赤あかい公園こうえん、SCANDAL、Mrs. GREEN APPLE、NCIS、凛りんとして時雨しぐれ…それぞれの“今いま”を感かんじる新作しんさく

　活動かつどうを続つづけるなかで、さまざまな出来事できごとを経験けいけんし、そのたびに変化へんかしていくロックバンド。当然とうぜんすべてをコントロールすることは不可能ふかのうであり、“何なにが起おきるかわからない”というドキュメント性せいもまた、バンドというスタイルの魅力みりょくなのだと思おもう。今回こんかいは2018年ねん現在げんざい、キャリアのなかでもっともスリリングな時期じきを迎むかえているバンドの新作しんさくを紹介しょうかい。赤あかい公園こうえん、SCANDAL、Mrs. GREEN APPLE、Nothing's Carved In Stone、凛りんとして時雨しぐれの“今いま”をぜひ感かんじてほしい。

　メジャーデビュー作さく『透明とうめいなのか黒くろなのか』（2012年ねん2月がつ）から最新さいしんアルバム『熱唱ねっしょうサマー』（2017年ねん8月がつ）までをまとめた、赤あかい公園こうえん初はつのベストアルバム『赤飯せきはん』。「のぞき穴あな」「絶対ぜったい的てきな関係かんけい」「KOIKI」などの全ぜんシングル曲きょく、これまでに発表はっぴょうされた全ぜんアルバムからセレクトされた本ほん作さくには、オルタナ、パンク、ファンク、ソウルといったカラフルな音楽おんがく性せいを自在じざいに取とり込こみながらスリリングな変化へんか／進化しんかを続つづけた5年間ねんかんの軌跡きせきが詰つまっている。フリーキーかつポップなソングラインティング、卓越たくえつしたテクニックと破天荒はてんこうな勢いきおいを共存きょうぞんさせたバンドグルーヴ、そして、楽曲がっきょくによって表情ひょうじょうを変かえる芳醇ほうじゅんなボーカルが生うみ出だすケミストリーはまさに唯一ゆいいつ無二むにだった。2017年ねん8月がつ末まつでボーカリストの佐藤さとう千明ちあきが脱退だったい、3ピースバンドとして再始動さいしどうした赤あかい公園こうえんにも大おおいに注目ちゅうもくしてほしい。

　ベストアルバム『SCANDAL』、キャリア初はつの47都道府県とどうふけんツアーなど2017年ねん、バンド結成けっせい10周年しゅうねんを駆かけ抜ぬけたSCANDALから通算つうさん8作さく目めのオリジナルアルバム『HONEY』が到着とうちゃく。シングル「テイクミーアウト」、デジタルシングル「恋こいするユニバース」を含ふくむ本ほん作さくは、前作ぜんさく『YELLOW』に続つづき全曲ぜんきょくメンバーによるオリジナル曲きょく。性急せいきゅうなギターリフを軸じくにした「ふたり」、歌謡かよう曲きょくとディスコパンクが融合ゆうごうした「エレクトリックガール」など10曲きょく中ちゅう9曲きょくの作曲さっきょくを担当たんとうしたMAMI（Gt/Vo）の覚醒かくせいぶりがすさまじく、“シャープかつスウィートなロックバンド”としてのSCANDALのイメージを増幅ぞうふくさせることとに成功せいこうしている。メロコア、ガレージロック、ニューウェーブ、エレポップなどをナチュラルに反映はんえいさせたバンドサウンドもきわめて魅力みりょく的てき。このバンドは明あきらかに新あらたなピークに突入とつにゅうしている。

　EDM系けいダンスミュージックと生々なまなましいバンドサウンドを融合ゆうごうさせた前ぜんシングル曲きょく「WanteD! WanteD!」が配信はいしんチャートを中心ちゅうしんにヒット、バンドシーン以外いがいのリスナーにもアピールすることにつなげたMrs. GREEN APPLEのニューシングル『Love me,Love you』表題ひょうだい曲きょくは、まるで往年おうねんのミュージカル音楽おんがくのような華々はなばなしいポップチューン。ドラマティックに展開てんかいするメロディライン、ストーリー性せいのあるラブリー＆ブライトな歌詞かし、ホーンセクションを取とり入いれたビッグバンド風ふうのサウンドがひとつになったこの曲きょくは、ロックバンドの枠わくを完全かんぜんに超こえ、あらゆる音楽おんがくファンにリーチできるナンバーに仕上しあがっている。カップリングにはシンガーソングライターの坂口さかぐち有望ゆみをフィーチャーしたソウルポップナンバー「Log （feat.坂口さかぐち有望ゆみ）」、卒業そつぎょうシーズンにぴったりのミディアムチューン「春愁しゅんしゅう」を含ふくめ、新あらたなチャレンジが満載まんさい。何なによりもポップであることを恐おそれない姿勢しせいが素晴すばらしい。