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連載れんさい今週こんしゅうじゅうかつトピック
やまくみさん正方形
山本やまもと 久美子くみこ
2024ねん5がつ8にち (水)すい

中古ちゅうこマンションをリノベーションでZEH水準すいじゅんに!買取かいとり再販さいはん物件ぶっけん広告こうこくでははつの「しょうエネ性能せいのうラベル」を表示ひょうじ

中古マンションをリノベーションでZEH水準に!買取再販物件の広告では初の「省エネ性能ラベル」を表示
しょうエネ性能せいのうラベル」発行はっこう表示ひょうじ1ごう案件あんけん東急とうきゅうドエル・アルス千住せんじゅ」(画像がぞう提供ていきょうせき⽔化がく⼯業・リノベる)
2024ねん4がつから、新築しんちく住宅じゅうたくなどを広告こうこくするさいに「しょうエネ性能せいのうラベル」を表示ひょうじする制度せいどがスタートした。新築しんちく住宅じゅうたくおよび事業じぎょうしゃさい販売はんばいなどをするリノベ物件ぶっけんたいして、ラベルの表示ひょうじ努力どりょく義務ぎむとしている。すでに、新築しんちく住宅じゅうたくではSUUMOなどのポータルサイトでも、しょうエネ性能せいのうラベルの表示ひょうじをしている事例じれいえているが、リノベ物件ぶっけんでも表示ひょうじする事例じれい登場とうじょうしている。
今週こんしゅうじゅうかつトピック】
積水化学工業せきすいかがくこうぎょうとリノベるが協業きょうぎょうするすべての ZEH 水準すいじゅんリノベ物件ぶっけんにて「しょうエネ性能せいのうラベル」の表示ひょうじをスタート

2024ねん4がつから努力どりょく義務ぎむとなった「しょうエネ性能せいのうラベル」とは?

しょうエネ性能せいのうラベル」の目的もくてきは、「販売はんばい賃貸ちんたい事業じぎょうしゃ建築けんちくぶつしょうエネ性能せいのう広告こうこくなどに表示ひょうじすることで、消費しょうひしゃ建築けんちくぶつ購入こうにゅう賃借ちんしゃくするさいに、しょうエネ性能せいのう把握はあく比較ひかくができるようにする」ためだ。

たとえば、家電かでん製品せいひんおうとするときに販売はんばいてんくと、パンフレットや店頭てんとう商品しょうひんに、しょうエネ性能せいのうが★のかずなどで表示ひょうじされるラベルが掲示けいじされている。おなじように、新築しんちく住宅じゅうたくやリノベ物件ぶっけん販売はんばいするか賃貸ちんたいするときに、その事業じぎょうしゃしょうエネ性能せいのう表示ひょうじラベルを掲示けいじすることで、住宅じゅうたく検討けんとうしゃしょうエネせい比較ひかくしやすいようになる。

住宅じゅうたくしょうエネ性能せいのう表示ひょうじラベルの特徴とくちょうは、つぎの3つを表示ひょうじして性能せいのうちがいがかるようになっていることだ。
(1)エネルギー消費しょうひ性能せいのうほしかずかる
(2)断熱だんねつ性能せいのう数字すうじかる
(3)目安めやす光熱こうねつ金額きんがくかる (任意にんい項目こうもくなので表示ひょうじされない場合ばあいもある)

このほか、太陽光たいようこう発電はつでんなどの「さいエネ設備せつび有無うむ」と「ZEH水準すいじゅん」、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー)」に該当がいとうするかが表示ひょうじされる。

住宅じゅうたくしょうエネ性能せいのうラベルについては、このサイトの「2024ねん4がつスタートのしん制度せいどは、住宅じゅうたくしょうエネ性能せいのうを★のかず表示ひょうじ不動産ふどうさんポータルサイトでもしょうエネ性能せいのうラベル表示ひょうじ必須ひっすに!?」にくわしく説明せつめいしているので、わせててほしい。

住宅(住戸)の省エネ性能ラベルに記載される内容(国土交通省の資料より)

住宅じゅうたく住戸じゅうこ)のしょうエネ性能せいのうラベルに記載きさいされる内容ないよう国土こくど交通省こうつうしょう資料しりょうより)

また、「しょうエネ性能せいのうラベル」が表示ひょうじされている物件ぶっけんは、わせて「エネルギー消費しょうひ性能せいのう評価ひょうかしょ」が発行はっこうされる。この評価ひょうかしょは、しょうエネ性能せいのうラベルの内容ないようくわしく解説かいせつした書類しょるいだ。

「ZEH水準すいじゅん」と「ZEH」のちがいは?

積水化学工業せきすいかがくこうぎょうとリノベるが協業きょうぎょうするのは、「ZEH 水準すいじゅんリノベ」だ。また、しょうエネ性能せいのうラベルにも、ZEH水準すいじゅんやZEHのチェックらんがある。では、どこがちがうのだろうか?

ZEH(ゼッチ)は、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をりゃくしたかたで、住宅じゅうたく消費しょうひするエネルギーをゼロにしようというものだ。そのためには、(1)住宅じゅうたく骨格こっかくとなる部分ぶぶん断熱だんねつして、エネルギーを極力きょくりょく使つかわないようにし、(2)給湯きゅうとう冷暖房れいだんぼうなどの設備せつびこう効率こうりつして、エネルギーを効率こうりつてき使つかう。ただし、消費しょうひするエネルギーをプラスマイナスゼロにするには、(3)太陽光たいようこう発電はつでん設備せつびなどでエネルギーをつくり、消費しょうひしたエネルギーをおぎな必要ひつようがある。

ところが、太陽光たいようこう発電はつでん設備せつびについては、雪国ゆきぐにでは太陽光たいようこう十分じゅうぶんられなかったり、マンションなどの高層こうそう住宅じゅうたくでは、戸数こすうおおいわりに屋上おくじょう面積めんせきひろくなくて、必要ひつようかず太陽光たいようこう発電はつでん設備せつび設置せっちできないといった制約せいやくける。

「ZEH水準すいじゅん」は、地域ちいき住宅じゅうたく形状けいじょうによって制約せいやくける(3)のさいエネ設備せつび必須ひっすとしない基準きじゅんで、(1)と(2)については、住宅じゅうたく性能せいのう表示ひょうじ制度せいどの「断熱だんねつとう性能せいのう等級とうきゅう5」かつ「いちエネルギー消費しょうひりょう等級とうきゅう6」という基準きじゅんもうけたものだ。

既存きそんのマンションでZEH水準すいじゅんのリノベーションを実現じつげん

このように、政府せいふ住宅じゅうたくしょうエネ加速かそくさせている。2025ねんがつにすべての新築しんちく住宅じゅうたくで、現行げんこうしょうエネ基準きじゅん適合てきごう義務ぎむするとともに、そのしょうエネ基準きじゅんおそくとも2030ねんまでには「ZEH水準すいじゅん」にげようとしている。

一方いっぽうで、既存きそんのマンションのおおくは現行げんこうしょうエネ基準きじゅん水準すいじゅんたしておらず、それをZEH水準すいじゅんにまでげるのはハードルがたかいとおもわれてきた。ところが、いくつかの事業じぎょうしゃが、既存きそんマンションのZEH水準すいじゅんリノベを実現じつげんするようになってきた。

今回こんかい積水化学工業せきすいかがくこうぎょうとリノベるの協業きょうぎょうもそのひとつで、どうやってZEH水準すいじゅんにリノベーションをするかは、とうサイトの「既存きそんのマンションでもZEH水準すいじゅんにリノベが可能かのうに!?くに推進すいしんするしょうエネ性能せいのう「ZEH水準すいじゅん」についてもくわしく解説かいせつ」で紹介しょうかいしている。

両社りょうしゃによるZEH水準すいじゅんリノベのしょうエネ性能せいのうラベルの表示ひょうじだい1ごうが「東急とうきゅうドエル・アルス千住せんじゅ」だ。

「省エネ性能ラベル」の発行・表示1号案件「東急ドエル・アルス千住」 

しょうエネ性能せいのうラベル」の発行はっこう表示ひょうじ1ごう案件あんけん東急とうきゅうドエル・アルス千住せんじゅ」 

不動産ふどうさんポータルサイトでも「しょうエネ性能せいのうラベル」を表示ひょうじ

この制度せいどのスタートにわせて、主要しゅよう不動産ふどうさんポータルサイトでも、しょうエネ性能せいのうラベルの表示ひょうじができるようになっている。今回こんかい物件ぶっけんについても、たとえばSUUMOではつぎのように表示ひょうじされている。

「SUUMO」に表示された、東急ドエル・アルス千住の省エネ性能ラベル(2024年4月25日時点)

「SUUMO」に表示ひょうじされた、東急とうきゅうドエル・アルス千住せんじゅしょうエネ性能せいのうラベル(2024ねん4がつ25にち時点じてん

なお、「ネット・ゼロ・エネルギー」にチェックがついているが、厳密げんみつにいうと「ネット・ゼロ・エネルギー」ではなく、「ZEH Oriented」であると記載きさいされている。

国土こくど交通省こうつうしょうの「建築けんちくぶつしょうエネほうもとづく建築けんちくぶつ販売はんばい賃貸ちんたいしょうエネ性能せいのう表示ひょうじ制度せいど ガイドライン」では、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)について、「ZEH 水準すいじゅん以上いじょうしょうエネ性能せいのうゆうし、さらに再生さいせい可能かのうエネルギーなどの導入どうにゅうにより、年間ねんかんいちエネルギー消費しょうひりょう収支しゅうしをゼロとすることを目指めざした住宅じゅうたくについて、その削減さくげんりょうおうじて、(1)『ZEH』(100%以上いじょう削減さくげん=ネット・ゼロ)、(2)Nearly ZEH(75%以上いじょう100%未満みまん削減さくげん)、(3)ZEH Oriented(再生さいせい可能かのうエネルギー導入どうにゅうなし)」と、定義ていぎされている。

なお、マンションのじゅうとうかんするラベルでは、ZEH-M、Nearly ZEH-M(75%以上いじょう100%未満みまん削減さくげん)、ZEH-M Ready(50%以上いじょう75%未満みまん削減さくげん)、ZEH-M Oriented(再生さいせい可能かのうエネルギー導入どうにゅうなし)の4種類しゅるいになる。

この物件ぶっけんは、(3)ZEH Orientedをたす住宅じゅうたくであり、かつ、自社じしゃによる「自己じこ評価ひょうか」ではなく、「第三者だいさんしゃ評価ひょうか※」を取得しゅとくして、第三者だいさんしゃ評価ひょうか機関きかんからZEH水準すいじゅんよりもたか性能せいのうゆうすることが確認かくにんできた場合ばあいという条件じょうけんたしたことで、「ネット・ゼロ・エネルギー」にチェックがついている。

第三者だいさんしゃ評価ひょうか機関きかんが、しょうエネルギー性能せいのうとくした評価ひょうか表示ひょうじ制度せいどである「BELS(ベルス)」を使つかって評価ひょうかするもの。

一般いっぱんユーザーには、理解りかいむずかしいところなので、販売はんばいしている事業じぎょうしゃ詳細しょうさい確認かくにんしよう。

平成へいせい30ねん(2018ねん)の総務そうむしょう住宅じゅうたく土地とち統計とうけい調査ちょうさ」で、全国ぜんこく住宅じゅうたく総数そうすういえ借家しゃくやふくむ)はやく6241まんとデータがある。その大半たいはん現行げんこうしょうエネ基準きじゅんたしていない一方いっぽう新築しんちく住宅じゅうたくしょうエネ性能せいのうはZEH水準すいじゅんかっている。性能せいのう格差かくさひろがるばかりだが、既存きそん住宅じゅうたくでもZEH水準すいじゅんへの改修かいしゅうすすめば、良質りょうしつ住宅じゅうたくストックになっていく。健康けんこう快適かいてきらしにもつながるものなので、さらなる増加ぞうか期待きたいしたい。

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連載れんさい 今週こんしゅうじゅうかつトピック 住宅じゅうたくジャーナリストがまいの最新さいしんニュースを紹介しょうかい解説かいせつする連載れんさい毎週まいしゅう水曜すいよう更新こうしんの「今週こんしゅうじゅうかつトピック」。
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