買い物やサービスの利用、スマホ料金などに付与されるポイント。最近では企業をまたいだ共通ポイントも増えてきているようです。株式会社ICT総研がその利用動向について調査していたので、結果を見ていきましょう。
国民1人あたり4.8社の共通ポイントの会員になっている
5大共通ポイントには会員数は2025年3月末には5億5500万人に達すると予測されています(ICT総研調べ)
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「Tポイント」と三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」が統合した新「Vポイント」のサービスが2024年4月22から開始されるなど、共通ポイントの市場が大きく動き始めていることを受けて、株式会社ICT総研は、インターネットユーザー4394人に対して、「共通ポイントの利用動向調査」を実施しました。
調査の結果「楽天ポイント」「Vポイント(旧Tポイント含む)」「PayPayポイント」「Pontaポイント」「dポイント」の5つのポイントの利用者が多かったことから、ここではこの5つを「5大共通ポイント」とみなすことに。
5大共通ポイントは会員数も多く、2024年3月末には5億3300万人にのぼり、2025年3月末には5億5500万人に達すると予測されています。国勢調査における日本の15歳以上人口 1億994万人を基準とした場合、国民1人あたり4.8社の共通ポイントの会員になっていることになり、ポイントは日常生活から切っても切り離せないものになってきていることがわかります。
貯めているポイント1位は「楽天ポイント」、上位を5大共通ポイントが独占
「貯めているポイント」「現在の残高をおおむね把握しているポイント」ともに「楽天ポイント」が1位。双方の差が少ないことから、意識して貯めている利用者が多いことがわかります(ICT総研調べ)
こうした状況を踏まえて、共通ポイント以外のポイント(自社でしか使えないポイント)も含めて、「貯めているポイント」を質問したところ、最も多かったのは「楽天ポイント」の65.2%でした。次いで、2位が「Vポイント」の44.9%、3位が「PayPayポイント」の43.7%、4位が「Pontaポイント」の42.2%、5位が「dポイント」の40.7%で、5大共通ポイントが40%超えで上位を独占する結果となりました。
また、「現在の残高をおおむね把握しているポイント」を併せて質問したところ、こちらも「楽天ポイント」が56.4%でトップになり、5大共通ポイントが同じく上位を独占する結果となりました。上位のポイントは「貯めている」と「残高を把握している」の差が小さく、意識して貯めている利用者が多いことがわかります。一方、「ドラッグストアのポイント」「スーパー・SC・百貨店のポイント」「銀行・クレジットカードのポイント」は、「貯めている」の回答に対して「残高を把握している」という回答が少なく、“貯めてはいるが意識していない”という状況が推察されます。
携帯キャリアと貯めている共通ポイントの関連性が強い
メイン利用携帯電話別に見てみると、貯めているポイントと携帯キャリアは紐づく傾向が強いことがわかりました(ICT総研調べ)
メインで利用している携帯電話別に貯めている共通ポイントを見てみると、Vポイントを除くすべての共通ポイントにおいて、携帯電話の利用で貯まるポイントが選ばれる傾向があります。
具体的には、NTTドコモユーザーが最も貯めているポイントはdポイントであり、ソフトバンクユーザーが最も貯めているポイントはPayPayポイントです。これにより、携帯電話キャリアと共通ポイントプログラムが密接に結びついていることが示されています。
携帯電話事業者は、携帯電話サービスに加えて、固定回線、電力、金融、ECなどの分野で共通ポイントやサービスを通じて経済圏を拡大し、利用者やリピーターの増加を図っています。一方で、対抗するVポイントやイオンのWAONポイント、セブン&アイのnanacoポイント、JR東日本のJREポイントなども、それぞれの事業を中心に経済圏を拡大し、顧客を増やすことを目指しています。
買い物やサービスの利用で得られるポイントは多岐にわたりますが、どのくらい貯まっているか把握しにくい場合もあります。今後は、共通ポイントをうまく活用して、お得にポイントを貯めることが重要となるでしょう。
出典元:【ICT総研】