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一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始! 44時間30分で施工、シニアに大人気の理由は? 50平米1LDK・二人世帯向け「serendix50」 | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト
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画像:倉畑桐子さま
くらはた 桐子きりこ
2023ねん9がつ14にち (木)もく

一般いっぱんけ3Dプリンター住宅じゅうたくみずまわ完備かんび550まんえん販売はんばい開始かいし! 44あいだ30ふん施工しこう、シニアに大人気だいにんき理由りゆうは? 50平米へいべい1LDK・二人ふたり世帯せたいけ「serendix50」

一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始! 48時間で施工、シニアに大人気の理由は? 50平米1LDK・二人世帯向け「serendix50」
写真しゃしん提供ていきょう/セレンディクス)
球体きゅうたいの3Dプリンター住宅じゅうたく「serendix10(スフィアモデル)」が話題わだいになっているセレンディクスしゃ兵庫ひょうごけん西宮にしのみや)が、ついに夫婦ふうふ一般いっぱん住宅じゅうたくとなる3Dプリンター住宅じゅうたく「serendix50」・開発かいはつコード「フジツボモデル」を完成かんせいさせた。2023ねん8がつまつから6むね限定げんてい販売はんばい開始かいししている。つい先日せんじつ商用しょうよう日本にっぽんだいいちごう完成かんせいをおつたえしたばかりだが、いよいよ、3Dプリンターのいえめる時代じだい現実げんじつのものになりつつある。今回こんかいは、セレンディクス 代表だいひょう取締役とりしまりやく小間こま裕康ひろやすさんのインタビューにくわえ、「serendix50」がつくられた愛知あいちけん小牧おまきにある住宅じゅうたく施工しこう会社かいしゃひゃくねん住宅じゅうたく小牧おまき工場こうじょう」の現場げんばから、現物げんぶつをレポートする。

かべを3Dプリンターで「印刷いんさつ」してできがる一般いっぱん住宅じゅうたく「serendix50」!

(写真提供/セレンディクス)

写真しゃしん提供ていきょう/セレンディクス)

SUUMOジャーナルが、「いえは24あいだつくる」をキャッチフレーズとするセレンディクスしゃの3Dプリンター住宅じゅうたく紹介しょうかいするのは、今回こんかいで3かい既出きしゅつモデルの「serendix10(スフィアモデル)」(ゆか面積めんせき10平米へいべい価格かかく330まんえん)は、3Dプリンターで出力しゅつりょくした場合ばあい最適さいてきかたち導入どうにゅうすることで、施工しこう時間じかんけい24時間じかん以内いない実現じつげん。さらに、コンクリート単一たんいつ素材そざい利用りようすることで、資材しざいのコストががり、作業さぎょうは3Dプリンターが自動じどうおこなうため人件じんけんもかからないというメリットもある。「serendix10」は国内外こくないがいからおおきな反響はんきょうがあり、販売はんばいされたうちの1むね現在げんざい長野ながのけんにある整骨せいこついんのプライベートサロンとして利用りよう予定よていされている。

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長野ながのけんにある整骨せいこついんのプライベートサロンはこちらで紹介しょうかい

セレンディクスしゃはデジタルデータをつくる会社かいしゃ。3Dプリンター住宅じゅうたく建築けんちく手順てじゅんは、まず設計せっけいデータをつくり、最先端さいせんたんのロボット工学こうがく駆使くしした3Dプリンターにデータを送信そうしん提携ていけいする工場こうじょうにある3Dプリンターで出力しゅつりょく抽出ちゅうしゅつ)したモルタルの4つのパーツを乾燥かんそうさせて、プレキャスト素材そざいとして輸送ゆそうし、現場げんばてて施工しこうする、というながれだ。
「serendix10(スフィアモデル)」では開発かいはつ普及ふきゅうのスピードをはやめるため、ヨーロッパ、中国ちゅうごく韓国かんこく日本にっぽん、カナダの3Dプリンターメーカー5しゃにそれぞれ出力しゅつりょく依頼いらいし、日本にっぽん移送いそうするスタイルを採用さいよう。5カ国かこくどういちデータでの同時どうじ出力しゅつりょく世界せかいはじめて成功せいこうしたことも話題わだいになった。

3Dプリンターでモルタルを抽出して積層し、壁を「印刷」していく(写真撮影/本美安浩)

3Dプリンターでモルタルを抽出ちゅうしゅつして積層せきそうし、かべを「印刷いんさつ」していく(写真しゃしん撮影さつえいもとよし安浩やすひろ

今回こんかい、「serendix50」のモデルハウスが完成かんせいしたのは、愛知あいちけん小牧おまきにある住宅じゅうたく施工しこう会社かいしゃひゃくねん住宅じゅうたく工場こうじょう敷地しきちない全国ぜんこくやく213しゃ(8がつまつ時点じてん)あるセレンディクスしゃ協力きょうりょく会社かいしゃの1しゃだ。

ハウスメーカー「百年住宅」工場敷地内に完成した「serendix50」。リビング、寝室、水回りに分かれた50平米の室内に入ってみると、コンパクトながらホテルのスイートルーム並みの十分な広さに感じられた(写真提供/セレンディクス)

ハウスメーカー「ひゃくねん住宅じゅうたく工場こうじょう敷地しきちない完成かんせいした「serendix50」。リビング、寝室しんしつみずまわりにかれた50平米へいべい室内しつないはいってみると、コンパクトながらホテルのスイートルームみの十分じゅうぶんひろさにかんじられた(写真しゃしん提供ていきょう/セレンディクス)

この「serendix50」は、3Dプリント技術ぎじゅつ第一人者だいいちにんしゃである慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく環境かんきょう情報じょうほう学部がくぶ田中たなかひろし教授きょうじゅひきいる慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがくKGRIかんデザイン&デジタルマニュファクチャリング創造そうぞうセンターとの共同きょうどうプロジェクト。

用途ようとがグランピング施設しせつなどにかぎられていた「serendix10」にたいして、「serendix50」は一般いっぱん住宅じゅうたく仕様しよう。キッチン、バス、トイレといったみずまわ設備せつび完備かんびした鉄骨てっこつづくりの50平米へいべいの1LDKで、価格かかくは550まんえん平屋ひらや完成かんせいまでにかかった施工しこう時間じかんは44あいだ30ふん

現在げんざい複数ふくすうだいの3Dプリンターでパーツを出力しゅつりょくし、それらをトラックで施工しこう場所ばしょはこび、現地げんち施工しこう会社かいしゃてるという「セントラルキッチン」のような方法ほうほう採用さいようしている。
この「serendix50」へは、すでに6000けん(8がつまつ時点じてん)のわせがあるそうだ。

壁には9本の鉄骨の柱が等間隔に入っている。今後は、「百年住宅」をはじめとする協力会社で「印刷」したパーツを、施工場所に運んで組み立てる(写真撮影/本美安浩)

かべには9ほん鉄骨てっこつはしら等間隔とうかんかくはいっている。今後こんごは、「ひゃくねん住宅じゅうたく」をはじめとする協力きょうりょく会社かいしゃで「印刷いんさつ」したパーツを、施工しこう場所ばしょはこんでてる(写真しゃしん撮影さつえいもとよし安浩やすひろ

一般いっぱん住宅じゅうたくけ3Dプリンターのいえ「serendix50」の断熱だんねつ性能せいのうは、日本にっぽん国内こくないよりきびしいヨーロッパの住宅じゅうたく基準きじゅんをクリアした断熱だんねつ性能せいのう

グランピングなどのレジャーや、趣味しゅみのスペースなどに使つかうことを想定そうていされた「serendix10」にたいして、一般いっぱん住宅じゅうたくとしての用途ようと想定そうていした「serendix50」は、追求ついきゅうされる内容ないようわる。

セレンディクス 代表だいひょう取締役とりしまりやく小間こま裕康ひろやすさんによると、より居住きょじゅうせい定住ていじゅうせい重視じゅうししたという。
まず、鉄骨てっこつコンクリートづくりであることはぜんモデルとのおおきなちがいだ。

セレンディクス 代表取締役の小間裕康さん(写真提供/セレンディクス)

セレンディクス 代表だいひょう取締役とりしまりやく小間こま裕康ひろやすさん(写真しゃしん提供ていきょう/セレンディクス)

以前いぜんの『serendix10』はコンクリートのあいだ鉄筋てっきんはさむRCみやつこでしたが、今回こんかいの『serendix50』は鉄骨てっこつはしられた鉄骨てっこつコンクリートづくりです。コンクリート単一たんいつ素材そざい現在げんざい建築けんちく基準きじゅんほう準拠じゅんきょし、たか機能きのうせいたせたことはおおきなちがいだといえます。かべあつは30cm以上いじょうで、耐震たいしんめん国内こくない最先端さいせんたん耐震たいしん技術ぎじゅつ採用さいようしています。また、じゅう構造こうぞうになっていて、断熱だんねつ性能せいのうなつふゆ寒暖かんだんはげしいヨーロッパの断熱だんねつ基準きじゅんをクリアし、パートナー企業きぎょうさんととも特許とっきょ出願しゅつがんをしました。

『serendix50』では細部さいぶまで最新さいしん技術ぎじゅつ駆使くしし、ひと快適かいてきむための工夫くふう追求ついきゅうしています。断熱だんねつせいたかいので、猛暑もうしょつづいた愛知あいち県内けんないでも、『serendix50』にはいると、クーラーもないのに空気くうきがヒンヤリとしているのがかんじられます」

耐震たいしん性能せいのうをはじめとする強度きょうど安全あんぜんせいなどにかんしては、これからも実証じっしょう実験じっけんつづけていくという。
わたしたちは兵庫ひょうごけん会社かいしゃで、わたし自身じしん阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい経験けいけんしているだけに、耐震たいしん性能せいのうやセシリティ(定住ていじゅうせい)のテストには万全ばんぜんしています。神戸こうべには耐震たいしんせいをチェックする公的こうてき機関きかんがあるのですが、そこでもじつだい耐震たいしん実験じっけんおこな計画けいかくをしています。

『serendix50』のシミュレーションは、くるま開発かいはつ過程かていちかいものがあります。コンピュータじょうでは基準きじゅん強度きょうどえうるというデータがていても、くるまであれば衝突しょうとつ実験じっけんをしたり、振動しんどうくわえたりしますよね。それが住宅じゅうたくとなると、よりさまざまな環境かんきょうで、ほうに24あいだ365にち安全あんぜんかつ快適かいてきごしていただく必要ひつようがあります。それらを担保たんぽするために、最初さいしょの6むね詳細しょうさいなデータをとることにしています。

一般いっぱん住宅じゅうたくでも、夫婦ふうふにん場合ばあい一人暮ひとりぐらしの場合ばあいとでは、まいかたもとめられる快適かいてきせいいえにいる時間じかんたいちがうでしょうから、データをりながら、それぞれの快適かいてきせい追求ついきゅうしたいとおもいます」

はじめの6むねはエリアや目的もくてきけて販売はんばい

この1年間ねんかん調整ちょうせい期間きかんとして、6むねのみの販売はんばいかずしぼるという。
現在げんざいは、パートナーである協力きょうりょく会社かいしゃさんと開発かいはつした試作しさく位置付いちづけになりますので、先行せんこうする6むねはエリアや目的もくてきけて販売はんばいし、1年間ねんかん実際じっさいにおきゃくさまに使つかっていただきながら実証じっしょう実験じっけんをします。もちろん、シミュレーションじょうのデータでは問題もんだいがないのですが、大量たいりょう出荷しゅっかできるようになるのはもうすこしお時間じかんをいただくとかんがえています。現在げんざいは、おわせをいただいたなかから販売はんばいさき選定せんていしている段階だんかいです。エリアは国内こくないで、協力きょうりょく会社かいしゃさんがある地域ちいき優先ゆうせんしていこうとおもいます。まだ公表こうひょうできないのですが……」と小間こまさん。7がつまつ時点じてんで、すでに1041むねぶん具体ぐたいてき購入こうにゅう希望きぼうしゃがいるというからその注目ちゅうもく度合どあいがわかる。

(写真提供/セレンディクス)

写真しゃしん提供ていきょう/セレンディクス)

課題かだいふたつ、「品質ひんしつ均一きんいつ」と「さまざまな用途ようとへの対応たいおう

目指めざすのは、住宅じゅうたく産業さんぎょう完全かんぜんロボットです。そうかんがえると、現在げんざい我々われわれなかでは2つの課題かだいがあります。1つは、かく施工しこう会社かいしゃさんでの工程こうてい技術ぎじゅつのバラつきをおさえ、品質ひんしつわせなければならないということ。デジタルデータによる3Dプリンター住宅じゅうたくにおいては、データの共有きょうゆうつよみなので、おな品質ひんしつのものを複数ふくすうつくれるかどうかが大切たいせつです。

全国ぜんこく協力きょうりょく会社かいしゃさんがらばっているからこそ、『このエリアでは完全かんぜん施工しこうできるが、このエリアは一部いちぶできない』ということがないよう、エリアをけながら、どこでもおなじように施工しこうできるということを、デジタルデータで事実じじつ確認かくにんし、実証じっしょうしたいとおもいます。また、現場げんば施工しこうかかわる職人しょくにんさんのかずは、専門せんもん分野ぶんやちがいを加味かみしても4にん以下いか目標もくひょうです。いずれにしてもあらたな人員じんいん配備はいびせずに、もとからの現場げんばのリソースをかして、より自動じどうして、3Dプリンター住宅じゅうたくをつくることが重要じゅうようだとおもっています。

2つ課題かだいは、購入こうにゅうされたほうによる用途ようとちがいへの対応たいおうです。それはこの1年間ねんかん、6むね多様たよう使つかかたができることを実証じっしょうするなかで、クリアしていきたいとおもいます。ですから、販売はんばいさき先着せんちゃくじゅんでも関係かんけいさき優先ゆうせんでもなく、我々われわれ想定そうていするエリアと用途ようとほうをピックアップさせていただきました。購入こうにゅうしゃさんや協力きょうりょく会社かいしゃさんからもフィードバックをいただきながら、経過けいかていきたいとおもいます」

全国ぜんこくで213しゃえるという協力きょうりょく会社かいしゃは、オンラインミーティングや施工しこう現場げんばで3Dプリンター住宅じゅうたくづくりをまなぶ。さらに、先行せんこうする6むね施工しこうでは、自社じしゃの1むねまえづくりをつぎの1しゃ見学けんがくてもらうことで、現場げんばでの技術ぎじゅつ研修けんしゅうおこなうそうだ。

デジタルデータをもとにCNCカッターで切り出した屋根部分のパーツ。44時間30分の施工を24時間に短縮してより高機能にアップデートするため、施工に時間がかかっている屋根部分を取り外して改良中(写真撮影/本美安浩)

デジタルデータをもとにCNCカッターでした屋根やね部分ぶぶんのパーツ。44あいだ30ぶん施工しこうを24あいだ短縮たんしゅくしてより高機能こうきのうにアップデートするため、施工しこう時間じかんがかかっている屋根やね部分ぶぶんはずして改良かいりょうちゅう写真しゃしん撮影さつえいもとよし安浩やすひろ

鉄骨コンクリート造の「serendix50」だが、屋根のみ今回は木造。デジタル+新しいデジタルファブリケーションを実現している(写真提供/セレンディクス)

鉄骨てっこつコンクリートづくりの「serendix50」だが、屋根やねのみ今回こんかい木造もくぞう。デジタル+あたらしいデジタルファブリケーションを実現じつげんしている(写真しゃしん提供ていきょう/セレンディクス)

住宅じゅうたくの“オートクチュール信仰しんこう”にいちせきとうじる

現場げんばでセレンディクスしゃCOOの飯田いいだ國大こくだいさんにもはなしいた。「serendix50」で、住宅じゅうたく産業さんぎょう革命かくめいこしたいとかんがえている飯田いいださんは、いくつかの問題もんだい提起ていきする。

「かつてはオートクチュールだった自動車じどうしゃも、1980年代ねんだいにロボットはじまり、おおくのひとにとってとど価格かかくになりました。住宅じゅうたく産業さんぎょうにおいても、3Dプリンターはまさにそのはじまりているのではないかとおもいます。まず価格かかくめんで、平均へいきん73さいまで返済へんさいつづくような日本にっぽん住宅じゅうたくローンを見直みなおしたい。国内こくないでは4わりひと住宅じゅうたくっていないというデータがありますが、くるま値段ねだんいえ自動車じどうしゃのように、のぞめばだれでもいえてるなかにしたいとおもいます。

セレンディクス社COOの飯田國大さんは、「自動車産業のように住宅産業も完全ロボット化して、住宅を提供したい」と話す(写真撮影/本美安浩)

セレンディクスしゃCOOの飯田いいだ國大こくだいさんは、「自動車じどうしゃ産業さんぎょうのように住宅じゅうたく産業さんぎょう完全かんぜんロボットして、住宅じゅうたく提供ていきょうしたい」とはなす(写真しゃしん撮影さつえいもとよし安浩やすひろ

また、現代げんだいづくりでは、施主せしゅさんが間取まどりをかんがえ、素材そざいから外装がいそうまでひとつずつめることができます。でもたしてこれが住宅じゅうたくにおいて、本当ほんとういことばかりなのでしょうか。プロが一生懸命いっしょうけんめい研究けんきゅう開発かいはつをして、これが完璧かんぺきだとおもった間取まどりをつくっても、カスタマイズできるとると、施主せしゅさんはカスタマイズされます。ですが、住宅じゅうたくせんもんのメーカーが快適かいてきせい安全あんぜんせいなんじゅうねん追求ついきゅうしたいえと、施主せしゅさんが短期間たんきかんかんがえたいえとでは、ノウハウのちがいがてしまうかもしれません。

また、日本にっぽん木造もくぞう住宅じゅうたくは、ぬし退去たいきょすると、いったん更地さらちにしてあたらしいいえてますが、海外かいがいではセカンドハンド(中古ちゅうこ)の概念がいねん浸透しんとうし、物件ぶっけんをリフォームしながらつないでいくのが普通ふつうです。現在げんざい国内こくないでは建築けんちく資材しざい価格かかく高騰こうとうし、こうまりしています。それなのにてて20ねんつと、建物たてもの価値かちは0にちかくなってしまう。建物たてものにおいて、日本にっぽん海外かいがいとで資産しさんせいがあります。こういった問題もんだいかんがみて、『serendix50』のように、プロが企画きかくした品質ひんしつ建物たてものを、スピーディーにてい価格かかく提供ていきょうして、おきゃくさまの選択肢せんたくしやすべきではないかとかんがえたのです」

汎用性を考慮し、窓やドアは特別なものではなく、あえて「リクシル」で統一。外壁の塗料は1度塗りでOKの新開発「アミコート」。住む人が自由に色付けできるよう、最初の塗装を白にしている(写真撮影/本美安浩)

汎用はんようせい考慮こうりょし、まどやドアは特別とくべつなものではなく、あえて「リクシル」で統一とういつ外壁がいへき塗料とりょうは1りでOKのしん開発かいはつ「アミコート」。ひと自由じゆう色付いろづけできるよう、最初さいしょ塗装とそうしろにしている(写真しゃしん撮影さつえいもとよし安浩やすひろ

自動車じどうしゃおなじように、カスタムやオートクチュールをのぞひとはその商品しょうひんえらべばいい。ただ一方いっぽうで、とどきやすい価格かかく量産りょうさんされた商品しょうひんのぞひとにも選択肢せんたくし提示ていじしたいと、飯田いいださんは展望てんぼうかたる。

また、まった素材そざいまったぶんだけ使用しようする「serendix50」の場合ばあい建築けんちく資材しざい納期のうきおくれや大幅おおはば価格かかく高騰こうとうという問題もんだいこりにくく、一定いってい工期こうき価格かかくいえてることがかなう。これは結果けっかてきに、住宅じゅうたく資産しさんせい市場いちば価値かち向上こうじょうにつながるのではないかとかんがえているそうだ。

だい2の人生じんせいでのまいに期待きたい、シニアそうからわせが多数たすう

「serendix50」は、どんなそう支持しじされているのだろうか。小間こまさんにたずねると「60さい以上いじょうほうからのおわせがおおい」といい、これはぜんモデルのときからつづ傾向けいこうだという。

「60さい以上いじょうになると、一生いっしょうむつもりの賃貸ちんたい住宅じゅうたく契約けいやく更新こうしんできなくなったり、あらたな賃貸ちんたい契約けいやくをしてもらえなかったりという問題もんだいにぶつかることがあるのが現状げんじょうです。また、いえでも『ちく30ねんえたので夫婦ふうふ2にんようにリフォームしよう』とかんがえたところ、1000まんえんちかくかかる、というおおくのわせもあります。そんなときも『serendix50』なら、自動車じどうしゃうくらいの価格かかくで、最新さいしん技術ぎじゅつ駆使くししたみやすい間取まどりの新築しんちく戸建こだてはいります。それに、リタイアは『自然しぜんゆたかな地域ちいきみたい』というひとおおいとおもいますが、えるにも条件じょうけんのいい中古ちゅうこ物件ぶっけんつからない……というケースがおおいのです」

シニアの購入こうにゅう希望きぼうしゃなかには、「時間じかんかるのは理解りかいしているから」と、気長きなが順番じゅんばんっているひとも。「serendix50」は、しん生活せいかつたのしみのひとつとしてとらえられているのだ。

従来の工法ではコストがかかる曲線構造に対応できるのも、材料を積み重ねて建設する3Dプリンターの得意なところ。ふっくらした見た目だが、触るとかなり重厚感がある(写真撮影/本美安浩)

従来じゅうらい工法こうほうではコストがかかる曲線きょくせん構造こうぞう対応たいおうできるのも、材料ざいりょうかさねて建設けんせつする3Dプリンターの得意とくいなところ。ふっくらしただが、さわるとかなり重厚じゅうこうかんがある(写真しゃしん撮影さつえいもとよし安浩やすひろ

「ゴールは3Dプリンターでいえをつくることではなく、世界せかい最先端さいせんたんいえ人類じんるいゆたかにすること」という目的もくてきかかげている同社どうしゃ常識じょうしきに捉われないかんがかた住宅じゅうたく業界ぎょうかいいちせきとうじ、若年じゃくねんそうからシニア世帯せたいまでのマイホームのゆめかなえるための探求たんきゅうつづく。「serendix50」の大量たいりょう生産せいさん可能かのうになるまで未来みらいの「3Dプリンターのいえ」が、おおくのひと選択肢せんたくしならどおしい。

老後ろうごたくわえをくずしながらリフォームしたり、「夫婦ふうふ2にんだけだから」とらない中古ちゅうこ物件ぶっけんえたりすることと、ゆとりをのこして「3Dプリンターでつくった未来みらいいえむ」というチャレンジをくらべると、そのおおきい。必要ひつようせまられてづくりをいそ子育こそだ世帯せたいよりも、ワクワクするだい2の人生じんせいおもえがくシニア世帯せたいからいがおおいというのも納得なっとくできる。
世帯せたい構成こうせいやエリアなどをけた6むね購入こうにゅうしゃの、1ねん感想かんそうたのしみだ。

取材しゅざい協力きょうりょく
セレンディクス
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になる 小屋こや・タイニーハウス 最近さいきんじわじわ人気にんきあつめている“小屋こや”や“タイニーハウス”。どんなものなの?いくらかかるの?などなど…小屋こやかんする記事きじをまとめました。
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