「結婚したくても、結婚できない人」が増え続けている“シビアすぎる現実”

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―[恋愛れんあいコーチ・関口せきぐち美奈子みなこ]―

 YouTubeで日々ひび恋愛れんあい心理しんり中心ちゅうしんとした男女だんじょ恋愛れんあいかんかんする情報じょうほう発信はっしんをしています、結婚けっこん相談そうだんしょ「エースブライダル」主宰しゅさい関口せきぐち美奈子みなこです。 
 これまでに3まんにん以上いじょう男性だんせいってきたわたし実体験じつたいけん男女だんじょ心理しんりかんする研究けんきゅうデータからリアルで実用じつようてき情報じょうほうをおつたえしたいとおもいます。

◆「格差かくさ」が少子化しょうしか結婚けっこんかん変化へんかおおきな影響えいきょうあたえている

 最近さいきんでは、「若者わかもの恋愛れんあいばなれ・結婚けっこんばなれ」といった言葉ことばをよくみみにします。

 婚姻こんいんすう減少げんしょうやそれにともな出生しゅっしょうすう減少げんしょうは、若者わかもの恋愛れんあいたいする価値かちかん変化へんか原因げんいんであるかのようにかたられることもあります。しかし、それは本当ほんとうただしい解釈かいしゃくなのでしょうか? じつは、そうした見方みかた見当けんとうはずれで、現実げんじつはもっと複雑ふくざつです。

 今回こんかいは「恋愛れんあい格差かくさ」というキーワードをつうじて、最新さいしんのデータをもと現代げんだい若者わかもの直面ちょくめんしている問題もんだいふかりしてみたいとおもいます。

 みなさん、「恋愛れんあい格差かくさ」という言葉ことばをごぞんじでしょうか? これは人々ひとびと恋愛れんあい結婚けっこんたいするかんがかた価値かちかん、そしてその機会きかいちがいをあらわ言葉ことばです。近年きんねん、この「恋愛れんあい格差かくさ」が少子化しょうしか結婚けっこんかん変化へんかおおきな影響えいきょうあたえているとわれています。では、まずその背景はいけいについてくわしくていきましょう。

 近年きんねん出生しゅっしょう動向どうこう調査ちょうさによると、「一生いっしょう結婚けっこんしない」とかんがえる若者わかもの割合わりあいえてきていることがわかります。1992ねんには男性だんせいで5%、女性じょせいで6%だったのが、2021ねんには男性だんせいで20%、女性じょせいで17%にまでえています。これをて「若者わかもの結婚けっこんばなれ」とうこともできますが、なぜそういったかんがかたになってしまったのでしょうか。

◆なぜ若者わかもの恋愛れんあいかん結婚けっこんかんがズレるのか?

 おおくの若者わかもの恋愛れんあいたいして前向まえむきである一方いっぽう結婚けっこんたいするかんがかたには複雑ふくざつ要因よういんからんでいます。どう調査ちょうさによると1992ねんから2021ねんにかけて、「結婚けっこんしたい」という若者わかもの割合わりあいはほぼ一定いっていであり、男性だんせいやく43%から44%、女性じょせいやく50%から49%とおおきな変動へんどうはありません。つまり、若者わかもの結婚けっこん意欲いよく大幅おおはば減少げんしょうしたわけではないことをしめしています。

 では、なぜ恋愛れんあいから結婚けっこんへのみちとおのいてしまっているのでしょうか? その理由りゆうひとつは「結婚けっこんのハードル」がたかくなってしまっていることがげられます。たとえば、経済けいざいてき不安ふあん安定あんていした収入しゅうにゅうがないことはおおきな障害しょうがいとなっています。とく年収ねんしゅう300まんえんだいたない若者わかもののなかには、「結婚けっこんしたいのにできない」という状況じょうきょうめずらしくありません。これによりおおくの若者わかもの結婚けっこんという選択肢せんたくしあきらめてしまうのです。

 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社かぶしきがいしゃ調査ちょうさによると、若者わかもの結婚けっこん必要ひつようだとかんがえる世帯せたい年収ねんしゅうが2014ねんの379まんえんから2024ねんには544まんえんにまでがっています。しかし、実際じっさい若者わかもの収入しゅうにゅうはそれにいついていません。これでは、結婚けっこんたいする経済けいざいてき負担ふたん一方いっぽうとなってしまいます。

恋愛れんあい格差かくさ日本にっぽん未来みらいあたえる影響えいきょう

恋愛れんあい格差かくさ」は結婚けっこん出産しゅっさんたいする若者わかもの意識いしきおおきな影響えいきょうあたえ、日本にっぽん少子化しょうしか問題もんだいにもふかかかわっています。現代げんだい婚姻こんいんすう大幅おおはば減少げんしょうしている背景はいけいには、選択せんたくてきこんだけでなく、「結婚けっこんしたくてもできない」不本意ふほんい未婚みこん増加ぞうかがあります。

 1990年代ねんだいには、結婚けっこん希望きぼうする若者わかものやく8わり実際じっさい結婚けっこんできていましたが、2015〜2019ねんにはこの割合わりあい男女だんじょともに6わりっています。つまり、結婚けっこんのぞんでいても実現じつげんできないとかんがえる若者わかものえているのです。

 また、結婚けっこんしない若者わかものえることで、出生しゅっしょうすう減少げんしょうにも直結ちょっけつしています。2000ねんと2022ねんの「児童じどうのいる世帯せたい」の年収ねんしゅうべつ世帯せたいすう比較ひかくすると、所得しょとく中間なかまそうである年収ねんしゅう300まん〜600まんえん世帯せたい激減げきげんしています。