ハンドルを握り、アクセルを踏み込むと実際のようなカーレースが疑似体験できる「eモータースポーツ」のイベントが三重県鈴鹿市役所で16、17日に催される。昨年に続く開催で国内最大級の規模。市は「モータースポーツのまちとして新たな魅力を発信した…
ハンドルを握り、アクセルを踏み込むと実際のようなカーレースが疑似体験できる「eモータースポーツ」のイベントが三重県鈴鹿市役所で16、17日に催される。昨年に続く開催で国内最大級の規模。市は「モータースポーツのまちとして新たな魅力を発信したい」と鼻息が荒い。
国内13社の様々なレーシングシミュレーター(SIM)が四十数台、市役所ロビーや2階に並ぶ予定。レース場の運転席から見える映像が目の前に現れ、加速、減速、コーナーを曲がる際の衝撃がハンドルや座席から伝わる。設定された天気や気温でタイヤからの感触が微妙に変わる。
現実と仮想の境界をなくしたいと各社がコンピューターを駆使してしのぎを削る。インターネットを介し世界中の人と対戦できる。プロ選手がSIMを練習に使う一方、SIMで鍛えて現実のプロになった選手もいるほど臨場感がある。
イベントは、ペダルに足が届けばだれでも無料で体験搭乗できる。初心者には担当者が助言してくれる。鈴鹿サーキットを想定したレースもあり参加者同士でタイムを競う。プロに転身した選手らのトークショーもある。
選手のサイン入りレースプログラムや1970~80年代のステッカーなどのチャリティー販売もある(17日のみ)。
「モータースポーツ都市宣言」を2004年にした鈴鹿市と鈴鹿モータースポーツ友の会、市観光協会の主催。新たなモータースポーツファンを獲得し、ファン同士の交流機会を設けようと企画した。昨年の開催時はSIMは27台用意したが、協力事業者が増え今年は規模が大きくなった。
コンピューターゲームであるeスポーツは新時代のスポーツとして世界各地に広がるとともに、eモータースポーツも市場規模が拡大している。
市などでつくる鈴鹿F1日本グランプリ(GP)地域活性化協議会はGPが開催された9月、トークイベントでレーサーにSIMに乗ってもらった。スクリーンに映像が映し出されるとファンは大喜びだった。
今回のイベントでさらなる盛り上がりを期待する末松則子市長は「これだけ多くのSIMが一堂に会し、だれもが体験できる機会は全国でも珍しい。市最大の地域資源のモータースポーツの魅力を知ってほしい」と話す。市を訪れる人が増えれば経済効果も上がるだけに、今後も現実と仮想のモータースポーツで市を宣伝したいという。
イベントは16日は午前10時~午後6時、17日は午後1時~5時。問い合わせは市商業観光政策課(059・382・9020)へ。(高田誠)