまえた緩急かんきゅうのあるパフォーマンスで圧倒的あっとうてきな存在そんざい感かんを放はなち、ステージを去さっていった。

明日あしたの叙景じょけい

続つづいて、ポストブラックメタルバンド・明日あしたの叙景じょけいが登場とうじょう。等とう力ちから桂かつら（G）がインスト曲きょく「見みつめていたい」で清涼せいりょうかつ美うつくしいアルペジオを鳴ならして観客かんきゃくの心しんを惹ひきつけると、遅おくれてステージに現あらわれた布ぬの大樹たいじゅ（Vo）が「土踏つちふまず」で叙情じょじょう的てきなスクリームを響ひびかせる。そんな布ぬのは観客かんきゃくを煽あおると、手拍子てびょうしが沸わき起おこる中なかで「歌姫うたひめとそこにあれ」をフロアに投下とうか。さわやかなギターリフと抑揚よくようのあるメロディはポップロックの要素ようそを感かんじさせるが、それを終始しゅうしスクリームで歌うたい通とおすことでバンドの矜持きょうじを示しめしていく。新曲しんきょく「コバルトの降ふる街まちで」を含ふくむ合計ごうけい8曲きょくを披露ひろうした彼かれらは、ブラックメタルの解釈かいしゃくを広ひろげた壮大そうだいで自由じゆうな世界せかい観かんでもって強烈きょうれつなインパクトを会場かいじょうに残のこした。

MO'SOME TONEBENDER

民族みんぞく音楽おんがく調ちょうのSEで登場とうじょうしたのはMO'SOME TONEBENDER。3人にんはステージに上あがるだけでフロアの温度おんどを上昇じょうしょうさせ、百戦錬磨ひゃくせんれんまのベテランとしての存在そんざい感かんを発揮はっきする。そして真夏まなつの饗宴きょうえんにふさわしい1曲きょく「SUMMERスカ？」で会場かいじょうは一気いっきに“モーサムカラー”に変化へんか。彼かれらは「ロッキンルーラ」「JACK THE TRIPPER」「凡人ぼんじんのロックンロール」と畳たたみかけ、オーディエンスの心しんを鷲わしづかみにするライブ巧者こうしゃっぷりを見みせた。武井たけい靖典やすのり（B）はMCで「こんなけったいなイベントはなかなかないよ」と笑顔えがおで語かたったが、バンド自身じしんが誰だれよりもこのイベントを楽たのしんでいるよう。8曲きょく目めに「BIG-S」を披露ひろうし終おえると、プロレスのリングアナウンサーに扮ふんした武井たけいが「ただいまよりMO'SOME TONEBENDER vs RAY、3分ふん45秒びょう1本ほん勝負しょうぶを行おこないます」と宣言せんげん。RAYのメンバーを1人にんずつステージに呼よび込こんだ。そしてRAYの内山うちやま結ゆい愛あいが「ここにいる全員ぜんいんでDestroy the Wallしてやるぜ！」と叫さけび、モーサムがRAYに提供ていきょうした楽曲がっきょく「星座せいざの夜空よぞら」を披露ひろう。アイドルとバンドのコラボならではの華はなやかさと力強ちからづよさで観客かんきゃくを魅了みりょうした。

RAY

トリを務つとめるのはもちろんRAY。明日あしたの叙景じょけいの等とう力ちからが提供ていきょうした「星ほしに願ねがいを」が1曲きょく目めに披露ひろうされた。そうそうたる出演しゅつえん者しゃからバトンを受うけ取とった内山うちやま、琴きん山やましずく、月つき海うみまお、紬つむぎ実じつ詩しの4人にんは、その重圧じゅうあつを跳はね返かえすように気迫きはくのこもったパフォーマンスをフロアにぶつける。自分じぶんたちの歌声うたごえを音色ねいろの違ちがう4つの楽器がっきのように使つかい分わけ、そこにダンスで視覚しかく的てきな表現ひょうげんを加くわえる、アイドルというフォーマットならではの武器ぶきを思おもう存分ぞんぶんに振ふるっていった。

続つづいてdownyの青木あおきロビンが提供ていきょうした「火曜日かようびの雨あめ」へ。アイドルの楽曲がっきょくらしからぬ尖とがりっぷりの前衛ぜんえい的てきなオルタナティヴロックを、4人にんは見事みごとに歌うたいこなす。曲きょくの中盤ちゅうばんにはダンサブルな四よっつ打うちサウンドに乗のせて紬つむぎが鋭するどいシャウトを炸裂さくれつさせる場面ばめんも。さらにRAYは「See ya!」からつなぐ形かたちで、この日ひだけのリミックスが施ほどこされた「フロンティア」を披露ひろう。本ほん公演こうえんで初はじめてアイドル現場げんばらしいコールがフロアから上あがった。曲きょく終おわりに月つき海うみが「バンドとアイドルの壁かべを壊こわしにやってきたぜ！」と改あらためてイベントへの思おもいを語かたり、ライブはラストスパートへ。4人にんは「バタフライエフェクト」「わたし夜よるに泳およぐの」の2曲きょくでシューゲイズアイドルとしての顔かおも見みせ、歪いがんだギターサウンドが生うむ轟音ごうおんの海うみに柔やわらかな歌声うたごえを浮うかばせた。

なお、RAYは9月21日にちに東京とうきょう・Veats Shibuyaにて現げん体制たいせい2周年しゅうねん記念きねんワンマンライブ「Perennial」を開催かいさいする。

ライブ情報じょうほう

RAY現げん体制たいせい2周年しゅうねん記念きねんワンマンライブ「Perennial」

2024年ねん9月がつ21日にち（土ど）東京とうきょう都と Veats Shibuya