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東京を”食べられる森”に! 渋谷や新宿などに農園が続々登場している理由「トーキョーアーバンファーミング(Tokyo Urban Farming)」 | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト
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内田うちだ優子ゆうこ
2023ねん11月13にち (月)げつ

東京とうきょうを”べられるもり”に! 渋谷しぶや新宿しんじゅくなどに農園のうえん続々ぞくぞく登場とうじょうしている理由りゆう「トーキョーアーバンファーミング(Tokyo Urban Farming)」

東京を”食べられる森”に! 渋谷や新宿などに農園が続々登場している理由「トーキョーアーバンファーミング(Tokyo Urban Farming)」
画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)
「アーバンファーミング」という言葉ことばをごぞんじでしょうか。一般いっぱんてきには、農地のうちではなく、都市としきスペースを利用りようしておこな都市としがた農業のうぎょうし、SDGsの観点かんてんやコミュニティ創出そうしゅつとして、世界せかいてき注目ちゅうもくされています。ここすうねん東京とうきょう都内とない鑑賞かんしょうようのグリーン(植物しょくぶつ)だけでなく、ビルの屋上おくじょうえき構内こうないなどのちょっとしたスペースでちいさなはたけかけるようになっています。その背景はいけいでは、なにきているのでしょうか?2023ねん5がつ事例じれいをまとめた書籍しょせき発売はつばいされました。「Tokyo Urban Farming」の発起人ほっきにん書籍しょせき監修かんしゅうした近藤こんどうヒデノリさんに、最新さいしん事情じじょうやその魅力みりょくおしえてもらいました。

都市としのうてきらす「Urban Farming Life」とは

武蔵野大学有明キャンパスの屋上菜園(画像提供/Tokyo Urban Farming)

武蔵野むさしの大学だいがく有明ありあけキャンパスの屋上おくじょう菜園さいえん画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

最近さいきん都内とないでは、さまざまな場所ばしょにコミュニティファームができ、 “のうてき体験たいけんができるイベントが開催かいさいされています。えき野菜やさいなえ無料むりょう配布はいふされていたり、渋谷しぶや新宿しんじゅくまちちゅう野菜やさいそだてるちいさなファームをにしたことがあるかもしれません。「Tokyoをべられるもりにしよう!」をテーマにかかげた「Tokyo Urban Farming」は、2021ねん4がつ開設かいせつされたオープンプラットフォームで、アーバンファーミングをもっとたのしく、うつくしく、あたりまえにすることをミッションに、コミュニティファームの設置せっちやイベントの実施じっし情報じょうほう発信はっしんつうじて都市とし再生さいせいがたライフスタイルの普及ふきゅう目指めざしています。

5月に発売はつばいされた新刊しんかん『Urban Farming Life』をむと、ビルの谷間たにま野菜やさい収穫しゅうかくし、れるひとたちの姿すがたが。どもも大人おとなもとってもたのしそう!

新宿駅東口前にあるSinjuku Farmと運営するJR新宿駅の駅員さん(画像提供/Tokyo Urban Farming)

新宿しんじゅくえき東口ひがしぐちまえにあるSinjuku Farmと運営うんえいするJR新宿しんじゅくえき駅員えきいんさん(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

金融の街、茅場町のEdible Kayabaenは、子どもたちの食育の場に(画像提供/Tokyo Urban Farming)

金融きんゆうまち茅場かやばまちのEdible Kayabaenは、どもたちのしょくいくに(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

世田谷区が所有する遊休地を活かしたタマリバタケ(画像提供/Tokyo Urban Farming)

世田谷せたがや所有しょゆうする遊休ゆうきゅうかしたタマリバタケ(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

駅前えきまえはたけがあったり、オフィスビルの屋上おくじょうおおきな農園のうえんができたり、すこまえだったら想像そうぞうもしなかった風景ふうけい東京とうきょうひろがっています。田舎いなかではむかしからたりまえだったことが都会とかいはいってきて、ウェルビーイングにつながるものとして定着ていちゃくはじめているのです」(近藤こんどうさん)

2023年5月に発売された「Urban Farming Life」(画像提供/Tokyo Urban Farming)

2023ねん5がつ発売はつばいされた「Urban Farming Life」(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

東京23区内12の事例とキーパーソン、アーバンファーミングの文化や方法をまとめた1冊(画像提供/Tokyo Urban Farming)

東京とうきょう23区内くない12の事例じれいとキーパーソン、アーバンファーミングの文化ぶんか方法ほうほうをまとめた1さつ画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

『Urban Farming Life』の冒頭ぼうとうでは、アーバンファーミングを、「農家のうかによる野菜やさい生産せいさん販売はんばい目的もくてきとした農業のうぎょうではなく、だれもが自宅じたく市民しみん農園のうえん、コミュニティファームとう仲間なかま野菜やさいそだてたり、べたり、まなんだりできるのうてきライフスタイル」と定義ていぎしています。ものともそだてることをつうじて都会とかいひとひと自然しぜんをつなぐほか、なまごみをコンポストで堆肥たいひにするなどと都市とし再生さいせいする役割やくわりも。アーバンファーミングの社会しゃかいてきメリットとして以下いかげられています。

  • 都市としひとのうてき体験たいけん提供ていきょう
  • 気候きこう危機きき解決かいけつしていくための意識いしき変革へんかく
  • 持続じぞく可能かのうまちづくり(コミュニティ・防災ぼうさい治安ちあん向上こうじょう
  • 地産ちさんけしやフードロス解消かいしょう
アーバンファーミング 6つの役割(画像提供/Tokyo Urban Farming)

アーバンファーミング むっつの役割やくわり画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

住宅街の中にある「たもんじ交流農園」は、地域のコミュニティの場(画像提供/Tokyo Urban Farming)

住宅じゅうたくがいなかにある「たもんじ交流こうりゅう農園のうえん」は、地域ちいきのコミュニティの画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

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ニューヨークやロンドンなど世界せかい都市としがた農園のうえん拡大かくだいちゅう

さまざまなイベントは、近藤こんどうさんみずからプロデュースするだけでなく交渉こうしょう広報こうほう、SNSなどほぼすべてをおこなっています。広告こうこく手掛てがける博報堂はくほうどうが、アーバンファーミングのオープンプラットフォームをみずかげ、イベントを運営うんえいしているのは意外いがいもしますが、きっかけをおしえてください。

博報堂はくほうどうには、創造そうぞうせい研究けんきゅうしているUNIVERSITY of CREATIVITY(以下いかUoC)という機関きかんがあります。ぼくはサステナブル領域りょういきのディレクターをしていますが、UoCががったのは、ちょうどコロナの時期じき地球ちきゅう環境かんきょう社会しゃかい状況じょうきょう都市とし課題かだい調しらべたり、有識者ゆうしきしゃなどとトークセッションをするなかえてきたのが、アーバンファーミングという再生さいせいがたのライフスタイルだったんです」

近藤さんは、自宅を「地域共生のいえ」KYODO HOUSEとしてアーバンファーミングや様々な文化活動を実践している(画像提供/Tokyo Urban Farming)

近藤こんどうさんは、自宅じたくを「地域ちいき共生きょうせいのいえ」KYODO HOUSEとしてアーバンファーミングや様々さまざま文化ぶんか活動かつどう実践じっせんしている(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

コロナやそれにより普及ふきゅうすすんだリモートワークの影響えいきょうで、屋外おくがいにわかし農園のうえん野菜やさいそだてる需要じゅよう世界せかいてきたかまっていました。近藤こんどうさんが感銘かんめいけたのは、ニューヨークにあるブルックリン・グランジという世界せかい最大さいだい屋上おくじょう農園のうえん国際こくさい展示てんじじょうふたつの屋上おくじょうに、サッカーじょうふたはいるくらいのひろさの農場のうじょうひろがっています。

「ブルックリンにんでいたことがあるので、あそこに素敵すてき農園のうえんができたんだ!とおどろきました。もともとドイツにはクラインガルテンという都市としがた農園のうえんがありますし、イギリスのロンドンでも次々つぎつぎ創設そうせつされていました。日本にっぽんでもひろがりつつあったので、これからるんじゃないかと。日本にっぽんではくさてき個別こべつ活動かつどうおおかったので、博報堂はくほうどう企業きぎょう行政ぎょうせいつないでおおきなうねりにできないかなとおもってはじめたのがきっかけです」

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下北沢しもきたざわ駅前えきまえ大手町おおてまちのオフィスビルの屋上おくじょうにも

緑豊かな「のはら」。管理するのは、地元の参加者で構成されたシモキタ園藝部の部員たち(画像提供/Tokyo Urban Farming)

みどりゆたかな「のはら」。管理かんりするのは、地元じもと参加さんかしゃ構成こうせいされたシモキタ園藝えんげい部員ぶいんたち(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

「Urban Farming Life」では、行政ぎょうせい企業きぎょう大学だいがくなどが主体しゅたいとなったモデルケースとなる事例じれいがピックアップされています。たとえば、小田急おだきゅうせん地下ちかともないた敷地しきち活用かつようした広場ひろば「のはら」は、下北沢しもきたざわ駅前えきまえひろがる里山さとやま野原のはらのようなはたけです。レモングラスなどのハーブるいやズッキーニなどの野菜やさい栽培さいばいし、養蜂ようほうおこなっています。千代田ちよだ大手町おおてまちいち丁目ちょうめにある大手町おおてまちビルの屋上おくじょうにも農園のうえんができました。2022ねん5がつ開設かいせつされたThe Edible Park OTEMACHI by growです。きょだいビルの屋上おくじょうにプランターがならび、ビルの就業しゅうぎょうしゃ近隣きんりんひと野菜やさいそだてています。オフィスがいで、ウィークデーにれて自然しぜん体感たいかんできる場所ばしょがあるなんていままではかんがえられなかったことです。

オフィスビルの屋上にコンテナを並べたThe Edible Park OTEMACHI by grow。木製の棚には植物の種や書籍が並ぶ(画像提供/Tokyo Urban Farming)

オフィスビルの屋上おくじょうにコンテナをならべたThe Edible Park OTEMACHI by grow。木製もくせいたなには植物しょくぶつたね書籍しょせきならぶ(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

区民農園の隣にある家族向けシェアハウス「青豆ハウス」。地域の人を招いたお祭りも催される(画像提供/Tokyo Urban Farming)

区民くみん農園のうえんとなりにある家族かぞくけシェアハウス「青豆あおまめハウス」。地域ちいきひとまねいたおまつりももよおされる(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

近藤こんどうさんが監修かんしゅうするさい意識いしきしたのは、いままでバラバラに存在そんざいしていた活動かつどうをまとめることで、アーバンファーミングの役割やくわり価値かち、その魅力みりょくひろつたえることでした。

取材しゅざいすすめるなかで、おなじようなおもいをっているひとえていると実感じっかんしました。たくさんの仲間なかま出会であえてさらにアーバンファーミングの可能かのうせいかんじたし、東京とうきょうだけでなく、都市としとそのライフスタイルを再生さいせいがたえていくバイブルにできればとかんがえてつくりました。集合しゅうごう住宅じゅうたくでのはじかた掲載けいさいしているので興味きょうみったひと真似まねできるネタほんとして使つかってもらえたらうれしいです」

左は、渋谷に4つのコミュニティファームを持つNPOの代表理事小倉崇さん。右は、The Edible Park OTEMACHI by growを運営する三菱地所の担当者。さまざまな人たちがアーバンファーミングで繋がっていく(画像提供/Tokyo Urban Farming)

ひだりは、渋谷しぶやに4つのコミュニティファームをつNPOの代表だいひょう理事りじ小倉おぐらたかしさん。みぎは、The Edible Park OTEMACHI by growを運営うんえいする三菱地所みつびしじしょ担当たんとうしゃ。さまざまなひとたちがアーバンファーミングでつながっていく(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

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都市としひと琴線きんせんれるいきなデザインを

「Tokyo Urban Farming」のプラットフォームや書籍しょせきのデザインは、スタイリッシュで、いままでの牧歌ぼっかてきな“のう”のイメージとはことなる印象いんしょうけます。

「もちろん、牧歌ぼっかてきのうてき表現ひょうげん素敵すてきだし、うつくしいとおもうんですけど、それだと都会とかいひとたちは、距離きょりかんじちゃうかもしれない。ぼくらは、農家のうかではないし、農業のうぎょう専門せんもんでもないから、いかに創造そうぞうせいのうてき文化ぶんかをわくわくさせるものにできるかを意識いしきしています」

「Tokyo Urban Farming」のプラットフォーム(画像提供/Tokyo Urban Farming)

「Tokyo Urban Farming」のプラットフォーム(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

UoCでは単管パイプとLED照明を用いて陽のあたらない屋内空間でも野菜やハーブを栽培できるMicro Farmを実験している(画像提供/Tokyo Urban Farming)

UoCではたんかんパイプとLED照明しょうめいもちいてのあたらない屋内おくない空間くうかんでも野菜やさいやハーブを栽培さいばいできるMicro Farmを実験じっけんしている(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

近藤こんどうさんがキーワードにかかげているのは、「いき」という江戸えど時代じだい美意識びいしきです。

江戸えどひとは、いき野暮やぼかを判断はんだん基準きじゅんにしていたそうです。それを現代げんだい東京とうきょうでアップデートできないかなと。たとえば、ゴミを分別ふんべつしないのは間違まちがっている! とわれるより、ゴミをちゃんとてないのは野暮やぼだよねとわれたほうひびくような。そうした現代げんだいにおけるいき美意識びいしきそだてていけたらなとおもっているんです」

都市とししょくのう未来みらい」をテーマに東京とうきょうえきでフェス「TOKYO ART FARM」を開催かいさい

「Tokyo Urban Farming」は、東京とうきょう地場じばはっする国際こくさい芸術げいじゅつさい東京とうきょうビエンナーレ2023|に「TOKYO ART FARM」という祭典さいてん企画きかく・プロデュースするなどアートシーンにも活動かつどうひろげています。

(画像提供/Tokyo Urban Farming)

画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

不要なスーツケースを活用したMOBILE FARMワークショップも開催(画像提供/Tokyo Urban Farming)

不要ふようなスーツケースを活用かつようしたMOBILE FARMワークショップも開催かいさい画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

「テーマは、都市とししょくのう未来みらい野菜やさいつうじたアートのちから人工じんこうてき東京とうきょうえきを、つながりをえようと。不要ふようなスーツケースを活用かつようしたMOBILE FARMであったり、首都しゅとけん水源すいげんもり間伐かんばつざいで、東京とうきょうえきグランルーフ2Fにながさ22mのLONG TABLEを制作せいさくしたり。11月の3、4にちには、そこで、べられるアート体験たいけんおこないました。現代げんだい美食びしょくのソウダルアさんのイベントで、22mのテーブルにしろかみをブワーッとひいて、そのうえ東京とうきょう野菜やさいからつくったソースや料理りょうりひろがる。東京とうきょうのどなかで、そんな50にん以上いじょうでの特別とくべつしょくのアート体験たいけんを2かい開催かいさいしました」

10月8日には、アーティストの諏訪綾子(food creation主宰)さんなどによるイベントやマルシェ・ワークショップ・トークが夜更けまで行われた(画像提供/Tokyo Urban Farming)

10月8にちには、アーティストの諏訪すわ綾子あやこ(food creation主宰しゅさい)さんなどによるイベントやマルシェ・ワークショップ・トークが夜更よふけまでおこなわれた(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

アーティストの岩切章悟と大丸東京店VMDチームの協働で古着やプラスチックハンガーなどの廃棄物を活用して制作されたKAKASHI ART(画像提供/Tokyo Urban Farming)

アーティストの岩切いわきりあきらさとる大丸だいまる東京とうきょうてんVMDチームのきょうはたらけ古着ふるぎやプラスチックハンガーなどの廃棄はいきぶつ活用かつようして制作せいさくされたKAKASHI ART(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

TODOが廃棄野菜を漉き込んだ和紙によるポップアップ茶室でアートユニット花信風が「再生」をテーマにもてなす「東京野菜茶会」も開催(画像提供/Tokyo Urban Farming)

TODOが廃棄はいき野菜やさいんだ和紙わしによるポップアップ茶室ちゃしつでアートユニット花信かしんふうが「再生さいせい」をテーマにもてなす「東京とうきょう野菜やさい茶会ちゃかい」も開催かいさい画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

アーティストの山本愛子さんがN高生と共に野菜から染めてつくった人と自然の共生社会を象徴する旗(画像提供/Tokyo Urban Farming)

アーティストの山本やまもと愛子あいこさんがNだかせいとも野菜やさいからめてつくったひと自然しぜん共生きょうせい社会しゃかい象徴しょうちょうするはた画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

展覧てんらんかいのフィナーレとなる11月5にちには、15にんのダンサーがテーブルのうえおどりました。野菜やさい扮装ふんそうしたり、キャベツに電極でんきょくをつないで楽器がっきにしたり、えきという移動いどうが、東京とうきょうしょくのう未来みらいかんじる体験たいけんわる特別とくべつになりました」

アーバンファーミングのさきにあるポジティブな未来みらい

近藤こんどうさんは、みずからアーバンファーミングを実践じっせんし、活動かつどうつづけるなかで、「未来みらいをポジティブにとらえられるようになった」といいます。

物価ぶっか上昇じょうしょうや、異常いじょう気象きしょうなどあかるいニュースがあまりないなかで、人生じんせい100ねん時代じだいわれても、先行さきゆきが不安ふあんになりますよね。環境かんきょう問題もんだい身近みぢかかんじて、なにかしたいとおもっても、なにをしたらいいかわからない。そんなひとおおいのではないでしょうか。活動かつどうつうじてたくさんのひといましたが、みな希望きぼうてき未来みらいていました。やれることをやらないで未来みらいのぞんでいくと、人生じんせい後悔こうかいしそうだし、自分じぶんうそつくことになるとおもうんです。なにもしないでいるよりもやれることをやろうと。そういうふうはじめるひとたちが着実ちゃくじつえています。アーバンファーミングにかかわるとマインドがすごくヘルシーで気持きもくなります。環境かんきょうにもいし、いろんな友達ともだちができるし、しあわせへのみちなのかなとおもいます」

活動を通じて消費者から生産者へ(画像提供/Tokyo Urban Farming)

活動かつどうつうじて消費しょうひしゃから生産せいさんしゃへ(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

「The Edible Park OTEMACHI by grow」で開催された「Night Farm」の参加者。DJ HIROの音楽とともに、収穫した野菜を素揚げにして食べたり、ハーブを使ったカクテルが提供された(画像提供/Tokyo Urban Farming)

「The Edible Park OTEMACHI by grow」で開催かいさいされた「Night Farm」の参加さんかしゃ。DJ HIROの音楽おんがくとともに、収穫しゅうかくした野菜やさいもとげにしてべたり、ハーブを使つかったカクテルが提供ていきょうされた(画像がぞう提供ていきょう/Tokyo Urban Farming)

最後さいごに、「Tokyo Urban Farming」の活動かつどうをはじめて2ねんいま近藤こんどうさんがおもう「アーバンファーミング」とは?

自然しぜん農法のうほう川口かわぐち由一ゆいちさんの著書ちょしょなかに、『いのちみちにんみち・わがみち』という言葉ことばがあります。べつのいいかたをすると、環境かんきょう問題もんだい人間にんげん社会しゃかい自分じぶんかたなんですよね。それらがかさなっていくのが、アーバンファーミングだとかんじています。もちろん、さまざまな課題かだい解決かいけつするすべてのこたえがアーバンファーミングにあるかといえば、そんなわけでもないし、そううとぎゃくうそくさいとおもいますが、だれでもはいりやすいし、意識いしきえるきっかけとしては、すごくいいなとおもっています」

2050ねんまでには人類じんるいの80%が都市としむといわれています。大量たいりょうのゴミを排出はいしゅつする消費しょうひがた都市としから循環じゅんかんがた都市とし転換てんかんするためにも、アーバンファーミングのたす役割やくわりおおきいとかんじました。スーパーにならんでいるものをうのではなく、自分じぶんそだてて、収穫しゅうかくし、いただく。いのち根源こんげんともなる体験たいけんは、社会しゃかいてきメリット以上いじょう人生じんせい大切たいせつなものをおしえてくれそうです。

取材しゅざい協力きょうりょく
株式会社かぶしきがいしゃ博報堂はくほうどう
「UNIVERSITY of CREATIVITY」サステナビリティフィールドディレクター
近藤こんどうヒデノリさん
Tokyo Urban Farming
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