『集団しゅうだん左遷させん!!』第だい2章しょうでは福山ふくやま雅治まさはるが銀行ぎんこうの闇やみに立たち向むかう　三上みかみ博史ひろふみのねらいはどこに？

　日曜にちよう劇場げきじょう『集団しゅうだん左遷させん!!』（TBS系けい）第だい7話わが6月がつ2日にちに放送ほうそうされた。

　銀行ぎんこう本部ほんぶに舞台ぶたいを移うつしてはじまった『集団しゅうだん左遷させん!!』第だい2章しょう。片岡かたおか洋ひろし（福山ふくやま雅治まさはる）の新あたらしい肩書かたがきは融資ゆうし部ぶ部長ぶちょうだ。着任ちゃくにんして1か月げつ、横山よこやま（三上みかみ博史ひろふみ）の監視かんし下かでも「置おかれた場所ばしょで咲さくしかない」と職務しょくむに精勤せいきんする片岡かたおかだったが、突発とっぱつ事ごとが持もち上あがる。3千せん億おくを超こえる大口おおぐち取引とりひき先さきのマルハシホールディングスCEOが逮捕たいほされたのだ。経済けいざいドラマの空気くうきがぐっと強つよまった第だい7話わでは、お家いえ騒動そうどうとCEOの背任はいにんという実社会じっしゃかいでもタイムリーなテーマが扱あつかわれた。

　廃はい店てんが予定よていされた支店してんでの片岡かたおかたちの奮闘ふんとうを描えがいた蒲田かまた編へんから一転いってんして、片岡かたおかが立たち向むかうのは銀行ぎんこう内部ないぶの闇やみだ。利害りがいが錯綜さくそうする本部ほんぶ内ないは、単純たんじゅんな対立たいりつ構図こうずではない分ぶん、何なにが正ただしくて何なにが間違まちがいかを判断はんだんするのは容易よういではない。しかし片岡かたおかはブレない。「お客様きゃくさまのため」という片岡かたおかの姿勢しせいは場所ばしょが変かわっても変かわることはなく、自問自答じもんじとうしながら一ひとつずつ答こたえを出だしていく。そんないつもどおりの片岡かたおかの姿すがたに少すこしだけほっとするような気持きもちになった。

　舞台ぶたいも本部ほんぶだけあって登場とうじょう人物じんぶつのラインナップはそうそうたる顔かおぶれである。頭取とうどり・藤田ふじた（市村いちむら正親まさちか）の機略きりゃくもあって専務せんむに昇格しょうかくした横山よこやまは、会長かいちょうの郷田ごうだ（津嘉山つかざん正種まさたね）や副ふく頭取とうどりの南口みなみぐち（橋爪はしづめ淳あつし）らと、とある“計画けいかく”を進すすめる。年輪ねんりんが刻きざまれた名優めいゆうたちの表情ひょうじょうと演技えんぎは見みごたえがあり、良よい意味いみでフレッシュだった蒲田かまた編へんとは違ちがう魅力みりょくが感かんじられた。

　ちなみに横山よこやまの命いのちを受うけて、蒲田かまた支店してんの取とりつぶしに血眼ちまなこをあげた宿やど利り（酒向さこう芳かおる）は総務そうむ部ぶの人材じんざい開発かいはつ室しつ付づけに。いわゆる追おい出だし部屋へやに追おいやられてすっかり生気せいきが抜ぬけた宿やど利りには「ご愁傷しゅうしょう様さま」と言いう以外いがいないが、片岡かたおかとは一緒いっしょに岩盤がんばん浴よくへ行いくほどの親友しんゆうだった“梅うめちゃん”こと梅原うめはら（尾美おみとしのり）も横山よこやまの派閥はばつに加くわわることになって胸むねが痛いたむ。友情ゆうじょうを切きり裂さき、部下ぶかを使つかい捨すてにする横山よこやまの所行しょぎょうには「血ちも涙なみだもない」という言葉ことばが似合にあうが、10年来ねんらいの顧客こきゃくだった丸橋まるはし雄一郎ゆういちろう（本田ほんだ博太郎ひろたろう）をあっさりと切きり捨すてた場面ばめんでは、あらためて横山よこやまという人物じんぶつのおそろしさを実感じっかんした。