西伊豆町で伊豆の食材やワインを楽しむことができるフレンチレストラン「coe(コエ)」(西伊豆町田子、TEL 080-9525-7665)がオープンして、7月6日で1カ月がたつ。
西伊豆の伝統食「本枯節」を使ったリゾット(関連画像12枚)
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店主の新井雄貴さんは2022年4月、東京から西伊豆町へ夫婦で移住。移住前はIT企業で働く傍ら、イベントやパーティー会場への出張料理などを行っていた経験を持つ。現在は、西伊豆町地域おこし協力隊として農業や観光に関わる分野に取り組み、2022年11月には夕陽百選にも認定されている大田子(おおたご)海岸を拠点にリヤカーでコーヒーや焼き菓子を販売する「西伊豆コーヒースタンド」を夫婦で開業した。
「移住した時から、将来的にはレストランを開業したいという思いがあった」と話す新井さん。まず野菜や米の栽培から挑戦し、地域おこし協力隊の3年の任期満了が近づいてきたのを機に、本格的に物件探しを始めた。
2023年12月、元々民宿だった空き物件と出合い、物件の広さや海が見えるロケーションなど好条件がそろったことから、同所での開業を決意。大幅なリノベーションを要した内外装は地域の事業者の手も借りながら、細かな修繕は地域住民やコーヒースタンドの客、東京の友人や西伊豆の移住仲間など、多くの人の手を借りながら作業を進めた。
「西伊豆を味わい、五感を満たす場所」をテーマに、伊豆の食材をメインとしたフランス料理を提供する。店名は「共存」の意味を持つ「coexistence」の頭3文字を取り「たくさんの人が訪れ、いろいろな人の『声』が広がり、つながりができる場所」という意味を込めて名付けた。
メニューは現在、コース料理(6,600円)のみを提供。伊豆の国市の「天城黒豚」のほか、同町・田子地区の伝統食「本枯節」を使ったリゾットには自家栽培の米を使用するなど、細部まで伊豆の食材にこだわり抜いたメニューが並ぶ。ドリンクメニューには、店主が厳選したナチュールワインなどを用意。車での移動が必須という地域特性も考慮し、ソフトドリンクも充実させる。
今後の展望について、新井さんは「いずれはアラカルトも提供し、フラッと立ち寄って食べて飲んで帰ることができるような店づくりも目指していきたい」と意欲を見せる。
営業時間は17時~22時。火曜・水曜定休。現在は完全予約制。