さまざまな人生じんせいをカラフルに描えがく「EDGES」開幕かいまく、屋良やら朝ちょう幸こう・植木うえき豪ごうらは仲良なかよしトーク

ミュージカル「EDGES ―エッジズ― 2022」が、本日ほんじつ4月がつ27日にちに東京とうきょう・よみうりホールで開幕かいまく。同日どうじつ、ゲネプロと取材しゅざい会かいが行おこなわれた。

「EDGES」は、ミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」の作詞さくし作曲さっきょくでも知しられるデュオ、ベンジ・パセック＆ジャスティン・ポールのデビュー作さく。本ほん作さくでは1つのテーマを1曲きょく1話わ完結かんけつのオムニバス形式けいしきでつづる“ソングサイクル・ミュージカル”の形式けいしきが用もちいられている。日本にっぽんでは2020年ねんに3チーム制せいで初演しょえんされた。今回こんかいは初演しょえんに続つづき元もと吉よし庸いさお泰やすしが演出えんしゅつを手てがけ、屋良やら朝ちょう幸こうと植木うえき豪つよしの振付ふりつけで、新あらたに立たち上あげられる。

舞台ぶたい中央ちゅうおうには4段だんの階段かいだんが組くまれ、後方こうほうにはさまざまな大おおきさの長方形ちょうほうけいを組くみ合あわせた装置そうちが吊つるされている。また階段かいだんの周まわりには全部ぜんぶで5台だいのハンガーラックが設置せっちされており、そこにはカラフルな色いろの衣裳いしょうがたくさん掛かけられていた。

冒頭ぼうとうでは植木うえきが、白しろい衣裳いしょうに投影とうえいされる青あおい光ひかりの映像えいぞうと共ともに、シャープなダンスを披露ひろう。やがてそろいの白しろい衣裳いしょうを着きた出演しゅつえん者しゃたちが姿すがたを現あらわして「Transition」「Become」を歌唱かしょうし、観客かんきゃくを一気いっきに舞台ぶたいの世界せかいへと引ひき込こんだ。

劇げき中ちゅうでキャストたちはハンガーラックに掛かかっている衣裳いしょうを身みに着つけ、さまざまな人物じんぶつの人生じんせいの一いち場面ばめんを切きり取とった楽曲がっきょくを次々つぎつぎに披露ひろうする。屋良やらと植木うえきはそれぞれにキレのあるダンスを見みせ、「I Hmm You」「Part of a Painting」では息いきぴったりのパフォーマンスで観客かんきゃくを魅了みりょう。成なり河かわは「In Short」で、自分じぶんを捨すてた愛あいする人ひとを全力ぜんりょくで「死しね！」と呪まじないながらも、どうしても未練みれんを断たち切きれない人物じんぶつの葛藤かっとうを熱あつく歌うたい上あげ、場内じょうないを沸わかせた。

また「Boy with Dreams」では草間くさまリチャード敬けい太ふと（Aぇ! group / 関西かんさいジャニーズJr.）が、発明はつめい家かを目指めざす青年せいねんの心情しんじょうをさわやかに歌うたい上あげる。豊原とよはら江こう理佳りかは、ついに出会であった理想りそうの男性だんせいがゲイかもしれないと悩なやみつつ、開ひらき直なおって明あかるく振ふる舞まう女性じょせいのナンバー「Man of My Dreams」をコミカルに歌唱かしょう。さらにダンドイ舞まい莉花は、男性だんせいと付つき合あっては別わかれてしまう女性じょせいの胸むねの内うちをつづる「I've Gotta Run」を、ラップを交まじえてパワフルに歌うたった。

ゲネプロ後ごの取材しゅざい会かいには出演しゅつえん者しゃに加くわえ、演出えんしゅつの元もと吉きちが登壇とうだんした。植木うえきと共ともに振付ふりつけを手てがけた屋良やらは「作品さくひんを演劇えんげきとして見みるかショーだと捉とらえるのか、その落おとしどころを探さがすのが大変たいへんで。振付ふりつけチームのグループチャットやリモート会議かいぎでたくさん話はなし合あいました。一貫いっかんした物語ものがたりはありませんが、それぞれのキャラに背景はいけいがある。その設定せっていを演えんじながらパフォーマンスすることを追求ついきゅうしています」とコメントする。植木うえきも「ただのオムニバスにしたくなかった」とうなずき、「稽古けいこ場じょうでたくさん議論ぎろんしたし、元吉もとよしさんはみんなの話はなしを全部ぜんぶ聞きいてくれた。これだけ相談そうだんを重かさねて制作せいさくした経験けいけんがなかったので新鮮しんせんでした」と稽古けいこの充実じゅうじつぶりをのぞかせた。

成なり河かわは「ソングサイクルミュージカルは、本来ほんらいミュージカルの“種たね”となるもの。これを完成かんせいした作品さくひんとして提示ていじするのは難むずかしいけど、今回こんかいはどのように観みても楽たのしめることが目標もくひょうだなと。それぞれ全然ぜんぜん違ちがう“畑はたけ”に深ふかく根ねを下おろす出演しゅつえん者しゃが集あつまったので、みんな他人たにんの“畑はたけ”をすごく尊重そんちょうしてくれる。実験じっけん精神せいしんに基もとづいてお客きゃくさんと舞台ぶたいを共有きょうゆうできれば」と思おもいを述のべた。

本格ほんかく的てきなミュージカルに初はつ挑戦ちょうせんする草くさ間あいだは、インタビュアーからの「初はじめてと思おもえなかった」という言葉ことばを受うけて「それなら成功せいこうです」と笑わらい、「6人にんで支ささえ合あう感覚かんかくがあり、自信じしんを持もってやれました」と手応てごたえを語かたる。草くさ間あいだの事務所じむしょの先輩せんぱいにあたる屋良やらも「リチャ（草間くさま）は良よい素材そざいを持もっている。最初さいしょの歌うた稽古けいこは緊張きんちょうしていましたが、どんどん良よい声こえを出だすようになった。ダンスも歌うたも演技えんぎも素晴すばらしい素質そしつがあるので、羽はばたいてほしい」と称賛しょうさんを送おくった。

豊原とよはらは「客席きゃくせきとのつながりを強つよく感かんじる作品さくひんです。それぞれの人生じんせいを生いきる方ほうと、毎日まいにち違ちがうものを（舞台ぶたいと客席きゃくせきで）“交換こうかん”できると思おもう」と期待きたいを寄よせる。またダンドイは「振付ふりつけは大変たいへんなところもありましたが、お稽古けいこ中ちゅうに疑問ぎもん点てんを投なげかけると、（振付ふりつけチームが）すごく丁寧ていねいに教おしえてくださって助たすかりました」と感謝かんしゃを口くちにした。

元もと吉きちは、劇げき中ちゅうでキャストが服ふくを着替きがえることについて「自由じゆうに受うけ取とってほしいですが、6人にんが演えんじるうえでのルールを提示ていじしたいと思おもって演出えんしゅつしました。（俳優はいゆうがキャラクターに）“なる”ことをベースに、服ふくを手てに取とるタイミングなどを細こまかく指定していしています。作品さくひん全体ぜんたいをつなぐ“糸いと”を感かんじながら観みてもらえたら」と話はなす。また元もと吉きちは以前いぜん、劇場げきじょうが入はいっているビルのビックカメラで店員てんいんをしていた経験けいけんがあることを明あかし「地下ちか1階かいでデジカメを売うってました。帰かえって来きたられてうれしい」と笑顔えがおを見みせた。

またインタビュアーが、屋良やらは草くさ間あいだにとって憧あこがれの先輩せんぱいだということに言及げんきゅうすると、屋良やらは「えっ、聞きいたことない！（笑） 『誕生たんじょう日びおめでとう』みたいな連絡れんらくももらったことないし……」とコメント。これを聞きいた草くさ間あいだは「尊敬そんけいしすぎて送おくれないんです！」と答こたえる。2人ふたりのやりとりを受うけて植木うえきが「彼かれ（草間くさま）は、屋良やらっちに昔むかしバックダンサーに選えらばれたから『この世界せかいで生いきよう』って決きめたんだよ」とフォローすると、屋良やらは「ジャニーズじゃないのに、なんでそんなに詳くわしいの！」と即座そくざに切きり返かえし、会場かいじょうを笑わらいで包つつんだ。

上演じょうえん時間じかんは約やく1時じ間あいだ25分ふん。東京とうきょう公演こうえんは5月5日にちまで行おこなわれ、その後ご8・9日にちに大阪おおさか・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールでも上演じょうえんされる。