成熟せいじゅくむかえた「JPOPラップ」 スパイスてきあつかいからクオリティ重視じゅうし

 最近さいきん、「チェケラッチョ」てきなラップをくことが極端きょくたんすくなくなった。90年代ねんだいなかばから00年代ねんだい初頭しょとうにかけて、JPOPに“ラップ”というスパイスが浸透しんとうしていく過程かていにおいて、本来ほんらいのヒップホップとは無縁むえんのアーティストがおおくの作品さくひん安達あだち祐実ゆみ「どーした!安達あだち」や深津ふかづ絵里えり「NIGHT-CLUBBING」、野村のむらすな知代ちよ「Such a beautiful Lady」など、現在げんざいあらためてかえると非常ひじょうあじわいぶか作品さくひんおおいが)をのこし、話題わだいになるきょく非難ひなんされるきょくなど、くもわるくもシーンに影響えいきょうおよぼしてきた。だが、現在げんざいではJPOPやアイドル・シーンにをやると、ラップを安易あんいにスパイスとして機能きのうさせるのではなく、クオリティ重視じゅうし楽曲がっきょくおおくなってきていることにづく。

 メジャーで最初さいしょにラップをもちいたヒットきょくえば、EAST END×YURIのミリオン・シングル「DA.YO.NE」や小沢おざわ健二けんじとスチャダラパーによる「今夜こんやはブギー・バック」だろう(ともに1994ねんリリース)。前者ぜんしゃ老舗しにせヒップホップ・レーベルであるファイルレコードからリリースされ、後者こうしゃいまなおだい一線いっせん活躍かつやくする国内こくないヒップホップのパイオニアであるスチャダラパーが参加さんかしていたこともあり、いわばヒップホップをメジャー・シーンにらしめるというおおきな役割やくわりたした。

 それからすうねん日本語にほんごラップのアンダーグラウンド・シーンでうでげてきた実力じつりょくしゃたちにもスポットがとうあてられ、RIP SLYMEやKICK THE CAN KREW、RHYMESTER、Zeebraなどのアーティストがメジャーで活躍かつやくひろげたのは周知しゅうち事実じじつ。だが、れるものを模倣もほうするのは、いつの時代じだいわらない。これらのうごきとほぼどう時期じきに、雨後うごたけのこのようにJPOPシーンでラップを導入どうにゅうしたポップソングが出回でまわるようになり、うたでもなければしゃべりでもないるいのラップがおお見受みうけられるようになった。つまりJPOPシーンにおけるラップは、道具どうぐてきあつかいであることがおおかったのだ。

 その一方いっぽうで、HALCALIのようにJPOPシーンでヒットをばしながらも、その音楽おんがくせいやラップもたか評価ひょうかされるユニットも存在そんざいした。彼女かのじょたちの独特どくとくのキャラクラーやゆるいラップのスタイルは真新まあたらしく、プロデューサーをRIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAによるO.T.F.(オシャレ・トラック・ファクトリー)がつとめたことで玄人くろうとをもうならすトラックをつくげることに成功せいこうした稀有けうれいだ。

関連かんれん記事きじ

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新さいしん記事きじ

もっとみる

blueprint book store

もっとみる