世が世なら!!!インタビュー|1stアルバム「人生敗者復活戦」清竜人によるリード曲は進化を促す挑戦状

真面目まじめがたおふざけ集団しゅうだん”というキャッチフレーズをかかげて活動かつどうしている6人組にんぐみボーイズグループ・なら!!!。つばさレコーズの男子だんし部門ぶもん・つばさ男子だんしプロダクションに所属しょぞくするかれらは、2022ねん8がつにシングル「鼓動こどうのFighters」をリリースしてデビューをたした。どうタイミングにデビューきょく「チグハグ」を発表はっぴょうし、SNSを中心ちゅうしんおおきな注目ちゅうもくびたTHE SUPER FRUITの“同期どうき”としてかたられることのおおかったは、ライバルであると同時どうじなかのよい友達ともだちでもあるスパフルにさまざまなおもいをいたという。

しかしながら、かれらは“エクササイズ”をライブコンセプトに、ステージにつたびにifif(なら!!!ファンの呼称こしょう)をみながらあついパフォーマンスをひろげ、自分じぶんたちらしく着実ちゃくじつちからばしてきた。今年ことしなつ開催かいさいされたはつのワンマンツアーはぜん公演こうえんがソールドアウト。そして12月20にちには1stアルバム「人生じんせい敗者はいしゃ復活ふっかつせん」がまんもたしてリリースされる。アルバムにはせいりゅうじん制作せいさくがけたリードきょくおれならやれそうじゃん?」などの新曲しんきょく6きょくすんではつきょくくわえたけい12きょく収録しゅうろく音楽おんがくナタリーでは6にんにインタビューし、「テンションだけでれるきょくじゃないぞ」とかんじたというリードきょくをはじめとするアルバム収録しゅうろくきょくきどころや同期どうきスパフルへのおもい、今後こんご展望てんぼうについてはなしいた。

取材しゅざいぶん / くらしま孝彦たかひこ撮影さつえい / はぎひさこ

スパフルにないものをっている

──先日せんじつ、THE SUPER FRUITとせいなら!!!による3度目どめにして最後さいごのツーマンライブが、1がつ東京とうきょう大阪おおさか開催かいさいされるという発表はっぴょうがありました(参照さんしょうTHE SUPER FRUITとせいなら!!!が一旦いったんさよなら、東京とうきょう大阪おおさかで“最後さいご”のツーマンライブ)。これまで“スパフルの同期どうき”や“CUBERSの弟分おとうとぶん”と表現ひょうげんされてきたがついに自立じりつするという宣言せんげんでもありますよね。

大谷おおや篤行とっこう 今年ことしなつだけのワンマンツアーを開催かいさいさせてもらって、ありがたいことにぜん公演こうえんでソールドアウトという結果けっかになったんです。チケットが完売かんばいできたこともうれしかったし、実際じっさい開催かいさいしたライブではてくれたififと一緒いっしょにものすごくがることができて、単体たんたいでも不安ふあんなくすすんでいけるという手応てごたえをかんじました。もちろん、ここからうえがれるかどうかはぼく次第しだいですけど、すくなくともCUBERさんやスパフルのちからりず、ぼく単体たんたい挑戦ちょうせんするちからはあると確信かくしんしています。

橋爪はしづめゆうしん たときに一番いちばん比較ひかくしやすいグループがスパフルなだけで、この2グループってコンセプトもきょく雰囲気ふんいきぎゃくなんですよね。ぼくらはぎゃく方向ほうこうせいのグループとして一緒いっしょ活動かつどうしてきて、お世辞せじかもれませんが(笑)、「おれのほうがきだよ」とかってくださるひともいて、これからはもっとおおきなカテゴリのなか評価ひょうかされるときがるわけで。それはたのしみでもありますが、ぼくらがもっとがんばらなきゃいけない、試練しれんときだともおもっています。

橋爪優真

橋爪はしづめゆうしん

中山なかやま清太郎せいたろう スパフルはすごいグループですけど、ぼくらはスパフルがっていないものをっているんじゃないかとおもっています。先日せんじつ、デビュー2周年しゅうねんライブをスパフルとせいの2くみでやらせてもらったんですが、スパフルとはちがうベクトルでのほうがおきゃくさんをたのしませることができたんじゃないかなと。

──そのベクトルのちがいというのは?

中山なかやま スパフルが完成かんせいたかいパフォーマンスをしているのにたいして、ぼくらはライブならではの工夫くふうというか“あそびの余地よち”のような部分ぶぶん勝負しょうぶしていて。おきゃくさんをみながらげる工夫くふうらしているから、ライブちゅう客席きゃくせきからこえてくる声援せいえんのときのほうがおおきかったんじゃないかなあ。

中山清太郎

中山なかやま清太郎せいたろう

添田そえたりょう スパフルにはスパフルのよさがあって、ぼくらにはぼくらのよさがあるというのはずっとかんじています。のライブでは“ライブがエクササイズ”とって、ぼくらだけではなくてファンのみんなにもからだうごかしてもらうようにしていて。その“全員ぜんいんからだうごかしてライブをつくげていく”スタイルがようやく定着ていちゃくしてきた実感じっかんがあります。コロナけからは、こえしも解禁かいきんし、おきゃくさんのコールもライブ演出えんしゅつの1つとなっています。

内藤ないとうたね やっぱり2022ねんなつぼくらにとっていままでで一番いちばんデカいかべでしたね。

──デビューシングルリリース直後ちょくごですね。

内藤ないとう はい。スパフルと同時どうじにデビューしたけど、「チグハグ」がヒットしたことでぼくらよりも圧倒的あっとうてきこうの知名度ちめいどがったとき。ぼくらはぼくらのやりかた着実ちゃくじつにやっていけばいい、っていまならわかるんですけど、当時とうじはやっぱりすごくむこともあった。でもくやしかったからこそ、それをバネにできたのは事実じじつで、いまではあのときの状況じょうきょうれて、のことを応援おうえんしてくださっているみなさんと一緒いっしょぼくらのペースでうえがっていこうという前向まえむきな気持きもちでいます。不安ふあん一切いっさいないです。

笠松かさまつただし 自信じしんがついてきたよね。今年ことしなつのリリイベもワンマンも、スパフルと一緒いっしょではなくて単独たんどくだったし、単独たんどくだからこそ、個性こせいったライブづくりもできた。スパフルのライブとたのしみかたちがうという前提ぜんていはあるけど、おきゃくさんのこえしにかんしてはぼくらのほうがっているとおもっています。来年らいねんのスパフルとせいの“おわかれラストツーマン”は、スパフルをらせるようなライブができるようながしています。

笠松正斗

笠松かさまつただし

──同期どうきでありライバルであるスパフルにたいして、いまどんなおもいがありますか?

大谷おおや くやしいおもいもしてきたけど、感謝かんしゃしかないです。

内藤ないとう スパフルがいなかったら、ぼくらのパワーは半分はんぶん以下いかだったとおもいます。それは集客しゅうきゃくてき意味いみでも、ぼくらの実力じつりょくてき意味いみでも。スパフルがいろんなひとくことで、ぼくらをつけてくれたififがいるのは事実じじつだし、同期どうきのグループがいなかったらこんなに切磋琢磨せっさたくまできなかったともおもう。だから感謝かんしゃおもいが一番いちばんつよいけど、同時どうじに「けねえよ」ともおもってます。べつにまだけたなんておもってないし、5ねん10ねんにどっちがうえにいるかなんてわかりませんから。

添田そえた 同期どうきでよきライバルでもあるけど、なかのいい友達ともだちでもあるからむずかしいんですよね。友達ともだちだけどすごく感謝かんしゃしてるし、尊敬そんけいもしてます。やっぱり一緒いっしょにライブをするのはたのしいし。だからいち、“おわかれラストツーマン”ではなれたあと、どこかでまためぐって一緒いっしょにやるときにおたがいどう成長せいちょうしているのか、いまからたのしみにしています。

添田陵輔

添田そえたりょう

小学生しょうがくせいで“社長しゃちょう”になるぐらいすごい

──は2022ねん4がつにプレデビューをしていますから、およそ1ねん8カ月かげつ活動かつどうかさねてようやくアルバムがリリースされることになります。みなさんにとってアルバムリリースはやはり特別とくべつなことですか?

大谷おおや 特別とくべつですね。はこれまでずっとシングルリリースをかさねてきて。個人こじんてきに、アルバムをリリースするアーティストさんはすごいひとばかりというイメージがあったんですよ。ちょっとすごいくらいじゃアルバムはせないっておもんでました。

内藤ないとう どれくらいすごいとアルバムせるの?

大谷おおや うーん、小学生しょうがくせい社長しゃちょうになるぐらいすごくないとせないかんじ。

中山なかやま それじゃ全然ぜんぜんわかんないよ(笑)。

大谷おおや そうだよね。でもぼくらはなつ東名とうめいばんのワンマンツアーをやって、チケットを完売かんばいできて、アルバムをせるくらいすごいところに近付ちかづけたのかなともおもっています。だからうれしい。

大谷篤行

大谷おおや篤行とっこう

──グループのこれまでのあゆみを総括そうかつする言葉ことばが、1stアルバムのタイトルでもある「人生じんせい敗者はいしゃ復活ふっかつせん」とえるんじゃないでしょうか。

内藤ないとう ぼくらがこれまでしてきたシングルまがって、すべてなにかとたたかっていたんですよ。「鼓動こどうのFighters」はたたかひとのことをストレートにうたっているし、「メダチタガリアン」は宇宙うちゅうじんと、ラブソングでは自分じぶん自身じしん気持きもちとたたかっています。1stアルバムにはこれらの楽曲がっきょくはいっているから、“たたかい”をテーマにした「人生じんせい敗者はいしゃ復活ふっかつせん」というタイトルはすごくしっくりきました。

笠松かさまつ だからアーティスト写真しゃしんはボクサースタイルになっています。

大谷おおや かべかってえていくというのがぼくたちの活動かつどうテーマですから。ぼくらはつねなにかとたたかっているし、ファンのみなさんもきっと日常にちじょうのさまざまな場面ばめんたたかいがあって、くやしいおもいをすることがあるとおもうんですよ。人間にんげん、ずっとつづけることなんてできませんから。苦境くきょうたされたり、「くやしいな」とおもったりしたときは、ぼくらと一緒いっしょたたかいましょう、という前向まえむきな気持きもちをうためています。

世が世なら!!!

なら!!!

進化しんかうながしたせいりゅうじん

──アルバムのリードきょくおれならやれそうじゃん?」の作詞さくし作曲さっきょくせいりゅうじんさんが担当たんとうしたことにはおどろきました。あまり男性だんせいアイドルにきょくくイメージがなかったので。そもそもみなさんはりゅうじんさんにどのようなイメージをっていましたか?

内藤ないとう たしかに、男性だんせいアイドルにきょく印象いんしょうはあまりないですよね。りゅうじんさんのイメージは、面白おもしろいことをつねにやってる、かな。

橋爪はしづめ ももクロ(ももいろクローバーZ)さんのきょくをはじめ、たくさんのほうきょく提供ていきょうしつつシンガーソングライターとしても活動かつどうしている、実績じっせきがあるすごいひとだといていて。そんなほうぼくたちにきょくいてくださって素直すなおにすごくおどろきました。

中山なかやま 有名ゆうめいほうだし、りゅうじんさんの世界せかいぼくらをれてってくれるのかとおもっていたら、すごく“らしい”きょくいてくれたのがおどろきでした。ずっとぼくらのことをっていたひとが、ぼくらの進化しんかうながしてくれたかんじ。

大谷おおや 2ばんではラップでめまくっているところもあるし、メンバーを2くみけてファルセットと地声じごえうたうパートもある。あたらしい挑戦ちょうせんみつつ、ぼくららしさが担保たんぽされているのが不思議ふしぎかんじ。

──がファルセットでうたうのはめずらしいですよね。これまではシャウトしたり、がなりながらうたうことがおおかったので。

添田そえた ごまかせなくなりましたね。デモをいた段階だんかいで「テンションだけでれるきょくじゃないぞ」とわれているがして。進化しんかうながしてくれたし、ぼくらへの挑戦ちょうせんじょうだったかもしれない。

──歌詞かし内容ないようもグループにってえがかれているとかんじました。

内藤ないとう 題名だいめいからしてぼくらのことですよね。歌詞かしにある「やみなか がけっぷちにっても」という苦境くきょうたされている描写びょうしゃは、ぼくらがちのめされた2022ねんなつ時期じきかさなるし。でもそれは外側そとがわのことで、結局けっきょく自分じぶん自身じしんとのたたかいなんだと気付きづかされたぼくらのことが「おれなか ゆずれないことがあるのさ! おのれけたくはないだけさ!」という歌詞かしかれている。

内藤五胤

内藤ないとうたね

中山なかやま 「普通ふつうのあんちゃんだったら! げてしまうことも!」という歌詞かしあらわしていますね。ぼくたちがあゆんできた1ねん8カ月かげつ普通ふつうおとこだったらしてしまうくらい大変たいへんだったとおもう。

大谷おおや 「命懸いのちがひもなしバンジージャンプ」とか、ただのりなんですよ(笑)。でもそういう一発いっぱつ勝負しょうぶなところ、いのちけてやっているところがりゅうじんさんにつたわって、こういう歌詞かしいてくれたとおもうとうれしいです。