乃木坂のぎざか46卒業生そつぎょうせい、なぜ舞台ぶたい・ドラマ出演しゅつえん作さくが途切とぎれない？　土台どだいとなった『プリンシパル』

　生田いくた絵梨えり花はなや白石しらいし麻衣まい、西野にしの七瀬ななせなど、乃木坂のぎざか46を卒業そつぎょうしたメンバーの俳優はいゆうとしての躍進やくしんが著いちじるしい。そう言いい切きれるのは、新あらたな出演しゅつえん作さくが絶たえず発表はっぴょうされ続つづけているからだ。

　9月4日にちに最終さいしゅう回かいを迎むかえたドラマ『オールドルーキー』（TBS系けい）に出演しゅつえんしていた生田いくたは、10月にスタートするドラマ『PICU 小児しょうに集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつ』（フジテレビ系けい）で主演しゅえんの吉沢よしざわ亮あきらの幼おさななじみ役やくを演えんじる。ほかにも西野にしのの『連続れんぞくドラマW シャイロックの子供こどもたち』（WOWOW）、深川ふかがわ麻衣まいの『サワコ ～それは、果はてなき復讐ふくしゅう』（BS-TBS）、伊藤いとう万まん理り華はなの『旅たびするサンドイッチ』（テレビ東京てれびとうきょう系けい）、松村まつむら沙すな友理ゆりの『推おしが武道館ぶどうかんいってくれたら死しぬ』（ABCテレビ・テレビ朝日てれびあさひ）、堀ほり未央みお奈の『祈いのりのカルテ～研修けんしゅう医いの謎なぞ解とき診察しんさつ記録きろく～』（日本にほんテレビ系けい）、『しもべえ 特別とくべつ版ばん』（NHK BSプレミアム）、北野きたの日奈子ひなこの『少年しょうねんのアビス』（MBS）というように、9月〜10月がつだけでもこれだけの連続れんぞく／単発たんぱつドラマが新あらたにオンエアとなっていく。そのほとんどが主演しゅえんもしくはヒロイン級きゅうの役やくだ。

　さらに舞台ぶたいにまで視野しやを広ひろげると、現在げんざい全国ぜんこくを巡演じゅんえんしている桜井さくらい玲香れいこが主演しゅえんの『DOROTHY～オズの魔法使まほうつかい～』、同おなじく現在げんざい上演じょうえん中ちゅうの舞台ぶたい『夏なつの夜よるの夢ゆめ』に出演しゅつえんの生駒いこま里奈りな、三谷幸喜みたにこうき作さく・演出えんしゅつで11月から上演じょうえんのシス・カンパニー公演こうえん『ショウ・マスト・ゴー・オン』に井上いのうえ小百合さゆりが出演しゅつえんというように、枚挙まいきょにいとまがない。

　先述せんじゅつした面々めんめんに共通きょうつうしているのは、乃木坂のぎざか46に1期生きせい・2期生きせいとして加入かにゅうしたメンバーであること。そんな彼女かのじょたちがグループで早はやくに経験けいけんしたのが舞台ぶたい『16人にんのプリンシパル』だった。『プリンシパル』は、観客かんきゃくに対たいして自己じこPRを行おこなう一幕ひとまくのオーディション、観客かんきゃくの投票とうひょうにより出演しゅつえん者しゃが決きまる二に幕まくのミュージカルで構成こうせいされたキャスティング参加さんか型がた演劇えんげき。乃木坂のぎざか46自体じたいの初はつお披露目ひろめ時じ、秋元あきもと康やすしが今後こんごの方針ほうしんとして話はなしていたのがこの『プリンシパル』の叩たたき台だいと言いえるものだった。当時とうじ、AKB48の公式こうしきライバルとしてデビューした乃木坂のぎざか46にとっての選抜せんばつ総そう選挙せんきょというキャッチーな触ふれ込こみだ。

　2015年ねん公開こうかいのドキュメンタリー映画えいが『悲かなしみの忘わすれ方かた Documentary of 乃木坂のぎざか46』には、プレッシャーに耐たえかねた生駒いこまが会見かいけん中ちゅうに舞台ぶたいをはけてしまう様子ようすやゲネプロ公演こうえんで二に幕まくに選えらばれなかった松村まつむらと生駒いこまがい争いあらそう場面ばめんが生々なまなましく収録しゅうろくされている。ファンもしくは関係かんけい者しゃから選定せんていされるという現実げんじつに直面ちょくめんし自己じこ嫌悪けんお／人間にんげん不信ふしんに陥おちいる松村まつむらを例れいに、メンバーにとって『プリンシパル』はつらい日々ひびだったかもしれないが、ほかメンバーと比くらべられることで生うまれる自己じこプロデュース能力のうりょくや忍耐にんたい力りょくを身みにつけた貴重きちょうな期間きかんだったとも言いえる。『プリンシパル』の経験けいけんがそのまま演技えんぎ力りょくに結むすびついているとは言いい難がたいが、少すくなからず自信じしんや夢ゆめといった精神せいしん面めんにおける成長せいちょうには繋つながっている。