【半はん蛇へびエキドナ】多おおくの怪物かいぶつを生うんだ多産たさんの母はは【モンスターレビュー第だい22回かい】

世よの中なかには実じつに多おおくの怪物かいぶつ、モンスターが存在そんざいします。
当然とうぜん彼かれらひとりひとりにも親おやがいます。

いま、日本にっぽんは少子化しょうしかにあえいでいるのが実情じつじょうです。
平成へいせいから令れい和わにかけて、日本にっぽんにおける出生しゅっしょう率りつは年々ねんねん右肩みぎかた下さがり。
2020年ねんに発生はっせいしたコロナ禍かによって少子しょうし化かはさらに10年ねん加速かそくしたとまで言いわれています。

というわけで、本日ほんじつご紹介しょうかいするのは多おおくの怪物かいぶつの母ははとして、大だい家族かぞくを築きずいたとされるモンスターのエキドナです。

今こん現在げんざいでも我々われわれ冒険ぼうけん者しゃを悩なやませ、創作そうさく者しゃを楽たのしませる数多すうたの怪物かいぶつどもを産うみ落おとしたとされるエキドナ。
そんな彼女かのじょについて今回こんかいは調しらべてみました。

ファンタジーの知識ちしきを知しれば、より楽たのしい！

それでは今回こんかいも皆みなさまの創作そうさく活動かつどうやゲームへの没入ぼつにゅう感かんの参考さんこうになることを願ねがって。
ぜひ最後さいごまでお付つき合あいくださいませ。

そもそもエキドナとはなんぞや？

エキドナはギリシャ神話しんわに登場とうじょうする下半身かはんしんが大蛇おろちのモンスターです

上半身じょうはんしんが人間にんげんの美女びじょ、下半身かはんしんが大蛇おろちという恐おそろしい姿すがたをしています。
そもそもエキドナとはギリシャ語ごで「まむし」を意味いみします。猛毒もうどくの蛇へびです。

では何故なぜエキドナの下半身かはんしんは大蛇おろちなのか？

答こたえはエキドナの祖母そぼがあの有名ゆうめいな顔かおを見みた者ものを石いしに変かえてしまう怪物かいぶつメデューサだからです。
メデューサは自分じぶんの美うつくしい髪かみを自慢じまんしたばっかりに、戦せんと知恵ちえの女神めがみアテナに呪のろわれ、髪かみの毛けが生いきた無数むすうの蛇へびという怪物かいぶつに変かえられてしまった女おんなです。

そのメデューサの息子むすこ（息子むすこがいたのも驚おどろきですが）クリュサオルの娘むすめ、それがエキドナなのです。

クリュサオルはメデューサの息子むすこではありますが、実際じっさいはメデューサが腹はらを痛いためて生うんだというのではありません。
メデューサが英雄えいゆうペルセウスに首くびを刎ねられた際さい、飛とび散ちった血ちが海うみに流ながれ、海うみを支配しはいする海神わたつみポセイドンと交まじわったその血ちから生うまれたとされてます。（実じつはメデューサとポセイドンは昔むかし付つき合あっていて、アテナはポセイドンが嫌きらいだったのでなおさらメデューサは目めを付つけられていました。）
クリュサオルは黄金おうごんの剣けんを持もって生うまれたと言いわれ、カリロエという女神めがみとの間あいだにエキドナをもうけました。

ちなみにエキドナの出自しゅつじはわりと曖昧あいまいで、メデューサの孫まごという以外いがいにも以下いかの説せつがあります。

• 「大地だいち母はは神しんガイアと奈落ならくのタルタロス（場所ばしょ？）の子こ」
• 「ガイアの子このポルキュートスと女神めがみケート―との子こ」

といった具合ぐあいに明あきらかではありません。
原作げんさく者しゃの誰だれも決定けってい権けんがなかったのでしょうね。

さてエキドナですが、彼女かのじょはなんとギリシャ神話しんわの中なかでもラスボス級きゅうの怪物かいぶつテュポーンと結婚けっこんし多おおくの怪物かいぶつを生うむことになります。
が、そこにもまた曖昧あいまいな点てんがいくつか見受みうけられるのです。

エキドナの生うんだ怪物かいぶつたち

エキドナはテュポーンとの間あいだにたくさんの怪物かいぶつを産うみ落おとしました。

テュポーン（Typhoon）は台風たいふう（タイフーン）の語源ごげんとなった程ほどで、ギリシャ神話しんわではゼウスを凌しのぐ最さい凶きょうのモンスターです。

それではエキドナの生うんだ怪物かいぶつたちを列挙れっきょして見みてみましょう。

• 冥界めいかいの番犬ばんけんケルベロス
• 黄金おうごんの林檎りんごを守まもるラドン
• ネメアの獅子しし
• プロメテウスの内臓ないぞうをついばむワシ
• コルキスで金きむ羊ひつじの毛皮けがわを守まもる龍りゅう
• 下半身かはんしんが獣ししである美女びじょスキュラ
• ゲリュオンの怪かい犬けんオルトロス
• レルネーの水みず蛇へびヒュドラ
• 獅子ししと山羊やぎの頭あたまに蛇へびの尾おキマイラ
• 人頭じんとうに獅子ししの胴どう、鷲わしの翼つばさスフィンクス

さらにエキドナはあの英雄えいゆうヘラクレスとも子こをもうけており、その子孫しそんが遊牧ゆうぼく騎馬きば民族みんぞくスキタイ人じんとされています。

んん？

お気きづきでしょうか？

上記じょうきのリスト内ないにある怪物かいぶつスキュラの母ははは、このブログでも以前いぜん紹介しょうかいした半はん蛇へびの怪物かいぶつラミアであるはず。
もうひとつ、英雄えいゆうヘラクレスとの間あいだに生うまれたとされる騎馬きば民族みんぞくスキタイ人じんの祖先そせんもラミアが生うんだはず。
ラミアの記事きじ内ないでもそう言及げんきゅうしました。

ラミアとエキドナが混同こんどうされてるようですね。

エキドナとラミア

エキドナもラミアも下半身かはんしんが大蛇おろちである美人びじんモンスターという点てんは同おなじですね

どちらもギリシャ神話しんわで語かたられる存在そんざいではありますが、しかしこの二人ふたりには明確めいかくな違ちがいがあります。

「出自しゅつじ」です。

• ラミアはリビュア王国おうこく（現げんリビア）の王女おうじょでしたが、ゼウスの正妻せいさい女神めがみヘラの嫉妬しっとを買かい怪物かいぶつにされました。
• エキドナはギリシャの植民しょくみん地ちとなった黒海こっかい周辺しゅうへんに元々もともといた怪物かいぶつです。

見みた目めが似にているためかラミアの逸話いつわが実じつはあれエキドナなんだよね、て感かんじにされたのでしょうか。
そのためスキュラにしろスキタイ人じんにしろ、生うんだのはラミアかエキドナか正直しょうじきハッキリしません。

ちなみになんですが、子このひとりスキュラは個別こべつ記事きじでも書かきましたが、実じつは他ほかにも海神わたつみポセイドンの娘むすめ説せつや魔術まじゅつの女神めがみヘカテの娘むすめ説せつ、魔女まじょキルケ―に嫉妬しっとされて薬くすりで怪物かいぶつにされたニンフ説せつなどなど。
色々いろいろな説せつがあってどれを取とり上あげればいいのやら。
この辺あたりは多おおくの創作そうさく物ぶつでも様々さまざまにアレンジされていますね。下半身かはんしんが大蛇おろちという怪物かいぶつ自体じたい、結構けっこうな数かずが存在そんざいしますしね。

エキドナの最期さいご

エキドナは小しょうアジア（現げんトルコあたり）にあるアリマ地方ちほうの火山かざん帯たいに住すんでいたとされます。
ギリシャの叙事詩じょじし人じんホメロスは「テュポエウスの住処すみか」と名付なづけましたが、それが何処どこかは判明はんめいしてません。
トルコへ旅行りょこうに行いく際さいはどうかお気きをつけください。
と言いってもエキドナはもういません。
彼女かのじょは決けっして不死ふしの怪物かいぶつではなく、多おおくの書物しょもつにてヘラの息子むすこ、百ひゃくの目めを持もつ巨人きょじんアルゴスに殺ころされたとされています。
ギリシャ南部なんぶのペロポネソスという地ちで家畜かちくを盗ぬすみ食ぐいして寝入ねいったところを襲撃しゅうげきされたらしいです。

なんというか、もうね。

まとめ

• エキドナは下半身かはんしん大蛇おろちの美人びじんモンスター
• テュポーンと共ともに多おおくの怪物かいぶつを産うみ落おとした母ははなるモンスター
• トルコ辺あたりの火山かざんに棲すんでいたモンスター
• 百ひゃく目もく巨人きょじんアルゴスに殺ころされた

いかがだったでしょうか。

ギリシャ神話しんわ全体ぜんたいについてはこちらの記事きじからどうぞ！

怪物かいぶつの母ははとして知しられるギリシャ神話しんわのエキドナですが、わりとマイナーに近ちかい気きがします。
ゲームなどでも終盤しゅうばんにエンカウントするモンスター扱あつかいだと思おもいますが、明確めいかくにシナリオに絡からむ機会きかいも少すくないのではないでしょうか？

それだけに創作そうさくネタとしては参考さんこうにもなるかと思おもいます。
モンスターの生うまれたわけ、というテーマだけでも一本いっぽんシナリオが書かけると思おもいますしね。

それではまた！