ExWHYZ、初はつの武道館ぶどうかんライブで届とどけた堂々どうどうたる決意けつい　EMPiREとしての歩あゆみも背負せおって立たった“新あらたなスタートライン”

　アーティストの日本武道館にほんぶどうかん公演こうえんにはさまざまな“意味いみ”が宿やどる。人ひとによっては長ながい歴史れきしの集大成しゅうたいせいでもあるし、人ひとによっては一世一代いっせいちだいの大だい勝負しょうぶにもなる。5月13日にち、ExWHYZが初はじめて立たった武道館ぶどうかんのステージは、掲かかげられた『the FIRST STEP』というタイトルが物語ものがたる通とおり、まさに“始はじまり”だった。グループ名めいを変かえ、新あたらしい姿すがたで歩あゆみ始はじめた道みちのりの第一歩だいいっぽ。サウンドも、演出えんしゅつも、そしてもちろんメンバーのパフォーマンスも、現時点げんじてんで持もてるすべてを注つぎ込こんだライブは、さまざまな感情かんじょうを喚起かんきしながら、最終さいしゅう的てきには確たしかな可能かのう性せいを感かんじさせる力強ちからづよいものだった。

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　マスター（ファンの総称そうしょう）たちの歓声かんせいと手拍子てびょうしが渦巻うずまくなか、yu-ki、mayu、midoriko、mikina、maho、nowの6人にんがステージ中央ちゅうおうにポジションを取とり、「xANADU」のハードエッジなトラックが流ながれ出だす。ライブハウスで観みたときからその重じゅう低音ていおんの凄すさまじさには驚おどろいていたが、武道館ぶどうかんだとそのサウンドの迫力はくりょくはさらに増強ぞうきょうされる。まるで会場かいじょう全体ぜんたいが震ふるえるような響ひびきのなか、「BLAZE」からアクセル全開ぜんかいのダンスと歌うたが繰くり出だされ、ステージでは炎ほのおが上あがり、オーディエンスのテンションはどんどん上あがっていく。LEDスクリーンにはそれぞれの表情ひょうじょうが映うつし出だされ、6人にんの間あいだに心地ここちよい緊張きんちょう感かんが漂ただよっているのが伝つたわってくる。

　続つづく「Des Speeching」を終おえ、自己じこ紹介しょうかいを経へてyu-kiが「やってきました、武道館ぶどうかん！」と挨拶あいさつ。怒号どごうのような歓声かんせいが降ふり注そそぐなか、nowが「今日きょうという日ひをみんなと迎むかえることを想像そうぞうしながら作つくりました」と次つぎの曲きょくを紹介しょうかいする。このライブのタイトルにもなっている「FIRST STEP」だ。イントロから手拍子てびょうしでメンバーを後押あとおしするマスターたち。楽たのしげなサウンドに乗のってメンバーの顔かおにも笑えみが浮うかび、ソロパートでは次々つぎつぎとメンバー名めいのコールが飛とぶ。続つづく「You & Me」と「SUPeR SIMPLe」ではセンターにあるサブステージでパフォーマンス。筆者ひっしゃは2階かい席せきで観みていたのだが、びっくりするぐらい近ちかい。6人にんのちょっとした表情ひょうじょうや仕草しぐさも、ダンスのキレの良よさも手てに取とるようにわかる。ということは6人にんにとっても観客かんきゃくの顔かおやアクションがはっきりと見みえるということで、マスターの手拍子てびょうしにもいっそう力りょくがこもる。

　個人こじん的てきに序盤じょばんのハイライトとなったのは「Higher」だった。nowのパートから始はじまっていったこの曲きょくは、シンプルでアッパーなトラックの上うえで、6人にんそれぞれの歌声うたごえに宿やどる個性こせいが際立きわだつ楽曲がっきょく。mahoのクールな声こえも、mayuのスケールの大おおきな歌唱かしょうも、武道館ぶどうかんのステージでいっそう力強ちからづよく立たち上あがる。メンバーも皆みな楽たのしそうで、mikina、yu-ki、nowの3人にんはステージの端はしまで行いって肩かたを組くんだりして戯じゃれ合あっている。全員ぜんいんで飛とび跳はねて踊おどった未みリリース曲きょく「Shall We」を経へて、メンバーそれぞれのソロダンスを見みせつつ「Wanna Dance」へ。アーバンなソウルフィールをまとった楽曲がっきょくがムード満点まんてん。滑なめらかなフォーメーションの変化へんかが、まるでひとつの生いき物もののように映うつる。どの曲きょくも、ツアー（『ExWHYZ TOUR 2023 xANADU』）の頃ころよりも明あきらかにパワーアップしているのだが、それは技術ぎじゅつ的てきな成長せいちょうはもとより、メンタルの部分ぶぶんが大おおきいのではないかと思おもう。とにかく一人ひとりひとりの発声はっせいにも力ちからが入はいっているし、ダンスのキメでは指ゆびの先さきや視線しせんにまで意識いしきが行いき届とどいていることが遠目とおめからでもわかる。ExWHYZはこんなにもタフで、プレッシャーをエネルギーに変かえることのできるグループだったのだ。

　「Walk this way」や「Universe」などバラエティ豊ゆたかな楽曲がっきょくを矢継やつぎ早ばやに披露ひろうした中盤ちゅうばんを経へて、いよいよライブは終盤しゅうばんに突入とつにゅうしていく。「みんなと私わたしたちだったらもっともっと行いけると思おもうんですよ！」とmayuが煽あおり、1stアルバム『xYZ』の冒頭ぼうとうそのまま「xYZ」から「D.Y.D」へ。再ふたたびサブステージにやってきた6人にんがマスターの間近まぢかで引ひき締しまったパフォーマンスを披露ひろうし、ここからライブは一気いっきに加速かそくしていった。妖艶ようえんなダンスとともに最高さいこうのコンビネーションを見みせた「ANSWER」に、挑発ちょうはつ的てきな歌詞かしの果はてに鳴なり響ひびいたmikinaの〈見逃みのがさないで〉に大だい歓声かんせいが沸わき起おこった「Obsession」を経へて、最後さいごはメインステージに戻もどって「STAY WITH Me」。マスターのシンガロングも重かさなって、スケールの大おおきなこの曲きょくがますます大おおきく響ひびき渡わたる。nowが武道館ぶどうかんのステージのど真まん中なかで叫さけんだ〈愛あいしてる〉は、このライブを走はしり抜ぬけてきたからこそ強つよい実感じっかんを宿やどしていた。