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契約業務のAI・DX化が未来を拓く 全ての契約がフェアになる理想の社会 - 日経ビジネス電子版 Special

契約業務のAI・DX化が未来を拓く 全ての契約がフェアになる理想の社会 契約業務のAI・DX化が未来を拓く 全ての契約がフェアになる理想の社会

三菱みつびしUFJ銀行ぎんこうあらたな中期ちゅうき経営けいえい計画けいかくのAI戦略せんりゃくなかで、契約けいやく業務ぎょうむDXにもんでいる。契約けいやく業務ぎょうむはAI・DXによってどのように変革へんかくするのか。一連いちれんのプロセス変革へんかく提供ていきょうしているMNTSQ株式会社かぶしきがいしゃ(モンテスキュー)代表だいひょう板谷いたや隆平りゅうへい三菱みつびしUFJ銀行ぎんこうデジタル戦略せんりゃく統括とうかつ山田やまだのりたすく島野しまの浩平こうへいかたってもらった。

AIでわる契約けいやく業務ぎょうむ未来みらい

板谷いたや 契約けいやくがないビジネスは絶対ぜったいにない」というくらい、なにあたらしいことをはじめるときにだれもが契約けいやく必要ひつようとしているのに、専門せんもん関与かんよしないとフェアに締結ていけつができないことは社会しゃかいてき欠陥けっかんではないか。やがて人間にんげんではなくAIのアルゴリズムが契約けいやくしょ未来みらいかならずくるとおもいます。

山田やまだ 契約けいやくしょには専門せんもん知識ちしき必要ひつようで、様々さまざまなハードルがあります。文章ぶんしょうつくるハードル、この内容ないようでいいのかを判断はんだんするハードルなど非常ひじょうむずかしいし、締結ていけつのオペレーションもおまりの手作業てさぎょうがあります。ただ、いま契約けいやく業務ぎょうむもDXで随分ずいぶん改善かいぜんされました。AIやDXてきなソリューションをうまくわせ、もうすこ一気いっきどおりつらぬけできれば、我々われわれ業務ぎょうむ自体じたいわっていけるとかんじます。

島野しまの わたし法学部ほうがくぶ出身しゅっしんのエンジニアですが、契約けいやくとコードを作業さぎょう共通きょうつうてんおおいとおもっています。コードでは最初さいしょ変数へんすう定義ていぎしますが、契約けいやくしょでも最初さいしょに「かぶとは…、おつは…」というように当事とうじしゃ定義ていぎをします。これをちゃんと定義ていぎしておかないとコードも契約けいやくしょ機能きのうしなくなります。また、きちんと例外れいがい設定せっていをしていないコードはエラーになったときに対処たいしょできなくなるのとおなじく、契約けいやくにも規定きていがないケースが発生はっせいするとトラブルになります。銀行ぎんこうでは属人ぞくじんはげしいので、契約けいやくしょかた汎用はんよう標準ひょうじゅんすることが重要じゅうよう。そうかんがえると、DXと契約けいやく業務ぎょうむ親和しんわせい非常ひじょうたかいようにおもいます。

島野 浩平 氏

株式会社かぶしきがいしゃ三菱みつびしUFJ銀行ぎんこう
デジタル戦略せんりゃく統括とうかつ
AI・データ推進すいしんグループ 次長じちょう

島野しまの 浩平こうへい

MUFGの契約けいやく業務ぎょうむDX

山田やまだ 2024ねん4がつからの中期ちゅうき経営けいえい計画けいかくではデータやAIの活用かつよう促進そくしんさい重視じゅうししています。過去かこにも注力ちゅうりょくしてきているので、いわゆる部分ぶぶん最適さいてきわっているものの全体ぜんたいがつながっていないところがある。さらなるデータの電子でんしとAI活用かつようすすめるためにソリューション適用てきようたねつけて解決かいけつすることにんでいます。契約けいやく業務ぎょうむではAIでの項目こうもく抽出ちゅうしゅつやチェックもしますが、最後さいご判断はんだんについてはひとおこなっています。それでもAIを駆使くしして効率こうりつする方向ほうこうなのは間違まちがいない。人口じんこう減少げんしょうなか銀行ぎんこういんかずっていくから、属人ぞくじんしていると前任ぜんにんしゃがいなくなったときこまります。そこをぎゃくにチャンスととらえて、MNTSQさんのソリューションを使つかい、効率こうりつだけではなくさらに高度こうどしていきたいとおもっています。

板谷いたや 契約けいやく業務ぎょうむかんするMUFGさんの知見ちけんとAIを融合ゆうごうさせると非常ひじょうたか効果こうかすことができるとかんがえています。たとえば最終さいしゅうばん契約けいやくしょのデータだけでなく、そこにいた交渉こうしょう経緯けいいのデータやむずかしい事例じれいにどう対応たいおうしてきたのかという履歴りれきにはMUFGさんのノウハウがまっています。MUFGさんはかなり先進せんしんてき事例じれいで、それらのデータをMNTSQのソリューション導入どうにゅう一元化いちげんかしました。今後こんごさらに生成せいせいAIをわせ、データにもとづいた交渉こうしょう戦略せんりゃくをAIが提案ていあんする世界せかいかんつくっていけたらとかんがえています。

山田 典佑  氏

株式会社かぶしきがいしゃ三菱みつびしUFJ銀行ぎんこう
デジタル戦略せんりゃく統括とうかつ
コンサルティンググループ 次長じちょう

山田やまだ のりたすく

契約けいやく業務ぎょうむDXがすすむと
なにができるのか

島野しまの 契約けいやく業務ぎょうむは、条文じょうぶん交渉こうしょう準備じゅんびからはじまり、締結ていけつ保存ほぞん管理かんりといったおも工程こうていがあります。かみ電子でんし両方りょうほう保存ほぞんするだけでも大変たいへんで、管理かんりのフェーズにはいると期限切きげんぎれなどのチェックが必要ひつようほう改正かいせいがあったときなど、一斉いっせい過去かこ全部ぜんぶ契約けいやくをチェックすることもあります。かみだったら途方とほうもない作業さぎょうですが、契約けいやく内容ないようまでデータできれば一瞬いっしゅん検索けんさくできます。準備じゅんび保存ほぞん管理かんりとフェーズごとの業務ぎょうむ全部ぜんぶDXできれば相当そうとうたすかる。MNTSQならいつでも瞬時しゅんじこたえがかえってきますからね。ほう制度せいどがひとつわるだけで、すうひゃくまんけん契約けいやく見返みかえさなければいけないからDXの恩恵おんけいはかれないです。また、契約けいやくしょなかにはリスクがたかいものとひくいものがありますが、素人しろうとても、そこにひそむリスクはわかりません。いずれは契約けいやくしょのリスクのスコアリングができればいいとおもいます。

板谷いたや 契約けいやくは、銀行ぎんこう長年ながねん蓄積ちくせきしてきた与信よしん管理かんり戦略せんりゃく英知えいち結集けっしゅうです。たとえば、「一定いってい以上いじょう特別とくべつ損失そんしつ計上けいじょうした場合ばあい返金へんきんする」という条項じょうこうがあれば、それをベースに交渉こうしょうができますが、条項じょうこうがないと貸金かしきんかえせないリスクがしょうじる。MUFGさんの与信よしん管理かんり契約けいやく交渉こうしょう戦略せんりゃくをデータベースすれば、与信よしん管理かんり技術ぎじゅつ一般いっぱんできるとおもいます。また、借入かりいれじん契約けいやくデータを分析ぶんせきすることで、借入かりいれじんから自己じこ申告しんこくされる財務ざいむ状況じょうきょう判断はんだんするしかない状況じょうきょうから、もっと主体しゅたいてき事業じぎょうリスクを予測よそくできるようになり、銀行ぎんこう借入かりいれじんのコミュニケーションをより円滑えんかつにしていけるかもしれないとおもっています。

山田やまだ 契約けいやく素人しろうとである事業じぎょう担当たんとうしゃでは、論点ろんてんがわからずリスクをかかえてしまうこともおおくあります。生成せいせいAIを使つかって事前じぜん論点ろんてんせれば、銀行ぎんこう全体ぜんたい契約けいやくしょしつがっていくはず。法務ほうむがわ雑多ざった作業さぎょうから解放かいほうされ、当行とうこう法務ほうむのポリシーをしっかりむことに時間じかん使つかえるようになるのではないかとおもいます。

板谷 隆平 氏

MNTSQ株式会社かぶしきがいしゃ
代表だいひょう取締役とりしまりやく 弁護士べんごし

板谷いたや 隆平りゅうへい

すべての契約けいやくがフェアになる
社会しゃかいインフラを目指めざ

山田やまだ 最近さいきん契約けいやくしょ作成さくせいにChatGPTを使つかひともいるかもしれませんが、「ChatGPTに相談そうだんをしました」とわれるとやはり疑問符ぎもんふがつきます。しかし、きちんと法律ほうりつ文書ぶんしょ学習がくしゅうした生成せいせいAIならば信頼しんらいできます。専門せんもんてき知見ちけんってつくられたMNTSQは我々われわれにとってメリットしかない。今後こんご期待きたいめてたよらせていただきたいなとおもっています。

島野しまの 中期ちゅうき経営けいえい計画けいかくでも戦略せんりゃくはしらはAI。あらゆるめんでいかにAIを駆使くししていくかがきもになるでしょう。今後こんごはより高度こうどされていくとおもいますし、コモディティすすんでChatGPT以外いがいにも様々さまざま生成せいせいAIがてきているなかで、いかに独自どくじのデータをんだAIを活用かつようするかが競争きょうそうりょく強化きょうかかぎだとおもいます。銀行ぎんこう最終さいしゅう契約けいやくしょいた交渉こうしょう過程かていなど、我々われわれ独自どくじのノウハウを生成せいせいAIにれていきたい。法律ほうりつのプロがゆうする素晴すばらしいロジックと銀行ぎんこう独自どくじのノウハウをわせたかたち絶対ぜったい競争きょうそうりょく強化きょうか要因よういんになる。MNTSQさんと一緒いっしょにそこを目指めざしていきたいです。

板谷いたや 我々われわれは、契約けいやくという独自どくじ文法ぶんぽうったデータをもっとこう品質ひんしつで、もっともミスなく生成せいせいできるAIを目指めざしています。長島ながしま大野おおの常松つねまつ法律ほうりつ事務所じむしょ提携ていけいし、きたかれた最高さいこうのAIをMUFGさんのような最高さいこうのプラクティスのデータとわせることで、はじめてテクノロジーが契約けいやくしょ時代じだいる。本来ほんらいあるべきフェアな合意ごういをAIでつくれる時代じだいです。また、契約けいやく管理かんりできないと自分じぶんたちの権利けんり義務ぎむがわからない状態じょうたいになり、このガバナンス・コンプライアンスの時代じだいではおおきな課題かだいといえるでしょう。さらに消費しょうひしゃからするとしょうむずかしい専門せんもん知識ちしきがなくても、搾取さくしゅされずにだれもが協力きょうりょく関係かんけいむすべる。そんな社会しゃかい理想りそうだとおもうので、そういうすべての合意ごうい契約けいやくがフェアになるようなアルゴリズム、社会しゃかいのインフラをつくることを目指めざしていきます。

板谷氏、山田氏、島野氏 板谷氏、山田氏、島野氏

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