障さわ老病ろうびょう異いアーカイブズ・プロジェクト―立岩たていわ真しん也所長ちょうの遺志いしを未来みらいに

 

 

 

 

 

立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょは、2007年度ねんど文部もんぶ科学かがく省しょうグローバルCOEプログラム「生存せいぞん学がく」創成そうせい拠点きょてんの採択さいたくを受うけ、設立せつりつされました（前身ぜんしんの生存せいぞん学がく研究けんきゅうセンターは2018年度ねんどまで）。「生存せいぞん学がく」創成そうせい拠点きょてんでは、5年間ねんかんのプログラムとして、大学院だいがくいん先端せんたん総合そうごう学術がくじゅつ研究けんきゅう科かと人間にんげん科学かがく研究所けんきゅうじょが基幹きかんとなり、教員きょういん・院生いんせい・研究けんきゅう員いんが組織そしきを超こえて連携れんけいし、研究けんきゅう・教育きょういく活動かつどうを展開てんかいしてまいりました（「生存せいぞん学がく」創成そうせい拠点きょてんパンフレット）。

 

生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょは、こうした実績じっせきを踏ふまえて「生存せいぞん学がく」を構想こうそう・提言ていげん・実践じっせんしつつ、さらなる展開てんかいを行おこなう国内こくないの中核ちゅうかく的てき研究けんきゅう拠点きょてんです。また、海外かいがい研究けんきゅう者しゃとの連携れんけいを強つよめ、グローバルなハブ機能きのうをもった拠点きょてんとして国内外こくないがいでの「生存せいぞん学がく」の交信こうしんを目指めざしています。

 

☝立命館大学りつめいかんだいがく衣笠きぬがさキャンパス

（右みぎ建物たてものが生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょの活動かつどう拠点きょてんである創そう思おもえ館かん）

 

 

私わたしたち人間にんげんはみな「障さわ老病ろうびょう異こと」とともに生いきています。障害しょうがい、老おい、病気びょうき、そして、たとえば性的せいてきなアイデンティティの面めんで人ひとと異ことなることなどは誰だれの身みにも起おこり得えることです。それにもかかわらず、これまではその当事とうじ者しゃの側がわに立たって調しらべたり考かんがえたり、その情報じょうほうを蓄積ちくせきしたりということがあまり行おこなわれてきませんでした。

 

医療いりょうやリハビリテーションは、基本きほん的てきに病気びょうきや障害しょうがいを「治なおす」ための学問がくもんです。そうすると、「治なおらない状態じょうたい」はその学問がくもんの枠わくから外はずされていきます。では、そうした人ひとのために社会しゃかい福祉ふくし学がくがあるではないかと言いわれるでしょうか。けれども、福祉ふくしサービスを受うける時間じかん以外いがいの時間じかんにもその人ひとは生いきています。その人ひとたちがどうやって生いきてきたか、生いきているかを知しる、そしてこれからどうして生いきていくか考かんがえる。それが「生存せいぞん学がく」です。

 

☝2017年ねん公刊こうかんの「知ちのフロンティア」表紙ひょうし

 

☝近時きんじの活動かつどうについて（「立命館大学りつめいかんだいがく 研究所けんきゅうじょ・研究けんきゅうセンター」（2022年ねん9月がつ・立命館大学りつめいかんだいがく研究けんきゅう部ぶ）27頁ぺーじより）

 

 

 

障害しょうがい、老おい、病気びょうき、そして性的せいてきアイデンティティなどの異ことなることは、どんなひとにも起おこりうることですが、これまでそうした当事とうじ者しゃの立場たちばから研究けんきゅうしたり、情報じょうほうを蓄積ちくせきしたりすることはそれほど行おこなわれてきませんでした。立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょでは、人間にんげんは誰だれしも「障さわ老病ろうびょう異こと」とともに生いきているということを基軸きじくに、生存せいぞんをめぐる課題かだいを研究けんきゅう・交信こうしんし 「生存せいぞん学がく」を構想こうそう・提言ていげん・実践じっせんするグローバル拠点きょてんを目指めざしてきました。

 

2023年ねん7月がつ末まつに急逝きゅうせいした立岩たていわ真しん也所長ちょうは日本にっぽんにおける障害しょうがい学がくを確立かくりつした先導せんどう者しゃの一人ひとりで、常つねに障害しょうがいや病やまいのあるひとたちと対話たいわし、情報じょうほうを共有きょうゆうし、研究けんきゅうを蓄積ちくせきしてきました。立岩たていわ教授きょうじゅが命いのちをかけて、長年ながねん取とり組くんできたひとつが立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょの活動かつどうです。具体ぐたい的てきには、生存せいぞん学がくに関かかわるアーカイビング、東ひがしアジアを中心ちゅうしんとした国際こくさい連携れんけい、当事とうじ者しゃ視点してんによる支援しえんテクノロジー開発かいはつなどの課題かだいに取とり組くんできました。また、若手わかて院生いんせいや当事とうじ者しゃ研究けんきゅう者しゃの育成いくせいなどを積極せっきょく的てきに進すすめ、常つねに病者びょうしゃや障害しょうがい者しゃの側がわに立たつ行動こうどうと発信はっしんを実践じっせんしてきました。わたしたちは、立岩たていわ教授きょうじゅの遺志いしを継つぎ、以下いかのプロジェクトを推進すいしんするためにクラウドファンディングを実施じっししたいと思おもっています。

 

☝2023年ねん7月がつに急逝きゅうせいされた立岩たていわ真しん也所長ちょう

 

 

 

１．立岩たていわ教授きょうじゅの活動かつどうとarsvi.com

生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょは、これまで障害しょうがいや疾病しっぺいに関かかわる社会しゃかい運動うんどうや当事とうじ者しゃ団体だんたいについての記録きろくや当事とうじ者しゃのインタビューデータ、あるいは福祉ふくしや医療いりょうの政策せいさくに関かかわる史し資料しりょうなどを収集しゅうしゅうしてきました。こうした資料しりょうの中なかには現在げんざいでは簡単かんたんに手てに入はいらなくなったもの、これまで重要じゅうような研究けんきゅう資料しりょうとして光ひかりをあててこられなかったものや、すでに他たでは廃棄はいきされてしまったものも少すくなくありません。立岩たていわ教授きょうじゅは、こうした散逸さんいつ・消失しょうしつの危機ききにある患者かんじゃ運動うんどう・障害しょうがい者しゃ運動うんどうなどの資料しりょう、医療いりょうや福祉ふくしの政策せいさくや実践じっせんに関かかわる資料しりょうなどを救出きゅうしゅつする活動かつどうを行おこなってきました。

 

☝立岩たていわ教授きょうじゅが収集しゅうしゅうされた資料しりょうの数々かずかず

 

そして、立岩たていわ教授きょうじゅは、収集しゅうしゅうしたデータをarsvi.comのウェブサイトで紹介しょうかいしてきました。このサイトにはこれまでたくさんのアクセスもあり、多おおくの人々ひとびとに使用しようされてきており、広ひろく役やくに立たってきたといえるでしょう。このarsvi.comには、生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょの若手わかて研究けんきゅう者しゃや若手わかて院生いんせいが多数たすう関かかわり、運用うんようされてきました。運用うんようにかかわる予算よさんは、立岩たていわ教授きょうじゅが自みずから研究けんきゅう予算よさんを獲得かくとくし存続そんぞくさせてきていたもので、ここ数すう年ねんは、収集しゅうしゅうしたデータの公開こうかいや整理せいりが必要ひつようとなり、その額がくが大おおきくなっています。

 

本ほん研究所けんきゅうじょでは、今後こんごも arsvi.comのウェブサイトを継続けいぞくして運用うんようしていきますが、代表だいひょう者しゃであった立岩たていわ教授きょうじゅの逝去せいきょによりその運転うんてん資金しきんが不足ふそくするという状況じょうきょうに直面ちょくめんしています。そうなると、ウェブサイトの安定あんていした更新こうしんや貴重きちょうな史し資料しりょうを継続けいぞくして収集しゅうしゅう、整理せいりすることが困難こんなんになります。これまで15年ねん以上いじょうにわたり続つづけてきたウェブサイトの運営うんえいを行いき詰づまることなく継続けいぞくさせ、貴重きちょうな紙かみ資料しりょうを継続けいぞくして収集しゅうしゅう、整理せいりし保存ほぞんする環境かんきょうを整ととのえていくことが求もとめられています。

 

☝arsvi.comのトップページ

 

２．プロジェクトの具体ぐたい的てきな内容ないよう

立岩たていわ教授きょうじゅが収集しゅうしゅうしてきた大量たいりょうの障害しょうがい当事とうじ者しゃ団体だんたいや社会しゃかい運動うんどうに関かかわる資料しりょうは、立命館大学りつめいかんだいがくの生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょ書庫しょこに収蔵しゅうぞうされており、その一部いちぶは、多おおくのひとが閲覧えつらんしやすいようウェブサイトや書庫しょこで公開こうかいされています。しかし、未み整理せいりの状態じょうたいのものもまだあり、立岩たていわ教授きょうじゅの生前せいぜんから公開こうかいにむけての整理せいり作業さぎょうを続つづけてきました。障害しょうがい者しゃ運動うんどうや社会しゃかい運動うんどう、当事とうじ者しゃにかかわる貴重きちょうな資料しりょうを後世こうせいに残のこしていくため、当事とうじ者しゃや研究けんきゅう者しゃに活用かつようしやすいかたちに整理せいりしていかなければなりません。また、立岩たていわ教授きょうじゅが道みち半なかばで収集しゅうしゅうに至いたらなかったものや収集しゅうしゅうの途中とちゅうであった史ふみ資料しりょうなどもあり、それらを継続けいぞくして収集しゅうしゅうしていく必要ひつようもあります。

 

☝生存せいぞん学がく研究所けんきゅうじょの書庫しょこより未み整理せいりのままの資料しりょう

 

本ほん研究所けんきゅうじょでは、立岩たていわ教授きょうじゅの遺志いしを受うけ継つぎ、研究けんきゅう者しゃのみならず、誰だれもがアクセスできるような環境かんきょうを整理せいり・構築こうちくしていきます。そのため、まずはウェブサイトの老朽ろうきゅう化かしたサーバーを更新こうしんし、サイトを見みやすいものにし、継続けいぞくして安定あんていした更新こうしんを可能かのうにしていきます。さらに、これまで収集しゅうしゅうしてきた資料しりょう、例たとえば活動かつどう団体だんたいの会報かいほうやニューズレター、記念きねん誌しなどをデジタル化かし保存ほぞん措置そちを行おこないます。これらを可能かのうなものは公開こうかいしてアクセス可能かのうにしていきます。このことを通つうじて、障害しょうがいや病やまいにかんする社会しゃかい運動うんどうの経験けいけんや関係かんけいする政策せいさくの変遷へんせんについての理解りかいを共有きょうゆうし、未来みらいに引ひき継ついでいくことが重要じゅうようと考かんがえます。

 

 

☝アーカイブ作業さぎょうの様子ようす

 

 

 

本ほん研究所けんきゅうじょの社会しゃかい運動うんどうや障害しょうがい者しゃ団体だんたいにかんする史し資料しりょうの収集しゅうしゅう・整理せいり・公開こうかいにかかわる事業じぎょうを展開てんかいしていくことで、関連かんれん研究けんきゅうが促進そくしんされるのみならず、立岩たていわ教授きょうじゅの研究けんきゅうの足取あしどりを追おうことも可能かのうになります。また、なによりも病やまいや障害しょうがいをめぐって社会しゃかいの中なかでマイノリティとして生いきざるを得えなかった人々ひとびとの歴史れきしを後世こうせいに継承けいしょう（アーカイブ）し、その尊厳そんげんをまもるという立岩たていわ教授きょうじゅの姿勢しせいを明確めいかくにし、未来みらいに残のこしていくことにつながります。また、その資料しりょうをウェブのみならず、叢書そうしょの刊行かんこう、あるいは教育きょういくや講演こうえん、書籍しょせき出版しゅっぱんを通つうじて社会しゃかいに広ひろく開ひらいていくことを目指めざします。

 

☝立命館大学りつめいかんだいがく【知ちの拠点きょてんを訪たずねて】より

 

 

• 本ほんプロジェクトの実施じっしならびに写真しゃしん・動画どうがの使用しようについて、立岩たていわ教授きょうじゅのご遺族いぞくの許諾きょだくを得えております。
• 本ほんプロジェクトへのご寄附きふは、学校がっこう法人ほうじん立りつ命いのち館かんへの寄附きふ金きんとなり税制ぜいせい上じょうの優遇ゆうぐう措置そちの対象たいしょうとなります。
• 寄附きふ金きん領収りょうしゅう書しょの名義めいぎならびに発送はっそう先さきにつきましては、原則げんそく、ご寄附きふの際さいに「ギフトお届とどけ先さき」へご入力にゅうりょくいただいたお届とどけ先さきの宛名あてなと住所じゅうしょになります。
• 学校がっこう法人ほうじん立りつ命いのち館かんを住民じゅうみん税ぜい控除こうじょの対象たいしょう法人ほうじんとして指定していしている自治体じちたいへ寄附きふ者しゃ名簿めいぼを提出ていしゅつすることになっております。寄附きふ者しゃ名簿めいぼへの記載きさいのため、「ギフトお届とどけ先さき」にはペンネーム等とうではなく必かならず本名ほんみょうをご入力にゅうりょくくださいますよう、お願ねがいいたします。
• 本ほんページ掲載けいさいの写真しゃしんの無断むだん使用しようを固かたくお断ことわり申もうし上あげます。

 

 

本ほんプロジェクトへのご寄附きふは、学校がっこう法人ほうじん立りつ命いのち館かんへの寄付きふ金きんとなり税制ぜいせい上じょうの優遇ゆうぐう措置そちの対象たいしょうとなります。

• 個人こじんの場合ばあい

本学ほんがくに対たいするご寄付きふは、所得しょとく税ぜいの税制ぜいせい上じょうの優遇ゆうぐう措置そちを受うけることができます。

控除こうじょは「税額ぜいがく控除こうじょ」と「所得しょとく控除こうじょ」のいずれかを選択せんたくいただけます。

〇税額ぜいがく控除こうじょ　＝　{ (寄附きふ金額きんがく－2,000円えん)×40％ }

※寄附きふ金額きんがくについては、当該とうがい年ねんの総そう所得しょとく金額きんがく等とうの40％が限度げんど額がくとなります。

※控除こうじょ額がくについては、所得しょとく税額ぜいがくの25％が限度げんど額がくとなります。 

〇所得しょとく控除こうじょ　＝　当該とうがい年中ねんじゅうに支出ししゅつした寄附きふ金きんの額がく－2,000円えん

※寄附きふ金額きんがくについては、当該とうがい年ねんの総そう所得しょとく金額きんがく等とうの40％が限度げんどとなります。 

• 法人ほうじんの場合ばあい

企業きぎょうなどの法人ほうじん様さまからのご寄附きふにつきましては、寄付きふ金額きんがくを当該とうがい事業じぎょう年度ねんどの損金そんきんに算入さんにゅういただくことができます。詳くわしくはコチラをご覧らんください。

 

＜寄付きふ金きん受領じゅりょう証明しょうめい書しょの発行はっこうについて＞
寄附きふをされた方ほうには、後日ごじつ「寄付きふ金きん受領じゅりょう証明しょうめい書しょ」を送付そうふ致いたします。

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証明しょうめい書しょ名義めいぎ：READYFORアカウントにご登録とうろくの「リターン／ギフトの発送はっそう先さきの氏名しめい」を宛名あてなとして作成さくせいします
証明しょうめい書しょ発送はっそう先さき：READYFORアカウントにご登録とうろくの「リターン／ギフトの発送はっそう先さきご住所じゅうしょ」にお送おくりします
寄附きふの受領じゅりょう日び（証明しょうめい日び）：READYFORから実行じっこう者しゃに入金にゅうきんされた日ひとなります。
証明しょうめい書しょの発送はっそう日び：2024年ねん5月がつごろを予定よていしています。発行はっこうまでお時間じかんをいただきますが予あらかじめご了承りょうしょう願ねがいます。

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