MALIYA、女性じょせいの選択せんたくをテーマにセルフラブを歌うたう理由りゆう　“野心やしんしかなかった”20代だいからの変化へんか

　MALIYAがEP『sugar, spice & all your choice』を4月がつ26日にちにリリースした。国際こくさい女性じょせいデー（3月がつ8日にち）に合あわせてリリースされ、アレンジにTOMOKO IDAが参加さんかしたリード曲きょく「Body」が象徴しょうちょうするように、本ほんEPは女性じょせいに対たいするエンパワメントというテーマが根底こんていにある作品さくひん。「自分じぶんと向むき合あう時間じかんが増ふえたことによって、より女性じょせいに対たいして向むき合あう時間じかんも増ふえていった」というMALIYAだが、今いまこうしたメッセージを掲かかげた裏うらにはどのような心境しんきょう変化へんかがあるのだろうか。前作ぜんさく『faveur』以降いこうを辿たどりながら、『sugar, spice & all your choice』制作せいさくに至いたるまでの想おもいを聞きいた。（編集へんしゅう部ぶ）

「人生じんせいの中なかで“迫せまられる選択せんたく”を等身とうしん大だいな言葉ことばで表現ひょうげんしたかった」

――EPリリースおめでとうございます。アルバム『faveur』をリリースしてから約やく2年ねん半はんが経過けいかしています。前作ぜんさくからどんな気持きもちの変化へんかがあったのでしょうか。というのも、今いま作さくの方ほうがよりMALIYAさん個人こじんの主張しゅちょうやアティテュードがビビッドに表現ひょうげんされていると感かんじたんです。

MALIYA：実じつは『faveur』を出だしてから完全かんぜん燃焼ねんしょうみたいになっちゃって、曲きょくを書かけなくなった時期じきがあったんです。『faveur』ではSIRUPやYo-Sea、WONKといった大好だいすきなアーティストたちを呼よんで、やりたいことをやり尽つくしてしまったし、その後ごちょうど30歳さいを迎むかえたタイミングもあって、私わたし自身じしんも考かんがえることがいろいろ変かわったり、周まわりの人ひとたちとのちょっとした会話かいわの話題わだいも変かわったりしてきて。今いまは33歳さいなんですけど、この3年間ねんかんあまりで考かんがえ方かたや価値かち観かん、付つき合あう周まわりのみんなにも変化へんかが訪おとずれて、それによって書かきたいことがより明確めいかくに見みえてきたんです。

――EPを通とおして聴きくと、“一人ひとりの女性じょせいとして”という前提ぜんていが浮うかび上あがってくるような気きがしました。

MALIYA：自分じぶんと向むき合あう時間じかんが増ふえたことによって、より女性じょせいに対たいして向むき合あう時間じかんも増ふえていった。それが、今回こんかいのEPになったという感かんじです。

――先行せんこうシングル曲きょくの「Body」はグラミー賞しょうにもノミネートされた音楽おんがくプロデューサー TOMOKO IDAさんがアレンジを手掛てがけています（「最優秀さいゆうしゅう アーバン・ミュージック・アルバム賞しょう」にノミネートされたTainyのアルバム『DATA』にプロデューサーとして参加さんか）。

MALIYA：TOMOKOさんとはもともとSNSで繋つながっていて、今回こんかいのタイミングで改あらためてオファーさせていただいたんです。前まえからお願ねがいしたいなと思おもっていたんですけど、「今いまが最適さいてきなタイミングじゃない？」と思おもって。オリジナルの「Body」はもっと違ちがう雰囲気ふんいきだったんです。

――TOMOKO IDAさんのアレンジがなされた「Body」を聴きいた時ときの印象いんしょうはいかがでしたか？

MALIYA：驚おどろきました。「生うまれ変かわったな」という感かんじがありましたね。原曲げんきょくはもうちょっと暗くらくて、クールすぎちゃってた部分ぶぶんがあったんです。「もう少すこし聴ききやすくしたい」とリクエストして、「こういうリファレンスでお願ねがいします」と伝つたえたんです。原曲げんきょくが変かわったというより「進化しんかした」って感かんじですね。

――「Body」は“私わたしの身体しんたいは私わたしのもの”と歌うたうエンパワーメントソングですよね。こうした曲きょくを書かこうと思おもったきっかけや最初さいしょのコンセプトはどんなものだったのでしょうか。

MALIYA：明確めいかくに“これ”っていうのはないんですけど、やっぱり女性じょせいって人生じんせいの中なかで選択せんたくを迫せまられる時期じきがいろいろあるなと。男性だんせいもそうだとは思おもうんですけど、例たとえば仕事しごとと出産しゅっさんとか、結婚けっこんとか。私わたしの周まわりでもそういった話はなしをいろいろ聞きいて、感かんじることがいっぱいあったので、そこを自分じぶんの等身とうしん大だいの言葉ことばで表現ひょうげんしたいなと思おもって書かき始はじめました。

――〈君きみのタイプとか聞きいてない〉という歌詞かしもありますけど、私わたしもかつて、付つき合あう人ひとに合あわせて自分じぶんの趣向しゅこうを変かえていた時期じきもあったなあ、と曲きょくを聴ききながら思おもい出だしちゃいました。

MALIYA：はい、そうなんですよね。そういう女性じょせいって結構けっこう多おおい気きがしていて。付つき合あってる人ひとじゃなくても、世間体せけんていとか自分じぶんのスタンスとかを気きにしちゃうとか、SNSもすごく発達はったつしているので「どう見みられちゃうのか？」っていうことをめちゃくちゃ考かんがえていますよね。いいこともある反面はんめん、若わかい子こでも見みられ方かたを気きにしすぎてだんだん保守ほしゅ的てきになることもあるのかなと思おもいます。なので、「気きにしなくていいんじゃない？」みたいな。「自分じぶんらしく、自分じぶんがよければいいんじゃないか？」っていうところを強調きょうちょうしたかったんです。

――「Body」がリリースされてから、どんな反応はんのうが届とどいていますか？

MALIYA：今いまはもう主婦しゅふになっていたりして、普段ふだんあまり連絡れんらくを取とっていない友達ともだちとかからもアクションがあって、ちゃんと届とどいて嬉うれしいなと思おもっています。もともと「Body」は女性じょせいやマイノリティの方ほうに届とどけたいなと思おもっていたので。

――EPのタイトル『sugar, spice & all your choices』はどこからインスピレーションを得えたのでしょうか？

MALIYA：マザーグースの童謡どうようを引用いんようしているんです。「What are little boys made of?（男おとこの子こは何なんでできているの？）」という詩しがあって、その中なかで「女おんなの子こは砂糖さとうとスパイスと素敵すてきなものすべてでできている（Sugar and spice and everything nice.）」という箇所かしょがあるんです。それを「choices」に変かえて、「今いまの時代じだいは甘あまくて可愛かわいい自分じぶんでもいいし、スパイシーなかっこいい自分じぶんでもいい。選えらんだもの全すべてであなたができ上あがっているからね」っていうメッセージを込こめました。

――確たしかに、いろんなテイストの曲きょくがありつつも全体ぜんたい的てきにすごくまとまっているなと感かんじました。

MALIYA：トラックリストの順番じゅんばんも意識いしきしました。「Body」と「Just like that」はちょっと強気つよきな女おんな。私わたしの中なかでは“spice”のイメージ。その間あいだに「Tie-dye」という曲きょくがあって、かっこいい自分じぶんと甘あまい自分じぶんが混まざり合あうような感かんじを表現ひょうげんしているんです。「Girls like me」は弱よわい自分じぶんも受うけ止とめていこう、みたいなマインド。最後さいごの「Old Clothes G.Rina Remix」はボーナストラック的てきな1曲きょくで。