【蛇へび女おんなメデューサ】衝撃しょうげきの事実じじつ！　恐おそろしき怪物かいぶつメデューサは美びの女神めがみさまだった【モンスターレビュー第だい40回かい】

今回こんかいはもしかしたらもっとも有名ゆうめいな女おんなの子こモンスターかもしれません！
姿すがたかたち、能力のうりょく、誕生たんじょう秘話ひわ、すべてが恐おそろしい怪物かいぶつです。
しかし彼女かのじょ、実じつは古代こだいにおいては主しゅ女神めがみの１人にんにして大地だいちの女神めがみさまだったのですよ。

その女神めがみの名なはメデューサ。

髪かみの毛けが無数むすうの生いきた蛇へびで、その顔かおを見みた者ものは石いしになってしまう。
なんと恐おそろしい怪物かいぶつでしょうか。
かなり有名ゆうめいなモンスターですから、みなさんも一いち度どは戦たたかったご経験けいけんがおありだと思おもいます。

しかし彼女かのじょのことを調しらべていたら衝撃しょうげきの歴史れきしが判明はんめいしました。
彼女かのじょはなんと、ギリシャ神話しんわの主神しゅしんゼウスよりも古ふるい古ふるい女神めがみだったのです。

なぜメデューサは邪悪じゃあくで醜悪しゅうあくな怪物かいぶつへと変化へんかしたのでしょうか。

ファンタジーの知識ちしきを知しれば、より楽たのしい！

それでは今回こんかいも皆みなさまの創作そうさく活動かつどうやゲームへの没入ぼつにゅう感かんの参考さんこうになることを願ねがって。
ぜひ最後さいごまでお付つき合あいくださいませ。

そもそもメデューサとはなんぞや？

メデューサとはギリシャ神話しんわに登場とうじょうする怖こわろしい怪物かいぶつの事ことです。

メデューサ、またはメドゥーサ、メドゥサ。

髪かみの毛けは無数むすうの生いきた蛇へび。
猪いのししのような大おおきな牙きば、青銅せいどうのような鱗うろこの皮膚ひふ、真鍮しんちゅうの羽はねを持もつという女おんなの子こモンスターです。
彼女かのじょの顔かおは恐おそろしく、見みた者ものは血ちも凍こおり石せきとなってしまいます。
まさに石いし化かモンスターの代名詞だいめいし的てきな存在そんざいです。

見みた者ものを石いしに変かえる瞳ひとみの魔力まりょく。
当初とうしょは「恐おそろしい姿すがたに石いしのように固かたまってしまう」という解釈かいしゃくだったようです。
現在げんざいではみなさんご承知しょうちのように、ゲームやマンガの都合つごうも相あいまって「石いし化か」とされていますね。
「血ちも凍こおらせる恐怖きょうふ」というイメージから「石いし化か」へと変化へんかしたのかもしれません。

彼女かのじょは後のちにゼウスの子こである英雄えいゆうペルセウスにより退治たいじされてしまいます。
ですが死ししてなお、首くびだけになってもその石いし化か能力のうりょくは消失しょうしつしませんでした。
そのため首くびだけの死骸しがいであってもマジックアイテムのように扱あつかわれ続つづけました。

アテナの怒いかりによって怪物かいぶつにされた

メデューサは元々もともとはただの美うつくしい人間にんげんの娘むすめでした。

それもとびきりの美人びじんで美うつくしい金髪きんぱつが自慢じまんでした。
ある時ときその美うつくしさを自慢じまんする際さい、「戦せんの女神めがみ」であるアテナを引ひき合あいに出だしてしまいました。

「見みて見みて！　私わたしの金髪きんぱつは女神めがみアテナよりも美うつくしい」

これに怒おこったアテナにより、メデューサは髪かみを蛇へびに変かえられ、前述ぜんじゅつしたような怪物かいぶつへと貶おとしめられてしまったのです。

この事ことに抗議こうぎしたのがメデューサの二人ふたりの姉あねステンノとエウリュアレーでした。
当然とうぜんですよね。
妹いもうとを怪物かいぶつにされて怒おこるのはわかります。
なのでアテナはこの二人ふたりの姉あねもメデューサと同おなじ怪物かいぶつに変かえてしまいました。
鬼畜きちくか！

ちなみにステンノとは「強つよい女おんな」
エウリュアレーは「遠とおくに飛とぶ女おんな」
メデューサは「女王じょおう」という意味いみがあります。
何なにが言いいたいのかはよくわかりませんが、彼女かのじょたちを称しょうして「ゴルゴン三さん姉妹しまい」と言いいます。

実じつはアテナが怒おこったのには別べつの理由りゆうもありました。
メデューサが海神わたつみポセイドンと恋仲こいなかとなり、ある場所ばしょでイチャついていたそうです。
その場所ばしょがアテナ神殿しんでん内ないでした。
アテナは生涯しょうがい独身どくしんを貫つらぬいた処女しょじょ神しんです。
そんなアテナの神殿しんでんでそうした行為こういをしていたとなると腸ちょう煮にえくり返かえったとしてもおかしくない。
さらに元もと々アテナとポセイドンはアテナイの街まちを賭かけてひと悶着もんちゃくあった間柄あいだがら。
仲なかが悪わるいのです。
このような事情じじょうが重かさなり、アテナのメデューサに対たいする仕打しうちは苛烈かれつを極きわめたのです。

英雄えいゆうペルセウスに討伐とうばつされた

旅立たびだち

ペルセウスの母ははダナエは元々もともとはアルゴスという国くにの王女おうじょでした。
今いまは放逐ほうちくされ、息子むすこと二人ふたりでセリポス島とうに住すんでいます。
この島しまの領主りょうしゅはポリュデクスと言いって、美うつくしいダナエをなんとか手てに入いれたいと思おもっていました。
しかしそのためにはペルセウスの存在そんざいが邪魔じゃまです。
そこで権力けんりょくにものを言いわせて、貢物みつぎもの(馬うまらしい)を持もってくるか、でなければメデューサを退治たいじしてこいと無理むり難題なんだいを押おし付つけます。
やむなくメデューサ討伐とうばつの旅たびに出でるペルセウスでしたが、彼かれには心強こころづよい後うしろ楯だてがありました。
実じつは父ちちは全能ぜんのうの神かみゼウスで、英雄えいゆう大好だいすきアテナに手助てだすけをするよう指示しじしたのです。

アテナの助言じょげん

英雄えいゆうが大好だいすきなアテナ。
なかでも一番いちばんの推おしであるペルセウスには助力じょりょくを惜おしみません。
他たの神かみ々にも声こえをかけ、全身ぜんしんマジックアイテムでフル装備そうびさせてあげます。
しかもメデューサ退治たいじの攻略こうりゃく法ほうまで伝授でんじゅする始末しまつ。
曰いわく、顔かおを見みては石いしとなるので、この鏡かがみのように磨みがき上あげた青銅せいどうの盾たて越ごしに見みて首くびをはねるのです、と。
さらにアテナによるとメデューサの二人ふたりの姉あね、ステンノとエウリュアレーは不死ふしである。
狙ねらうなら不死ふしではないメデューサのみを狙ねらうようにと言いわれます。

てゆーかそう変かえたのはアテナ本人ほんにんでしょうに。
しかし何故なぜメデューサだけ不死ふしじゃないんですかね。
もしかしたら英雄えいゆうに討うたせるところまで目論もくろんでいたのではないのか？
それもありますが死しぬこともできず怪物かいぶつとして永遠えいえんに生いき続つづけねばならない姉あねたちの方ほうが不憫ふびんなのかもしれない。

さらに三さん人にんの妹いもうと

メデューサは普段ふだん、世界せかいの西にしの果はて、昼夜ちゅうやの境界きょうかいにある「ヘスペリア」という国くにの「ヘスペリデスの園えん」という場所ばしょの近ちかくに居いると言いわれています。

昼夜ちゅうやの境界きょうかいとは要ようするに「死者ししゃの国くに」のことでしょう。
ヘスペリアと言いえばヘラクレスも訪おとずれたことのある、「黄金おうごんの林檎りんご」を守護しゅごする怪獣かいじゅうラドンのいる庭園ていえんがあるところです。

しかしメデューサは度々どど街がいに降おりては人々ひとびとに恐怖きょうふを撒まき散ちらしており、実際じっさいのところいつもどこにいるのか定さだかではありません。
そこでペルセウスはゴルゴン三さん姉妹しまいのさらに妹いもうとである「グライアイ三さん姉妹しまい」の元もとを訪たずねます。

グライアイ三さん姉妹しまいとは「バムレード」「エニューオー」「デイノー(またはベルソー)」という名なの魔女まじょたちです。
彼女かのじょらは産うまれたときから老婆ろうばで、三さん人にんでひとつの目めと歯はを共有きょうゆうしています。
ずばりグライアイの名なの意味いみは「老婆ろうばたち」です。

ペルセウスは彼女かのじょらを脅迫きょうはくし、メデューサの居場所いばしょを突つき止とめます。
そして首尾しゅびよくメデューサの首くびをはね、追おってくるステンノとエウリュアレーを振ふり切きると、その首くびをアテナへと奉納ほうのうしました。
首くびは切きり離はなされても石いし化か能力のうりょくは失なくならないため、アテナはその首くびを自身じしんのアイギスの盾たてに嵌はめ込こみ、石いし化か能力のうりょく付与ふよの盾たてとして愛用あいようしました。

この逸話いつわは古代こだいの騎士きしたちにも人気にんきがあり、こぞって盾たての表面ひょうめんにメデューサの絵柄えがらを描えがき込こんだと言いわれています。
あの古代こだいマケドニアの英雄えいゆうアレクサンドロス大王だいおうの胸当むねあてにも、メデューサの絵柄えがらが描えがき込こまれていたそうですよ。

また首くびは魔除まよけけになるとも言いわれ、建物たてものの彫刻ちょうこくや装飾そうしょくとして施ほどこされました。

そして現在げんざいはというと、首くびは今いまも海底かいていを転ころがっており、水草みずくさを石いし化かしてあちこちに珊瑚さんごを作つくり出だしていると言いわれています。
ロマンチックですね。

メデューサの子供こどもたち

首くびをはねられたメデューサの血ちだまりから二に匹ひきのモンスターが生うまれました。
一いち匹ひきは空そら駆かける天馬てんばペガサス。
もう一いち匹ひきは黄金おうごんの剣けんを持もつ巨人きょじんクリュサオルです。
ペガサスは早速さっそくペルセウスの乗馬じょうばとなり、帰かえり道みちエチオピアを通過つうかする際さいに海岸かいがん線せんで見みかけたアンドロメダ王女おうじょを助たすけることになります。
ちょうど海うみの魔物まものケートスの生いけ贄にえに捧ささげられていたところでした。
この辺あたりが有名ゆうめいな「ペルセウス・アンドロメダ型がた神話しんわ」というやつですね。
レイ・ハリーハウゼン監督かんとく作品さくひんでも『タイタンの戦たたかい』という映画えいがの題材だいざいになっています。

ゴルゴンという名なの牛うしの怪物かいぶつ

ところで皆みなさんはゴルゴン三さん姉妹しまいと聞きいてひとつ気きになったことはありませんか？
例たとえば『ファイナルファンタジーIII』には「ゴルゴン」という名なの牛うし型がたモンスターが登場とうじょうします。

ゴルゴンというのはメデューサたちを表あらわしているはずですが、なぜ牛うし型がたなのでしょう？

実じつはアフリカはリビュア(現げんリビア)では牛うし型がたの怪物かいぶつカトブレパスのことこそゴルゴンと信しんじられていたのです。
この逸話いつわが広ひろまったのか、レトロなファンタジーゲームなどではゴルゴンの名なを冠かんする牛うし型がたモンスターがたびたび登場とうじょうしていました。

ちなみに石いし化か能力のうりょくはないようですね。

しかしメデューサから逆説ぎゃくせつ的てきにカトブレパスに石いし化か能力のうりょくが移植いしょくされたようです。
『ファイナルファンタジー』シリーズでは「あくまのひとみ」という石いし化か能力のうりょくを使つかいます。

夫おっとは海神わたつみポセイドン

さて冒頭ぼうとうでお伝つたえしましたが、メデューサとはゼウスよりも古ふるい時代じだいの女神めがみでした。

それはギリシャの先住民せんじゅうみん族ぞくペラスゴイ人じんの信奉しんぽうする主しゅ女神めがみの１人にんで、ペロポネソス地方ちほうコリントスでは大地だいちの女神めがみでした。
そして彼女かのじょの夫おっとはポセイドン。
歴史れきし的てきにはポセイドンやメデューサは、ギリシャ神話しんわにおける全能ぜんのうの神かみゼウスよりも古ふるい神様かみさまなのです。
しかし国家こっかが滅ほろびれば新あたらしい思想しそうにとって代かわられます。
権力けんりょくの推移すいいによりメデューサはその地位ちいを追おわれます。
ポセイドンは海神わたつみとして残のこりましたが、その愛人あいじん扱あつかいとなったメデューサは邪悪じゃあくな怪物かいぶつにされ、終おわりいには退治たいじされてしまったのです。

土着どちゃくの神かみ々が新興しんこう勢力せいりょくによって光ひかりの存在そんざいから悪魔あくまへと落おとされる傾向けいこうはこれ以後いごも世界中せかいじゅうに散見さんけんされます。

どうでしょう？
英雄えいゆうこそが悪あくを生うむ。
英雄えいゆうを立たてるために、わざわざ悪あくを用意よういする。
もし全すべてがそうであるのなら、なんだかやるせないですよね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

超ちょう有名ゆうめい女おんなの子こモンスターのメデューサですが、実じつはギリシャ神話しんわ成立せいりつ前まえは大地だいちの女神めがみ様さまだったのです。

このことを知しった時ときは軽かるい衝撃しょうげきを受うけました。
と同時どうじに、けっこう神話しんわって根ねっからの悪党あくとうはわりと少すくないんじゃなかろうか、などと思おもったりもしました。
実際じっさいのところ統計とうけいを取とったわけではないので測はかりかねますが、それはこのブログを続つづけていくことでいずれ実感じっかんとして沸わいてくることではないかと思おもっております。

そしてさすがのメデューサ。
設定せっていも多おおく、考かんがえさせる部分ぶぶんもありと、貫禄かんろくのモンスター像ぞうでしたね。
アテナによる苛烈かれつな仕打しうちも神話しんわの書かき換かえという面めんの犠牲ぎせいとなった感かんもあります。

せめてこの記事きじで美うつくしかった頃ころを思おもいやるひとときを提供ていきょうできればいいなと思おもいます。

みなさんもメデューサを題材だいざいに、ぜひ創作そうさく力りょくを発揮はっきしてみてください。
まだまだ新あたらしいメデューサ、石いし化か能力のうりょくなどを産うみ出だす余地よちはあると思おもいます。

それではまた！