会場かいじょう：San Francisco The Moscone Center
(モスコーニセンター)
会期かいき：1月がつ6日にち～9日にち(現地げんち時間じかん)

●20周年しゅうねんを迎むかえた2004年ねんは“A great Mac year”になる

熱心ねっしんなユーザーなら一いち度どは目めにしたことがあろう「1984」の1シーン。2004年ねんバージョンは腰こしにiPodがついている。20周年しゅうねんを迎むかえる今年ことしは“A great Mac year"だと言いうが、果はたしてその真意しんいは

　恒例こうれいのスティーブ・ジョブズCEOによる基調きちょう講演こうえんは、ほぼ定刻ていこくどおりにはじまった。2003年ねんの基調きちょう講演こうえんでは“今年ことしはノートブックの年とし”と宣言せんげんして、その言葉ことばのとおり12～17インチのPowerBook G4とiBook G4などが次々つぎつぎと発表はっぴょうされたわけだが、Macintosh誕生たんじょう20周年しゅうねんを迎むかえた2004年ねんは“A great Mac year”になるらしい。

　'84年ねん当時とうじの雑誌ざっし記事きじなどを振ふり返かえり、GUIの導入どうにゅうやマウスの採用さいようなどをコメントしながら、伝説でんせつのCM「1984」を再度さいど上映じょうえいするというところまでは、会場かいじょうに詰つめかけた熱心ねっしんなユーザーであれば予測よそくの範疇はんちゅうであったであろう。もちろん、最初さいしょにイメージカットをスクリーンに見みせた時点じてんでは「1984」は、当時とうじそのままだった。

　簡単かんたんに説明せつめいを加くわえておくと、このCMは全米ぜんべい最大さいだいのスポーツイベント、スーパーボウルの放送ほうそう中ちゅうに一いち度どだけ放映ほうえいされたもの。ジョージ・オーウェルの小説しょうせつで未来みらいの管理かんり社会しゃかいを描えがいた「1984」を題材だいざいにして、リドリー・スコット監督かんとくがメガホンをとった作品さくひんだ。“(Macintoshの発売はつばいで)1984年ねんは「1984」のようにはならない”がメインテーマである。その後ご、その作品さくひん性せいが高たかい評価ひょうかを集あつめ、さまざまな機会きかいで紹介しょうかいされてきた。

　今回こんかいあらためて公開こうかいされた映像えいぞうを見みると、Macintoshを象徴しょうちょうする女性じょせいの腰こしにはiPodが、そして耳みみにはヘッドホンが……というパロディ仕立したてになっている。会場かいじょうでは、カット割わりの途中とちゅうでそのことに気きがついた聴衆ちょうしゅうから次々つぎつぎと歓声かんせいが上あがっていった。この映像えいぞうを純粋じゅんすいにパロディと見みるか、それても「Macintoshというプラットホームの成功せいこうは言いうまでもないが、20年ねんを経へた次つぎなる成果せいかがiPodである」というふうに、ややうがった見方みかたでとらえるかは人ひとそれぞれかと思おもうが、実際じっさいにその目めで確たしかめてほしい。動画どうがはこちらで参照さんしょうできる。

　ジョブズCEOは、この新あたらしい象徴しょうちょう的てきなカットを背せに、20周年しゅうねんを迎むかえた2004年ねんを“A great Mac year”と位置いちづけた。なお、今回こんかいの基調きちょう講演こうえんではいわゆる“Mac”そのものに関かんする新あたらしいニュースは最後さいごまで登場とうじょうしなかったわけで、冒頭ぼうとうのこのコメントの真意しんいはまだ測はかりかねる部分ぶぶんがある。このキック・オフから、果はたして“A great Mac Year”の2004年ねんがどのように展開てんかいされていくかが、今後こんごの興味きょうみになろう。ちなみに2004年版ねんばんともいえるこのポスターは、展示てんじ会場かいじょう内ないのアップルブースで来場らいじょう者しゃに配布はいふされている。

テキストベースのインターフェイスからGUIへの転換てんかん、マウスの低てい価格かかく化かと実用じつよう化か、そしてカット&ペースト機能きのうの搭載とうさいなどMacintoshが生うみ出だした20年ねん前まえの革新かくしんに関かんして紹介しょうかい	青あおいシャツを着きているのが、主要しゅようデベロッパのひとりとして紹介しょうかいされている若わかきビル・ゲイツ。WordもExcelもWindowsに先駆さきがけてMac向むけに開発かいはつされた	僕ぼくのアルバムから…とおどけて公開こうかいした'84年ねん当時とうじの写真しゃしん。ジョブズも負まけずに若わかい

　Pantherこと10.3が昨年さくねん11月がつから出荷しゅっかされているMac OS Xは現在げんざい930万まんユーザーを数かぞえて、今こん四半期しはんき中ちゅうに1,000万まんユーザーに達たっする見込みこみを明あきらかにした。'84年ねんにはApple IIからMacintoshへの移行いこうがスタートしたが、旧きゅうMac OS から Mac OS Xへの移行いこうは、2004年ねんには完了かんりょうしているとコメントした。

　そのOS Xに対応たいおうしたアプリケーションが次々つぎつぎ出荷しゅっかされるなかで、自社じしゃ製品せいひんであるFinal Cut Expressのアップデートをアナウンス。G5とPantherに最適さいてき化かされ、Final Cut Pro4のテクノロジーを搭載とうさいした「Final Cut Express 2」のデモンストレーションが行おこなわれた。

MicrosoftのMacintosh Business Unitでジェネラル・マネージャを務つとめるRoz Ho氏し

　続つづいて20年ねん前まえのMacintosh発売はつばい時じから続つづくMicrosoftとのパートナーシップを紹介しょうかいし、同社どうしゃのMacintosh Business Unit(通称つうしょう、Mac BU)のトップを務つとめるRoz Ho氏しがステージに登場とうじょうした。彼女かのじょは、Office 1.5の頃ころより、14年ねんにもわたってMacintosh Busisnessとの関かかわりを持もち続つづけている。

　Ho氏しは、20周年しゅうねんを祝福しゅくふくし、現在げんざいWinodows向むけに出荷しゅっかしている数々かずかずのアプリケーションも、最初さいしょはMac版ばんからスタートしていると述のべた。そして、Mac向むけOfficeの最新さいしんバージョンになる「Microsoft Office 2004 for Mac」を初はつ公開こうかいし、Word 2004、Excel 2004、そしてEntourage 2004のデモを行おこなった。

　Office 2004 for Macは、米国べいこくで近日きんじつ出荷しゅっかを予定よてい。この日ひから現行げんこうバージョンの購入こうにゅう者しゃに向むけた無料むりょうアップグレードなどのキャンペーンが開始かいしされる。ラインナップの最さい上位じょういにあたるProfessional版ばんは、Virtual PC 7とWindows XP Professionalが含ふくまれる新あらたなパッケージ製品せいひんとなる。このOffice 2004 for Macの詳細しょうさいについては、Ho氏しとのインタビューをまじえて、後日ごじつ詳くわしくお伝つたえする。

「Microsoft Office 2004 for Mac」の3種類しゅるいのパッケージ。左ひだりからアカデミック、スタンダード、プロフェッショナル版ばんにあたる。今回こんかいから新あらたに加くわわるプロフェッショナル版ばんには、Virtual PC 7とWindows XP Professionalが含ふくまれている	「Word 2004 for Mac」に含ふくまれるまったく新あたらしいノートパッドクリップ。さらに、設定せっていパネルなどの半はん透明とうめい化か機能きのうなども搭載とうさい	「Excel 2004 for Mac」を使つかったデモでは、画面がめんにレイアウトが表示ひょうじされるページレイアウトビュー機能きのうを紹介しょうかい

昨年さくねん11月がつ時点じてんのスーパーコンピュータランキング。PowerMac G5を1,100台だい使つかったクラスタコンピューティングによるバージニア工科こうか大学だいがくのものが3位いにランクされている

　“A great Mac Year”という言葉ことばにこだわれば、唯一ゆいいつMacに関かんする話題わだいに触ふれた部分ぶぶんが、バージニア工科こうか大学だいがくに導入どうにゅうされた1,100台だいに及およぶPowerMac G5の紹介しょうかいを行おこなったシーンだ。同どう大学だいがくではこの1,100台だい(デュアルプロセッサモデルなのでCPU数すうは2,200個こ)によるクラスターコンピューティングで、現在げんざい世界せかいで3番目ばんめの計算けいさん能力のうりょくを持もつと認定にんていされているスーパーコンピュータを作つくり上あげている。能力のうりょく的てきには世界せかい3位いだが、コストパフォーマンスの点てんで大おおきなアドバンテージがあることも併あわせて紹介しょうかいされた。

　こうしたG5のパフォーマンスを背景はいけいに、同社どうしゃの1Uサーバー製品せいひんであるXserveのアップデートがアナウンスされた。「Xserve G5」となった新しん製品せいひんは2.0GHzのPowerPC G5をシングルまたはデュアルで搭載とうさい。1Uのなかに最大さいだい3基きの250GB HDDを搭載とうさいできる。今回こんかい新あらたにECC搭載とうさいメモリへ対応たいおうした。

　シングルプロセッサモデルは2,999ドル(国内こくない価格かかく349,800円えん)、デュアルプロセッサモデルは3,999ドル(469,800円えん)で提供ていきょうされるほか、クラスタノードモデルも2,999ドル(349,800円えん)で用意よういされている。また、あわせて「Xserve RAID」もアップデートされた。最大さいだい3.5TBのストレージ容量ようりょうと、1GBあたり約やく3ドルという高たかいコストパフォーマンス性せいが強調きょうちょうされている。

PowerPC G5を搭載とうさいする「Xserve G5」。冷却れいきゃく用ようのスリットを用意よういするため従来じゅうらいモデルでは4基き搭載とうさい可能かのうだったHDDが最大さいだい3基きとなった	ECC搭載とうさいのDDR400MHzのメモリを採用さいよう。最大さいだい8GB搭載とうさいできる	新あらたにWindows 2000/XP、そしてLinuxにも対応たいおうする「Xserve RAID」。1GBあたり約やく3ドルというコストパフォーマンスの良よさを強調きょうちょうした

　残念ざんねんながら日本にっぽん国内こくないではまだ実現じつげんに至いたらない「iTunes Music Store」に関かんしても、現状げんじょうの紹介しょうかいとアップデート、そして新あらたなキャンペーンの概要がいようが告つげられた。昨年さくねん4月がつ28日にちのサービス開始かいし以降いこう、すでに3,000万まん曲きょくの販売はんばいが行おこなわれており、現在げんざいも販売はんばい数すうは伸のび続つづけている。なかには1日にちで29,500ドルも購入こうにゅうした事例じれいもあった。昨週さくしゅうのニールセンのデータによると、音楽おんがくのダウンロード販売はんばいで70％という圧倒的あっとうてきなシェアを達成たっせいしていることも明あきらかにされている。

　すでに開始かいしされているサービスでは、音楽おんがくの購入こうにゅう権けんとなるギフトカードは昨年さくねん10月がつ以来いらい10万まん件けんに達たっしたほか、AOLユーザーも取とり込こんだサービスへと発展はってんしている。また、新あらたにビルボードの音楽おんがくチャートを元もとにした曲きょくの検索けんさく機能きのうがサポートされ、'43年ねん以来いらいのトップ100(ただし古ふるい年度ねんどについては100件けんに達たっしない場合ばあいもある)が、2003年ねん分ぶんまで簡単かんたんに入手にゅうしゅできるようになった。あわせてクラシック音楽おんがくのダウンロード販売はんばい開始かいしもアナウンスされ、聴衆ちょうしゅうの喝采かっさいをあびた。

　新あらたなキャンペーンとしては、ペプシとタイアップしたプレゼントキャンペーンが2月がつ1日にちからスタートする。これは1億おく曲きょく分ぶんの購入こうにゅう権けんがプレゼントされるもので、ペプシのキャップ裏うらに購入こうにゅう権けんとなるシリアルナンバーが、約やく3本ほんに1本ほんの割合わりあいで刻印こくいんされているというもの。ユーザーはこのナンバーを入力にゅうりょくして、好すきな曲きょくを無料むりょうで手てに入いれることができる。99セントで販売はんばいされている飲料いんりょうで、99セントの曲きょくがダウンロードできるという大だい規模きぼなキャンペーンになる見込みこみだ。ちなみに2月がつ1日にちは日曜日にちようびで、まさに今年ことしのスーパーボウルの開催かいさい日びと一致いっちしている。

　いずれのアナウンスも、いまだにiTunes Music Storeの開始かいし時期じきが発表はっぴょうされない日本にっぽんの現状げんじょうから見みれば、のどから手てが出でるほどうらやましいニュースばかりだ。

先週せんしゅうのデータを元もとにしたオンラインによる音楽おんがくデータ配信はいしんのマーケットシェア。ニールセンのデータによれば、iTunes Music Storeは70％という圧倒的あっとうてきなシェアを誇ほこる	いちばん音楽おんがくを買かっている人ひとは、1日にちにいくら使つかったと思おもう?　その答こたえがこれ。29,500ドルは、日本円にほんえんにして300万まん円えんを超こえる	AOLユーザーも簡単かんたんなインターフェイスで、音楽おんがくのダウンロード購入こうにゅうができるようになった

1億おく曲きょくのフリーダウンロードが提供ていきょうされるペプシとのキャンペーンを紹介しょうかい。スーパーボウル放映ほうえい日びの2月がつ1日にちからスタートする	約やく3本ほんに1本ほんの割合わりあいで、音楽おんがくデータのダウンロードが可能かのうとなるシリアルナンバーがキャップの裏うらに印刷いんさつされている	ビルボードチャートを元もとにしたダウンロードや、クラシック音楽おんがくのダウンロードにも対応たいおうしたiTunese Music Store。日本にっぽんでのサービス開始かいしが期待きたいされる

新あらたに5本ほんのアプリケーションのスイートとなった「iLife'04」

　昨年さくねん、同おなじサンフランシスコでiアプリケーションのスイートパッケージとして統合とうごうされたiLifeが、新しんバージョン「iLife '04」として発表はっぴょうされた。スティーブ・ジョブズCEOいわく、仕事しごとではなく日常にちじょうで利用りようするソフトスイートとのこと。

　すでに4.2が登場とうじょうしていたiTunesをのぞいて、iPhoto、iMovie、iDVDの三さん本ほんは今回こんかい揃そろってバージョン4に更新こうしんされたことになる。ちなみに、バージョンナンバーを1つ飛とばすかたちで「iPhoto2」は「iPhoto4」になった。

　ジョブズCEOは、個々ここのアプリケーションについて1つ1つ自みずからの手てでデモを披露ひろうした。iPhotoでは、最大さいだい25,000枚まいの写真しゃしんが管理かんりできることとその高速こうそくスクロール、拡大かくだい・縮小しゅくしょうを行おこなってみせた。またRendezvousによる共有きょうゆう機能きのうを利用りようし、ステージ袖そでから呼よび寄よせたスタッフのピーター・ロー氏しの持もつPowerBook G4から同氏どうしの写真しゃしんをスライド機能きのうで上演じょうえんしてみせた。

　ステージのデモを見みる限かぎり、現行げんこうバージョンのiTunesで提供ていきょうされている共有きょうゆうとほぼ同おなじ使つかい勝手がってで利用りようできるようだ。さらに、スライドショーのBGMを追加ついかするために、iTunes Music Storeからテーマにあった曲きょくをダウンロード購入こうにゅうしてみせるなど、各かくアプリケーションが密接みっせつな連携れんけいを保たもっていることを改あらためて示しめした。

　なお、北米ほくべい地域ちいきではiPhoto2から提供ていきょうされていたインターネットによるプリント注文ちゅうもんシステムとアルバムの発注はっちゅう機能きのうが日本にっぽんでは1月がつから、ヨーロッパでは3月がつから開始かいしされることが発表はっぴょうされた。実じつは、iPhoto2が発表はっぴょうされた2002年ねんに、日本にっぽんにおける最後さいごの開催かいさいになったMacworldで、このプリント注文ちゅうもんシステムの2002年ねん中ちゅうの開始かいしを示唆しさしていたわけだが、今回こんかいその時ときは未定みていとされていた製本せいほんされたアルバムの発注はっちゅう機能きのうと合あわせて、およそ1年ねんあまり遅おくれたとはいえ、ついに約束やくそくを果はたし、待望たいぼうのサービスインを迎むかえることにあらためて期待きたいを寄よせたい。当初とうしょコメントされていたとおり、欧米おうべいにおけるパートナーはKodakだが、日本にっぽんでは富士写真ふじしゃしんフイルムがパートナーになる。

　iMovieには、クリップ単位たんいで映像えいぞうと音声おんせいの時間じかんを自在じざいに長ながくしたり短みじかくしたりして、スローモーションや早送はやおくりの効果こうかが簡単かんたんに作つくれるトリム機能きのうが追加ついかされ、ほかにタイトル作成さくせい機能きのうなどが充実じゅうじつした。テンプレートにはスターウォーズ風ふうのものもあって、ジョブズCEOが次々つぎつぎとさまざまなタイトルを見みせていくたびに歓声かんせいがあがっていた。ほかに、iSightの映像えいぞうをインポートする機能きのうや、.Macのホームページ作成さくせいと連携れんけいした使つかい方かたなども披露ひろうしている。そしてiDVD4では、DVDメニューの素材そざいとなるテーマやシーンに、20項目こうもくを追加ついか。さらにスライドショーを強化きょうかしたほか、これまで最長さいちょう1時じ間あいだに制限せいげんされていたハイクオリティ映像えいぞうのDVDへの書かき込こみが、2時じ間あいだになったことなどが紹介しょうかいされた。

25,000枚まいのデジタル写真しゃしんを管理かんり。日付ひづけを基準きじゅんにした整理せいりと高速こうそくスクロールも実現じつげん	高機能こうきのう化かしたスライドショー。写真しゃしんのレーティングや回転かいてん、エフェクトなどを強化きょうか	待望たいぼうのオンラインプリントとアルバムの製本せいほんが1月がつから日本にっぽん国内こくないでも開始かいしされる

iMovieに加くわわったタイトルのテンプレート。スターウォーズ風ふうのものには場内じょうないから歓声かんせい	iSightを使つかって取とり込こんだ画像がぞうのインポートもできる	.Macのホームページ作成さくせい機能きのうとの連携れんけいも強化きょうかされた

iDVD4で強化きょうかされた機能きのうの一覧いちらん	素材そざいの配置はいち構造こうぞうが一覧いちらんできるナビゲーションマップ	ハイクオリティ映像えいぞうのDVDへの書かき込こみが最大さいだい2時じ間あいだになった

特別とくべつゲストとして登場とうじょうしたグラミー賞しょうギタリストのジョン・メイヤー氏し。講演こうえん終了しゅうりょう後ご恒例こうれいのジョブズCEOのフォトセッションの際さいも一緒いっしょに写真しゃしんにおさまった

　ステージ上じょうにはあらかじめ、音楽おんがく用ようのキーボードとギターが配置はいちされていたわけだが、ここでゲストのグラミー賞しょうギタリスト、ジョン・メイヤー氏しがステージ登場とうじょうした。ジョブズCEOの仕切しきりで、クラシックピアノ、ベース、ギターなどをジョンメイヤーがキーボードで演奏えんそうしていく。時ときには「ホントはギタリストなんだ……」などと言いうコメントで笑わらいをとりながら、じっくりと時間じかんをかけて「GarageBand」の持もつさまざまな機能きのうが紹介しょうかいされていった。最後さいごはこれら入力にゅうりょくした楽器がっき類るいと、各種かくしゅのループ、そしてついにギターを手てにしたジョンメイヤーのライブ演奏えんそうをミックスして録音ろくおんが行おこなわれた。

　録音ろくおん終了しゅうりょう後ご、ジョブズ氏しはおかまいなしにその再生さいせいのデモへと移行いこうしていったが、せっかくのジョンメイヤーの演奏えんそうということで、会場かいじょうからは「セーブしろ!」「買かう!」といった歓声かんせいも沸わき上あがった。その後ご、このデータをiTunesを使つかって再生さいせいしてみせた。

　GarageBandを加くわえた「iLife'04」の価格かかくを発表はっぴょうするにあたって、ジョブズCEOは、それぞれのジャンルにおけるWindowsの代表だいひょう的てきなソフトの価格かかくを示しめし、これに対たいして、iLife'04が49ドル(日本にっぽん国内こくないでは5,800円えん)という低てい価格かかくで提供ていきょうされることの価値かちをあらためて強調きょうちょうしてみせた。

　なお、iLife '04は今後こんご出荷しゅっかされるMac製品せいひんには無償むしょうでバンドルされるほか、現在げんざい流通りゅうつうしている製品せいひんに関かんしては安価あんかなアップデートプログラムが用意よういされる。iLife'04は、米国べいこくでは16日にちから出荷しゅっかを開始かいし。日本にっぽん国内こくないでは1月がつ下旬げじゅんから店頭てんとう販売はんばいが行おこなわれる予定よていとなっている。

GarageBandの3本ほんの柱はしら。USBやMIDIを使つかった打うち込こみと、おらかじめ用意よういされている1,000を超こえるループ、そしてギターやボーカルのライブレコーディング機能きのう

「本来ほんらいはギタリストなんだが……」と笑わらいを取とりながら、ジョブズCEOの仕切じきりの元もと、さまざまな楽器がっきの打うち込こみをキーボードで行おこなう	打うち込こまれたデータが次々つぎつぎに画面がめんに現あらわれる。ジョブズCEOも次々つぎつぎに楽器がっきやエフェクトを変更へんこうしていく	今度こんどはギター。言いうなればMacを操あやつるジョブズCEOとのインスタントセッションだ

iLife'04に含ふくまれているアプリケーションをWindows環境かんきょうへ換算かんさんしたら、これだけかかってもまだ足たりないものがあるとジョブズCEO。iLife'04のパッケージ価格かかくは49ドル。Macのバンドルなら無償むしょうだ	GaregeBandの追加ついかパッケージ「JamPack」は99ドル	手軽てがるにGarageBandを楽たのしんでもらうためにと、48鍵かぎのUSBキーボードを99ドルで販売はんばい

「iPod mini」は5色しょくのカラーバリエーションが用意よういされる

　最後さいごは、冒頭ぼうとうの「1984」の映像えいぞうでもポイントとなっていたiPodがテーマ。

　ジョブズCEOは、昨年さくねん10月がつから12月の四半期しはんきで73万まん台だいのiPodを出荷しゅっかしたことを明あきらかにし、好調こうちょうな売うり上あげ推移すいいと収益しゅうえき性せいの高たかさを示しめした。ポータブル音楽おんがくプレーヤー市場いちばにおけるiPodの台数だいすう面めんでのシェアは31%、売うり上あげ額がくでは55％がiPodが占しめ、事実じじつ上じょうのスタンダードであることを改あらためて強調きょうちょうした。今回こんかい、現行げんこうのiPodのラインナップでは最下位さいかいモデルのディスク容量ようりょうが10GBから15GBへアップ。価格かかくを据すえ置おくという見直みなおしが図はかられた。

　また、日本にっぽん国内こくないでは同様どうようのスペック変更へんこうが行おこなわれたうえ、為替かわせ変動へんどうなどをベースにして、全ぜんラインナップで値下ねさげも行おこなわれている。詳細しょうさいは関連かんれん記事きじも参照さんしょうしてほしい。同時どうじに、新あたらしいCMとインナーイヤータイプの新型しんがたヘッドホンも発表はっぴょうされている。このヘッドホンは、今回こんかいアップルが発表はっぴょうしたさまざまな新しん製品せいひんのなかで、Final Cut Express 2と並ならんで当日とうじつから入手にゅうしゅ可能かのうなものの1つである。

　ジョブズCEOは、ここでもう1度どマーケットシェアにテーマを戻もどした。現在げんざい台数だいすうベースではiPodの持もつシェアが31%で、低てい容量ようりょうのシリコンタイプのプレーヤーが31％、そして高こう容量ようりょうタイプのシリコンプレーヤーが31％と偶然ぐうぜんにもほぼ同おなじシェアを分わけ合あっている。ちなみに、残のこりの7％はと言いえばiPodのようなハードディスクタイプや、その他たの製品せいひんが占しめているわけだが、こちらについては「いずれiPodのものになる(笑)かっこわらい」と一蹴いっしゅうしてみせ、聴衆ちょうしゅうの笑わらいを誘さそった。そして次つぎなるターゲットとしたのが、高こう容量ようりょうのシリコンタイプということになる。

　Rioに代表だいひょうされるこのタイプは「実じつはあともう少すこしお金かねが出だせればiPodが手てに入はいる価格かかく帯たい」と前置まえおきしたうえ、「そこで、このジャンルに参入さんにゅうしてシェアを奪うばってしまうことにした」と宣言せんげんしてこの日ひの目玉めだまの1つ、「iPod mini」の紹介しょうかいを始はじめた。

　ジョブズCEOは、あらためてRioとiPod miniとの比較ひかくをスライドを使つかって行おこなってみせる。16倍ばいのメモリ容量ようりょうで16倍ばいの曲きょくが収録しゅうろくできる。そして厚あつみは半分はんぶん。それだけ機能きのうがアップしているのに、価格かかくは50ドルだけの上乗うわのせですむ、というのがジョブズCEOの説明せつめいだ。そのうえ、iPodとまったく同おなじ操作性そうさせいわるを維持いじするため、使つかい勝手がってにも勝まさるとしている。こうしてようやくポケットからiPod miniを取とり出だして見みせたジョブズCEOは、5色しょくのカラーバリエーションを発表はっぴょう。あらためて「iPod miniがハイエンドのタイプのシリコンプレーヤーの市場いちばを席巻せっけんしていく」として締しめくくった。iPod miniの出荷しゅっかは米国べいこく内ないで2月がつ中ちゅうに、そして日本にっぽんを含ふくむワールドワイドでは4月がつが予定よていされている。

iPod用ように新あらたに販売はんばいされるインナーイヤータイプのヘッドホン。販売はんばい価格かかくは39ドル	ポータブル音楽おんがくプレーヤーのマーケットシェア。シリコンプレーヤーのハイエンド市場いちばが今回こんかいのiPod miniのターゲットになるという	現行げんこうのiPodの最さい上位じょういモデルと比くらべて、収録しゅうろく可能かのうな曲きょく数すうは1/10。シリコンプレーヤーの容量ようりょうを基準きじゅんにすれば、これでも十分じゅうぶんに大おおきいとジョブズCEO

縦たての長ながさが日本にっぽんの名刺めいしよりもやや短みじかい米国べいこく判ばんの名刺めいしと、ほぼ同おなじ大おおきさとなるiPod mini	ボタンスペースがなくなったため、ホイール部分ぶぶんの4カ所かしょがクリッカブルとなって各種かくしゅボタンの入力にゅうりょくが行くだりなえるようになった	16倍ばいのメモリ容量ようりょうで16倍ばいの曲きょくが収録しゅうろくできる。そして厚あつみは半分はんぶん。それだけ機能きのうがアップしているのに、価格かかくは50ドルだけの上乗うわのせですむ、とジョブズCEO

□Macworld Conference&Expoのページ(英文えいぶん)
http://www.macworldexpo.com/
□米べいApple Computerのページ(英文えいぶん)
http://www.apple.com/
□関連かんれん記事きじ
【1月がつ7日にち】Macworld Conference&Expo開幕かいまく速報そくほう
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0107/mw02.htm
【1月がつ6日にち】Macworld Conference&Expo San Francisco 2004直前ちょくぜんレポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0106/mw01.htm

(2004年ねん1月がつ8日にち)

[Reported by 矢作やさく晃あきら]