出産しゅっさん、離婚りこん…ライフスタイルの変化へんかも怖こわくない！共働ともばたらき夫婦ふうふに聞きく、堅実けんじつタワマン購入こうにゅう術じゅつ

都市としの発展はってんを目まの当あたりにしながら暮くらすおもしろさ

写真しゃしん／PIXTA

「私わたしの場合ばあい、タワーマンションに住すむ動機どうきがまずあって、それにプラスして資産しさん価値かちを判断はんだんしました」。そう語かたるのは、森もり由香里ゆかりさん(仮名かめい)。都内とないの大手おおて人材じんざい情報じょうほう企業きぎょうに在籍ざいせきしています。

今いまから15年ねんほど前まえ、結婚けっこんした当時とうじに住すんでいたのは浦和うらわ市し(埼玉さいたま県けん)のマンション。勤務きんむ先さきは新橋しんばし近辺きんぺんでしたから、通勤つうきんには1時じ間あいだ弱じゃくかかりました。

「ちょうどその頃ころ、汐留しおどめにタワーマンションが続々ぞくぞく新築しんちくされ、話題わだいになっていました。汐留しおどめなら勤務きんむ先さきまで歩あるいていけるほど近ちかいし、築地つきじや銀座ぎんざまでもすぐ。若わかいうちに、いっときでも都市としのど真まん中なかに住すんだら刺激しげき的てきでは、と考かんがえたんです」(森もりさん)

生命せいめい保険ほけん会社かいしゃで証券しょうけんアナリストをしていた当時とうじの夫おっとも、資産しさんとしての価値かちを評価ひょうかしました。「この立地りっち、仕様しようなら、絶対ぜったいに価格かかくは下さがらない、売うるときも有利ゆうり」。

夫婦ふうふの世帯せたい年収ねんしゅうは1000万まん円えん台だい後半こうはん。当時とうじ注目ちゅうもくされていた汐留しおどめのタワーマンションを8000万まん円えんほどで購入こうにゅう。面積めんせきは約やく82平米へいべいで、以前いぜん住すんでいたマンションよりも、10平米へいべいほど広ひろくなりました。住すんで得えた大おおきなメリットは通勤つうきんが楽らくになったこと。「仕事しごとはかなりハードでしたから、通勤つうきんの負担ふたんが減へったのは非常ひじょうに助たすかりました。警備けいびなどのセキュリティがしっかりしていて、帰宅きたくが遅おそくなっても安心あんしんなことも良よい点てんですね」。

生活せいかつ面めんでは、予想よそうした通とおり、再さい開発かいはつで発展はってんしていく町まちを目まの当あたりにするおもしろさがありました。駐車ちゅうしゃ場代ばだいがかなり高たかい(4万まん5000円えん/月つき)こともあり、車くるまを売うり、代かわりに夫婦ふうふで自転車じてんしゃを購入こうにゅう、休日きゅうじつは自転車じてんしゃで東京とうきょうを巡めぐりました。「六本木ろっぽんぎ、広尾ひろおあたりまで行いっておいしいお店みせで食事しょくじしたり……。もちろん銀座ぎんざでショッピング、築地つきじでお寿司すしを食たべるといったことも気軽きがるにできました」。

夫婦ふうふでフルに働はたらき、二人ふたりで生活せいかつを楽たのしむ。タワーマンションはそのためのベースとしての役割やくわりを果はたしてくれたようです。

写真しゃしん／PIXTA

反面はんめん、感かんじたのはいわゆる“生活せいかつ実感じっかん”のなさ。

「角かく部屋へやでしたが、窓まどははめ殺ごろしで開閉かいへいできません。洗濯せんたく物ぶつは外そとに干ほせず、季き節ぶしを感かんじることもあまりありません。キッチンは100%電磁でんじ調理ちょうり器きでした。ただ、こうした実感じっかんの部分ぶぶんは個人こじんの好このみにもよると思おもいます」。

憧あこがれの設備せつびであったはずのフィットネスジム、パーティールームなどの共有きょうゆう設備せつびもほとんど利用りようしないままでした。
「パーティールームは20~30人にんと大だい人数にんずうを呼よぶならよいけれど、10人にん程度ていどならば、部屋へやに呼よべばすむことですから」。
入居にゅうきょ者しゃとの人間にんげん関係かんけいもほとんどありません。必要ひつようなことはコンシェルジェに伝つたえればすみ、入居にゅうきょ者しゃと顔かおを合あわせる機会きかいも少すくないからです。

「職場しょくばが近ちかい分ぶん、帰宅きたく時間じかんを気きにせず仕事しごとをしてしまった。そういうところからすれ違ちがいが生うまれてしまったのかもしれません。どこか、地ちに足あしがついていなかったかもしれませんね」。森もりさんのそんな言葉ことばが印象いんしょう的てきでした。

子供こどもの誕生たんじょうに伴ともない、間取まどりに不満ふまん。タワーマンションへ

夫婦ふうふ二に人にんでリビングでくつろげる。家具かぐは少すこしずつ選えらんでいる（写真しゃしん撮影さつえい／片山かたやま貴博たかひろ）

一方いっぽう、都心としんの勝かちどき(中央ちゅうおう区く)に中古ちゅうこのタワーマンションを購入こうにゅうしたばかりなのが、30代だいの浅井あさい涼介りょうすけさん・佳奈子かなこさん(仮名かめい)ご夫妻ふさい。涼介りょうすけさんはコンサルティングファーム、佳奈子かなこさんはメーカーの人事じんじ部門ぶもんに勤務きんむする共働ともばたらき夫婦ふうふです。

お二に人にんが購入こうにゅうを決きめた大おおきなきっかけは、2015年ねんに娘むすめさんが生うまれたこと。以前いぜんの住居じゅうきょも勝かちどきのマンションで満足まんぞくしていましたが、娘むすめさんが成長せいちょうするにつれ、手狭てぜま(2LDK、58平米へいべい)に感かんじるようになりました。

最もっとも大おおきかったのは間取まどりへの不満ふまんです。「以前いぜんの住居じゅうきょは、リビングを中心ちゅうしんに他たの部屋へやを配置はいちするタイプ。ところがどの部屋へやもリビングを通過つうかするような動どう線せん設計せっけいであるだけに、子こどもが成長せいちょうするにつれ、散ちらかりやすい、夫婦ふうふで静しずかな時間じかんを過すごす空間くうかんがなくなる、オンとオフの切きり替かえがむずかしい、といったことが起おこり、ストレスが溜たまりました。それで引越ひっこそうということに」(佳奈子かなこさん)。
佳奈子かなこさんは広ひろさを重視じゅうし、都心としんから離はなれた一戸建いっこだてもありと考かんがえましたが、涼介りょうすけさんは独身どくしん時代じだいに世田谷せたがや区くに住すんだ経験けいけんから、通勤つうきんの負担ふたんを避さけたいという思おもいが強つよく、結局けっきょく、住すみ慣なれた勝かちどきエリアで物件ぶっけんを探さがしました。

マンション購入こうにゅうに当あたっては、他たのタワーマンションも含ふくめ、複数ふくすう物件ぶっけんを比較ひかく検討けんとう。その中なかで、現在げんざいの勝かちどき駅えきから徒歩とほ5分ふんほどのタワーマンションを選えらびました。

「理由りゆうは、各かく部屋へやの独立どくりつ性せいが高たかい間あいだ取とり、リビングが長方形ちょうほうけいで使つかいやすいこと、十分じゅうぶんな広ひろさがあり、価格かかく的てきには新築しんちくと比較ひかくしてもリーズナブルであることです」(涼介りょうすけさん)。

間取まどりではリビングと分わけて、子こども部屋べやや書斎しょさいを確保かくほしたいと考かんがえました。面積めんせきは88平米へいべいで以前いぜんの約やく1.5倍ばい、それでいて価格かかくは坪つぼ単価たんかで300万まん円えん以下いかでした。地価ちかが高騰こうとうしている勝かちどきエリアでは、坪つぼ単価たんか350万まん円えんを超こえるタワーマンションも珍めずらしくありません。

42Fフロアからの夜景やけい（写真しゃしん撮影さつえい／片山かたやま貴博たかひろ）

住すみ心地ごこちには大変たいへん満足まんぞくしています。　
「浜離宮はまりきゅうまで見渡みわたせる眺望ちょうぼうは素晴すばらしく、私わたしは大好だいすきです。何なにより二人ふたりの落おち着ついた時間じかんを確保かくほでき、精神せいしん衛生えいせい上じょうとても良よかったと思おもいます。家いえで過すごすことが心地ここち良よくなったせいか、週末しゅうまつに出歩であるくことが減へりました」(佳奈子かなこさん)。

共用きょうよう施設しせつの利用りようはまだこれからですが、「運動うんどう不足ふそく解消かいしょうのためにフィットネスジムやプールは利用りようしたいですね。宿泊しゅくはく施設しせつやパーティールームもあるので、友人ゆうじんや家族かぞくを呼よぶ機会きかいも作つくれれば、と思おもいます。これは大だい規模きぼマンションならではのメリットでしょう」(涼介りょうすけさん)。

森もりさん同様どうよう、タワーマンションでの人間にんげん関係かんけいはほぼ皆無かいむですが、むしろ肯定こうてい的てきに感かんじています。

「実じつは個人こじん的てきにタワーマンションに持もっていたネガティブ・イメージは、入居にゅうきょ者しゃ数すうが多おおいために朝あさの出勤しゅっきん時間じかん帯たいなどにエレベーターが混雑こんざつするのではないか、多おおくの人ひとに挨拶あいさつしなくてはならなくてわずらしいのではないか、というものでした。ところが、実際じっさいはそんなことはまったくなかったですね。本当ほんとうにそんなにたくさんの人ひとがいるのかな、と思おもうくらい人ひとに会あわないので、ネガティブなイメージは払拭ふっしょくされました」(涼介りょうすけさん)

宅配たくはい便びんの手配てはいや相談そうだん事ごとは、コンシェルジェが担当たんとうするので楽らく。コンシェルジェにはこれからも頼たよることが多おおくなりそうだとのことでした。

次つぎの人生じんせいへのステップとしてのタワーマンション

前出ぜんしゅつの森もりさんはその後ご、離婚りこん。タワーマンションを売うり、今いまは再婚さいこんして夫婦ふうふ二に人にんで、戸数こすう10数すう戸このマンション(64平米へいべい)にお住すまいです。

写真しゃしん／PIXTA

「タワーマンションは購入こうにゅう価格かかくの10%増ましで売うれました。売却ばいきゃくの手数料てすうりょうや諸しょ費用ひようを考かんがえても、ほとんど持もち出だしなしで2年間ねんかんタワーマンションに住すめたことになります。そう考かんがえるとタワーマンションは、賃貸ちんたいより購入こうにゅうの方ほうが得とくかもしれません。私わたしは安心あんしんして仕事しごとに打うち込こみ、生活せいかつも楽たのしみましたから、買かって良よかったと思おもいます。逆ぎゃくに言いえば、タワーマンションは2年ねん住すめば私わたしにとっては十分じゅうぶんとも感かんじました」(森もりさん)。

もともと終おわりの住処すみかと考かんがえてはいないので、利点りてんを活いかして数すう年ねん生活せいかつし、売却ばいきゃくすれば元もとは取とれるというわけです。

浅井あさいさんご夫妻ふさいも、タワーマンションを終おわりの住処すみかとは考かんがえていません。

「現状げんじょうで、不満ふまんな点てんはまったくありません。通勤つうきん、育児いくじなどのストレスが減へり、自分じぶんの時間じかんをきちんと確保かくほできるようになったことはとても良よかったですね。いろいろなメリットを考かんがえると、タワーマンションのコストパフォーマンスは優すぐれていると思おもいます。今後こんご5年ねんくらいは住すみ、その先さきはこれから考かんがえようと思おもっています」(涼介りょうすけさん)。

こうしてみると、30代だいから40代だいくらいの購入こうにゅう者しゃ、特とくに共働ともばたらき夫婦ふうふにとって、タワーマンションはより長ながく快適かいてきな時間じかんを得えられる空間くうかんであり、仕事しごとに打うち込こむうえでの基点きてんとしても有効ゆうこうといえそうです。両りょう夫婦ふうふともに、タワマンを住すみ替かえ前提ぜんていで「資産しさん」と捉とらえていたのも印象いんしょう的てきでした。エリアや坪つぼ単価たんかをよく調しらべ、資産しさん価値かちが下落げらくしないタワーマンションを購入こうにゅうするのが損そんをしないコツと言いえそうです。